時々黒いジャズが聴きたくなるのです。
昨日のハンク・ジョーンズから一転、黒いジャズに飛びます。
私の場合は雑食ですし、傾倒立ててアルバム紹介もしないので、その日の
”気分ん~しーだい~で、せーめな~いで、なあぁみだがでちゃうっ”
(サザン桑田風に歌って下さい)です(笑)。
我ながら節操の無さに呆れます。
去年末、ジャズ喫茶「いーぐる」の忘年会に行く前に寄ったディスクユニオンお茶の水ジャズ館で買ったたった1枚のレコードがこれです。荷物になるからレコードは買うまいと思っていたのに、ついつい買ってしまいました(笑)。
ノーマン・コナーズの『ダンス・オブ・マジック』(1972年rec. Cobblestone/日本コロンビア)です。メンバーは、ノーマン・コナーズ(ds)、ハービー・ハンコック(p,el-p)、カルロス・ガーネット(ts,ss,編曲)、ゲイリー・バーツ(as,ss)、エディ・ヘンダーソン(tp)、アーサー・ウェップ(fl)、セシル・マクビー(b)、スタンリー・クラーク(b)、アル・ムザーン(per)、ナット・ベティス(per)、トニー・ワイルズ(per)、ビリー・ハート(per)、アイアート・モレイラ(per)、ババフェミ(per)、UBFシンガーズ(Charus)です。ジャズ批評No.83「ジャズ70~90年代」に掲載されていて、チェックしていたものです。
話はちょっと横道にそれますが、私は中古レコードを買う場合は、その場で見て買うということはほとんどしません。というのは、それをやっちゃうとついつい買いすぎてしまうからです。最早置き場所に困るくらい多くのCDとレコードを持っているので、内容が今一なものはもう買いたくないのです。だから、本などであらかじめチェックしておいたものを見つけて買うようにしています。いつも「・・・本でチェックしていたもの」と書くのは、上記の理由からなのです。
さて、本アルバムの話に戻ります。題記のとおり”黒いジャズ”でした。もう少しファンク寄りかと思ったのですが、A面を占めるコナーズ作《ダンス・オブ・マジック》は、アフリカン・パーカッションが乱舞する上でスピリチュアルなソロが展開するもの。ベースがエレクトリック・ベースでないところがポイントです。セシル・マクビーとスタンリー・クラークのツイン・ベースが超強力。左右に分かれてベースを”ブンブン”とうならせます。う~ん、なんて贅沢な!
この曲は日野皓正の 『ダブル・レインボー』 の《アボリジナル》と曲想が似ています。エディ・ヘンダーソンがトランペット・ソロを吹いているのですが、これが結構日野に似ていたりします(笑)。つまり、日野がこういうサウンドを耳にしていて、影響を受けていた可能性があるということです。ゲイリー・バーツ、カルロス・ガーネット(当時マイルス・バンド在籍)は当然の如く熱いソロを展開。更にハービーが意外や意外、かなり熱いピアノ・ソロをかましてくれます。
B面は、ハービーがエレピを弾いていて、サウンド的にはもう少しメロウでレイジーなものに変わります。《モーニング・チェンジ》はマクビーの曲で、《ブルー》はクラークの曲。2人のベーシストが曲を提供しているところが興味深いです。《ブルー》でのアーサー・ウェブのアーシーでエモーショナルなフルート・ソロはかなりカッコいいです。各ソロのバックではクラーク(マクビーはこの曲では抜ける)がアコースティック・ベースで素晴らしいグルーヴを生み出しています。B面ラスト《ギヴ・ザ・ドラマー・サム》はコナーズのドラムとパーカッションだけの短い曲です。
これは渋谷の「JBS」に似合うアルバムだと思いました。当時のNYのアフロ・アメリカン・サウンド満載。ライナーノーツは誰が書いているんでしょう?やっぱり、悠雅彦さんが書いていました。当時のこの手のジャズは悠さんでしょうね。
このアルバム、安っぽいファンクかと思ったら全然違いました。
結構気に入ってしまいましたよ。
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コメント
おっと、これは興味深いアルバムですね。聴いてみたいですね。でもLPじゃウチでは無理だ…。1972年のリリース、私もこの年は注目しているんですよ。
投稿: じゃこのめ | 2010年1月 6日 (水) 08時21分
いっきさん、これはドキッ!ときました。
渋谷系シカゴ派としては美味しそうなアルバム。JBSのマルカムの好きそうなアルバムですね。
ハービー、セシル・マクビー、ゲイリー・バーツ、アル・ムザーンは、オイラのツボです(笑)。要チェックです!!
このアルバム、CD化されてはいるのですが入手困難。高値になっていますね。アマゾンのリストだと、
『Dance of Magic』中古7,036円〜
Cobblestoneレーベルからの第2作目「Dark of Light ('73)」との2 in 1CDも出ているようです。
『Dark of Light/Dance of Magic』中古16,682円〜
セシル・マクビーとスタンリー・クラークのツイン・ベースつーのも気になります。ウワォ〜!!
投稿: tommy | 2010年1月 6日 (水) 17時36分
こんばんは。
じゃこのめさん。
>でもLPじゃウチでは無理だ…。
じゃこのめさんもアナログ党に加盟しませんか(笑)?
>1972年のリリース、私もこの年は注目しているんですよ。
72年といえばマイルスの『オン・ザ・コーナー』とチックの『リターン・トゥ・フォーエバー』が録音された年ですよね。フュージョンに突入するターニング・ポイントなのかもしれません。
tommyさん。
>渋谷系シカゴ派としては美味しそうなアルバム。JBSのマルカムの好きそうなアルバムですね。
そうなんですよ。
>『Dance of Magic』中古7,036円〜
>『Dark of Light/Dance of Magic』中古16,682円〜
高過ぎます。
LPなら安いのですが、めったにみかけません。
1/10に持っていきますので、聴いてみてください。
投稿: いっき | 2010年1月 6日 (水) 20時56分