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2010年2月

瀬川昌久さんもお元気ですね~。(その2)

瀬川昌久さんがゲストの「PCMジャズ喫茶」レポ-トの続きです。

岩浪さんの選曲でザ・ディーバ・ジャズ・オーケストラ《レッド・ドア》。岩浪さんが今一押しのサックス/クラリネット奏者のアナ・コーエンのテナー・ソロがフィーチャーされている曲です。《レッド・ドア》は寺島さんが好きな曲とのことでしたが、私も好きな曲です。瀬川さんは、コーエンのことを女性ならではのノリと優しさや繊細さがあると言っていました。

アルト・サックスの 吉野ミユキ さんの話も出て、スタンダードのアドリブ・ソロがいいとか、アンサンブル・アレンジがいいなんて話がありました。瀬川さんが吉野さんに依頼して、女性だけのバンド ブルー・エアロノーツ・オーケストラ のためにアレンジを依頼したなんて話もありました。色んなバンドがあるんですね~。

次は「ジャズ批評」誌の「ジャズオーディオ・ディスク大賞インストゥルメンタル部門」で、寺島さんがベスト1にしたアルバムから。ドラム・リーダーのピアノ・トリオ。ジョルジュ・パチンスキー・トリオ『プレザンス』から《La Valse Inconsolable》ブラシの爆ぜ具合、シンバル”チーン”、強靭な弦を意識させるベース、低音系のベース・ソロが音響的ポイント。ピアノの音は普通。典型的な寺島さん好みなピアノ・トリオでした(笑)。

瀬川さんの”おっかけ”の話。たくさんいてキリがないそうです。そんな中のひとり、アルト/クラリネットの勝間由佳子さんの話へ。アルトも吹く方なのですが、クラリネットがモダンで良いとのことでした。やっぱりオリジナルばかりやるそうで、瀬川さんはオリジナルだけではダメだと言っているんだそうです。「新宿ピットイン」の昼の部に出ているそうです。

で、お客さんは12,3人どまりだとか。お客さんを増やすためにもスタンダードをやったほうが良いという話です。岩浪さんは「オリジナルばかりやるのはナルシスト。」なんて言っていました。オリジナルは半数か1/3にすべきだそうです。で、寺島さんは”カバー”という言葉が嫌いだそうで、「ジャズ評論家は”カバー”は使うな。」なんて言ってましたよ(笑)。いつものことながらどうでもよいことに拘る寺島さん(笑)。

人妻Aさんから瀬川さんへ質問。「ヨーロッパのピアノはどうですか?」 瀬川さんは「ジャズ的スピリットは薄い。サロン的に聴く。ジャズ的に聴くともの足りない。」と回答。まあ、そればかりではないとは思いますが、そういう部分があることも確かです。瀬川さんは「ジャズはどこでも流れている。B.G.M.的環境音楽になった。」とも言っていました。

瀬川さんは「キース・ジャレットやマッコイ・タイナーのようにもっとガンガン弾いてほしい。」なんて言い。寺島さんはそういうのは勘弁してほしいということで、日本の女性ピアニストも最近は山中千尋やアキコグレースのようにガンガン弾くのばかりだと言っていました(笑)。またまた出ました!山中千尋。

瀬川さんは「山中さんはスイングジャーナルで良いことを言っている。菊地孔成のことを上手い具合に言っている。」と褒めていました。例の山中さんのエッセイの話題です。寺島さんも「ある部分では頭の良さがある。」と。”ある部分”という条件付きなのは、寺島さんにつっかかるような人付き合いの仕方に対する部分では、頭は良くないという意味のようでした(笑)。

瀬川さんが「山中さんのベニー・グッドマン(『ランニング・ワイルド』)は100点をあげられない。一緒にやっている人が若くてグッドマンの本当の良いところが出ていない。」と言うと、岩浪さんは「山中さんは、『ピアニストはたくさんいるけれど、こんなことしたのは私だけでしょ。』と見せたかったんだよ。」と返します。「山中さんはジャズを凄く勉強していて、そこらの評論家ではかなわない。頭がいいんですよ。」と続けます。

寺島さんは「話を合わせるのが頭の良さ。」と言い、岩浪さんは「ツッパっているところがかわいい。エッセイは評価が半々だけれどそこがいい。」と返します。寺島さんもエッセイについては「文章は整合性はないけれど面白い。」と一応褒めていました。山中さんの話になるといつも盛り上がります(笑)。スイングジャーナル3月号の山中さんのエッセイにも寺島さんが”チラッ”と登場していますよね。このエッセイ、私としてはますます面白くなってきたと思います。1人ボケツッコミが最高です(笑)。

最後の選曲。岩浪さんが人妻Aさんに捧げる曲ということで、マイケル・ブーブレ『クレイジー・ラヴ』から《オール・オブ・ミー》岩浪さんは例によって「ジャズ批評」誌の内外新譜でレビューしたアルバムをかけてます(笑)。聴いた人妻Aさんは「ショーを見てみたい。エンターテイナー。」と感想を言っていました。

男性ボーカルの話へ。男性ボーカルは難しいという話なのですが、そんな中で寺井けん(漢字不明、ご容赦)さんや西村協さんがいい、頑張っているなんて言ってました。岩浪さんからは、TOKU さんのライブでステージから楽屋に帰る時に女性のお客さんがTOKUさんの体にタッチしていたなんて話もありました。女性にかなり人気があるそうです。岩浪さんはTOKUさんはなまっちょろいから嫌いだそうですが(笑)。

小林桂 さんがポニーキャニオンで自分のレーベル(TwinKle Note)を立ち上げて頑張っていることや、ジョージ・ガーシュインやコール・ポーターをやるという路線が決まっていることがいいなんて話がありました。ちなみに小林さんの新譜『ジャスト・シング』のスイングジャーナル評は昨日とりあげた島田奈央子さんが書いています。

最後に、今CDはお店では売れないので、ミュージシャンは自分のライブで売っているという話へ。クラリネットの北村英治さんもCDはライブで手売りしているそうですよ。いや~っ、ジャズのCD販売はますます厳しい状況になっているようです。

ということでレポート終了!
お読み下さった皆様、お疲れ様でした。

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
もとにして書いています。
他にも楽しい番組が盛りだくさん。
放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

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今井美樹『ルトゥール』最高!

今日は暖かいですね~。
気分はもう”春”です。
なんかウキウキします(笑)。

昨日ブックオフで¥250CDを何枚か買いました。
90年くらいのJ-POPは安く売っています。
当時CDをレンタルしてはカセットにダビングして、
カーオーディオで聴いていました。
カセットデッキが壊れてしまい、今はそのカセットが聴けないのです。
なので、時々安い中古CDを買ってきては、当時を懐かしんでいます。

P81_2 これは今日のようなポカポカ陽気の時に聴けば最高!
”春”に聴く定番CDとして、一押しです。

今井美樹『ルトゥール』(1990年、フォーライフ)です。
本当に久しぶりに聴いたのですが、これはイイ!
なんていったって、今井美樹の優しい声にウットリ。

癒し系の歌がなんともいい感じで響きます。
心の中の”イガイガ”が消えていく感じですよ。

そして、私がJ-POPアルバムを紹介する時の常なのですが、
メロディーが素晴らしい!この一言に尽きます。
《カ・ケ・ヒ・キ27》、《雨にキッスの花束を》、《幸せになりたい》など、
私の美メロのツボを押しまくる曲が目白押しでございます。
前半6曲の流れが大好きです。

《雨にキッスの花束を》のサビの転調は最高(笑)。
作曲は”最後に愛は勝つ~”のKAN
ウィキによるとKANは、ビリー・ジョエルの『ニューヨーク52番街』に
衝撃を受けピアノ・ロックに目覚めたとか。
『ニューヨーク52番街』については私もブログに書いています。
青春の1枚。《マイ・ライフ》最高。《ザンジバル》カッコいい。

《幸せになりたい》の”せつね~”メロディーとビートの効いたリズムは神!
この曲を聴くと胸が”キュン”となります(笑)。
都会の景色を写す詩を聴いて”東京”に憧れたな~。
この歌の作詞・作曲は上田知華でした。
上田知華+KARYOBINって、昔ラジオで何度か聴いた記憶がりますが、
確かセンス良かったよな~。

今井美樹さんは私と同じ歳。そして同じAB型です。

いや~っ、参った!

雲さんも《幸せになりたい》が大好きなのだそうです。

いつものことなのですが、怒涛のコメントをいただきました(笑)。

雲さんとはジャズ以外の音楽、好みの曲、ガンダム、戦艦などなど、

色々なものに対して同じような”萌ポイント”を共有しているようです。

で、雲さんも今井美樹について”熱い”ブログを書かれています。

今井美樹の『flow into space live』

私の5倍くらいの熱さが凄い!要チェック!

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「ジャズ批評」と「Something JAZZY」

ジャズ批評2010年3月号No.154が発売されました!
今回も私のブログを載せていただいてます。

特集は、
「ジャズオーディオ・ディスク大賞/ジャズジャケット・ディスク大賞/メロディ大賞」
「マイ・ベスト・ジャズ・アルバム2009」

などです。

私は「ブログ・ウォーキング」の他に「マイ・ベスト・ジャズ・アルバム2009」にも
投稿しています。
私が選んだのは以下の5枚。

上原ひろみ : 『プレイス・トゥ・ビー』
クリス・ポッター・アンダーグラウンド : 『ウルトラハング』
TYFT : 『スメル・ザ・ディファレンス』
ロブ・マズレク : 『サウンド・イズ』
ジョン・ホレンベック : 『エターナル・インタールード』

ニューヨークとシカゴに絞りました。
上原ひろみはテラーク・レーベルなのでよしっ(笑)!
リンク先のとおり、全てブログで取り上げています。
コメントにおふざけフレーズを入れているのは私だけ?
ちょっぴり?かなり?浮いてます(笑)。

高野 雲 さんも「マイ・ベスト・ジャズ・アルバム2009」に書いています。
椎名林檎の『三文オペラ』が入っていますよ。いいんですか?いいんです(笑)。

それにしてもベストに挙げられたアルバムは皆さんバラバラ。
もちろん多少の重複はありますが、それにしても個性豊かです。
ジャズ・ピアニストの川上さとみさんは、5枚中4枚がブルーノートで
残る1枚がスタンリー・タレンタインときたもんだ(笑)!

たっ、大変です!快挙です!
Suzuck さまがジャズオーディオ大賞他の選考委員になってます。

ジャズオーディオ各賞を見ていたら、意外と私の好きなアルバムがちらほらっ?
な~んだ、Suzuckさまが推薦していたのでした(笑)。

ジャズオーディオ・ディスク大賞インストゥルメンタル部門。
ベスト10のアルバムは1枚も持っていませんでした。
エントリー全36枚の中でも2枚しか持っていないとは・・・。
どうやら私はかなり外れたところを聴いているようです(笑)。
当然の如く、ヴォーカル部門は1枚も持っていません。

ブログ・ウォーキングにはマシューシップの 『ヌー・バップ・ライブ』 の記事を
投稿したのですが・・・。
ウェブ・マガジン com-post注目作クロスレビューpick up discでの評判は
今ひとつ芳しくありません(涙)。
ハッハッハッ、でもいいんです。
私が面白いと言ったら面白いのだっ!

高野 雲 さんは、若き”バップ娘”矢野沙織&松本茜とビバップの聴き方。
Suzuck さまは、Vincenzo Daniseの『Immaginando  Un Trio Vol.1』。
について書いています。
いつものお2人らしい記事になっています。

話は変わりまして。

今日スイングジャーナル3月号を買いにいつもの書店「朗月堂」に行きました。
ついでにジャズ本の棚を見たら気になる本があるではありませんか?

P80 「毎日、女子ジャズ。」
「Something JAZZY」

早速手に取ってパラパラとページをめくりました。
女性のライターが書いているんですよ。
珍しいではありませんか!

で、思わず買ってしまいました(笑)。
本当は女子に買ってもらいたい本なのにっ!
オジサンの私が買ってしまっていいんでしょうか?
いいんです(笑)。
で、ここで早速宣伝しているというわけです。

日常のシチュエーションに合わせてアルバムを紹介。
「元気を出したいときに聴く」
「気持ちを落ち着かせたいときに聴く」
「一人の時間に部屋で聴きたい」
という感じです。さて、彼女はどんなアルバムを聴くのでしょう?
気になる方は、買って読んで下さいね。

この辺りの発想は、
高野雲さんと 「奄美のCD屋 サウンズパル」 の高良俊礼さんが書いた。
「初ジャズ!」と被っていますね。

他にも
”テーマ別に聴くJazzy””レーベルの個性で聴くJazzy””「定番」ソングを知る”
など、入口の数も多く作ったそうです。
なんか凄く新鮮!

「女子ジャズ」、イイ響きだと思いませんか(笑)?

う~ん、今日の本は表紙がピンク

tommyさんから重大な情報が!

上記の本の著者、音楽ライターの島田奈央子さんは
元アイドルの島田奈美さんだったのです!

こちらは今の島田奈央子さん。美人だ~っ!

こちらはアイドル当時の島田奈美さん。かわいいっ!

クレアラシルのCMもやっていましたよね~。懐かしい!

いや~っ、ビックリしました。

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瀬川昌久さんもお元気ですね~。(その1)

今回の「PCMジャズ喫茶」のゲストは瀬川昌久さんでした。
ジャズ評論家の大御所です。
ウィキで調べたら瀬川さんは今年で86歳なんですね。
まだまだお元気!

寺島さんは「今日はジャズのお堅い話ではなくて、女の話を引き出す。」と意気込んでいました(笑)。”女”というより”ジャズ・ウーマン”のお話でしたけどね。瀬川さんは毎日くらいのペースでライブに行っているとのこと。凄いですね~。ミュージカルのレビューもやっているそうで、「月刊ミュージカル」誌の編集長なんだとか。ミュージカルにはミュージカル・レビュー(踊り主体)とミュージカル・ストーリー(ストーリーがあるもの)があるとのこと。言われて初めて認識。

岩浪さんが「瀬川さんは一人の女性より、多くの女性が好き。」なんて言うので、どういうことかと思ったら”ショーダンス(ラインダンス)”が好きということでした(笑)。ミュージカル・レビューの中に含まれます。それを聴いた寺島さんは「多くの女性がいると、どこを見るか困ってしまいませんか?私は好みの女性を見ますよ。」と発言。一方の瀬川さんは「マッシブな迫力や協調性を見ます。」と発言。

私は聞いていてお2人の違いに納得。見所を心得て全体を見る瀬川さんに対して、とことん私的好みで見る寺島さん(笑)。上記の発言はお2人の本質を浮き彫りにしていると思いました。

ビッグバンドの話へ。

寺島さんが「今の知性ばかり漂うのはどうですか?」と質問。瀬川さんは「良いバンドは原信夫とシャープス&フラッツや宮間利之とニューハード。」と答えます。寺島さんは「良いバンドはわかりましたが、ダメなバンドはどうですか?」と迫ります(笑)。瀬川さんは「中堅のバンドはいきなりソロ(アドリブ)になっちゃう。リフみたいな簡単なメロディーを繰り返すのではなく、テーマー(きちんとした曲)がほしい。」と答えます。寺島さんは「オリジナルをありがたがってメロディーがない。」といつもの持論を展開(笑)。ビッグバンドを聴く層はビッグバンドをやっている人ばかりで内輪だという話もありました。

で、前回ゲストの守屋純子さんのビッグバンドの話へ。やっぱりきました(笑)。瀬川さんは「曲によって親しめるものもある。テクニックを前面に出すと難しい。《ロッキン・イン・リズム》やセロニアス・モンクの曲をやっているのは良い。」と言います。「モダンジャズの曲は歌えた。」とも言っていました。

「プロになると「オリジナルをやりたい。人と違うことをやりたい。」となるが最初は真似が大事。」なんて話も。流れでウイントン・マルサリスの話へ。「ウイントンも曲によってはいいが、黒人の歴史とかやったものはダメ。」と瀬川さん。「ウイントンについているスタンリー・クラウチが悪い。」とキッパリ。

ここで1曲。高橋達也と東京ユニオン&松本英彦《ハレルヤ・タイム》。高橋達也のサックスの師匠である松本英彦とのテナー・バトルが聴きどころ。1980年、東京ユニオン最盛期のライブから。レコードからCD-Rに落としてきたようなのですが、やけに音量バランスが左寄りなんで気になってしまいました。

日本の4大ビッグバンド、シャープス&フラッツ、ブルーコーツ、ユニオン、ニューハードが活躍していた時代があったという話もありました。瀬川さんから「昔は世間で流行った曲をやったが、今はバンドリーダーが曲を作るので、なかなか良いメロディーがない。」「今人気があるビッグ・ファット・バンド(一昨年結構話題に)はメロディアス。」「大学バンドはテクニックを聴かせるのでテクニック合戦になる。」などの話がありました。

この話を聞いて私は、80年代はバンドのテクニック合戦がフュージョンの場で起こったのですが、今はそれがビッグバンドの場で起こっているのだと、理解しました。結局日本のジャズをやる人達(特に大学生)はテクニックに走ってしまうんだろうと思います。で、音楽性が問題になるわけです。こういう人達のジャズの聴き方って、私達聴くだけのジャズ・ファンとの間にやっぱり乖離がある気がします。

ここで、寺島さんも瀬川さんと一緒に「サムデイ」でライブを聴いたというビッグバンド、ザ・ウインド・ウエイブ 《スペイン》カッコイイ演奏でした。

ここで人妻Aさん登場。

寺島さんは「ビッグバンドを2時間聴くのはかなわない。」なんて言ってましたよ(笑)。瀬川さんは女性のグループもお好きなようで、女性グループのスーパー・ジャズ・ストリングス《テイク・ジ・A・トレイン》をかけます。テクニックも凄いストリングス・カルテットで、男性のピアノとパーカッションが加わっています。ユーモア・センスが良いと言っていました。最近は男性が力を失って、草食系男子はダメになっているなんて話も。

瀬川さんは女性コーラスも大好き。岩浪さん選曲でディニング・シスターズ《ボタンとリボン》。岩浪さんはSP盤を持っているそうですが、かけたのはもちろんCDでした。聴いたあとで寺島さんが「いいですね~。」と。寺島さんはポップスが好きですからね(笑)。

コーラス・グループ繋がりでマンハッタン・トランスファーの話へ。寺島さんはマンハッタン・トランスファーが嫌いなんだそうです。ボーカリーズのように専門的なことをやられると嫌だとか。そうでしょうそうでしょう(笑)。XUXU(しゅしゅ) の話も出ました。寺島さんは結構好きだそうですが、岩浪さんは嫌いだそうです。瀬川さんによると”しゅしゅ語”で歌うんだとか。

人妻Aさんのリクエストの曲。昨年の『JAZZ BAR 2008』に対してAさんが酷評したことから、一時期寺島さんとの関係が険悪になったらしいのですが、(山中千尋さんがSJ誌に書いていましたが、寺島さんは人の事は色々言う割には、自分のことを言われると怒るというパターンそのままです。笑)『JAZZ BAR 2009』はAさんの好きな曲が多くてこれまでで一番良いということで、このアルバムからジョン・ナザレンコ・トリオ《ペイント・イット・ブラック》

これはブラシュワークの爆ぜ方やベースの強度など寺島さん好みのもの。ピアノはありふれた感じでした。瀬川さんから厳しいご意見が!「サロン・ミュージック。”ピン”とこない。ジャズを聴いている気分になれない。カーメン・キャバレロやフランキー・カールの系統。」と。

これ、スイングジャーナル3月号で1位になってますね(笑)。
カーメン・キャバレロね~っ。

私、またまたここで思い出しました。カーメン・キャバレロ!私の父が好きでした。私の父はビリー・ボーン楽団、ポール・モーリア・オーケストラ、サム・テイラー、ニニ・ロッソなどなど、イージーリスニングが好き(クラシックも好きでしたが)なのですが、その中にこの人もいました。小さい頃は私もよく一緒に聴いたので、この手の演奏は好きです。でも成長して、ロックやジャズを聴くようになってからというもの、この手のイージーリスニングはちょっとバカにしていたのも事実。そうか~っ、マイナー・ピアノ・トリオは下手をするとカーメン・キャバレロなんだ~っ。う~ん、ちょっと目から鱗が落ちました(笑)。

とりあえずここまで、続きは後ほど。

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
もとにして書いています。
他にも楽しい番組が盛りだくさん。
放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

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マイナー・ピアノ・トリオに惚れた時期もある。

今日のフィギュアスケート女子シングル・フリープログラム。
浅田真央はキム・ヨナに完敗でしたね。
トリプル・アクセルを2回飛んで頑張ったんだけど、相手が完璧に滑り過ぎ。
今回の負けをバネに4年後のオリンピックではリベンジ!

今日も暖かかったですね。4月並みの気温らしいです。

さて、最近マイナー・ピアノ・トリオをすっかりバカにしている私ですが(笑)、マイナー・ピアノ・トリオに惚れた時期もあります。何度か書いていますが、寺島靖国さんの著書に感化されていた時期です。当時のバイブルは「新しいJAZZを聴け!」「JAZZはこの一曲から聴け!」。あれからもう10年ほど経つんですねー。時の経つのは速いです。

マイナー・ピアノ・トリオの中でもヨーロッパものは当時新鮮に響きました。それまでほとんど聴いたことがなかったので、新し物好きな私としては格好の獲物になったんです(笑)。上記2冊の本に掲載さているアルバムを片っぱしから買っていました。う~ん、今思うとアホなことをやっていました(笑)。でもそういう体験があったからこそ、ジャズ喫茶「いーぐる」で知ったNYダウンタウンのジャズの意味みたいなものがわかった気がします。

では、ヨーロッパ・マイナー・ピアノ・トリオで気に入ったものを紹介しましょう。

P78 トニー・パンチェラ・ベイシック・ジャズ・トリオ『キープ・ディス・イン・マインド』(1998年rec. YVPmusic)です。メンバーは、トニー・パンチェラ(p)、ルカ・バルガレリ(b)、マルチェロ・ディ・レオナルド(ds,per)です。

YVPmusicはドイツのレーベル。寺島ファンならご存知の2枚ジョー・キーネマンの『カム・ビー・オア・カム・バップ』とクラウス・ワーゲンライターの『トリオ・コンプト・Vol.3』があります。この2枚当然のことですが、持っています(笑)。レーベルはドイツですが、このトニー・パンチェラは名前からいってイタリアの人なのでしょうか?

寺島さんの推薦理由がオリジナル曲《キング・リチャード》が好きだから。わかります。寺島さんが好きそうな哀愁漂うワルツ曲なんですよ、これが。私は《グレイスライト》が結構好きです。このトリオ、オーソドックスなスインギーな演奏をしていますが、ピアノのフレーズがヨーロッパなんですよ。なんていうのか独特の哀愁感?日本人の琴線に触れるメロディーだと思います。

ヨーロッパのベーシストだからでしょうか、しっかりしていてプリッとした音です。ドラムが金属的なシンバルと爆ぜるスネアで、結構派手目に叩いてくれます。この辺りの録音バランスが寺島さんが好みというのもよくわかります。以上のような特色は私にも理解できたので、一時期嵌まっていくことになりました。

アルバム名:『TONY PANCELLA BASIC JAZZ TRIO』
メンバー:
Tony Pancella(p)
Luca Bulgarelli(b)
Marcello Di Leonardo(ds, per)

P79 ということで、トニー・パンチェラをもう1枚買うことに。これは吉祥寺ディスクユニオンでポップ(宣伝文)を読んで買いました。『ディファレント・ストーリーズ』(2000年rec. YVPmusic)です。メンバーは、トニー・パンチェラ(p)、ウルフ・ラデリウス(b)、ピエトロ・ロディチェ(ds)、ティノ・トラカンナ(ts,ss)です。面白いのは前半がピアノ・トリオで後半がピアノとサックスのデュオだということ。

曲で言ったら1曲目のパンチェラ作曲《ネバー・ビフォー》が圧倒的に良いと思います。ああっ、こうきちゃったか!つかみはO.K.ってな具合です。2曲目が《オータム・ノクターン》ときて、このバラード演奏が泣かせるんですよ。ベースも弦の音をよく拾っていて、オーディオ・ファンも唸らせると思います。これはこれでやっぱりバカにできない良さがあります。

ベーシストのラデリウス作曲《ア・ソング・フォー・トニー》。トニー・パンチェラに捧げた曲なんでしょうね。これも良い曲です。と、まあこんな具合で美メロ好きにはたまらないアルバムになっているというわけです(笑)。

ピアノ・ソロで弾くパンチェラ作曲《ジャスト・ウェイト・アンド・シー》も良い曲です。バラード演奏がこれまた泣かせます。これは短いイントロ、次は同曲をテナー・サックスとデュオ。ミディアム・テンポにして力強くかつスインギーに演奏します。テナーの音は少々擦れた低音系。小細工をせずに朗々と吹いていくのがマニア魂を揺するわけです。

続く《ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン》はソプラノ・サックスとのデュオ。ソプラノ音がこれまた擦れた低音系。ピロピロと高音でやらないところがミソ。で、力強い吹奏をするんですよ。とことんこの手のファンが喜ぶ仕様になっているわけです(笑)。このアルバムは良いので推薦しておきます。

アルバム名:『DIFFERENT STORIES』
メンバー:
Tony Pancella(p)
Ulf Radelius(b)
Pietro Lodice(ds)
Tino Tracanna(ts, ss)

というわけでこれらの良さはちゃんと分かっているつもりです。
これらを踏まえた上での今はNYダウンタウンということです。

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こちらも強力メンバーです。

昨日に続きまして、こちらも強力メンバーです。

P77 ジョナサン・ハフナー『ライフ・オン・ウェンズデイ』(2008年rec. Cachuma Records)です。メンバーは、ジョナサン・ハフナー(as,cl)、クレイグ・テイボーン(p,wurlitzer,electronics)、ウェイン・クランツ(g)、アイヴィン・オプスヴィーク(b,el-b)、ヨッヘン・ルカート(ds)、ケニー・ウォルスン(ds)です。NYダウンタウンを追いかけている人にはわかる凄いメンバーですよねっ。プロデューサーは現代重要アルト・サックス奏者のデヴィッド・ビニー。

これだけの人が揃ってプッシュするこのアルト・サックス奏者は一体何者?私は初めて聴きました。NYには要注目アルト奏者が目白押しです。デヴィッド・ビニー、ミゲル・セノーン、スティーヴ・リーマン、アンドリュー・ディアンジェロ、ロレン・スティルマン、ルドレシュ・マハンサッパ・・・、スイングジャーナル誌ではほとんど紹介されない人達です(笑)。今や自分で積極的に情報を集めないとジャズの先端からどんどん取り残されていきますよ。「井の中の蛙大海を知らず。」 マイナー・ピアノ・トリオなんか聴いている場合じゃないのです(笑)。

話はこのアルバムに戻って。ハフナーも上記のアルト奏者に連なる人だと思います。音色やフレージングからはスティーヴ・リーマンに一番近いように感じます。もう少し分かりやすい人を例にとるなら、クリス・ポッターのアルト版的かも?結構ファナティックに盛り上がる場面もあります。全曲ハフナー作曲。変拍子を取り入れたちょっとウネウネ系のメロディーやフォーキーな感じはまさに今時のNYダウンタウン。

想像はつくと思いますが、テイボーンのウーリッツァとクランツのギターが凶暴です(笑)。演奏に違和やアクを注入しまくっています。好きな人にはこいつらの音が堪らないんですよねっ。一種の中毒性を持っています。で、これまた凶暴なのがツイン・ドラム、左右に分かれて熱いビートを撒き散らしているんです。オプスヴィークが曲によってアコースティック・ベースとエレクトリック・ベースを持ち替えているところもミソ。

頭の《タイム・タイム》から、クリス・ポッター・アンダーグラウンドとの共通性を感じます。この手のサウンドと思っていただければと思います。《ニュー・メキシコ》は郷愁漂うバラード・ナンバー。ハフナーのアルトに続いて、クランツのギター・ソロとテイボーンのピアノ・ソロが続くのですが、この2人さすがに深いです。

《ウェスタン・ウレン(ザ・バード・コール)》はフリーの演奏。ハフナーの雄叫びを中心にメンバー一丸の暴れっぷりが気持ちイイです。サブ・タイトル「鳥の呼びかけ」って、なんでこんなに荒々しいの??《フォーミガス》は曲構成が凝っていって、エレクトリック・マイルスの旨味を抽出して現代の感覚で調理したような感じが好きです。静かに入って後半は怒涛の盛り上がり、カッコいいです!後半は1分程度のアルト・ソロ2曲、ロック/フォーク系2曲などがあります。

4ビートのバップではなく、アドリブ至上主義でもありませんので、念のため。こういうジャズを輸入するディスクユニオンはエライです。ちなみにこのアルバムはジャズ喫茶「いーぐる」の新譜特集(私は行かなかったので選曲リストでチェック)で益子さんが紹介しています。

この手のジャズがお好きな人は聴いてみて下さいな。

アルバム名:『Life On Wednesday』
メンバー:
Jonathon Haffner(as, cl)
Craig Taborn(wurlitzer, electronics)
Wayne Krantz(g)
Eivind Opsvik(b, el-b)
Jochen Rueckert(ds)
Kenny Wollesen(ds)

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このメンバーはなかなか凄い!

フィギュアスケート女子シングル・ショートプログラム。
真央ちゃん頑張りましたね~。キム・ヨナも良かったね~。
ラストのミキティー、しょうがないかな~。決勝に期待。
明後日のフリーが楽しみです。

今日は夜になってもかなりの暖かさです。
冬もそろそろ終わりを告げ、花粉症の季節へ突入するのであります。

さて、今日紹介するアルバムはメンバーが強力な1枚。

P76_2 フェレンク・ネメス『ナイト・ソングス』(2005年rec. JAZZIT)です。これ、てっきり新譜かと思っていたら・・・。2007年に出たアルバムから3曲を抜いて、レーベルが変わってジャケも変わって再発されたんですね!な~んだ。http://diskunion.net/jazz/ct/list/0/72202053

前に発売した時にチェックしていたのに、吉祥寺ディスクユニオンでアウトレットを見かけた時に買っておけば良かったな~(涙)。

これ、メンバーが錚々たる布陣です。フェレンク・ネメス(ds,per)、マーク・ターナー(ts,ss)、クリス・チーク(ts,ss)、アーロン・パークス(p)、リオーネル・ルエケ(g,voice)、ジョン・パティトゥッチ(b)です。凄いですよね。精鋭揃いです。

私は今回初めてネメスを聴きましたが、リオーネル・ルエケのアルバムなどで叩いているようですね。このアルバムは全曲ネメスの作曲。なかなか良い曲が揃っています。どの曲も単にテーマーをやってからアドリブを回すようなものではなく、しっかり構成されていて、その中に各メンバーのソロが融合しています。まさにコンテンポラリーなジャズです。

ネメスのドラムは、ソロやタメなどの具合からアル・フォスターに近いものを感じます。アル同様シンバル・レガートがなかなか美しいです。フレキシブルな感じで私はこの人のドラムが好きになりました。

フロントの2管、向かって左がマーク・ターナーで右がクリス・チークです。1曲目はチークがソロをとりますが、あとは全てターナーがソロをとります。チークはアンサンブル要員?う~ん、贅沢過ぎます。ターナーの中音域から高音域へと吹き上げるフレーズがカッコいいですよね~。《ヴェラ》《ニュー・ソング》《バラッド・フォー・ザ・スターズ》《ララバイ》ではターナーのソロが満喫できますよ。

アーロン・パークスが最高です。この人のちょっと翳りがある美メロ・センスが随所で発揮され、サウンドの重要な部分を担っています。ソロも素敵です。このセンスがパークスのアルバム『インビジブル・シネマ』へと繋がるのですね~。パークス好きは絶対に聴くべし!《テーマ・トゥ・L.L.》でのターナーのソプラノとパークスのデュオは深く美しい!

ルエケのアコースティック・ギターはアール・クルーに似ていたりします。あっ、私はクルーのギターそのものはなかなか凄いと思っていますので、念のため。クルーに似ているからといって、安易なフュージョンとは思っていません。時々ヴォイスも交えて控えめにサウンドに貢献。《L.L.》(リオーネル・ルエケの略だと思います)ではルエケが全面的にフィーチャーされています。エフェクターをかましたギターがかなりカッコいいです。

このアルバムのダークホース的存在はジョン・パティトゥッチその人。《ヴェラ》への導入曲《イン・トゥ・ヴェラ》でのベース・ソロや、《バラッド・フォー・ザ・スターズ》でフィーチャーされるアルコ・プレイのセンスの良さには参りました。もちろん全曲でガッチリと支えるベースを弾いていて、実力を改めて見直しました。

このアルバム、最初の発売時にはそんなに話題になっていなかったように思います。いいアルバムだったんですね。これだけのメンバーを揃えれば良いのは当然なのですが、ネメスのメンバーを生かす構成力がアルバムの完成度を上げているわけで、この人なかなかやります。

アルバム名:『night songs』
メンバー:
Mark Turner(ts)
Chris Cheek(ts)
Aaron Parks(p)
Lionel Loueke(g, vo)
John Patitucci(b)
Ferenc Nemeth(ds)

下は元のジャケットです。

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洗練されたスピリチュアル・ジャズ。

私が今CD購入の際に参考にしているのは、ディスクユニオンの「NEW RELEAS」。
ここのコメントやメンバーや試聴でチェックしています。
言うまでもありませんが、スイングジャーナル誌は全く参考にしません(笑)。
CDレビューもほとんど読みません。

というわけで、ディスクユニオンの新譜を見て気になった1枚。

P74 アンソニー・ブランカー&アセント『ブレッシングス』(2007年rec. Origin Records)です。メンバーは、スティーヴ・ウィルソン(as)、ラルフ・ボウエン(ts,ss)、クリフォード・アダムスJr.(tb)、ブライアン・キャロット(vib)、ジョニー・キング(p)、ベルデン・ブロック(b)、ウィルビー・フレッチャー(ds)、レナート・トムス(congas)、アンソニー・ブランカー(composer,musical director)です。リーダーのブランカーは、作曲と指揮です。

ディスクユニオンのコメントによると、前作『スピリット・ソング』がジャズ・ジャーナリスト・アソシエーションの年間ジャズトップ10にも選ばれたとか。本作はスピリチュアルなグルーヴ溢れる秀逸なものとのことでした。私的には”スピリチュアルなグルーヴ”という言葉に惹かれました。ジャケットからもイメージは湧きますよね。”黒さ”も漂ってきます。

聴いてみると、確かにスピリチュアルなんですけれどあっさり味でした。”スピリチュアル”という言葉からは、私の場合ファラオ・サンダース辺りの”コテコテ”ムードも感じるのですが、このアルバムはかなりスマートで洗練されています。”黒さ”も控えめ。ちょっとイメージとは違ったのですが、私はこういう雰囲気や熱すぎない温度感も実は結構好きなんです。

スマートな曲とホーン・アンサンブルの淡い色合いとヴァイブのクールな音がこの雰囲気の主要因なのですが、メンバーのプレーが洗練されていることも要因としてあります。決して感情任せでやらないんです。こういうところには現代性を感じますね。

ボウエンのテナーとソプラノのプレーがかなり良いと思います。ボウエンがリーダーの『デディケイテッド』でこの人の良さを再認識したのですが、ここでもマイケル・ブレッカー系のカッコいいテナーを聴かせてくれます。大人し目の落ち着いた曲のせいもあって暴れませんが、落ち着いたそのプレーからは非常にセンスの良さと味わいを感じます。

キャロットのヴァイブもあまり黒くなくゲイリー・バートン系のクールな味わいがいいです。アダムスJr.のじんわりと熱気を帯びたプレーもムード作りに一役買っています。ピアノ・ベース・ドラムの手堅くまとまったリズムもイイ感じですよ。ウィルソンのアルトはちょっと薄味。曲によって、ソロをとる人や順序を上手く変えているところにも注目。

洗練されたスピリチュアル&ほのかに黒いジャズ。
私はこのアルバムがかなり気に入りました。

アルバム名:『bressings』
メンバー:
Steve Wilson(as)
Ralph Bowen(ts, ss)
Clifford Adams Jr.(tb)
Bryan Carrott(vib)
Jonny King(p)
Belden Bullock(b)
Wilby Fletcher(ds)
Renato Thoms(con)
Anthony Branker(composer, musical director)

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ウェスの魅力満載な選曲。楽しく聴きました!

本日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」は「ウェス・モンゴメリー特集」。

番組詳細は 「快楽ジャズ通信」ブログ編 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

「快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

ウェスのプロフィールはディレクター嬢から。

抜群のセンスとノリが多くの人を魅了してやまないウェス。
雲さんが思うウェスとは。
ドライブ感、非常にノリノリな演奏。
『ソー・マッチ・ギター』から《ツイステッド・ブルース》

この演奏は初めて聴きましたが、確かに抜群のノリです。
コンガが入った躍動的なリズムの上で、
スラスラと心地よいフレーズを次々繰り出すウェスは最高!
続くピアノ・ソロもドライブ感を維持します。
とにかく気持ち良い演奏ですね。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

メンバーが面白いです。
意外とノリノリなハンクのピアノ。黒いロン・カーターのベース。
レックス・ハンフリーズのドラム。
ラテンっぽくなくアーシーで土臭いレイ・パレットのコンガも良い。

オクターブ奏法とは?
1オクターブ上の音も一緒に弾く奏法。
効果としてはメロディーの骨格が強くなります。
パウエルも中期以降、右手と左手で同じようなことをやっているそうです。
雲さんがエレピで弾いて説明してくれました。

次はこれぞオクターブ奏法。
味わい深いバラード演奏。
『インクレディブル・ジャズ・ギター』から《ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス》

これも雲さんの言うとおりですね。
これぞオクターブ奏法。
メロディーが良いだけに、
この奏法によってメロディーが強化されると味わいが増しますね。
なるほど。

「これが染みる。」と雲さん。オクターブ奏法の音色を生かす良い演奏。

「こんなウェスのギターをもっと多くの人に聴かせたい。」と、
CTIレーベルのプロデューサーのクリード・テイラーが考えて、
ドン・セベスキーがアレンジしたオーケストラを加えてアルバムを制作。
ママス・アンド・パパスの曲をいなたい感じに弾くのが良いです。
『カリフォルニアの夢』から《カリフォルニア・ドリーミン》

これね~っ。ウェスのコマーシャル路線。
私も一時期はバカにしていました(笑)。今はこれもまた良し。
かなり前、この年代ものはレコードにしようとCDを売っちゃっいました(笑)。
この路線は『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』だけ持っています。

また時代は戻って、リバーサイドと契約した頃のオルガン入りトリオ。
『ザ・ウェス・モンゴメリー・トリオ』から《ジ・エンド・オブ・ラヴ・アフェア》

これ、初めて聴きましたがいいですね~。
ウェスの温かいギターの音色とオルガンのクリーミーな音色がマッチ。
なんとも言えない心地よさです。
長閑に演奏しているところが良いのです。
これは気に入りました。

「ちょっとこじんまりとしたオルガンが良い。アメリカの田舎の小さなクラブで
聴くと良さそうな感じ。」と雲さん。

次はヴァイブラフォンのミルト・ジャクソンとの共演。
ミルトはアクの強い人とも上手く調和してかつミルトらしさも出します。
『バグズ・ミーツ・ウェス』から《ブルー・ロズ》

これはほんとに気持ちの良い演奏です。
私はこのアルバムがかなり好き。
ミルトのヴァイブとウェスのギターがベスト・マッチ。
適度な緩さが抜群の味わいを醸し出しています。

話は変わりまして、ウェスの弦の張り方。
上(高い音)2本はフラット・ワウンド、下(低い音)4本はラウンド・ワウンド
の弦を張っています。
弦の違いによる音色の違いを演奏に生かしているそうです。

雲さんが感じるウェスの2不思議(笑)。
タバコ咥えたままニコニコして弾いているけど煙が目にしみないの?
動きがもの凄く少ないのに音は速い、このギャップが面白い。

最後はウェスの特徴であるギブソンのギターがジャケットになったアルバム。
ドライブしまくりノリまくりの演奏です。
レギュラー・グループではなくジャム・セッション的演奏なのに抜群のまとまり。
非の打ちどころがないアルバムから。
グリフィンの熱いテナー、コブのグルーブするドラム、
チェンバースのベース、ノリノリなケリーのピアノ。
メンバーも最高の熱い演奏です。
『フル・ハウス』からタイトル曲

これは今更説明不要の演奏ですよね。
雲さんが説明したとおりです。

今日はウェスの魅力満載な選曲で楽しかったです。

<アフター・アワーズ編>

ゲストは tommy さん。
tommyさんはウェスからジャスに入門したそうです。
「当時はウェスのイージーリスニングからジャズに入った人が多いはずだけど
カッコつけて言わないんじゃないか?」とtommyさん。
tommyさんはデザイナーなので、CTIのジャケ写を参考にする目的もあったとか。
そこからはオヤジジャズ談義です(笑)。
最後に「イージーリスニングだからと言ってバカにせず楽しんでききましょう!」

了解で~す!ではこれから『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』を聴きます。

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モンクにしては違和感少なめ?

セロニアス・モンクって皆さんはどう思いますか?個性的で私は好きです。
モンクについては「高野 雲の快楽ジャズ通信」で特集していて、上手く説明されていましたので、放送のレポートを読んでいただけると幸いです。
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-202f.html

モンクのリーダー・アルバムは12枚持っていますが、その中で結構好きなのがこれ。

P73 『ファイブ・バイ・モンク・バイ・ファイブ』(1959年rec. RIVERSIDE)です。メンバーは、セロニアス・モンク(p)、サド・ジョーンズ(tp)、チャーリー・ラウズ(ts)、サム・ジョーンズ(b)、アート・テイラー(ds)です。私が持っているのはオリジナル盤。モノラル、青ラージ・ラベル、溝なし。渋谷の「discland JARO」の通販で買いました。

このアルバムはモンクのアルバムの中では有名ではないですよね。私がこのアルバムを知ったのは、後藤雅洋さん著「ジャズ・オブ・パラダイス」に掲載されていたからです。後藤さんは「個性の強さから「聴かず嫌い」されてしまうモンクの入門アルバムとして、意外とこれがいいような気がする。」と記されていますが、このご意見には私も賛成です。

では、私が気に入っている理由はというと、まずはサド・ジョーンズとチャーリー・ラウズという渋いフロント2管だからです。2人はモンクの個性を強調するのではなく、オーソドックスに響くようにソロをとっていて、それがジャズというイメージを濃厚に感じさせるとともにメロディアスなところが良いのです。

そして、終始”ズンズン”と力強く鳴るサム・ジョーンズのベースとテイラーの安定したシンバルの刻みやスネアの控えめな入れ具合が、心地よくしっかりしたグルーヴを生み出しているところも良いです。このリズムがモンクの変なメロディーや和音をあまり耳触りに感じさせない効果につながっているように思います。サドのトランペットとラウズのテナーがマッシブにふてぶてしく鳴っているところも◎。

とにかく色々な面で重厚で安定したサウンドになっているこのアルバム。
モンクの奇抜な個性が濃厚なジャズへと凝集されているところが私は好きです。

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爽快フュージョン・サックス・トリオ!

フィギュアスケート男子シングル、高橋大輔は頑張りましたね~。
4回転に挑戦したところがエライ!男です。
失敗してもいいじゃないですか。
果敢にチャレンジしての堂々の銅メダル。
すがすがしいですね。

さて、今日は私がチェックしているジャズ・ブロガーの間で話題になったアルバム。
すずっく さまが「ききなはれ。」っておっしゃるんで(笑)、早速聴いてみました。

P71 『トリオ・オスティコ』(2009年、Via Veneto Jazz)。メンバーは、ロザリオ・ジュリアーニ(as)、ピッポ・マティーノ(el-b)、ベンジャミン・エノック(ds)です。これは珍しいサックス・トリオです。エレクトリック・ベースが入っていることから予測ができると思いますが、8/16ビートを主体としたフュージョンなんです(笑)。

冒頭ショーターの《フットプリンツ》からいきなり疾走する演奏がカッコイイです。ロザリオ・ジュリアーニが生きの良い”プリプリ”のエビのような音で熱いソロを展開していて爽快です。リズムも快調にとばしていますね。

エノックは「プリズム」というピアノ・トリオのドラマーだった人で、ジュリアーニのサックス・トリオのメンバーとしての付き合いもあります。ただし過去のトリオはベースがアコースティック。エノックのドラムはかなり前ノリで忙しいリズムです。ベースのマティーノは初めて聴きましたが、ジャコ・パストリアスの影響がかなり強いようです。テクニシャン系エレベ奏者ですね。

ジュリアーニのアルバムは『モア・ザン・エヴァー』だけ持っていましたが、これはいきなりのフュージョン・サックス・トリオなのでビックリ!今時の人はこういうフュージョン的要素を持っているということなのでしょうね。”テクニックの快楽”を求めるフュージョンも楽しいですよ。

マティーノはジャコ的な部分がかなりあります。スローな曲でのハーモニクスの使い方とか、4ビートでのベース・ランニングはモロにジャコ(笑)。まあ、スラッピングとかもやるので、ジャコそっくりさんとまでは言いませんがかなり似ています。私的にはこの人のベースは今一。リズムの腰が据わっていないのです。

で、エノックのドラミングも手数、足数が多い割に単調なリズム・パターン。これはこういうフュージョン演奏なので、敢えてそうしているのかもしれません。というのも、4ビートの時やもう少し攻撃的な8/16ビート演奏の時はもっと凝ったこともやっていますから。まあ、この程度のドラミングなら日本のフュージョン・ドラマーにもたくさんいると思います。

というわけで、私的にはリズムにもう少し腰を据えてほしいのですが、逆に言えば軽やかなリズムなわけで、そこが爽快感に繋がっていて良いとも言えます。でも、全体をとおして聴くとやっぱりちょっと聴きやす過ぎるように思います。わがままな私ですね(笑)。まっ、ジュリアーニのアルトは終始快調で、曲も分かりやすいので楽しめることは事実。

エレベのサックス・トリオと言えば、思い出すのがジーン・パーラー、アイアート・モレイラ、スティーブ・グロスマンの「ストーン・アライアンス」。そう言えばグロスマンがジュリアーニをドレフュス・レーベルに推薦したらしいですね。ジュリアーニはグロスマンに影響されたのかも(笑)?

8/16ビートやエレベのジャズを認めない人はこういうのはダメでしょうが、拘らない人は是非聴いてほしい、楽しいフュージョン・サックス・トリオです。

アルバム名:『TRIO OSTIKO』
メンバー:
Rosario Guliani(sax)
Pippo Matino(b)
Benjamin Henocq(ds)

さて、私はこちらのほうが気に入っています。

P72『モア・ザン・エヴァー』(2004年rec. DREYFUSE)。メンバーは、ロザリオ・ジュリアーニ(as,ss)、レミー・ヴィグノロ(b)、ベンジャミン・エノック(ds)、ゲスト:ジャン・ミシェル・ピルク(p)、リシャール・ガリアーノ(accord)です。ドラマーはエノックですが、こちらはガッツのあるアコースティックベースなので、演奏は締りがあるものになっています。

で、ピアノのピルクがいることでもだいぶ違います。この人の瑞々しくも逞しいピアノが入るだけで、演奏に”ピシッ”と1本筋が通るだけでなく、華が加味されていると思うのです。さすがはピルクですね。

アコーディオンのガリアーノも数曲に参加しているのですが、こちらはアコーディオンの哀愁とジュリアーニの艶のあるアルトが上手い具合に溶け合い、情感を盛り上げています。《アイ・リメンバー・アストル》ではタンゴの香が漂う中、ガリアーノ、ピルク、ジュリアーニのソロが熱く燃えます。

他にサックス・トリオでの熱さ+知的な演奏あり、ジュリアーニのアルトとピルクのピアノで抒情的なデュオありと、色々な演奏があるのですが、ジュリアーニ色という意味では筋が通っているとこが私は気に入っています。こちらも是非一聴をオススメします。

P75 ついでに、『トリオ・オスティコ』と『モア・ザン・エヴァー』の間に出た『エニシング・エルス』(2006年rec. DREYFUS)まで購入する羽目に(笑)。ちょっとした”ジュリアーニ祭り”になってしまいました。

こちらはフラビオ・ボルトロ(tp)、ダド・モロニ(p)が参加したクインテットによる演奏で、ストレート・アヘッドで熱い、文句なく楽しいハード・バップになっています。ジュリアーニも絶好調!アップ・テンポではエノックのドラミングも冴えわたっていますよ。これは普通のジャズ・ファン向けかな(笑)?

更に続きがあります。3月には『レニーズ・ペニーズ』というアルバムの発売が控えています。これはタイトルからも分かるとおり、レニー・トリスターノに挑んでいるんだとか。「プリズム」のピアニスト、ピエール・ド・ベスマンが参加したワン・ホーン・カルテット。これも買わねばなるまい!

今、私にはプチ・ジュリアーニ・ブームが来ています(笑)。

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現代の新しいモダン・ジャズの姿?

スノーボード男子ハーフパイプの国母と青野、頑張ったと思います。
でも、まだメダリストとは差がありますね~。
金メダルのショーン・ホワイトは凄過ぎ!異次元です。

ジャズ友 tommy さんから何枚かCDを貸していただきました。
それぞれなかなか良かったのでまずは1枚紹介します。

P70 中村照夫『ユニコーン』(1973年rec. TBM)。メンバーは、中村照夫(b,el-b)、スティーブ・グロスマン(ss,ts)、チャールス・サリバン(tp)、ジョージ・ケイブルス(p,el-p)、ヒューバート・イーヴスⅢ(p,el-p)、ジョン・ミラー(p,el-p)、レニー・ホワイト(ds)、アル・ムザーン(ds)、アルヴァン・バン(per)、ロナルド・ジャクソン(per)、岸田恵二(per)、サンディ・ヒューイット(per)です。曲によってメンバーや構成が変わります。2006年発売のSACDハイブリッド。Amazonでかなり高値が付いています。

1973年と言えば、マイルスの『オン・ザ・コーナー』が録音された翌年です。ウェザー・リポートも影響をもろに受けて、ファンクへと舵を切り『スイート・ナイター』を録音します。そして、ザビヌルの名曲《ブギウギ・ワルツ》が登場するわけです。

この『ユニコーン』も同年代のニューヨークで録音されていますので、当然ファンクを導入しています。メンバーにはマイルス・バンドのグロスマン、リターン・トゥ・フォー・エバーのレニー、ウェザー・リポートのムザーンなど、その筋の人達も入っていますね(笑)。

ライナーノーツはやっぱり岩浪洋三さん。当時この手のジャズを評論する人は、岩浪さんくらいしかいなかったんですから、いかに日本のジャズ評論家が保守的だったか分かるというものです。で、ライナーノーツには表題のように「現代の新しいモダン・ジャズの姿をありのままに示している」と書かれています。今振り返ると、これをモダン・ジャズと言うかどうかは疑問ですが、当時の認識がそうであったことが面白いです。

こんなアルバムを日本人リーダーでTBM(スリー・ブラインド・マイス)が録音していたとは驚きですね。tommyさんに教えていただくまで全くの未知。これ、当時の音が詰まっています。

レコードでいうとA面とB面の頭にファンク色の強い曲《ユニコーン・レディ》《ウマ・ビー・ミー》が入っていて、中村がエレクトリック・ベースを弾いています。両曲ではグロスマンの黒くてカッコいいソプラノが聴けます。後者の曲ではヒューイットのボーカルが大きくフィーチャーされていて、ライナーノーツには「ナウなジャズ&ロック・ナンバーといえる。」と書かれています(笑)。

それ以外の曲はブラック・スピリチュアル・ナンバーになっています。中村はアコーヅティック・ベースを弾いていて、レコードでいうB面の2曲ではサリバンのトランペットが入っています。この辺りのベース選択、メンバーの人選、楽器選びの違いを見ると、分かる人には分かるニュアンスの違いに面白さがあります。

私の好きな曲は、ファンク・ナンバーよりはスピリチュアル・ナンバー。特に《アンダスタンディング》でのイーヴスⅢのナチュラルで深く美しいピアノは素晴らしいものがあります。ミステリアスなヒューイットのボーカルもいい味を出していますよ。

もう1曲は《デリックス・ダンス》。ラテン風味がちょっぴり加味された8ビートの微哀愁漂う良い曲。サリバンのトランペット、グロスマンのテナー、ケイブルスのエレピが熱いソロを展開。カッコいいです。

ブラック・ファンク&スピリチュアル・ジャズ。私は好きです!

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今日は懐かしい「ザ・ナック」と「ヴィレッジ・ピープル」!

「ザ・ナック」「ヴィレッジ・ピープル」を覚えていますか?
私が最初に買ったシングル・レコード(EP/ドーナッツ盤)がこの2枚なんです。
で、この1回のみ、以降シングルは買ったことはありません(笑)。
正確にはナックの『マイ・シャローナ』とヴィレッジ・ピープルの『YMCA』
当時凄く流行って、ラジオではしょっちゅうかかっていました。

しばらく前からこのネタを書こうと思っていたのですが、書きそびれていました。
何で今日このネタかというと、
ザ・ナックのボーカル:ダグ・ファイガーが先日亡くなったと知ったからです。
57歳だそうです。まだ若いのに。合掌。

P68 残念ながら当時買ったシングルは捨ててしまったので、写真はザ・ナックのファースト・アルバム『ゲット・ザ・ナック』です。シングルのジャケットも同じ写真が使われていました。これは数年前に買った中古LP。

一番手前の顔の長い人がダク・ファイガー。この顔と《マイ・シャローナ》は脳裏に深く刻み込まれています。この人を見るとウルフルズのトータス松本と《ガッツだぜ!!》が浮かんできます。どちらも4人組のストレートなロック・バンドにしてボーカルの顔が個性的。かぶってますよね(笑)?

ザ・ナックはビートルズの再来と言われたバンドで当時凄い人気でした。ロゴとかファッションももろにビートルズを意識しています。アルバムのライナーノーツには「ロッキン・オン」の渋谷陽一氏をはじめ色々な人が絶賛コメントを寄せています。当時ちょっとしたブームみたいなものがありました。

ではヒット曲《マイ・シャローナ》をお聴き下さい。

これ、聴いたことがありますよね?
そうです。エド・はるみのネタの曲です(笑)。
当時はカッコイイ曲だと思っていたのに、
今やエド・はるみのイメージが先行して微妙なのです(笑)。
いやっ、やっぱりカッコイイ曲です!

私はセカンド・アルバム『バッド・ザ・リトル・ガールズ・アンダスタンド』はリアル・タイムで買いました。1曲目の《ベイビー・トークス・ダーティ》は曰くつきの曲です。歌詞が卑猥とのことで、アメリカでは放送禁止になったこともあるとか言っていたと思います。途中に入るダグの”ア~ッ、ア~ッ、ア~ッ”を聴けば分かると思います(笑)。
でもカッコイイ曲ですよ。

ねっ、《マイ・シャローナ》に似た曲で、こっちのほうがカッコイイかも?

もう1枚はこちら。

P69 こちらもシングルは捨ててしまたので、アルバム『クルージン』です。こちらもシングルのジャケットには同じ写真が使われていました。数年前に下北沢の「フラッシュ・ディスク・ランチ」で3枚\1,000で買った中古LP。

”ゲイ”を売りにしていた6人組のグループ。ジャケットに写っているのが衣装なのですが、ゲイ受けを狙ったコスプレだそうです。バイクに乗っている人はレイザーラモンHGと同じスタイルですね(笑)。

《YMCA》はディスコソングです。男6人のハモリが怪しげだけどカッコイイ(笑)。このノリが結構好きでした。当時から黒いファンクも好きだった私なのです。この曲は西城秀樹がカバーした《ヤングマン》だというのはご存じのとおり。ゲイのイメージから離れて、やけに健康的になってしまったので、やっぱりイメージが狂いました(笑)。

ザ・ナックのストレートなロックとヴィレッジ・ピープルのディスコ・サウンド。
どちらも好きでした。
当時は自分の中でカッコ良ければ、スタイルなんて気になりませんでした。
まあそれは今でも変わっていません。
なので、ジャズもカッコよければ特にスタイルは気にしません。

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フュージョンもたまにはいいもんです。

私、フュージョンが結構好きです。
「テクニックの快楽」としてのフュージョンねっ。

昨年、新宿ディスクユニオンの屋外ワゴンセールでみつけた1枚。
屋外ワゴンセールは、夏は暑いし冬は寒いし大変なんです。
で、安いからと思って気軽に買うと、今一盤を掴まされてしまいます(笑)。

P67 ジョン・マクラフリン『ライブ・イン・パリ ザ・ハート・オブ・シング』(1998年rec. Verve/UNIVERSAL)です。メンバーは、ジョン・マクラフリン(g)、デニス・チェンバース(ds)、ゲイリー・トーマス(ts,ss)、マシュー・ギャリソン(el-b)、オトマル・ルイーズ(key)、ヴィクター・ウイリアムス(per)です。値段は¥800!

メンバーを見て購入を決定。サックスにゲイリー・トーマスがいます!私、この人がギザギザ音のテナーで8ビートの曲をやっているのが結構好きなのです。ドラムは大好きなデニチェン。エレクトリック・ベースがテクニシャンのマシュー・ギャリソン。実はこの人を初めて聴きました。高野雲さんからこの人のベースは凄いと聴いていたので聴いてみたかったのです。オトマル・ルイーズはブライアン・ブロンバーグ&神保彰「ブロンボ」のキーボーディストですね。

これだけのメンバーですから、「テクニックの快楽」フュージョンとしては第一級品。悪いはずがありません。サウンドは80年代に再結成した「マハビシュヌ・オーケストラ」のサウンドのまんまです。『アドベンチャーズ・イン・ラジオランド』のサウンド、懐かしいです。う~ん、でもこちらのほうがパワー・アップしているぞっ!

ゲイリー・トーマスはやっぱカッコいいです。相変わらずギザギザ音&ウネウネ・フレーズでアドリブをかましてくれます。よっ、漢トーマス!この人がソロをとっている間はM-BASEになっちゃっている時もありますね。デニチェン&ギャリソンは終始ヘヴィーなビートを繰り出してくれます。ギャリソンは噂どおりのテクニシャンでした。

デニチェンのドラム・ソロも長めに入っています。ミディアム・テンポでさりげなく叩いているだけのようなんですけどね~。生み出されるグルーヴが半端じゃないんですよ。ハートに”ズシズシ”来ます。後半テンポ・アップ!やっぱこの人はバカテクじゃー。ク~ゥ、タマランぜよっ!

ルイーズさんは過不足なく任を果たしてくれています。おやっ、低音寄りの音でのシンセ・ソロは上原ひろみに影響を与えているかも?チックみたいなソロやマイルスのところでやっていたアダム・ホルツマンみたいな和音あり、ザビヌルみたいなスペイシー・サウンドあり、この人はなかなか器用ですね~。

ハハハッ!肝心な人を忘れていませんか?そうっ、マクラフリン。まあ今更説明もいらないでしょう。マクラフリンらいしいギターであります。この人はジャズ/フュージョン界では立ち位置をしっかり持っている人ですからね。今更どうこうではなく、自分らしくやっていれば良いのです。

これが¥800なら儲けもんでしょ(笑)。

アルバム名:『Line in Paris The Heart Of Things』
メンバー:
John McLaughlin(g)
Dennis Chambers(ds)
Gary Thomas(ts, ss)
Matthew Garrison(b)
Otmaro Ruiz(key)
Victor Williams(per)

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纐纈さんはマクリーンと同じで個性的です。

今夜の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「ジャッキー・マクリーン特集」
ゲストはアルト・サックス奏者の纐纈雅代(こうけつ まさよ)さん。

番組詳細は 「快楽ジャズ通信」ブログ編 をご覧下さい。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

「快楽ジャズ通信、ポッドキャスト編」 も是非お聴き下さい。

今回の番組収録は見学させていただきました。
その時の模様は 纐纈雅代さんのアルトに背中が”ゾワゾワ”! をご覧下さい。

P1_7 まずジャッキー・マクリーンのプロフィール。
いつものようにディレクター嬢から。

雲さんが「マクリーンのことをどう思いますか?」と質問。
纐纈さんからは
「上手い。パーカーと比較すると劣るけど、かなり上手い。」
「人間としては上手い。」と、
面白い回答が返ってきました。
アルトサックス奏者としてはパーカーは神であり別格。
マクリーンは人間としては上位に位置するということです。

雲さんはこの一言が”ツボ”だったのです。
私もこれは言いえて妙だと思いました。
雲さんと横で見学していた私は爆笑。
纐纈さんには座布団3枚はあげたかったです。

パーカーが人間離れしているのに対してマクリーンは人間臭い。
纐纈さんは「マクリーンは兄ちゃんみたい。」とも言っていました(笑)。

音程がフラットしていることについて。
纐纈さんは「アンサンブルをする時は気になるけれど、
それとは違うところを目指していたんだろう。」と言います。
で、「言いたいことがいっぱいあるぞ、という気がする。」と雲さん。

雲さんが「纐纈さんは演奏中言いたいことがあるんですか。」と質問。
纐纈さんは「自分を自由とか解放したいと思っています。」と回答。
曲のことも考えていないんだとか。
「なんだろう、欲求ですね。なんで生きているのかと似ている質問。」と続けます。
「サックスがあるから吹いている。だから上手くならない(笑)。」なんてことも。
纐纈さんにとってのアルト演奏は、自然発生的な欲求なんでしょうね。

纐纈さんの普段の練習について。
ロング・トーンの練習をやってから倍音の練習をやるとか。
倍音練習は音色が良くなるためにやるそうです。
そして曲の練習は全然しないらしく、曲は本番だけだそうです。
「練習は運動で言えば筋トレみたいなもの?」と雲さん。
「そんな感じです。」と纐纈さん。
練習最後に本番のテンションで曲をフリーに吹くこともあるそうです。

まずは纐纈さんのおすすめで、雲さんとも一致した曲です。
『デーモンズ・ダンス』から《スイート・ラブ・オブ・マイン》

私はこの曲が好きです。
哀愁がありつつ前向きな気持ちになれる曲なんです。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

これを聴いて思い出したのです!
これ、鈴木勲の『ブルー・シティー』に入っている《45丁目(8番街)》と同曲!
このアルバムについてはブログに書いています。
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-c0e6.html
ネットで検索したらウディ・ショーと共作とのこと。
鈴木さんのアルバムにフィーチャーされた纐纈さんがこの曲を選ぶところが、
巡り合わせの妙ではありませんか?
番組収録中に思い出していれば面白かったのに、残念!

この曲調にマクリーンのアルトがベスト・マッチ。快調です。
続くウディ・ショーのトランペットも渋く。
ちょっと変わったピアノ・ソロのコード使いもなかなかいい感じ。
いいな~この曲と演奏。

「こういう旋律にマクリーンのアルトが合う。」
「しんみりした曲に哀感のあるアルトがマッチしている。」と雲さん。

次は雲さんが好きな曲。
デクスターとの共演。熱気がありいかにもジャズ。
雲さんが考えるジャズのイメージはこういう演奏。
『ザ・ミーティング』から《ルー・デラ・アルプ(アルプ通り)》
デンマークのカフェ・モンマルトルでのライブです。

この曲、私も好きな曲です。
雲さんの好きな曲にデクスターの《ラ・クワフール》があるのですが、
タイトルがどちらもフランス語で、曲(コード)の響きも似ている感じ?
で、私もこういう曲調が好きなんです。”ツボ”メロディー(笑)?
マクリーンの途切れ途切れのフレーズがいかにもこの人。
その場その場で言いたいことを音にしています。
対するデクスターの物語のあるフレーズ。これもさすがです。
2人のソロが好対照。
バックではアレックス・リールがドラムでガンガン煽ります。

纐纈さんの感想は「面白い。マクリーンはそのまんま。」でした。
「デクスターは安定していて30秒くらいさきを予測している。」と雲さん。
「ここで笑わせたいというところに話をもっていくような感じ。」
「対するマクリーンは1秒くらい先しか考えていない(笑)。」
「その場その場で言いたいことを吹く。刹那的。」と続けます。
纐纈さんも演奏も刹那的だそうで、先は考えられないそうですよ。

次は鈴木勲『ソリチュード』からタイトル曲
前回ゲストの時は《キャラバン》をかけたのですが、
今回は鈴木さんのベースと纐纈さんのアルトでデュオ。

鈴木さんに見守られつつ纐纈さんがアルトを吹いているように感じます。
鈴木さんのベースはのたうっているのですがどこかやさしい。
お爺さんと孫の共演です(笑)。
私はなかなか味のある演奏だと思います。ほのぼの感も漂っています。
素の纐纈さんがそのまま出た吹き方だと思います。

「改めて聴くと恥ずかしい。頑張った。」
「その時にしか吹けないということで、懐かしい。」と纐纈さん。
この演奏は1回やってみようかということでやったそうで、
纐纈さんはリハーサルのつもりだったのに、
鈴木さんからO.K.が出たんだそうです。
「一発勝負がジャズらしいですよね。」と雲さん。
纐纈さんも頷いていました。

最後は纐纈さんのおすすめ。
『スイング・スワング・スインギン』から
《レッツ・フェイス・ザ・ミュージック・アンド・ダンス》

これはもう正にこれぞマクリーンという名演。
マクリーン節炸裂です。
この勢いとスイング感は最高ですね。
バックでアート・テイラーが煽る煽る。
ウォルター・ビショップJr.のピアノもコロコロ・スインギー。
ハード・バップの良さが凝集されていると思います。

「このアルバムのベストに近い演奏。迷いのないアドリブ。」と雲さん。
ベースのジミー・ギャリソンが意外。

纐纈さんはこの演奏を聴いて、50年代とは違うと思ったそうです。
「マクリーンの初期は上手くて凄くクール。」
「60年代は自分のキャラを売りだそうとするのが伝わる。」
「これはその中間。」と纐纈さん。

雲さんは「50年代は一生懸命。熱にうなされている感じ。」
「晩年になるに従ってマッチョになろうと、太い音を吹きたいのが感じられる。」
「男一発マクリーンを出していこうとするのが感じられる。」と言ってます。

纐纈さんのライブ予定はブログ:纐纈雅代 をご覧下さい。

今回はなかなか味のあるトークが交わされていました。
で、収録現場を見たのでわかるのですが、ディレクター嬢の編集は凄い!
お疲れ様でした。

<アフターアワーズ編>

纐纈さんのアルトと雲さんのベースでデュオ、《レフト・アローン》。

抑揚のダイナミックレンジとかテーマの崩しとか凄くいい感じです。
渋いんですよね~。音だけからは若い女性とは思えません。
アドリブに入るとまた熱いんですよ。後半はフリーキーにもなります。
途中に挟む「ピピピ」がいいアクセントになっていると私は思います。
とにかく”バップ”です。
現場で聴いた音は凄かったのですが、ラジオでは伝えきれませんね。
こればかりはしょうがありません。

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母子愛に溢れた1枚。

ジョン・コルトレーンは誰でも知っていると思いますが、
奥さんのアリス・コルトレーンってどんな方か知っていますか?
私の場合も『ライブ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード・アゲイン』で
ピアノを弾いていることくらいしか知りませんでした。

P66 で、これが出たので興味が湧き、買ってみることにしました。
アリス・コルトレーン『トランスリニア・ライト』(2000,2002,2004年rec. Impulse)。メンバーは、アリス・コルトレーン(p,wurlitzer,org,syn)、ラヴィ・コルトレーン(ts,ss)、オラン・コルトレーン(as)1曲のみ、チャーリー・ヘイデン(b)、ジェームス・ジナス(b)、ジャック・ディジョネット(ds)、ジェフ・”テイン”・ワッツ(ds)、サイ・アナンタム・アシャラム・シンガーズ(vo)1曲のみ、です。プロデュースはラヴィ・コルトレーン。

1曲目《シタ・ラム》(民謡)いきなりインドな曲。ウーリッツァーとオルガンにシンセ、ドラム。パーカッションがからみます。やっぱりこう来たかー、ちょっと引きます(笑)。でも、ご安心下さい。

2曲目《ウォーク・ウィズ・ミー》(民謡)はピアノ・トリオで、アフリカ/インディアなスピリチュアル・ジャズです。途中からはキースのようなフォーク調になるのが意外ですが、これがアフリカン・アメリカンなのでしょうね。アリスのピアノが何とも深く重く慈愛に溢れているのです。母は強く優しいのであります。かなり胸に迫るものがありますよ。

3曲目《トランスリニア・ライト》はバラードです。やっとラヴィのサックスが登場。アリスのピアノとラヴィのソプラノのデュオで始まるのですが、これがまた深く優しいんですよ。ラヴィのソプラノは母への愛を歌い上げていると思います。それを受け取める母も広い。途中からヘイデンの深いベースとディジョネットのスケールの大きいドラムが加わって、心に”ズシズシ”響いてきます。コルトレーンも凄かったけれど、アリスさん、あなたもスケールがデカ過ぎます(笑)。ラヴィさん、こんな凄い父と母を持ったあなたは大変だと思います。

4曲目《ヤガディシュウォー》もバラード、アリスはシンセサイザーを弾いています。これもスケールがデカイ。音使いはザビヌル的な広がりがあるものです。ドボルザークの《家路》を思わせるような曲調で、ラヴィがテナーを朗々と吹きます。映画音楽のような感じもしますね。

5曲目《ザ・ハイム》(民謡)は、アリスがウーリッツァーとオルガンでフォークな曲を弾くところが面白いです。インディア・ミーツ・フォーク。ヘイデン&ディジョネットのスタンダーズでキースに代わってアリスがウーリッツァーを弾く面白さです。ヘイデンのベース・ソロも素晴らしいですね。

7曲目《ブルー・ナイル》、8曲目《クレッセント》はコルトレーン・カルテット。前者はジナスとワッツのコンビ、後者はヘイデンとディジョネットのコンビ。スピリチュアル度はジナス/ワッツ・コンビのほうが上です。ヘイデン/ディジョネット・コンビは意外とバップ、それに合わせてアリスのピアノもモダンになってしまうところが面白いです。ラヴィのサックスはやっぱり現代的というのか?スピリチュアル度は控えめになってしまいます。

という感じで、インド、アフリカ、フォークが混じり合ったスピリチュアル・ジャズが次々と現れては消えていきます。いや~っ、アリス・コルトレーンというジャズ・ウーマン。スケールが大きくて深いです。で、一筋縄でいかない人です。私はこのアルバムを聴いてアリス・コルトレーンに惚れました(笑)。

アリスは2007年(70歳)に惜しくも亡くなりました。このアルバムはアリス最後のリーダー・アルバムになってしまったのです。合掌。

ちなみに、アルト・サックスのオラン・コルトレーンは三男。ラヴィ・コルトレーンは次男なんですね。長男のジョンJr.は1982年に交通事故で亡くなっているそうです。合掌。

このアルバム、第一級のスピリチュアル・ジャズです。
騙されたと思って聴いてみて下さい。感動ものです!

アルバム名:『Translinear Light』
メンバー:
Alice Coltrane(p, wurlitzar, org, syn)
Ravi Coltrane(ts, ss)
Oran Coltrane(as)(6)
Charlie Haden(b)
James Genus(b)
Jack Dejohnette(ds)
Jeff"Tain"Watts(ds)
The Sai Anantam Singeres(vo)(11)

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スイングジャーナルの「ジャズ・ブック」は面白い。

いよいよ冬季オリンピックですね。メダルはいくつとれるのでしょう?

今日はスイングジャーナル誌の別冊「ジャズ・ブック」のお話し。
これは毎年1冊出る、その年を総括した雑誌です。
私は76年から94年まで(85年除く)持っています。
全て古本で購入。
オーディオ・コーナー目当てで買ったものです。
今読むと当時の状況がわかって面白いんです。

P63 「ジャズ・ブック’90」
89年末の発売なので、89年の総括です。
80年代の総括でもあります。

スイングジャーナルの評論家27人にアンケートをとった
「’80s BEST10」という記事があります。
BEST10といっても、新録音BEST5、旧録・初登場BEST5。

新録音BEST5だけここに書きます。
1、ウイントン・マルサリス『スタンダード・タイム』
2、ウイントン・マルサリス『ライブ・アット・ブルース・アレイ』
3、キース・ジャレット・スタンダーズ・スティル・ライブ『枯葉』
4、『ギル・エバンス・アット・スイート・ベイジル~集大成版~』
5、キース・ジャレット・トリオ”スタンダーズ”ライブ『星影のステラ』

ビックリですね。
ウイントン、キースが80年代の主役。まあ、そうなのかもしれません。
ギルのライブは川島重行さんプロデュース。

1967年~1988年のジャズ・ディスク大賞一覧も掲載されています。

こんな記事もありました。

P64覆面座談会
「 ジャス評論家に物申す!!こうあってほしいジャズ評論」

後藤雅洋、ラズウェル細木、大西米寛、寺島靖国。
司会・進行:柳沢てつや

覆面なので、座談会の発言はA、B、C、Dと表記されいます。
でも、私には分かりました。
Bが後藤さんで、Cが寺島さんであることが(笑)。

内容は、最近の事情にも違和感なくあてはまります。
つまり、20年前から同じ状態だったということです。
最近はそれらがさらに悪化しただけにすぎません(笑)。
結局20年前に問題視していたことがあまり変わっていないという事実。
後藤さん、寺島さんの主張は当時から変わらず(笑)。
お2人はかなり奮闘されていらっしゃっているのに・・・。

P65 「日本の敏腕ジャズ・プロデューサー大いに語る」
五野洋、川島重行、木全信、行方均。
司会・進行:中山康樹

五野洋さんは初めて知ったのですが、バンブー・レーベルの
プロデューサーだったんですね。
ゲイリー・トーマスの『バイ・エニー・ミーンズ・ネセサリー』を
プロデュースしています。

後のお3方は、あまりにも有名。
マンハッタン・ジャズ・クインテットの川島さん。
ケニー・ドリュー・トリオ、ヨーロピアン・ジャズ・トリオの木全さん。
ブルーノート(サムシンエルス)の行方さん。

「PCMジャズ喫茶」にこのお3方がゲスト出演した時のレポートを書いてますが、
番組で語っていらっしゃったことも、ここに書いてありました。

この20年でジャズはかなり変わったと思うのですが、ジャズに関わる人達って、
ここに出てきた方々の次が、あまり見えてこないですね~。
今年、2010年を迎え、いよいよ世代交代はあるのでしょうか?

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ウェザー・リポートは凄いバンドだったのだ!

今日は雨降りなので、ゆっくりCDやレコードを聴いていました。
ジョー・ザビヌルとWDRビッグ・バンドとの共演『ブラウン・ストリート』を聴いていたら、急にウェザー・リポートのライブ盤『8:30』を聴きたくなりました。

P62 『8:30』は、スイングジャーナル誌の1979年ジャズディスク大賞:金賞受賞アルバムです。メンバーは、ジョー・ザビヌル(key)、ウェイン・ショーター(ts,ss)、ジャコ・パストリアス(b)、ピーター・アースキン(ds)、他です。誰が何と言おうとウェザー・リポート(以降略してウェザー)最強メンバーです。この時が一番輝いていたのだと、私は思います。ところで、これもライナーノーツは岩浪洋三さんでした(笑)。

かなり久々にこれを聴いたわけですが、聴き始めたら一挙にラストまで、レコード3面を裏返したり取り換えたりして聴いてしまいました。私が持っているのはレコードなので、ライブ録音が1枚目A面、B面、2枚目A面に分散収録されています。2枚目B面のみはスタジオ録音、ライブで総括した上で、今後のウェザー・リポートの方向性を示していると言われました。ここに《ブラウン・ストリート》が収録されていたんですね。忘れていました。

今日スタジオ録音のトラックを聴いてわかったのですが、次作『ナイト・パッセージ』やその次の『ウェザー・リポート』より、ベースとドラムが入れ替わってからのウェザー、つまり『プロセッション』以降のサウンドに生かされていることが分かりました。面白いです。こういう方向性をやるためにはジャコの呪縛を離れる必要があったのではないかと、私は推測します。ただし、メイン・ストリーム回帰の《サイトシーング》は、次作から取り入れられていきます。

さて、ライブの話に戻りますが、この熱気とパワーは凄いですね。最近の中・高年好みのピアノ・トリオやマイナー感にばかり共感する四畳半的ジャズとは次元が違います。最近のジャズがどんどん衰退していくのも頷けます。それが時代だと言えばそうなのでしょうが、ウェザーみたいなジャズが注目をされないと、ジャズのパワーって戻ってこないような気がします。つまり、ジャズの隆盛はもう来ないのではないかと思うのです。

まっ、それはそれでしょうがないとして。このライブ、見せ場は随所にあります。《ブラック・マーケット》でのアースキンのドラムだけを伴奏にしたショターの熱狂的なテナー・ソロ。《ティーン・タウン》でのジャコのうなりを上げるベース。後半メンバー一丸となって突き進むスピードとパワーは、どこまで盛り上げるのかそら恐ろしくなります。演奏後の拍手はそれはそれは盛大です(笑)!

《スラング》はベース・ソロ。ジャコのシーケンサーに記憶させたリズムに合わせての奔放なソロが聴けます。私はこれをどういう風に演奏しているのか、数年前に見たジャコのライブDVDで初めて理解しました。《イン・ア・サイレント・ウェイ》はザビヌルとショーターのデュオ。限りなく美しいです。ウェザーはパワーと美を兼ね備えていたと思います。

《バードランド》はご存じのとおりウェザーのオハコ。シャッフルビートに乗せて、ジャコの鼻歌交じりのウォーキング・ベース、おなじみのメロディーの繰り返しは会場を歓喜の渦に落とし入れます。これまた演奏後の拍手は凄いです。《サンクス・フォー・ザ・メモリー》はテナー・ソロ。このソロを聴くとショーターがいかに豪快なテナー・マンかわかります。こんな音が出せるんですよ。テクニックとかの次元ではない音の説得力。参りました!

ラストは《バディアの楼閣/ブギウギ・ワルツ》。これは、以降ザビヌル生涯のオハコとなるわけです。これを聴いて改めてザビヌルの極めて高度でファンタスティックなキーボード・ワークを再認識しました。ライブでこれだけ完璧にやっているんですから、ザビヌルこそ世界最高のキーボーディストだったことがわかります。大袈裟(笑)!ドラマーのアースキンにも触れておかないと怒られますよねっ。とにかくパワフルなビートを叩きだしていますよ。

笑ってしまうのが効果音。”打ち上げ花火”に”ロケット打ち上げ”に”列車が目の前を通り過ぎる音”。こんな効果音をライブで大々的に取り入れて、それが違和感なくマッチしてしまうジャズ・バンドって、きっと後にも先にもウェザーだけだと思います。

今日聴いてウェザー・リポートの凄さに唖然!最近のジャズ・アルバムにはこれほどのパワーと楽しさはありません。このバンドはエンターテインメントとアートを非常に高次元で実現していたんですね~。久々に聴いてビックリしました。

このアルバム、出来る限り大きい音で聴いて下さい。
デカイ会場の熱気に包み込まれる気分になりますよっ。
”クゥ~、タマラン!”

あっ、そうだ!これを言っておかねば。
以上はジャズを聴き始めた頃からの重度のウェザー・ファンの戯言です(笑)。

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今日はアフロ・アメリカンな1枚。

音楽専門・衛星デジタルラジオ「ミュージックバード」JAZZチャンネルの番組
「MOONKSTYLE」を聴いていると結構気になるものがかかります。
でも最近はNHKの「ブラタモリ」を見ているので、
同時間放送の「MOONKSTYLE」はほとんど聴いていません。

今日紹介するのはだいぶ前に「MOONKSTYLE」でかけたものです。
これが入手に手間取りました。
HMVの通販にも載っているのですが、入手にやたら時間がかります。
なので、発注をためらっていました。
先月ディスクユニオン新宿ジャズ館で別のCDを探していたら、
こいつが出て来たのですかさず購入。
メルマガ読者10%OFFでした。とにかく少しでも安く買いたい(笑)!

P61 ブルーイット・ジャクソン・エルザバー『ザ・コーリング』(2000年rec. Justin Time Records)です。メンバーは、ハミエット・ブルーイット(bs,wooden-fl,contra-alto-cl),D.D.ジャクソン(p,org,bass-syn,key)、カヒル・エルザバー(ds,per,bell,kalimba,vo)です。

これ、フリー・ジャズの棚に入っていました。エルザバーがシカゴAACMの人だからなのでしょうが、内容はフリー・ジャズではありません。エルザバーのアフリカン・リズムにのって、なんともスピリチュアルで歌える楽しいジャズが展開しています。こういうのって聴かないと分からないので、入れる棚をなんとかしてほしいです。”フリー・ジャズ=難解=聴かない”となってしまいますからね。そういう意味では「MOONCSTYLE」のような番組で紹介してくれることはありがたいと思います。

オープニング《オープン・マイ・アイズ》。パーカッション&ドラムによるアフリカンな16ビートにのって、ブルーイットのファンキーなバリトン・サックスで始まります。ジャクソンのオルガンはアーシーなんだけどコテコテ度は控えめで、温泉に浸かっているような塩梅。続いて出てくるのがエルザバーのファンキーなボーカル。ちょっと緩めに歌うのがイイ味出していて、そこにバリトンが軽くからみます。アフリカの大地の匂いと都会の夜の風景の両方が浮かぶようなところが面白いです。これを聴いただけで相当イイ気分になりますよ。

続く《サイ・ワ》はバラード。ブルーイットのバリトンとジャクソンのピアノが甘くスピリチュアルな歌を歌い上げます。曲調やサウンドは意外にもデビッド・サンボーンのようなフュージョンなんですよ。それが都会を感じさせるんですね。でも、この人達の魂はアフロ・スピリチュアルなわけで、それが滲み出てきてしまうところが何ともいい味になるわけです。聴いていると心がおおらかになってきますよ。心はアフリカの大地につながるスケールのデカサなのです。

次の《ホエン・ザ・エレファント・ウォークス》。タイトルの「象」からも分かる通り、こちらはかなりアフリカンな曲。エルザバーのカリンバ(親指ピアノ)や鈴、ブルーイットのウッド・フルートがアフリカの乾いた空気を醸し出し、そこにエルザバーのアフリカン・スキャット?が入ります。目を閉じるとアフリカへトリップできます(笑)。

《ブルース・フォー・ザ・ピープル》は陽気なブギウギ。後半のパーカッション・ソロが快適快適!ジャクソンはこのソロをはさみ、最初はピアノで後はオルガンの弾き分け方、う~ん、ナイスです。《メイク・アップ・アンド・ドリーム》はスピリチュアル・フュージョン(笑)?エレピがアーシー&クールです。スピリチュアルとフュージョンの”フュージョン(融合)”、混ざり合わないような感じもしますが、これが上手い塩梅にフュージョン。この人達のセンスには唸らされるものがあります。

こんな感じで全10曲。
エルザバー5曲、ジャクソン2曲、ブルーイット1曲、コリンズ1曲、3人の共作1曲。
とにかく難解さは微塵もない楽しいアルバムなのです。必聴!

なぜ?このアルバムが凄く気に入ったのか分かりました!
ジャズを聴くようになって数年後によく聴いた
ジョージ・アダムス/ドン・ピューレン『メタモルフォシス』
似ているところがあるからです。
このアルバムについては以前ブログにUP済み↓
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-89ed.html
こういう最初のほうの体験って、結構好みに強く残っています。

アルバム名:『THE CALLING』
メンバー:
Bluiett(bs, wooden fl, contra-al cl)
D.D.Jackson(p, org, bass syn, key)
Kahil El'Zabar(all ds, per, bells, kalimba, vo)

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やっぱりエリック・アレキサンダーはイイよねっ!

2000年くらいでしょうか?
ジャズの近況に疎い自分に気付き、慌てて色々聴きに走った時期がありました。
寺島靖国さんが「新しいJAZZを聴け!」としきりに提唱していた頃です。
その頃買ったCDは新譜で買ったのか中古で買ったのかよく覚えていません。
たくさん買ったので買った時のシチュエーションは記憶にありません。

これ、寺島さん著「聴かずに死ねるか!JAZZこの一曲」に掲載されていたので
買ったんでした(笑)。久しぶりに本を見て気付きました。2010,2,26

その頃買ったものを久々に取り出して聴いてみました。

P60_2 トム・ブリガンディ『アフター・アワーズ』(2002年、Confetti Entertainment)です。サブ・タイトル「アンド・ザ・レイト・ニュー・ヨーク・バンド」。メンバーは、トム・ブリガンディ(b)、エリック・アレキサンダー(ts)、ジョー・マグナレリ(tp)3曲のみ、ディノ・ロシト(p)、ダニー・ドルンペリオ(ds)です。カタカナ表記は目安程度ということでご容赦。

エリックとマグナレリがいることからも分かる通り、現代ハードバップ・アルバムです。ベーシストのリーダー含めピアノとドラムはほとんど知りません。人物調査もめんどくさいのでやりません(笑)。”ザ・レイト・ニューヨーク・バンド”と名乗っていますが、ニューヨークでは当時一緒にライブをやっていたのかもしれませんし、もしくは、アルバム知名度を上げるためにレコーディング用にエリックとマグナレリをフロントに連れてきただけかもしれません。

全8曲中、3曲にマグナレリが参加。他の5曲はエリックのワンホーン・カルテットです。エリック・ファンには嬉しい1枚です。多分ディスクユニオンのポップ(宣伝文句)を見て新譜を買ったのではないかと思いますが、エリック参加を売り文句にしていたのだろうと思います。当時の私は寺島さんに感化されていたので、寺島さん大プッシュのエリック参加のこのアルバムを買ったのだろうと思います。

やっぱりエリアレ(エリック・アレキサンダー)はイイです。エリアレの男気ある堂々とした吹奏は魅力的ですよね。で、フレージングはマイケル・ブレッカー(ジョン・コルトレーン)を消化した上でのスマートさを兼ね備えています。エリアレは、男気ロリンズとスマート・コルトレーンのいいとこ取りだと思うのですよ。そういう意味ではジャズの2大テナーのハイブリッド。非常に現代的です。かつ難しいところがないので分かりやすい。

今の私のアイドルは、クリポタ(クリス・ポッター)やトニー・マラビーに移行してしまいましたが、エリアレは依然として魅力的だと思います。数多いる最近のヨーロッパの”エリアレ系”ハードバップ・テナーにはあまり興味は湧かないんですが、エリアレはやっぱり別格。

リーダーのブリガンディそっちのけで、エリアレの話ばかりになってしまいました(笑)。リーダーのベースもガッツがあって良いですよ。でも何か他から秀でるものはないです。ピアノもドラムも同レベル。なので、余計エリアレの良さが目立つ感じになります。トランペットのマグナレリも「ここがいい」ってのはあまりないですよね。あくまで、演奏にバリエーションを付けるために参加した感は否めません。

最後に選曲が気に入っています。1曲目と2曲目がジョー・ザビヌルの曲なんです。で、2曲目が《ヤング・アンド・ファイン》!私はこの曲が大好きです。モーダルでモダン。ザビヌルの名曲は数あれど、私は上位に位置すると思っています。テーマに続きエリアレのソロが始まったかと思うといきなりベース・ソロにかわり、”アレッ”とずっこけます。その次はピアノ・ソロなんですよ。「エリアレはどうしたんだ!」と叫びたくなります(笑)。満を持してエリアレ登場、徐々に盛り上がって後半は”ブリブリ、ズリズリ”と、溜飲を下げてくれます。《トゥー・ヤング・トゥ・ゴー・ステディ》の堂々たるバラードも最高です。

たまには王道現代ハードバップもいいものです。最近のこの手の作品、2000年初頭に持っていたパワーを失ってしまった感じがするのは気のせいかしら?まっ、最近のこの手の新譜はあまり聴いていないので的外れな印象かも?

アルバム名:『After Hours』
メンバー:
Tom Brigandi(b)
Erick Alexander(ts)
Joe Magnarelli(tp) 1,3,6
Dino Losito(p)
Danny D'lmperio(ds)

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コルトレーンのバラード表現の解説に納得!

昨日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「コルトレーンのバラード特集」

番組の詳細は 「快楽ジャズ通信」ブログ編 を参照願います。
こちらには番組中でかけたCDの購入リンクもあります。

(注)緑字以外は雲さんの番組中トークの要約です。

コルトレーンのバラード表現は多彩。
でも、多くの人がコルトレーンのバラードと言えばこれ。
まず最初は『バラード』から《セイ・イット》

P59 このアルバムはジャズを聴き始めてしばらくして買いましたよ。
私は『至上の愛』のほうが好きでしたけどね(笑)。
なんだかんだ言って、やっぱりこれはこれで良さがあります。
まじめなコルトレーンらしい誠実なバラードだと思うのです。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

はっきり言ってコルトレーンは下手です。
でもB級バラードのほうが染みてきます。
A級はベン・ウェブスター、コールマン・ホーキンス、ソニー・ロリンズなど。
こういう人達がやるバラードはご立派。
そうでなくて、どこかなんか弱さがあるほうが泣けます。
ガトー・バルビエリ、スタンリー・タエンタインなどB級も良いのです。

デビュー・アルバム『ジョン・コルトレーン』から《コートにすみれを》
メロディーを大事にしたアドリブ。メロディーをフェイクしています。
コルトレーンに続く、フワッと出てくるレッド・ガーランドのピアノも聴きどころ。

確かにバラードについてはB級なんでしょうね。
そっけない感じがします。
私はそこにコルトレーンのまじめさを見ます。
コルトレーンは愛をささやくようなバラードはできません(笑)。
どことなく人ごとのように淡々と語ります。
だから「愛してるよ。」と素直に言えない日本人には受けるのかも(笑)?
ガーランドのピアノがロマンティックでいいですね~。

雄弁じゃないから染みるコルトレーンでした。

表現はホーキンスが王道、同じ土俵では勝負できないと考えたコルトレーン。
そこで生きてくるのがモード奏法。
明るくも暗くもない和音の中を縫って行きます。
モード奏法を手に入れたコルトレーンのうっとうしいくらいのバラード。
新時代の斬新なバラードを提示。
『コルトレーンズ・サウンド』から《ボディ・アンド・ソウル》

このアルバムは持っていたのに、この演奏にはあまり記憶がありません(涙)。
ピアノの響きがフレッシュでまさにモード。マッコイです。
なるほど斬新なバラード表現ですね。言われて気付きました。

ピアノのマッコイが弾き出すモーダルな表現により、
コルトレーンのモード奏法が更に際立っています。
明るさ暗さの響きを含んだピアノの中でコルトレーンのモードが生きます。

次はオリジナル曲によって、さらに独自のバラードになっています。
『ジャイアント・ステップス』から《ネイマ》

これはもうコルトレーンの世界。
コルトレーン・バラードとしてオリジナリティーがあります。
やっぱり、ジャズってオリジナリティーが大切。
染みます。モードの良さが出たバラードですよね。

先の《ボディ・アンド・ソウル》は煮たり焼いたりして、
コルトレーン・バラードにしていましたが、
こちらは浮遊感、寂寥感、他のジャズ・マンに出せない味を出しています。

《ネイマ》を発展させて、スパニッシュ・モードを取り入れるとこうなります。
『オーレ』から《アイシャ》

これもコルトレーンの独特なバラードですね。
曲が独特な哀愁を漂わせています。
ドルフィーのアルトも独特な寂寥感を出してますね~。
オリジナル曲で本領発揮のコルトレーン・バラード。なるほどね。

コルトレーンの表現とバックのサウンドとメロディーがよくマッチングしています。
フレディ、ドルフィー、マッコイの御立派なソロの後に、
コルトレーンがフワーっと緩く出てくるのが良いのです。

雲さんは個人的にこういう演奏も良く聴いています。
マッコイのピアノがガンガン来ていたので、次はピアノが抜けたピアノレス・トリオ。
フワーッと素朴に染みてきます。
コルトレーン独特の緩さ、心にスルスルと入って来るところを聴いて下さい。
『ラッシュ・ライフ』から《ライク・サムワン・イン・ラブ》

これ、ほんとに素朴なコルトレーン。
淡々と愛を語るコルトレーンはまじめです(笑)。
染みる演奏だと思いますよ。

コルトレーンのバラード、私はボケーッと聴いてきました(涙)。
今回の雲さんの解説には「なるほど!そういうことか。」と納得しました。
解説していただくとより深く聴くことができると思います。
熱く語っていましたが、最近は鬱陶しさはないと思うのですが・・・。
トークがスマートになったと思うのです。
それとも私が雲さんの熱トークに慣れちゃったから(笑)?

<アフター・アワーズ編>

ジャズ・カフェ 「スコット・ラファロ」 のオーナー tommy さんがゲストです。
沖縄コザのジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」のオープン日。
最初にかけたのがコルトレーンなんだそうです。
tommyさんもコルトレーンが好きです。泣けるところが良いそうですよ。
「コルトレーンはわかるわかると肩を叩いてくれるバラード。」とtommyさん。
上手いこと言いますね!
その後はオーディオ話。
「iPodでジャズは分かるの?雲さん。」とtommyさん。
お2人のジャズ・オーディオ・ライフ雑談でした(笑)。

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「PCMジャズ喫茶」のゲストは守屋純子さん(その2)

昨日の続きです。

ここからは色々なピアニストを聴いて感想を聴くコーナー。
今回はブラインド・フォールド・テストではありません。
私は、山中千尋さんに強要して顰蹙を買ったと思うんですよね、あれは(笑)。
だから廃止?

『ハンプトン・ホーズVol.2』から《ブルース・フォー・ジャック》

守屋さんは「私とは正反対のピアノ。こういうピアノは大好き。でも私にはできない。日本人のノリでは無理。こういう風に弾けるのは時代もあるし人種もある。」との感想でした。寺島さんは「ソロのフレーズは逐一歌える。」と。

岩浪さんが「松本茜はこういうノリ。」と言うと、寺島さんが「彼女はフィニアスでしょ。」なんて言ったことからフィニアス・ニューボーンJr.の話へ。守屋さんが「フィニアスは素晴らしい。」と言うと、「フィニアスのどこがいいんですか?」と寺島さんが質問。守屋さんは「スイングの仕方が独特。圧倒される。」と答えていました。

で、ホーズの話に戻って、寺島さんが「2000年代トリオを聴くと、これはやっぱり古い。」と言うと、「それは最近の複雑に慣れているからで、昔のやつが歌えるのは使える音が少なく、使えるフレーズも少なかったから。」と説明していました。なるほど、簡単に言えば昔は単純なフレーズだったということなのでしょう。

Ehud Asherie(ユード・アシュリー)『スイング・セット』から《シンス・アイ・フィル・フォー・ユー》

「若いのに古い弾き方のこれはどうですか?」という曲。寺島さんが「談笑。緊張感がない。」なんて言うと、守屋さんは「古い感じはしない。左手の使い方が新しい。」と言いつつ、「これは難しいリズム。私にはできない。”なんちゃって”はできるけど。3連かつブルージーは難しい。間を埋めないのを聴いて白けるか楽しむかは人による。」と言ってました。

で、守屋さんがこのアルバムの解説を読んだら、音楽を専門の学校で学んでいないと書いてあったらしく、「バークリー派ではなく、聴いてもそういう感じはしない。」と言うと、この演奏が気に入っていると思われる寺島さんは、バークリー嫌いでもあるので、「やっぱりそうかー。」と喜んでいました(笑)。守屋さんによると、バークリーを出てもバークリーらしい音楽をやっていない人もいるが、目立つ人はバークリーらしい音楽をやっているとのこと。これって結局、バークリーらしい音楽のほうが、もしくはバークリーらしさを良しとする人のほうが売れるってことなのかも?

岩浪さん選曲で、デューク・エリントン・オーケストラ《シングス・エイント・ワット・セイ・ユース・トゥ・ビー》
比較として、守屋純子オーケストラ《ファッシネイティング・リズム》

守屋純子オーケストラ、私はハイセンスでカッコいい演奏だと思いました。

2曲聴いた後。寺島さんが「エリントンのモノクロ・トーンに対して、守屋さんはカラフル、総天然色。エリントンの集中に対して守屋さんの拡散。」と言います。守屋さんは「ガーシュインの曲はビッグ・バンドではオーソドックス。これに自分の特徴を出していく。ビッグ・バンドは豪華感(ゴージャス)が重要。人が多くいることを生かす。多くの人がやらないとこういう音は出ない。」と言います。

ここで寺島さんの問題発言が!「以前、あるところで守屋さんのオーケストラを聴かせて感想を聴いたら、『確かに面白く興味深いが1回でいい。エリントンは何度でも聴きたい。』という感想が返ってきた。方向性は色々あっていいし、いい悪いじゃないが・・・。」と、これを聴いた守屋さん、反論があるような雰囲気だったのですが・・・。放送を聴いていて、場には険悪な空気が流れたのが察せられました。寺島さんたら、もうっ(笑)!

ここで岩浪さんから守屋さんに対するリクエストがあり、場は何とかもちなおしました(笑)。その提案は「第一部はこれまでどおりで良いので、第二部はもっと崩してジャムセッション風にするとか、客席に仕込んでおいたミュージシャンを舞台に上げて演奏させるとか、途中で守屋さんが離れてしまい、その間メンバーに任せるなどがほしい。」というもの。これって、岩浪さんが自著「こだわりJAZZノート」(1993年初版)に良いと書いていたクリフォード・ジョーダン・ビッグ・バンドの雰囲気そのまんまじゃないですか?こちとら、お見通しでっせ(笑)!「守屋さんはユーモラスではなく根がまじめだから。今後の飛躍のために自分を消してみることも必要。」と岩浪さん。なるほど~。

事前飲み会のおり、「守屋さんに”ガツン”と言う。」と言っておきながら、番組最初ではモンク・コンペ作曲賞の曲を褒めた岩浪さん。その時「後でちゃんと言うから。」と言っていましたが、つまり守屋純子オーケストラへの上記提案が岩浪さんが”ガツン”と言いたかったことのようです。

寺島さんから、アマチュアがジャム・セッションに参加して、あまり上手くはないけれど演奏が終わった後、「きもちいいーっ。」って何回か叫んだのを見たという話があり、「ミュージシャンも気持ちがいいものなんですか?」という質問がありました。守屋さんは「楽器で音を出してセッションするのは楽しい。上手い下手ではない。皆で集まって一つの目的を持ってやるのが楽しい。」と答えていました。なるほどそれはあるでしょうね。

キース・ジャレット『サムホエア・ビフォー』から《マイ・バック・ペイジ》

守屋さんの感想は「キースらしくない。フレーズが入り組んでいるのがキースの特徴のはずなのに。」。寺島さんは「未だにキースの良さがわからないが、これを聴いてキースを聴いてみようと思うようになった。キースの良さはなんですか?」と質問。寺島さんはキースもお嫌い(笑)?守屋さんは「独特のフレーズ感。好き嫌いじゃない。スタンダーズはキース、ピーコック、ディジョネットそれぞれの個性が出ている。」なんて答えていました。で、かけた曲については「わかりやすい。普通にいい感じ。」と言ってました。

寺島さんが「守屋さんはポップな曲をやろうとは思わないんですか?」と質問。守屋さんは「ポップな曲を持ってきてやりたいんですけど、今はあらゆる人が知っている曲がないんです。」と答えていました。寺島さんは「あらゆる人が知っていなくてもいいけれど、良いメロディーの曲を探してきてやる努力を今のミュージシャンはしない。」と返していました。いつものセリフです(笑)。

ラストは寺島レーベルの宣伝も兼ねて(笑)。
番組の流れでは一応この曲を守屋さんもやるという流れはありました。
松尾明トリオ『ミート・ミー・イン・パリ』から《ムーンライト・セレナーデ》
このアルバムは2月19日発売予定の新譜です。

聴いた守屋さんの感想は「聴きやすい。耳に”スーッ”と入ってくる。私は刺激が多いのが好きでそういうものをやるが、聴くものは違う。安心して聴ける。」でした。寺島さんが「この曲は何テイクか録って、ピアノの寺村さんが弾くたびにテーマを変えようとしたが、私はテーマは変えてほしくない。」と発言。これも常套句です(笑)。

それに対して守屋さん、「この曲は元々音が伸ばせるクラリネットで演奏する曲だけれど、ピアノで弾く場合は音が伸びないので間がもたない。それにこの演奏はテンポが遅いので間が増えるので、間を埋めたくなる。寺村さんがテーマを変えたくなる気持ちはよくわかる。」ということでした。なるほど、間を嫌う守屋さんならではの意見だと思いましたし、クラリネットの曲をピアノで演奏する難しさを知りました。寺島さんはこういうミュージシャンが側の気持ちを尊重しないで、自分がやりたいようにやります(笑)。そこが良くも悪くも寺島さん!

岩浪さんもこの話を聴きながら、「確かに演奏は間延びしている。」と言ってました。寺島さんは「その間がいいんだよ。」と言い返していました(笑)。守屋さんが「有名な曲は変えていいんですよ。」と言うと、寺島さんは「有名な曲はかえてほしくないんですよ。」とまたまた反論。いつもの言い分ですね(笑)。

今回の放送、興味深い話が色々ありました。
守屋さんは明晰でサバサバした方でしたよ。
間を嫌う喋りは、高野雲さんにも通じるものを感じました(笑)。
「ジャズメン占い」(サイト閉鎖)はきっと「ジョン・コルトレーン」でしょう。

最後に守屋純子さんのホームページを紹介しておきます。ココ!
2/26(金)守屋純子オーケストラ10周年記念コンサートがあります。

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
もとにして書いています。
他にも楽しい番組が盛りだくさん。
放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

ミュージックバードのリスナーが増えないかな~。
書いていてどうも一人芝居のような感じがします。
番組中で寺島さんが「100万リスナー。」とか言ってましたが、自虐ネタです(笑)。

P58_2                      本日の富士山! 

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「PCMジャズ喫茶」のゲストは守屋純子さん(その1)

今日のミュージックバードの「PCMジャズ喫茶」のゲストは守屋純子さんでした。
スイングジャーナル誌2月号で、寺島さんと対談していたので、
そのラジオ番組版が聞けるということで楽しみにしていました。

寺島さんの決まり文句がまたまた飛び出しました。「今日は妙齢な美女がいらしています。」それしか表現方法がないんですか(笑)?
さて、守屋さん。ちょっとせっかちみたいで、前のめりぎみの喋りです(笑)。で、少々ハスキー・ボイス。寺島さんによるとかなり声が大きく、マイクを遠ざけてもマイクにどんどん近づいてくるんだとか?かなりパワフルな方のようです。

守屋さんは早稲田大学とのことで、寺島さんの後輩にあたるとか。早稲田のハイソサエティー・オーケストラに所属していたそうです。守屋さんは高校3年の時にジャズを聴き始め、きっかけはジャズ喫茶「いーぐる」のウエイトレスと知り合って、「今はジャズを聴かなきゃダメだ。」と薦められたからだとか。「いーぐる」に行って、その知り合いからオスカー・ピーターソン、バド・パウエル、キース・ジャレット『フェイシング・ユー』を聴かされたらしいです。その時「ジャズが分からないから面白い。」と思ったそうです。

実は私も、オーディオ的要請からジャズを聴き始めましたが、もう1つ、ポップスやロックなど分かりやすくて聴き飽きつつあったということもあります。ちょっと聴いただけでは分からない(口ずさんだり、メロディーが覚えられない、リズムにのれない)ジャズが面白かったのです。そういう意味で守屋さんの最初のジャズ観には親近感を覚えました。

で、興味深いのは聴かされたジャズ・ピアニスト3人です。個性的にしてある意味ジャズの多用な側面を上手い具合に凝集網羅しているのです。さすがは「いーぐる」のウエイトレスなのでした。こういう空間を通して人から人へジャズ観の伝搬が行われていくことが、実は凄く重要なのではないかと思う、今日この頃の私です(笑)。

守屋さんの話に戻ります。それまでクラシックをやっていた守屋さんは、『ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル』《パリジェンヌ・ソロフェア》を耳コピーして、それが売りでハイソサエティー・オーケストラに入ったんだそうです。でも、当時はこの曲しか演奏できなかったそうですよ。

なぜ、パウエルをコピーしたかというと、キースは何をやっているか分からなかったし、ピーターソンは素晴らしいけれどあれほど指が動かないと思ったそうで、残ったのがパウエルだったからとのこと。上記の曲はピアノ・ソロなので、他の楽器がないぶん音をコピーしやすく、テーマがあって、リズムがあって、全部Cだし、分かりやすかったとも言っていました。

続いて、モンク・コンペで作曲賞を獲得した曲《プレイグラウンド》をかけて、こういう曲が良い/悪いの話へ。新譜『スリー・アンド・フォー』からかけました。ちょっと陰りがあるジャズらしい曲で、これが賞を受賞したのも頷けるものでした。寺島さんがスイングジャーナルで言っていたアルマーニ的な曲という話もありましたよ。この曲の感想を巡って、守屋さん側についた岩浪さんに対して、寺島さんはご不満そうでした(笑)。余談ですが、モンク・コンペの審査委員長はロン・カーターとのことでした。

守屋さんがなぜこれまでピアノ・トリオを録音しなかったかについては、ピアノ・トリオの名盤は多くて、なかなか新しさを出せないのに対して、ビッグ・バンドの名盤はピアノ・トリオに比べれば少ないので、何か新しい価値を付け加えることができると思い、ビッグ・バンドを優先させてきたからとのこと。ビッグ・バンドは編曲諸々が大変なので、若いうちにやっておきたかったというのもあるとも言っていました。

で、6枚目のアルバムなので、そろそろピアニストとしてピアノ・トリオを出しておきたいと思ったそうで、何かいいものは作れなくても良いからということで、見切り発車したんだとか。

いい音楽は、良いところと悪いところがわかるものという話から、守屋さんは「自分の悪いところは、うるさい。弾きすぎてしまうところ。」と言っていました。そして「間をとるほうが難しく。だからカウント・ベイシーやデューク・エリントンは凄いんだ。」と言っていました。ここで岩浪さんから「守屋さんは喋りも間がありませんよね。」と発言があり、「それはその人の性格が演奏にあらわれているからです。」と守屋さんも認めていました。

寺島さんからは「誰とは言いませんが、手数が多いピアニストは、よく喋る人が多いですよね。」なんて話もありました。多分寺島さんは例の方の事を言ってます(笑)。だから訥弁な人はピアノも訥弁だそうです。守屋さんは「たまに、ちょっとしか喋らないけれど絶叫型のサックスがいるが、それは絶叫型が本心なんです。」とも言っていました。なるほど!わかるな~それ。

続いて岩浪さん推薦曲。守屋さんの同アルバムから《ディア・オスカー》。曲をかける前に守屋さんが面白いことを言ってました。「ライブではソロが5コーラスでも良いが、CDは2コーラス。5コーラスやっても良いのは天才だけ。キースのスタンダーズやブラッド・メルドーなら良い。」と。で、曲がかかります。曲後に寺島さんが言っていましたが、私もテーマの最初の部分が《ジョードゥ》に似ていると思いました。スインギーで楽しい曲でした。

ここで、ビッグ・バンド・リーダー女性ピアニストということで、秋吉敏子さんの話へ、守屋さんは全て好きだそうです。で、「私が言うのもさしでがましいが。」とことわったうえで、「秋吉さんはビッグ・バンドをやめてからピアノが上手くなった。」と言っていました。ビッグ・バンドをやっていると色々大変なので、ピアノの練習があまりできないらしいです。そして、もう80歳になる秋吉さんがピアノが上手くなるのは凄いバイタリティーだと感心していました。寺島さんは相も変わらず色気のないピアノとか言ってました(笑)。

この続きは明日UPします。

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
もとにして書いています。
他にも楽しい番組が盛りだくさん。
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のたうつベースとファナティック・アルト!

先月「快楽ジャズ通信」「ジャッキー・マクリーン特集」の収録を見学したました。
ゲストはアルト・サックス奏者の纐纈雅代さん。
纐纈さんの生アルト演奏に接して背中が”ゾワゾワ”したことはブログにUP済。
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-0b7f.html

機会を作って下さった高野雲さんに感謝!

そんな体験をしたからには、纐纈さん参加のアルバムを聴いてみたいと思い、
鈴木勲さんのアルバムを買いました。

P56 『ソリチュード フィーチャリング纐纈雅代』(2008年rec. Sony Music Direct)です。メンバーは、鈴木勲(b,syn)、纐纈雅代(as)、中村恵介(tp)、塩本彰(g)、板垣光弘(p,syn)、小松伸之(ds)、川口弥夏(ds)です。鈴木勲さんはこのアルバム録音時に75歳、何なのでしょうこれは!超お元気です。最近の高齢の方には”お年寄り”という言葉が当てはまりません。

鈴木さんはウッドベースにエレキベースの弦を張っています。ライナーノーツに鈴木さんは、「私はいつも、他とは違った個性的な音色を追求しているのです。」と書いています。ベースの音は大蛇がのたうちウネルが如く。こんなベースは他では聴いたことがありません。暴れっぷりがまたお見事!ということで、上記のとおり75歳が信じられないのです。

こんなパワフルで個性的なベーシストにフィーチャーされちゃった纐纈さんも凄いではありませんか?纐纈さん、実に堂々と渡りあっています。纐纈さんのアルトにはもう一言しか思いつきません。”ファナティック(熱狂的な、狂信的な)・アルト”!アルバム冒頭の曲《キャラバン》でドラム・ソロのイントロに続いて登場するアルトの”ビヒャー”を聴けば、納得してもらえると思います。

この曲の収録時、初めのソロが終わったところで纐纈さんは倒れたんだとか。そしてドラムソロの間に復活したらしいです。もちろんワンテイク録音。渾身のブローなのでした。

”ファナティック”という言い方は、ジャズ喫茶「いーぐる」のマスター後藤雅洋さんが自著で、ジャッキー・マクリーンのアルトに対してよく使われるのですが、私は纐纈さんのアルトにもその称号を与えたいのです。そういう意味では「ジャッキー・マクリーン特集」のゲストとして、纐纈さんは正にピッタリなのでした。

こんなやんちゃなアルトを吹くのが若い女性だというのは、今時の”肉食系女子”を表しているんじゃないでしょうか?でも、普段の纐纈さんはためらいがちな喋りなのですよ。

2曲目《ソリチュード》は、バラードでベースとアルトのデュオ。鈴木さんののたうつベースに優しく包まれながら、纐纈さんが素直に自分を出していると思います。纐纈さん、これぞバップな堂々の吹奏です。番組収録時に聞いたのですが(雲さん、番組ネタばらしご容赦)、ちょっとリハーサルのような感じで演奏したら、それが本テイクになってしまったらしいのです。いや~っ、実にジャズではありませんか。

このアルバム。とにかく楽しいアルバムなのです。これって、鈴木さんのおもちゃ箱なんじゃないかと思います。上記のように、サックス・トリオあり、サックスとのデュオあり、セクステットでのファンクあり、ギターとのデュオあり、ベース・ソロありとフォーマットも色々で、スタンダード曲のアレンジも斬新。シンセを入れたり、アルトを多重録音したりと、ジャズの伝統にあぐらをかくようなところは微塵もありません。アグレッシブに挑んでいます。

《マイ・フェイバリット・シングス》のリズムやテンポを様々に変えるアレンジも面白いですよ。纐纈さんのアルト・ソロも痛快!ギターとのデュオ《ラウンド・ミッドナイト》は、名演だと思います。カッコいい!鈴木さんのオリジナル《バンブー・ダンス》は、4ビート/8ビート、スロー/ミディアム/アップ・テンポを目まぐるしく行き来し、その上でトランペット、アルト、ピアノがクール/ホットなソロを展開するカッコいい曲。ラスト《やさしく歌って》は、自分で弾いたバックグラウンド・シンセとのオーバー・ダビングでベース・ソロ。スケールがデカイ!

鈴木勲さん、とんでもない77歳(今年)のベース弾きです(笑)。
そして、纐纈雅代さんにはこのまま突き進んでほしいと思いました。
雲さんがこのアルバムは面白いとおっしゃっていましたが、納得!

P57 鈴木勲さんと言えば、昔のアルバムでは『ブルー・シティ』(1974年rec、TBM)が好きです。メンバーは、鈴木勲(cello,b)、菅野邦彦(p)、渡辺香津美(g)、井野信義(b)、小原哲次郎(ds)です。鈴木さんのアルバムは、他に『ブローアップ』(スイングジャーナル誌日本ジャズ賞)と『タッチ』『黒いオルフェ』も持っています。

これはレコードも持っていますが、写真のXrcdも持っています。ビクターで開発した高音質CD。今となっては貴重なプレミアもの?CDなのです。レコードとCDで音質比較して、CDの音に近いカートリッジやイコライザー(真空管自作)の組み合わせはどれか試したこともあります。

鈴木さん、こちらではチェロでソロを弾いています。若き日の渡辺香津美のブルージーなギター、菅野邦彦の繊細で美しいピアノも良いです。でも2人とも本場とはちょっと違う日本的なノリや音が当時の日本ジャズを感じさせます。私は鈴木さんのオリジナル曲《45丁目(8番街)》が特にお気に入りです。

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ボヤンZの音楽性に惚れています。

ボヤンZってご存知ですか?
正確に言うとボヤン・ズルフィカルパシチ。
下を噛みそうな名前なので略してボヤンZ。
セルビア出身のジャズ・ピアニストで今はフランス在住。

この人を知ったのは、後藤雅洋さん著「ジャズ選曲指南」に、ピアノ・ソロ・アルバム『ソロブセッション』が掲載されていたからです。ボヤンZは、フランスのベーシスト、アンリ・テキシェに見出されたそうです。この本を買った頃の私はこの方面のジャズには全く疎かったのですが、その後色々聴くうちに結構お気に入りとなりました。

ジャズ喫茶「いーぐる」の掲示板でボヤンZの来日を知り、六本木スイートベイジルにライブを見に行きました。1stステージがボヤンZのソロで、2ndステージがジュリアン・ルロ・グループに参加(エレピ)。ピアノを剛腕で弾き倒していましたよ。ライブ後のサイン会では、握手してサインをもらいました(笑)。前腕の太さが私の上腕と同じくらいの太さ、まるでプロレスラーのようだったので、ビックリ。

P55 今日紹介するのは昨年出たアルバムで、ボヤンZ/テトラバンド『HUMUS』(2008年rec. Universal Music France)です。メンバーは、ボヤンZ(p,rhodes,xenophone)、ジョシュ・ローズマン(tb)、セバスチャン・ロックフォード(ds)、ラス・ゴラー(el-b)です。4人編成なのでテトラバンド。

コンテンポラリー・バップ・アルバムです。ボヤンZはバルカン半島出身ということで、バルカン音楽に由来するエスニック風味の曲もあります。ジョシュ・ローズマンとセバスチャン・ロックフォード作の曲が各1曲、他の7曲はボヤンZが作曲しています。グゼノフォンという楽器はボヤンZ専用に調整したフェンダー・エレクトリック・ピアノのようで、前作から使用しています。

このバンドのポイントは、ピアノとローズを巧みに使い分けるボヤンZの勢いのある演奏と、ローズマンの熱いトロンボーンにあります。エレクトリック・ベースとドラムが作り出す程よくタイトなファンク系ビートに乗って、繰り出されるホットでパワーのあるピアノ/ロースとトロンボーンが気持ち良いです。

曲によっては歪んだローズとバリバリ吹くトロンボーンが不良性/猥雑性を感じさせて、こういうサウンドが好きな私には非常に楽しいものがあります。ジャム・バンドを聴く人にはこういうテイストの良さは分かっていただけることでしょう。とは言っても決して粗いだけではなく、考えられた曲の構成やニュアンスを意識したサウンドからは緻密な計算も見え隠れします。

最近の私は型に嵌まったお行儀の良いジャズには余り魅力を感じないので、こういうテイストのあるジャズを聴く傾向にあります。ボヤンZのジャズは、バルカン音楽、ロック、クラシックなど色々な要素とのハイブリッドで、非常に現代的でカッコいいジャズだと、私は思います。そしてボヤンZでなければできない音楽をやているところに惚れています。

ボヤンZは今回のアルバムで7作目ですが、私は他に『コレニ』『ソロブセッション』(前述)、『トランスパシフィック』(サインをもらった)、『ゼノフォニア』も持っています。つまり『コレニ』以降全部買っていることになりますね。ボヤンZに出会うきっかけとなった「ジャズ選曲指南」には感謝なのであります。

アルバム名:『HUMUS』
メンバー:
Bojan Zulfikarpasic(p, rhodes, xenophone)
Josh Roseman(tb)
Sebastian Rochford(ds)
Ruth Goller(b)

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フルーティストMIYAさんとの「快楽ジャズ通信」公開録音

ジャズ・フルーティストMIYAさんをゲストに招いた「高野 雲の快楽ジャズ通信」
公開録音の模様がポッドキャストにUPされました。
コチラ
http://www.musicbird.jp/podcast/kairaku_jazz.xml

公開収録を見に行った時の記事はコチラ
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-b3aa.html

P53_4 

公開録音にて、フルートについて説明するMIYAさん。

P54_2 こちらは昨年発売されたMIYAさんの新譜『オリエンタル・サン』(2009年rec. T&Kエンターテインメント)です。メンバーは、MIYA(fl,afl)、スガダイロー(p)、渥美幸裕(eg,g)です。フルート・ソロ2曲、ピアノとのデュオ3曲、ギターとのデュオ3曲、トリオでの演奏2曲の計10曲が収録されています。

1曲目《椰子の実》はピアノとのデュオ、スガさんはこういう風にも弾けるんですね。クラシカルな雰囲気ではじまります。MIYAさんのちょっと擦れたなんとなく尺八風味のフルートの優しく素朴な歌が聴こえてきます。途中からダイナミックな展開へ、躍動的な2人の掛け合いが楽しいです。最後は熱気を徐々に冷まして終了。

2曲目《バウンシング・ウィズ・バド》はソロ演奏です。こんなバップ曲を演奏するところが、MIYAさんのジャズ精神のあらわれですね。スピード感がテーマだったそうで、畳み掛けように次々と音を繰り出してきます。かなりアグレッシブな演奏で、カッコいいです。

3曲目《美しい星》はトリオでの演奏。三島由紀夫の同名の小説からインスパイアされた曲。宇宙的広がりとどことなく孤独感が漂うきれいな曲です。スガさんの硬質な美を醸し出すソロのあとにフルート・ソロへ。力強さを持った歌です。バックでは渥美さんがギターのボディーを叩いて盛り上げます。その後エレクトリック・ギターで空間を生かした渥美さんのソロとなり、テーマに戻って終了。3人の良いところが出た演奏だと思います。

4曲目《ブルース・フォー・ザ・シー/海に捧げるブルース》はギターとのデュオ。テーマ部で、海の泡を模したようなギター音が効果的です。この曲を聴いていると、ギター&ヴォーカルのオシドリ夫婦デュオ、タック&パティーが浮かんできます。もちろんこちらはギター&フルートのデュオなんですが、MIYAさんのフルートはハスキー・ボーカルのような感じなのです。じんわり染みる曲です。

5曲目《マイ・ロマンス》はフルート・ソロ。MIYAさんが大好きなスタンダード曲だそうです。私もこの曲が大好きです。ロマンティックなメロディーだと思いませんか?カワイイ演奏になっていると思います。最後の”ピッ”がおちゃめなところもあるMIYAさんらしいと思いました(笑)。

6曲目《ペチカ》はギターとのデュオ。ゆったり始まり途中から5拍子になります。ジプシー・ライクなギターとからみ、原曲のイメージから離れていく感じが面白いと思いました。

7曲目《リバース/再生》はピアノとのデュオ。フォーキーで土の匂いを感じさせる演奏です。キース・ジャレットのヨーロピアン・カルテット的な曲だと思いました。スガさんのピアノを聴いていると、ダラー・ブランドの『アフリカン・ピアノ』も浮かんできます。左手の低音アルペジオは大地の力強さですね。MIYAさんのフルートは再生を喜び、大地の上を舞い踊るが如く。

8曲目《オリエンタル・サン》はピアノとのデュオで天岩戸の神話がモチーフ。確かに天岩戸の前で、踊りを捧げているようなイメージが浮かんできますね。ピアノ・ソロの間の多さと音塊が面白いです。天照大神が外の様子を覗いている感じなのでしょうか(笑)?その後、天照大神が現れ一緒になって、ピアノとフルートが踊り狂います。

9曲目《インスティンクト・モーメンツⅠ》は「本能的な瞬間」。トリオでのフリー・インプロビゼーション。刺激的な演奏の小品。

ラスト《トーキング》はMIYAさんのフルートと渥美さんのギターによる、まさしく「会話」です。時には静かに、時には熱く語らいます。お2人は何について語らっているのでしょうか?ジャズについて?恋愛について?

じっくりと聴いてあげたいアルバムになっていると思います。

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《Ladies In Mercedes》 ≒ 《Aquarela Do Brasil》?

音楽をたくさん聴いていると時々面白いことに遭遇します。

今回のお題は、「この2曲は似ている!」

ミュージックバード・JAZZチャンネルの「Brand-new CD」を聴いていたら、トリプレッツ(TRIPLET'S)の新譜を紹介していました。流れて来た曲、どこかで聴いたことがあります。タイトルは《Ladies In Mercedes》「メルセデスに乗った淑女」。なかなかお洒落なタイトルですよね。

YouTubeにもトリプレッツのライブ演奏の動画がUPされていました。

この曲、いい曲ですよね。

トリプレッツのお洒落な演奏です。それにもまして曲がいいです。
スティーブ・スワロー作曲です。
「さすがはスワロー!いい曲を作ります。」と言いたいのだけれど・・・。

で、どこで聴いたのか思い出しました!

P33 イリアーヌ・イリアス『パウリスタ』(以前ブログで紹介済)の最初の曲でした。アレッ!曲名が違いますよ!《Aquarela Do Brasil》「ブラジルの水彩画」。アリ・バロッソ作曲。なるほど、いい曲なのはブラジリアン・ミュージックだからか。
このアルバムでは、ベースにマーク・ジョンソン、ドラムにピーター・アースキンを迎え(この2人のリズム、木住野佳子さんが自身のファースト・アルバムで、ロールスロイスのようだと称していました。メルセデスではありません(笑))、快適なリズムにのったイリアーヌが、ブラジルの海岸を吹きぬける爽やかな風のような演奏をしています。

YouTubeにもこのアルバムの演奏(静止画)がUPされていましたが、規制がかかってしまいました。こちらでも分かります。イントロ部分や間奏が似ているメロディーです。

「ブラジルの水彩画」、「メルセデスに乗った淑女」
言葉のもつイメージはどちらも曲に合っていると思います。

私はスワローを責めようなどとは思っていませんよ(笑)。どこで聴いたのか分かったのが嬉しかっただけです。こういうのって分からないと気持ちが悪いんですよね。

P141 で、スワロー作曲ということで、芋づる式に思い出しました。スティーブ・キューンスティーブ・スワローのデュオ・アルバム『トゥ・バイ・トゥ』でもやっていました!このアルバムも以前ブログで紹介済。

その時のブログ記事を読んでみたら、ガ~ンッ!・・・・・、《Ladies In Mercedes》について同じことを書いていました!歳のせいなのでしょうか?既に気づいていたことなのに・・・、その事実を忘れていました(涙)。まあ、今回はYouTubeの音源付きで紹介してするので、良しとしてやって下さい。m(_ _)m

P52 この曲はスティーブ・キューンが好んで弾いているみたいです。『ポーギー』(1988年rec. EVIDENCE MUSIC)でも、演奏していました。録音はこちらのアルバムの方が先ですね。メンバーは、スティーブ・キューン(p)、エディ・ゴメス(b)、アル・フォスター(ds)です。

ベースのゴメスとドラムのアルの組み合わせも快適です。しなやかな乗り心地ですね。この2人、ハンク・ジョーンズのグレイト・ジャズ・トリオ(G.J.T.)の2代目ベース/ドラムだということはご存じですか?私は第2期G.J.T.が好きなのです。話はこのアルバムに戻って、派手さはないのですが、キューンの暖かく優しい美意識に溢れた良い演奏が詰まっています。寄り添うベース/ドラムがとても心地よく、三者一体となった表現はいい味出しています。

こちらも音だけがYouTubeにUPされていました。

最後は《Ladies In Mercedes》のゲイリー・バートン編。
ピアノは小曽根真、ベースはもちろんスティーブ・スワロー
「Budweiser Newport Jazz festival In 斑尾」、1984年の映像です。
こちらはかなり元気な演奏。

YouTube恐るべし!色々な映像や音源がUPされています。

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