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コケティッシュ・ボーカルが結構好きな私。

最近アルバム・レビューが面倒な私。
去年のアルバムや、今年に入ってからの新譜が届いているので、
紹介したいアルバムはいくつかあるんですがね~。
まっ、ボチボチとやっていきましょう。

P47 今日紹介するのは去年出たアルバムエミコ・ヴォイス×スガダイロー『フェイズ・ツー ツイスト&シャウト』(2009年rec. COOLFOOL)です。エミコ・ヴォイスのボーカルスガダイローのピアノデュオとしては2枚目のアルバムだそうです。ミュージックバードの「ブランニューCD」で数曲聴いて気に入ってしまいました。エミコ・ヴォイスはコケティッシュ・ボーカルです。嫌いな人はいるでしょうが、私は結構好き。

MAYAさんもコケティッシュな歌い方のほうが好きです。アルバム『Maya』の《カーニバル》《ガール・トーク》などが好きでした。同アルバムの《イフ・アイ・ワー・ア・ベル》は今日紹介するものにも通じるコケティッシュ・ミーツ・ジャズですよね。で、この人のラテンはちょっと苦手部類かも?結局MAYAさんはこれ1枚しか持っていません(笑)。

さて、本アルバムに戻って、頭の《ヤードバード組曲》。スガダイローのおもちゃ箱をひっくり返したようなイントロから一挙に2人の世界へと引き込みます。エミコ・ヴォイスはコケティシュですが肌触りは意外とあっさり。スガダイローのコントラストのはっきりしたコテコテ・ピアノとの対比がいい塩梅です。

エミコ・ヴォイスは歌が上手いですね~。リズム感が特に素晴らしい。いとも簡単そうにメロディーをスラスラと推進させるフラットなノリ。そこにアクセントを強調したピアノがからんでも動じることはありません。このリズム・アプローチの違いがお2人のデュオの妙味。スムーズなヴォーカル、アクセントの強いピアノ、それぞれが生かされるのです。スリルに溢れていると思います。

バラード演奏の《ソリチュード》。なかなか深い味を出しているのではないでしょうか。《サマー・タイム》は意表を突くアレンジ。スガダイローのピアノはまるでダラー・ブランドの『アフリカン・ピアノ』です。重厚なアルペジオでバックをガッチリ支えます。エミコ・ヴォイスはそんなアフリカの大地の上を舞う鳥の如き優雅さ。こんな《サマー・タイム》は聴いたことがありません。イイです。

《いつか王子様が》は、優雅なボーカルで始まるのに、ピアノが入ってくると一転してサスペンス(笑)!その後4ビートに入るのですが、随所でピアノが暴れて盛り上げます。こんな王子様が目の前に現れたら人生は楽しくなることでしょう(笑)。《イパネマの娘》は、ズッコケそうになるモッタリ・リズムが秀逸です。こんなリズムを見事なマッチングでやってのけるお2人。リズム感は凄いものがあります。

《コンファーメーション》のドライブ感は最高です。この曲、メロディーが結構難しいと思いますが、エミコ・ヴォイスは正確な音程でかつアップテンポで歌い切ってしまう。素晴らしい!低音強調ピアノで下世話なラテンと化した《キャラバン》。表向きのギトギト感に対して根はクールだと思うんですよ。スガダイローは演出をちゃんと計算しています。

お2人のアプローチは従来のジャズ・ヴォーカルからは離れているかもしれませんが、ジャズに根ざしていることは感じられますし、こういった新しいアプローチこそが、本来ジャズの持つべき意味なのではないかと、私は思います。

とても楽しいボーカル・アルバムです!

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