私はドルフィー・バージョンが一番好きです。
今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」は
「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ特集」でした。
番組詳細については「快楽ジャズ通信」ブログ編を参照願います。
曲の解説については恒例ディレクター嬢から。
雲さんが新潟市古町のジャズ喫茶で
開店直後の寒くて暗い店内で聴いた思い出があるというこの曲。
ダークで怨念のこもった?
カサンドラ・ウィルソンの『ブルー・ライト・ティル・ドーン』から。
私はこの人はヤクザの姉御だと思っています。
姉御の凄みが効いた歌声にゾクゾクしますよ(笑)。
それとも、ギターの寂しげな伴奏、途中のバイオリン・ソロといい、
これはうらぶれた酒場のホステスの嘆き節かもしれません?
最初からインパクトあり過ぎです(笑)。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)
「うらめしや~」と感じるのは曲のある部分を半音下げているからだとか。
キーボード演奏で説明してくれました。
なるほどであります。
次はホットな歌です。
じんわり胸に迫ってくる歌です。
ジミー・スコットの『バット・ビューティフル』から。
こちらもカサンドラほどではないにしろクセがありますね。
ジャジーに歌詞の感じをうまく出していると思います。
途中のギター・ソロなど、全体的にはなかなか粋な演奏。
ジャズ・ファンには多分一番有名なバージョン。
ジョン・コルトレーンの『バラード』から。
アルトのような高音で、引っ込み思案なコルトレーンです。
これは久々に聴きました。
コルトレーンは結構飄々とした演奏ですよね。
この人のバラードは独特な雰囲気があります。
エルビンのドラムが要所要所でかなりの凄みを醸し出します。
最後の方の”ドシャ~ン”が凄いです。
エルビン好きな私としては嬉しいです。
次は対極的。テナーらしい音でタフな男のジャジーな語らい。
ソニー・ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』から。
こちらは漢(オトコ)ロリンズ全開。
男はタフでなければ生きてゆけない。
悠々と演奏しますよね。
トミー・フラナガンがまた上手く寄り添っています。
名脇役トミフラここにありです。
私にはコルトレーンとロリンズ、甲乙つけ難いです。
それぞれの良さがあるのです。
雲さんは断然ロリンズが好き。
コルトレーンのアドリブは曲のフェイク。
対するロリンズはロリンズ語でアドリブを展開。
リズムが途中倍テンポになるところも聴きどころ。
ジャズを強く感じるそうです。
次はピアノ・トリオ。
本田竹曠の『ジス・イズ・ホンダ』から。
これも超久々に聴きました。
日本的なんですよね~。やっぱり。
湿度高めです。演歌に通じるんですよ。
こちらは日本海に面する酒場のママの嘆き節(笑)。
最近年のせいなのか、こういうのが結構効きます。
かなりイイです。
雲さんはピアノ・トリオの演奏ではこれが一番きて、
グッと迫ってくるものがあったそうです。
「ピアノに魂を混入している感じです。」と雲さん。
最後はこれ。
エリック・ドルフィーの『ラスト・デイト』から。
ドルフィーのフルート、どうしてこうも訴えてくるものがあるのでしょう。
ベースのアルコ(弓)弾きも深い。
ピアノが入った瞬間のフルートの飛翔。
そこから怒涛のアドリブ。
曲の概念とかを超えてしまいます。
う~ん、ドルフィーってやっぱりスゲーッ。
時間の都合でラストはエンディング・トークに少しかかってしまいました。
でも最後のハイライト、フルートのカデンツァの部分はちゃんと聴けました。
ディレクター嬢の編集、お見事でございます!
そういえば昨日の番組収録後の打ち上げで、
纐纈さんがドルフィーのアドリブについて、以下のようなことを仰ってました。
「頭の中でパーカーのフレーズが鳴っていて、ドルフィーはその音の周りを
行き来してアドリブしている。そうやってパーカーを超えようとしている。」と。
いや~っ、纐纈さんの言葉には深いものがあります。
酔っぱらっていたのでちょっと自信がありませんが多分そう仰ってました。
<アフターアワーズ編>
B.G.M.は時間の関係でかけられなかったマイルスの『ウォーキン』から。
カップ・ミュートの音に注目。
ディレクター嬢は今回の中ではドルフィーが好きだそうです。
フルートの太い音、優しい音が良いと言っておりました。
次は本田さんだそうです。板橋さんにも通じるところが良いとか。
コルトレーンとロリンズについては?
コルトレーンと知らなければ、コルトレーンが良いそうです。
でもコルトレーンと知って「なぜブリブリ吹かないの?」と思ったそうです(笑)。
雲さんが一番好きなのはロリンズ!これが原点だそうです。
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