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2009年12月

1年間お世話になりました。

いよいよ大晦日になりました。

今年もジャズに明け暮れてしまいました。

ジャズ友の皆さま、色々お世話になりました。

楽しいことが満載でした。

ブログも3年目に突入しました。

読者の皆さま、お付き合いいただき感謝致します。

ジャス批評誌に連載させていただくようになり1年。

お世話になりました。

皆さま、どうもありがとうございました。

こんなやつですが、来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

良いお年を!

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なぜか突然オーディオ話。

今日は朝から大掃除でした。
一応日没終了ということで、まだ少しやり残しがあります。
その後、床屋に行って髪の毛もスッキリさせてきました。
で、大掃除の残りは明日さっさと片付けて、買いだしに行かなきゃね。
お餅は買ったのですが、お節と正月の食べ物がまだ買ってありません。

さて、年末ベストアルバム紹介などはやらない私。
今日は何を書こうかな~と思っていたのですが・・・。
突然のこの企画。
マイオーディオ紹介「スピーカー編」。

P19 私のメインスピーカーは、前にも紹介したとおり、タンノイスターリングTWW。プレスティッジ・シリーズの一番安いやつです。クラシック向きと言われるタンノイ。弦の音はさすがに良いです。

25cm同軸2ウェイユニット1発のスピーカーです。エンクロージャーは天然無垢のウォルナット仕上げ。このスピーカーは定価22万円/本なのですが、価格の大半はこのウォルナットエンクロージャーの値段だと思います。

このエンクロージャーのメンテナンス用にウッド・ワックスが付属しているから凄い!さすがはタンノイです。そういえば、私このワックスを一度も使ったことがありません。う~ん、ワックスで磨いてやらないとイイ音が出ないのかも(笑)?もしこのスピーカーを手放すことになったら、ワックスで念入りに磨いたほうがいいかもしれませんね。高く売るために。

このスピーカーは秋葉原のダイナミック・オーディオで買いました。実は買う前に石丸電気のスピーカーコーナーでJBLの4425と比較試聴しました(笑)。大きさや価格が近かったので、どちらにするか最後まで悩んだんです。ジャズを聴くからにはやっぱりJBLか?菅野沖彦さんが「タンノイのスターリングTWWは極めてバランスのよいスピーカーシステムである。そのバランスは、あらゆるポイントにおいて現時点でのスピーカーシステムとして完璧に近いと、私は常日頃感じているものだ。」(管球王国3)と書いているこれか?

試聴した結果、高域の出方がこちらのほうが気に入ったので決めました。10年くらい前の話です。4425ってその後すぐに4425MkⅡになったので、タンノイにしておいて良かったと思いました(笑)。数年後スターリングはHE(ハードエッジ)になり、エンクロージャーの形が縦長になったのですが、形が違うということもあり、出た時はあまり気になりませんでした。

お揃いのスタンドは低域が緩くなるとかで、クラシックを聴く人には良いかもしれませんが、私はジャズを聴くわけですし、緩い低音は嫌なので買いませんでした。で、コンクリートブロックの上に乗せるという、昔は極普通、今はそんなことする人はいないセッティングにしています(笑)。ブロックの上に直接乗せているわけではなく間に鉛の円形インゴットを挟んでいます。なんかゴッツイ音が出そうでしょ(笑)?

更に、スピーカーの上にはサブスピーカーと鉛インゴット4本で20kg以上の重石が乗っかっているのです。で、低音がかなり出ると言われるアンプA-10Ⅲをつないで、スピーカーに「ゴリゴリ低音を出せ!」と強要しているわけです。なんかスピーカーがかわいそうですよね。イギリス紳士にプロレスやらせてるみたいな(笑)?

スピーカーの端子はバイワイヤリングが可能なので、日立電線のLC-OFCケーブル2組みで接続しています。高域用より低域用ケーブルを太いものにしています。可変バスレフポートは全開。高音レベル調整は+1.5。とにかくクリアでメリハリのある音にしたいんです。ゆったり緩い音は嫌いなんです。

更に、パイオニアの古いツイーターPT-7も追加しています。
http://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/unit/pt-7.html

P20_2  ご覧のとおり、こいつの上にも鉛インゴットが・・・。長岡教の信者です(笑)。低音カットのハイパスフィルタはコンデンサだけの-6db/oct。このツイーターは能率が高いのでアッテネータも入れてあります。後ろに写っているのがそれです。乗せる位置は左右で同じになるようにミリ単位で合わせてあります。音像定位のためには当然のことです。

ツイーターを追加するとどんな効果があるかというと、音像がスピーカーの前に定位するようになります。ご存じのとおりタンノイの前面ネットは厚手のものなので高音が吸収されてしまい、単体で鳴らすと+1,5にしても音像がスピーカーの奥に展開するんです。クラシックを聴くならそれでも良いのですが、ジャズを聴くのには向かないでしょ。まあ、全面ネットを外してしまえば良いのですが、見た目が気に入らないんですよ。じゃあ、無骨なツイーターを乗せるのは許せるのか?細かいことは言いっこなしです(笑)。

ツイーターも何種類か変えたのですが、タンノイの高音とこのパイオニアの高音が似ていてとても相性が良いのです。だから見た目が無骨でカッコ悪くても、今のところはこいつがお気に入り。試してみたいツイーターもあるんですが、欲求は高まっていません。ツイーターを乗せ換えて面白いことがありました。それは、低音の締り具合が変わってしまったことです。高音の質も低音の質に関わっているとはよく言われますが、体験してやっと納得しました。

タンノイの良いところは2つあります。まずは、同軸ユニットなので、音像定位が良いことです。ボーカルが目の前にビシッと定位するのは気持ち良いものですよ。口の大きさも大きくならないですしね。もちろん、トランペットやサックスもビシッと定位します。次に良いのはホーンスピーカーということ、タンノイの高域はJBLと同じくホーン型です。これを忘れてもらっては困ります。トランジェント(過渡特性)が良いので、音離れが良くスカッと出ます。

というわけで、タンノイだってジャズに向いているところはあるわけで、要は鳴らし方次第で音は何とかなるものです。そして、ジャズを良く鳴らしたいと思えば、スピーカーにもその意思が伝わって鳴ってくれるんですよ。不思議ですよね(笑)?

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ジャズ批評2010年1月号が発売されました。

今日は大掃除part.1でした。明日はpart2です。明後日part3があるかも(笑)?

ジャズ批評2010年1月号No.153が発売されました。
「白人テナー・サックス奏者特集」です。

ブログ・ウォーキングに書かせていただくようになって1年が過ぎ、
祝!2年目突入です。
面白いネタが提供できるように頑張らないと、ん、頑張ってたっけ(笑)?

高野 雲さんの 「快楽ジャズ通信」ブログ編 は「テンプレート」について、
すすっくさまの 「My Secret Room」 は”クリポタ愛”全開でした。
私は”バーゲンセール”へ行きましょう(笑)!

雲さんは「私の好きな白人テナー・サックス奏者3枚のアルバム」にも書いてます。

今回は「ヨーロッパ・ジャズ黄金時代」の著者:星野秋男さんが多く書いています。
白人テナー・サックス奏者コレクター:バディ・みなみやまさんも多く書いています。
色々なコレクターの方がいますね~。

寺島靖国さんの「ジャズはジャズだ」を読んでビックリ!
横浜JAZZラーメン「げんき亭」の花村圭さんが、
新潟の「CATS HOUSE」の店主になった経緯が書いてありました。

P18 話は変わって、ジャズ・カレンダー。
年末にディスクユニオンで1万円以上買わなかったので、
ジャズ・カレンダーがもらえませんでした。
なので、来年はジャズ・カレンダーなしとあきらめていました。

ところが、甲府の「サンリン」でCDを買ったら、
左のようなジャズ・カレンダーをくれました。
カート・ローゼンウィンケルのCD1枚しか買わなかったのに、
こんな立派なカレンダーをくれるなんて、感激です(笑)。
ユニバーサルのカレンダーに「サンリン」のロゴが印刷されています。
さすがは国内盤をたくさん取り扱うお店だけのことはありますね。

年越しに向けて準備が整いつつある今日この頃です。

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「快楽ジャズ通信の2009年末ベスト!」

今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「2009年、年末ベスト」
ゲストはタワーレコード渋谷店のジャズバイヤー吉村さんです。

番組の詳細は 「快楽ジャズ通信」 を参照願います。

数年前はクラブ・ジャズ、女性ヴォーカルなどの流行りがあったが、
今年は特に流行りみたいなものがなかったそうです。

最初は吉村さん選曲。
Manami Morita『Colors』から《ジャングル・ブック》
ジャケットはご自身が書いた絵だそうです。
お店ではポスト上原ひろみとして紹介。

これ、新宿のタワレコでもかなりプッシュしていました。
確かにポスト上原ひろみです(笑)。
ラフであっけらかんとした上原ひろみ?
エレベ・トリオというのも上原ひろみ意識なのでしょう。
これからに期待です。
上原ひろみのフォロワーが出てきたあたりが、
逆に上原ひろみの価値を上げていますね(笑)。
(以降緑字は曲を聴いての私の感想などです。)

「チビまるこちゃんが大人になったら弾きそうなピアノ。」と雲さん。
弾いているのが本当に楽しそうなピアノです。

次は雲さん選曲。
スガダイロー『坂本龍馬の拳銃』からタイトル曲

これはもうとにかく新感覚ピアノ・トリオだと思います。
和を感じさせる音使いとコントラストがはっきりした演奏が痛快。
先日このブログでアルバムを紹介したばかりです。

「笑うしかない。この迫力は。」と雲さん。
吉村さんによると若い人やコアなジャズ・ファンに売れたそうです。
メリハリがあってわかりやすい漫画チックなピアノ。

吉村さん選曲。
丈青さん率いるソイル・アンド・ピンプ・セッションズ『6』から《KEIZOKU》
丈青さんは椎名林檎の『三文ゴシップ』にも参加しています。

私、ソイル&ピンプは初めて聴きました。
若者受けしそうなジャム・バンドですね。
勢い任せなパワフルな演奏。
う~ん、荒っぽいだけな感じもしますが・・・。

「オーネットのプライム・タイムに通じる。質は一緒だと思うしカッコいいですよ。」
と雲さん。

雲さん選曲。
椎名林檎『三文ゴシップ』から《色恋沙汰》
下手なジャズの4ビートよりいい。

いいですよね~。この洒落た下世話感。なんだそりゃ?
私はカッコいいと思います。
オルガンの”ヒョロヒョロ”やストリングス&ホーンが最高!
ジャジーなアレンジなんですよ。
椎名林檎は私達世代にはたくさんのフックがあると思います。
実は先日のジャズ喫茶「いーぐる」のベスト盤大会で
私はこのアルバムを宣伝してきました(笑)。

「ジャズ売り場に置いておけば売れそう。声がジャズなんですよね。」と雲さん。
吉村さんによると椎名林檎はジャズ・ファンにも人気があるそうです。

趣を変えて、吉村さん選曲。
ブライアン・ブレイド『ママ・ローザ』から《アフター・ザ・リバイバル》
ブレイドが歌いギターも弾いています。

これは「いーぐる」の新譜特集でも紹介されました。
カントリー系のアルバムです。
ブレイドのファンにはオススメ。
私は今あまりカントリー系は聴かないです。
カントリーと言えば、
オリビア・ニュートン・ジョンの《ジョリーン》《カントリー・ロード》が好き。
リンゴ・スターの《マイ・スイート・ロード》も好き。
30年以上前の話です(笑)。

「クオリティーが高い洋楽。」と雲さん。
「70年代のニール・ヤングとかの雰囲気に近い。
”フワリ”とした感じが良いです。」と吉村さん。

次は4ビート、雲さん選曲。
クリスチャン・マクブライド『カインド・オブ・ブラウン』から
《ザ・シェイド・オブ・ザ・シダー・ツリー》
雲さんがライナーノーツを書いています!

ちょっとかげりがある渋い曲です。
ウォーレン・ウルフのヴァイブがクールでなかなか良いです。
アルト、ピアノのソロも気持ち良く。
やっぱりマクブライドのベースが気持ち良いですね。

キングの低音シリーズ。結構売れたようです。
「勢いがある4ビート。iPod向け、音色や曲調からアウト・ドア向け。」と雲さん。

ノラ・ジョーンズ『ザ・フォール』から《チェイシング・パイレーツ》
ファースト・シングルになっている1曲目です。
このアルバムは今回賛否両論あるそうです。
雲さん、吉村さん共に「聴けば聴くほどよくなるアルバム。」と言ってます。

頭が小説の途中から入るので気持ち悪いです。
なるほど、ノラ・ジョーンズの従来のイメージとは違いますね。
スモーキーでちょっとうらぶれた感じです。
ウーリッツア(だと思う)の粗っぽい音がサウンドのポイントですね。
私なんかはこういうクセがあるほうが好きです。

色々なものを聴くことができて楽しかったです。
最近ってやっぱりいわゆるジャズだけでは括れないですね。
今日の選曲は意外と今の状況を上手くあらわしていると思います。

<アフターアワーズ編>

今日は色々なお知らせ。

1.「快楽ジャズ通信」の公開録音(1/10、銀座アップルストア)があります。
2.「快楽ジャズ通信」の番組が「You Play JAZZ?」にUPされ、
  docomo携帯から見られるそうです。
3.雲さんの本が2月くらいに出ます。「超観賞力」だそうです。

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今日の行方さんはノリノリでした。

今日のミュージックバード「PCMジャズ喫茶」のゲストは
EMIミュージック・ジャパンの行方均さん。
今回も業界裏話を聞かせていただけると思いきや、
ほとんど行方さんのジャズ歴と好きな曲をかけておしまい(笑)!

まずは行方さんと言えば、ブルーノート1500番台を1番から出した方というお話から。行方さんは「全ての道はブルーノートに通じる。ブルーノートは帝国。」なんて言います(笑)。
行方さんのブルーノートへの思いは並々ならぬものがあります。
「至る道は簡単ではない。いいかげんに聴くとたどり着けない。強い意志に支えられている。音楽は優しくない。人に媚びるわけではない。」とも言っていましたよ。

寺島さんの「なぜブルーノートなんですか?」という質問には、行方さんは「ブルーノートは全てが面白い。」と答えて、”ブルーノート愛”を全開にしていました(笑)。
ブルーノートが体系的であるという話が出て、寺島さんが「体系的なのはジャズじゃない。」と言ったのに対して、行方さんは「体系的なのがジャズ。」と一歩も譲りませんでした(笑)。

なぜ行方さんがジャズを聴くようになったかの話へ。
ロック世代だった行方さんは、バド・パウエル《ウン・ポコ・ローコ》を聴いて、ロックとは極めて異なる感じに惹かれたそうです。
「(アルバム『ジ・アメイジング・バド・パウエルVol.1』)頭の《ウン・ポコ・ローコ》3曲連続が辛い。」と寺島さんが言うと、行方さんは「10インチ盤から12インチ盤にした時に、頭にこれを3連発にしたのは大したものだ。」と真っ向対決(笑)。
録音した順に並んでいるのですが、行方さんはやっぱり最初のテイクが一番良いとか。
寺島さんは「リズムになじめない。ポップスから入るとわからない。ロックから入らないとこのリズムにはのれない。」なんて言ってました(笑)。

曲をかけた後、寺島さんは「チャンチキおけさ。シンバルが目立ち過ぎてピアノに耳がいかない。」と言い、一方行方さんは「当時ピンクフロイドとかもあり、ロック・ファンは耳が肥えていた。そういう耳で聴いてジャズは凄い!となった。」と言っていました。
ポップ・ファンよいロック・ファンの方がパウエルの《ウン・ポコ・ローコ》に入りやすかった?個人的な問題のようにも感じますが?

パウエルの次はアート・ブレイキーの『バードランドの夜』で、その後ハービー・ニコルズ、JR・モンテローズ、ケニー・ドーハムの『カフェ・ボヘミア』と聴き進んでいったそうです。

この行方さんのブルーノート入門については、「高野 雲の快楽ジャズ通信」にゲスト出演した際にも話していました。興味がある方は以下を参照。
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-8f35.html

行方さんはロック、ビートルズ世代でもあり、最初は曲ありきだったが、ビートルズのアルバムを聴いて、曲の寄せ集めからアルバムの世界観にも開眼したという話もありました。
『ビートルズ・フォー・セール』(私はビートルズに詳しくないので、このアルバムのことは知りません)を聴いた時は、知恵熱が出て学校を休んで1日これを聴いていたなんて話もありました。
で、アルバムからのシングル・ヒットを意識するというのは、ブルーノートにも似たところがあり、ブルーノートのアルバム1曲目はヒットしそうな曲が入っているという話もありました。
実は一連の曲の話の中で、”ジャズは曲”という話へ、寺島さんは誘導したかったようですが、それはかないませんでした(笑)。

行方さんは、ジャズと出会った頃の曲をたくさん持ってくるように言われていたとのことで、次はチュー・ベリー《スイート・ハート・オン・パレード》。ライオネル・ハンプトンのヴァイブと歌のバックで、ベリーが吹き続けオブリガードが素晴らしとのことでした。一時期これを口笛で吹いていたそうです(笑)。

行方さんがこの曲を聴いている間ノリノリだったらしく、それを見た寺島さんは「この曲と出会った頃に帰っているようで、聴き方が素晴らしい。」と感動していました(笑)。行方さんは曲が終わると「ジャンプ感最高。」と言って楽しそうでした。行方さんは58歳!

次はウェス・モンゴメリー『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』の話。これはパウエルの《ウン・ポコ・ローコ》以前に聴いたそうです。ビートルズのアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のラストに《ア・デイ・イン・ザ・ライフ》が収録されていて、これに啓示を受けたんだとか(笑)。

ここで、持ってきていたジミー・スミス『ザ・キャット』を先にかけることに。ラジオの深夜番組で、糸居五郎(ラジオのパーソナリティー)が「ロックばかり聴いてちゃダメよ。たまにはジャズも聴かなきゃだめよ。ゴーゴーゴー。」と言ってこれをかけたとか。それに惹かれたそうです。

《ザ・キャット》をかけた後、行方さんは、ジミー・スミス以外の1500番台を全て集めたという話がスイングジャーナル誌の読者欄に書いてあったのを見て、ジミー・スミスと1500番台のそれぞれの意味付けがわかったなんて話もしていました。
この曲を聴いて寺島さんは、「ロック・ファンは快楽から入っている。曲がいいとかカッコいいとかから入っているから、こういうのがいいんだね。アートじゃないよね。」と言うと、行方さんは「立派なアート。」とキッパリ!寺島さんは「ジャズ界の恥。」なんて返していました。
寺島さんはオルガン嫌いですからね(笑)。

このアルバムのプロデューサーであるクリード・テイラーの話も少し。行方さんによると、ルディ・バン・ゲルダーは「プロデューサーはアルフレッド・ライオンとクリード・テイラーだけだ。後は録音にやってきて只録って帰るだけ。」みたいなことを言っていたそうです。

《ア・デイ・イン・ザ・ライフ》をかけます。曲を聴いた後、寺島さんは「好みが決定的に違う。」と言い、行方さんは「ブルーノートに至る真実の道。」と返します。

ここまででお2人のジャズ観の違いが浮き彫りになりましたね。面白いです。

ここで息抜き。人妻Aさんは北欧オスローとコペンハーゲンへ行ったそうです。
このご時世に海外旅行とは、羨ましい限りですね(笑)。
あちらで買ってきたヤン・ヨハンソンのアルバムから《ヴォルガの舟歌》
ピアノ・トリオ。なかなか面白くて良い演奏でした。
寺島さんは「今回初めていいのがかかった。素晴らしい。わかりやすり。」と言っていました。そうでしょうそうでしょう(笑)!

次はまた行方さんのお気に入り。曲に合わせて歌ったこともあるそうです。
ジャック・ティーガーデン『ディス・イズ・ティーガーデン』から《アラバマに星おちて》。行方さんは「これのB面が素晴らしく、聴きだすと止まらない。全て聴きたくなります。」なんて嬉しそうに語っていました。
これのライナーノーツは寺島さんが書いていたらしいのですが、当の寺島さんはそれを忘れていたみたいです。いつものことですね(笑)。
「好き嫌いが分かれる。酔っぱらったような。うらぶれた歌。」と寺島さん。

やっと岩浪さん選曲。
リチャード・アレン・ウィリアムス『アイ・リメンバー・クリフォード・ブラウン』から《ジョードゥ》。今一のところもあるけれどと言いつつ。ハロルド・ランドの息子がピアノを弾いているそうです。寺島さんは「ジャケットからしてあまり良くなさそう。」と言っていました。
やっぱり、岩浪さんはジャズ批評1月号の「内外新譜」でこのアルバムを取り上げていました。なんでこれなんだろう。う~ん。パス(笑)!

寺島さん選曲。バップはこういうものだ。
ジョルジュ・アルバニタス『ソウル・ジャズ』から《ボヘミア・アフター・ダーク》。ダニエル・ユメールがバップ・ドラムを叩いて活躍します。安心して聴けるものでした。
「60年代くらいにアメリカに憧れて作ったようなものが良いよね。」と行方さん。《ポコ・ローコ》という曲が入っているのを行方さんが見つけてリクエスト。曲後に「なかなか良い感じですが、ちょっと生真面目。」と言っていました。

今度は行方さんの宣伝。
ブルーノートの新人。クリスティーナ・トレイン《スピリット・ミルク》。寺島さんは「なかなかいい。ノラ・ジョーンズよりこっちのほうがいい。色気がある。」と言っていましたよ。ポップスですな。私はあまり興味なし。

ここで、行方さんが朝から聴いているという『チェット・ベイカー・シングス』をかけようとしたのですが、流れでかけずじまい。

レニー・トリスターノの話へ。「トリスターノの良さを教えて下さい。」と寺島さん。
「ソウルフルなものと反するインテリのジャズを一方で求める。クラシックと競争していた頃のジャズ。冷理。研ぎ澄まされている。理性のジャズ。ただし、いいものを聴かないとつまらない。テープをいじっていたりするのを拒否する人がいる。」と行方さんが説明します。

P17 『レニー・トリスターノ』から《ライン・アップ》。曲を聴いた寺島さんはいつものごとく「寒々しい。」と言っていました(笑)。行方さんは「シングル・ヒットです。口笛を吹いて街を歩きたくなるような曲。」と満足していました(笑)。これは私も久々に聴いたのですが、大西順子と山中千尋が浮かんできました(笑)。

私、これはオリジナル盤を持っています。黒ラベルの溝ありです。まっ、これはかなり好き嫌いが激しい盤なので、オリジナル盤と言えど安かったと思います。

岩浪さんが持ってきたCDを見つけた行方さんが、これは素晴らしいということでかけたのが、スタン・ケントン楽団《プロローグ(ディス・イズ・アン・オーケストラ)》。ケントンが自分の最高のオーケストラを自慢している曲です。つまりケントンがしゃべりながらバンド・メンバーを紹介していく曲です。
行方さんは「ケントンのしゃべりがカッコいい。ケントン楽団には時期時期でスローガンがあり、カッコ良さがある。ある種のダンディズム。」と嬉しそうでした(笑)。

最後は寺島さんが〆てくれました。ミシェル・サダビー『ブルー・サンセット』から同曲。1970年代にジャズ喫茶で大ヒットしたそうです。まっ、最後は寺島さんが哀愁メロディーをかけないと終われませんよね(笑)。

寺島さんが「今日は行方さんの独演会。」と言っていました(笑)。

今日は行方さんと寺島さんのジャズ観の違いが鮮明になりました。
寺島さんがあまり好きではないものを次々とかけた行方さんに脱帽(笑)!

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
もとにして書いています。
他にも楽しい番組が盛りだくさん。
放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

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たまにはこんな音に浸るのも良いです。

クリスマスの夜。
私にとってはやっぱり平日です。
実は昨日、ケーキを買ってきて食べたのですが、
ついでに鳥のもも肉とシャンパンも。
ところが今朝早く腹痛で目覚めてしまいました。
今日はどうもお腹の調子が今一なのです。
めったに食べないケーキがいけなかったのでしょうか?
ケーキ好きなんですけどね~。
まっ、いいか(笑)。

そんなクリスマスの夜にはこんなアルバムを聴いて過ごすのが良いかも?

P16 ラルフ・タウナーパオロ・フレスのデュオ『キアロスキューロ』(2008年rec. ECM)です。ラルフ・タウナーはクラシック・ギター、12弦ギター、バリトン・ギターを弾き、パオロ・フレスはトランペットとフリュゲルホーンを吹いています。

私は基本的にはイケイケな演奏が好きですが、たまにはこんな落ち着いたアルバムを耳にしつつ、心安らかに過ごしたいと思うこともあります(笑)。

パオロ・フレスは『エンジェル』(1997年rec. BMG FRANCE)を聴いて好きになりました。このアルバム、エレクトロニクスも取り入れたなかなかお洒落でカッコいいサウンドなのです。メンバーもギエン・リ(g)、フリオ・ディ・キャストリ(b)、ロベルト・ガット(ds)と強力。お薦めな1枚です。

ラルフ・タウナーは、ご存じ老舗グループ「オレゴン」のギタリスト。私、「オレゴン」のナチュラルサウンドが好きです。イングリッシュホルン他のポール・マッキャンドレスとともに何とも爽やかな風を感じさせるサウンドを響かせますよね。

さて、そんな2人の顔合わせ、だいたい想像はつくと思うのですが、非常に爽やかでナチュラル、そして心穏やかなサウンドを響かせています。ある局面を切り取れば力が入ったアドリブを展開しているところもありますが、全体としてはゆったりした雰囲気。

フレスとタウナーの音楽性はグッド・マッチング。トランペット/フリューゲルホーンの音とギターの音が融合して、聴いているうちに夢見心地のまま昇天してしまいそうです(笑)。

《Punta Giara》の最初のギター・フレーズ聴いたら・・・、寺井尚子の《シャドウ・プレイ》の頭でリー・リトナーが弾くフレーズと酷似です(笑)。その後の展開は異なりますが、どちらも優雅で優しい曲というのは同じ。でも格調の高さはフレス&タウナーのほうが5割増し?

キターッ!《ブルー・イン・グリーン》です。マイルス/エバンスのこの曲が私は大好きです。フレスは当然ミュート。沁・み・ま・す。セミ・スウィート、程よい甘さと温もり。いやっ~大人ですわっ。これを聴けただけでも幸せ!

《ブルー・イン・グリーン》以外はタウナーが7曲作曲。タウナー/フレス共同名義のフリー・インプロビゼーションの短い2曲で終焉となります。

クリスマスの夜に
独り静かに『キアロスキューロ』に聴き入る
ウィスキーのグラスを傾けながら
目を閉じれば北欧の雪景色
見上げれば夜空には無数の星が瞬く

わっはっはっ、柄にもないことを。
お腹の調子がやっぱり今一なのでした(笑)。
今夜は甲州名物「ほうとう」を作って食べましたよ。
山梨のクリスマスは「ほうとう」!

アルバム名:『Chiaroscuro』
メンバー:
Ralph Towner(classical, 12-strings and baritone guitar)
Paoro Fresu(tp, flh)

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このCDはヒドイ音質です(笑)?

今日はクリスマス・イブです。
まあっ、私には特に何もないので平日です(笑)。

とんでもないことが・・・。
本日の記事をかなり書いたのに、途中で誤って削除してしまいました(涙)!
とんでもないクリスマス・イブでございます。

P15_2 さて、今日紹介するのはスガダイロー『坂本龍馬の拳銃-須賀大朗短編集-(上)』(2009年rec. DOOLFOOL)です。メンバーは、スガダイロー(p)、東保光(b)、服部正嗣(ds)です。ユニークなピアン・トリオ演奏をしていますよ。

これを聴いてビックリしました。音質がヒドイんです(笑)。なんかJ-POPの安っぽい音質。冒頭のシンバルの”キンコンカン”、その艶めかしい音を聴いた瞬間に感じました。高音をやたら艶っぽくして、低音は早めに落としつつ、落とす手前を盛り上げています。脚色された音で、昔風に言えばラジカセ/ミニコンポ向け、今はiPod向けの音なんでしょうね。これは原音忠実再生派のオーディオ・ファンには嫌われる音だと思います。

そういえば、ミュージックバードの番組「田中伊佐資のジャズ・サウンド大爆発!オレのはらわたをエグッておくれ。」でこのアルバムを紹介していました。こういう音はジャズ・オーディオの人達には受けるのかもしれませんね。私はどちらかと言えば原音忠実再生派なのですが、嫌いというほどではありません。一時期カー・オーディオでさんざんJ-POPを聴いていたので、脚色された音もありだと思っています。

で、そのヒドイ音質がこのアルバムの演奏の雰囲気を助長していいるんだと思います。スガさんも意識的にこういう音質にしたんじゃないかと思います。このアルバムの演奏の雰囲気については、高野雲さんのアルバム・レビュー:http://cafemontmartre.jp/jazz/S/sakamoto_ryouma.html にものの見事に表現されています。これはこれで一つの世界を表現していて、オリジナリティーという意味でも私は買いだと思います。

それから、《ハイフライ》《ベター・ギット・イット・イン・ユア・ソウル》でのピアノの音なんかは安っぽいアップライト・ピアノの音に聴こえますが、レトロ感が漂っていてなかなか良いですね。(これ、わざと調律を狂わせているんですね。だから変な響きになっていたようです。こういうピアノのことをホンキートンク・ピアノと言うそうですね。ツイッターでスガさんがツイートしていたので分かりました。2010.3.9)

スガさんのリズム感もかなり縦ノリですね。”パキパキ”していてスイングしないと思います。「スイングしない/したくない。」というのはスガさんご自身も目指しているところで、これについては「高野雲の快楽ジャズ通信」にスガさんがゲスト出演した模様:http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-3321.html をご覧下さい。

このアルバムの中では《光と影》に私は注目しています。時間的/空間的な音の隙間が浮遊感を感じさせてなかなか気持ち良いです。ピアノとベースの音をパンポットで左右に移動させているのも、こういうアコースティック・ピアノ・トリオ演奏としては異色ですね。この演奏はスガさんの繊細にして大胆な感性をあらわしていると思います。

そして、スタンダードの繊細にして大胆な解釈/アレンジも◎。スタンダードとスガさんのオリジナルが何の違和感もなく並んで、アルバム全体に統一した雰囲気があるのも良いです。

実は私、ミュージックバードの番組「ブランニューCD」でファースト・アルバム『スガダイローの肖像』を聴いて気に入ってCDを買ったのですが、どうも馴染めずにCDを処分してしまいました(汗)。『スガダイローの肖像』はお披露目的な内容で色々な編成の演奏があって散漫な印象だったのです。ところが、雲さんのレビューや「快楽ジャズ通信」でスガさんの話を聞いたりするうちに、聴きどころがわかってきたんです。

なので、『坂本龍馬の拳銃』は改めて聴くとなるほどな~と思いました。ピアノ・トリオという編成も良いのではないかと思います。私の感じではホーンを入れるとどうもスガさんの世界をうまく表現できないんじゃないかという気がします。ひょっとするとスガさんの思いに沿って表現できるホーン奏者がまだいないのかもしれませんね。

『坂本龍馬の拳銃』は、普通のピアノ・トリオとは一線を画したスガさんのオリジナリティー溢れる楽しいアルバムだと思います。

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渋さ知らズのライブへ行きました。

毎年恒例となっている渋さ知らズ甲府「桜座」ライブへ行きました。

P13_2 渋さ知らズが甲府「桜座」に来るようになって、確か4年目になると思います。私が甲府に戻って来た年に初めて来ました。で、「桜座」という空間が気に入ったみたいで、毎年クリスマス頃に来るようになりました。

私も2年連続で行ったのですが、昨年はジャズ喫茶「いーぐる」の忘年会と重なったので、ライブには行けませんでした。今年は「いーぐる」忘年会とは重ならなかったので、2年ぶりに本日ライブを見てきたというわけ。毎年恒例行事。

本日のメンバーは、指揮:不破さんをはじめとして、トランペット2人、アルトサックス2人、テナーサックス1人、バリトンサックス1人、トロンボーン1人、フルート&ボーカル1人、ギター1人、キーボード1人、ベース1人、ドラム2人、パーカッション&ボーカル1人、ダンサーなど7人、漁師&MC1人、OHP1人の総勢24人。

P14お客さんは若い人から中年まで、男女半々くらいです。男女半々というのが面白いですね。私のように男性1人で来ている人はもちろん、女性1人(おひとりさま)もいるのです。いつもながらの満員御礼!

プログラムはだいたい毎年同じような流れで進み、途中10分程度の休憩をはさんで2部、2時間半程度のライブです。「桜座」は騒音制限があるので、午後10時には終了しなければならず、渋さ知らズの場合はアンコールなし。アンコールをやりだすとキリがなくなりますからね。そのかわりアンコール的盛り上がりも含めてのプログラムが組まれています。それでも不破さんが最後に「アンコールはありません。」と謝って終了となるのはちょっと辛いです。なんとかならないものでしょうか。

演奏のほうは熱演に継ぐ熱演。今日は2列目真ん中近くに座ったので、かなり演奏状況がよくわかりました。写真で背中を向けて座っているのが不破さんです。ソロ回しやソロのコーラス数を指示しています。で、渋さ知らズのグルーヴの要はベーシストです。常に不破さんの指示を確認しつつバンド全体のグルーヴをリードしています。派手なパフォーマンスは一切せずにひたすらグルーヴさせる。職人です。かっこいいです。不破さんがベーシストなので、バンドのリードはベーシストに任せているんでしょうね。

テナーの片山さんは相変わらずのパワー。今回はトランペッターお2人のパワーにも圧倒されました。トランペットの音もマイクを通さない音が聴けたので気持ち良かったです。あの音はオーディオでは出せません。フルート&ボーカルの方がファンキー(笑)!かっこいい女性です。過去に見たステージではいつもギターが2人いたのですが今回は1人。2部の途中では客席(ひな壇)に楽器を持って乱入したり、ステージ前方へ出ての演奏ありと大迫力のサウンドを浴びてきました。

実は昨年、ピアノがスガダイローさんだったそうなので、今年もちょっと期待していたのですが、前述のとおりキーボードによるオルガン1人。別の方でした。残念!

これまでどおり、まあとにかく楽しいライブでした。何度か一緒に合唱したり、2部はスタンディングで踊ったりと、お祭り気分満載!ストレス発散爽快ライブなのでした。

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こいつのアルトは爽快です。

まずは、
スイングジャーナル12月号から山中千尋さんの連載が始まりましたね。
12月号のやつはわかるようなわからないような内容でした(笑)。

で、今月1月号は?
ジャズ批評に対して思うところを述べています。
ジャズ批評を三種のタイプに分類しているのですが、
これがジャズ批評というか、ジャズ・ブログにもそのまま当てはまります。

菊池成孔さんにも噛みついています。
「文章の中のジャズ理論はあまり信憑性がありませんが、 ・ ・ ・
むしろ無いほうがよろしいのです。」とは!
こんなこと書いて大丈夫なのでしょうか(笑)?

最後まで読むと、結論はぐらかしで分かったような分からないような?
う~ん、山中さんの文章も結構イッちゃってます(笑)。

大きいイラストは字数が変動しても困らないように、バッファ(緩衝材)?
見開き2ページにしたいんだけど、埋められないから?
この編集・・・、なんか世も末ですね~(笑)。

次のページが寺島さんの「辛口談話室」。
一連の流れがもうギャグの世界です。
やってくれます。
スイングジャーナル恐るべし(笑)!

P12 今日紹介するのは、先日のジャズ喫茶「いーぐる」での「2009ベスト盤大会」でかかったアルバム。ミゲル・セノーン(ゼノン)『エスタ・プレナ』(2008年rec. Marsalis Music)です。メンバーは、ミゲル・セノーン(as)、ルイス・ペルドモ(p)、ハンス・グラヴィシュニグ(b)、ヘンリー・コール(ds)に、パーカッション/ボーカルの3人が加わります。

ジャケットはセノーン本人、手にしているのは出身地プエルトリコの打楽器パンデレータとのこと。前々作『JIBARO』はプエルトリコの民族音楽JIBAROをテーマにしましたが、今回もプエルトリコの最下層の人々に今でも歌い継がれるPLENAをテーマにしたアルバムです。

『JIBARO』については、以前ブログで紹介しました。ココ↓
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-f392.html

まず私はこの人のアルト・サックスの音が好きです。ストレートで非常にクリアなのに柔らかさも併せ持っています。一言で言うと爽快なアルト。そして、甘くなり過ぎない哀愁感漂うメロディーが心に響きます。

1曲目《ヴィラ・パラメラス》。頭のパーカッションからノリノリ。ブラジリアン・パーカッションのような感じで、サンバ・カーニバルのイメージです(笑)。速い16ビートにのってセノーンがプリプリと疾走するソロはかなりの爽快感。続くペルドモのピアノがセノーンと絶妙のマッチング。哀愁を湛えたメロディーで疾走します。

今回は半数の曲で歌(コーラス)も交えて力強さや生命力をより感じさせています。アップ・テンポで疾走する曲が多いのですが、ミディアム/スロー・テンポの曲ではじっくりと歌い上げています。全曲セノーンが作曲していますがなかなかの佳曲揃いですね。

ピアノ、ベース、ドラムは前アルバム『アウェイク』と同じメンバーなので、息もピッタリ。セノーンが歌い上げるPLENAの世界を一丸となって盛り上げます。最後の曲《デスペディダ》は《蛍の光》のメロディーがモチーフになっているところが面白いです。ラテン語のコーラスが盛り上げて大盛り上がりのうちに曲が終了。大晦日に聴くと1年が楽しく終われるかも(笑)?

爽快に疾走し、時にはしなやかに歌い上げるラテン・ジャズ。
聴くうちに気分も高揚してきます。
で、大晦日には《デスペディダ》を聴いて年を越しましょう(笑)。

アルバム名:『Esta Plena』
メンバー:
Miguel Zenon(as, background vo)
Luis Perdomo(p)
Hans Glowischnig(b)
Henry Cole(ds)
Hector "Tito" Matos(lead vo, per)
Obanilu Allende(background vo, per)
Juan Gutierrez(background vo, per)

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さすがにエリントンは深いです。

昨日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「デューク・エリントン特集」
インタビュー・ゲストはジャズ・ピアニストのマーカス・ロバーツさん。

番組詳細は 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。

デューク・エリントンのプロフィールはディレクター嬢から。
プロフィールは 女子ディレクターの番組制作日記 をご覧下さい。

「敬して遠ざける」ジャズマンはたくさんいるのではないかと思いますが、
その最たる人がエリントンではないでしょうか?

エリントンをよく聴くと、チャールス・ミンガスやセロニアス・モンクが
分かるようになります。
なので、エリントンはジャズを読み解くための重要な人。

最初は比較的分かりやすいノリノリな演奏から。
超有名どころをメンバーにかかえた時期の軽やかな演奏。
『1930,Vol.2』から《オールド・マン・ブルース》

やっぱり昔の演奏ですね(笑)。
ジャズの基本の基本、エッセンスとでもいいましょうか。
楽しいエンターテインメントです。
(以降緑字は、曲を聴いての感想などです。)

エリントンの音楽は色を重ねて絵を描いていくような感じです。

『イン・ザ・シックスティーズ』から《ソフィスティケイテッド・レディー》

私はこの曲が好きです。
ソフィスティケイト=洗練をイメージさせるメロディー。
ホーンの奏でるハーモニーも洗練されています。
スロー・テンポで貴婦人が歩くが如くの演奏。
そこにエリントンの逞しく洗練されたピアノ。
いいです。

丸ノ内コットンクラブでのマーカスさんへのインタビューから。

エリントンとは?
エリントンのメロディーにはジャズとは?アメリカとは?が凝集されている。

好きな曲(アルバム)は?
困って3分くらい色々挙げたらしいです。

で、敢えて1つ選ぶとすれば?
『ファー・イースト・スイート(極東組曲)』

雲さんによると全部中近東風でもある(笑)。
エリントン目線で描かれた極東。
このアルバムを象徴する曲《ツーリスト・ポイント・オブ・ビュー》

オリエンタルな感じの曲ですね。
でも、あまり極東な感じはしません。
ジャングル・サウンドを怪しくした感じです(笑)。
特にかすれたテナーが怪しくてグッド。

マーカス・ロバーツさんの
新アルバム『ニュー・オリンズ・ミーツ・ハーレム VOL.1』から。
ロバーツさんは伝統を大事にするピアニスト。

ロバーツさんのアルバムに対するコメントが超長いです。
喋り出したら止まりません(笑)。
内容については雲さんのブログを読んで下さ~い。

このアルバムではエリントンの曲を2曲やっています。
雲さんおすすめ曲は《パイ・アイズ・ブルース》

極オーソドックスなピアノ演奏ですね。
アドリブはかなりスマートで洗練されています。
エリントンからきれいさっぱり灰汁を抜いた感じの演奏でした。
和風料理のさっぱり風味を感じます。

ロバーツさんはジャズを聴いていなければ、
ブラームス、ラベル、ドビュッシーを勉強していただろうとのこと。

エリントンに戻ります。

エリントンのピアノにも注目。
バップとかスイングとか超越した超モダン。
コルトレーンは特徴があるからすぐに古い演奏だとわかるが、
エリントンだけ聴けば時間を超越した感じ。
雲さん曰く「壊れた未来のオルゴールみたい。」

『デューク・エリントン・アンド・ジョン・コルトレーン』から
《イン・ア・センチメンタル・ムード》

この曲はジャズを聴き始めてしばらく経った頃。
FM NHKの「ゴールデン・ジャズ・フラッシュ」の「ジョン・コルトレーン特集」で
聴いて気に入った思い出があります。
スローでトツトツとしたなにげない演奏のようですが、
これに物凄いジャジーなムードを感じたんです。
エリントンとコルトレーンにそれこそノックアウトされました。
名演だと思います。深いです!

「いつ聴いてもいい。コルトレーンはエリントンのピアノを伴奏している感じ。」
と雲さん。

今のは宝石のようなピアノ。
最後は世界一怖い《サマータイム》
「おっかねー、サマータイム。」と雲さん(笑)。
バックの不規則なドラムがお化け屋敷のような感じです。
『ピアノ・イン・ザ・フォーグラウンド』から。

これ、ぶっ飛んでます(笑)。
こんなのがあるからジャズ聴きはやめられないんです。
これ、私はジャズ喫茶「いーぐる」の「納涼持ち込み盤大会」で
林さんがかけたのを聴いて気に入ってしまいました。
もちろんこのアルバムも買いましたよ。
最後の”ガーンッ”に”ヒエ~ェ”(笑)。

「かっちょよかったですね。爆裂という感じです。」と雲さん(笑)。

<アフター・アワーズ編>

《オレンジ・ワズ・ザ・カラー・オブ・ハー・ドレス・・・》。
ミンガスの曲ですが、これがエリントンっぽい。
次はモンクのピアノ。
ピアノでエリントンのエッセンスを表現しようとしました。
そして次は誰のピアノ?
大西順子の曲でした。
もろにモンクです!
雲さんが好きな曲だそうです。
で、エリントン本人の演奏に戻って。
大西順子に似ていました(笑)。
なるほどね~、色々な人が影響を受けています。

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ジャズ喫茶「いーぐる」の「2009ベスト盤大会」へ行ってきました。

昨日は、ジャズ喫茶「いーぐる」の「持ち寄り2009ベスト盤大会」でした。
私は昨年から参加させていただいています。
今年もCDを持っていってかけさせていただくことにしました。

P9_2 おとといは駅前の武田信玄公像の「お身拭い」。
年末の掃除ということですね。
ご覧のとおりきれいになりました。
甲府の人にとっての武田信玄はこのイメージ。
かなり厳つくどっしりしているのです。
なので、大河ドラマなどで細身のスマートな俳優が
信玄を演じているとどうも違和感があります。
今度のデジカメ、やたら空の青さがきれい。
昔から富士フイルムは空の青さがきれいに撮れるとか言われていたような・・・。

余談はこのくらいにしておきます。

いつものごとく新宿と御茶ノ水のディスクユニオンを物色してから「いーぐる」へ。

P10 そういえば前回「いーぐる」へ行ったのは7月。あれから5ヶ月も経っています。今回はずいぶん無沙汰をしてしまいました。

お店に入ると高野雲さんが既に来ていました!別件の事前打ち合わせがあったらしいです。で、私が借りることになっていたCDの件で、雲さんに手間をおかしてしまうことに。どうもありがとうございました。

さてイベントの開始。最初にマスター後藤さんから今年1年の総括がありました。かけた曲は、ミロスラフ・ヴィトウス『リメンバリング・ウェザー・リポート』から《ヴァリエーションズ・オン・ウェイン・ショーター》。この曲は《ネフェルティティ》をモチーフにした曲です。これは私も購入済ですがブログでは紹介していません。

講演の状況や参加者がかけたCDは ジャズ喫茶 いーぐる「diary」をクリックして確認して下さい。いつもながらのことではありますが、各参加者の個性が出た選曲です。

皆さんがかけた曲についてここでは説明しません。
買いたいアルバムが何枚かありました。
既に購入済みのアルバムも何枚かありました。

では、私がかけた曲だけ説明します。
何しろ説明がへたくそな私なので、ここで補足しておきます(笑)。

さて、何をかけようかと数日悩みました。最初はクリス・ポッター『ウルトラハング』をかけようかと思ったのですが、他の人が絶対かけると思ったので却下。蓋を開けてみれば誰もかけませんでした(笑)。次にかけようと思ったのがtift『スメル・ザ・ディファレンス』。ヘビーメタル・ジャズで盛り上げようかと思いました。でも、これも捻りが足りません。

ということで、私以外は絶対選ばないだろう上原ひろみ『プレイス・トゥ・ビー』にしました(笑)。テラーク録音を「いーぐる」オーディオで大音量で聴いてみたかったというのもあります。

今、日本人女性ピアニストではひろみちゃんが一番だと私は思うからです。ひろみちゃん呼ばわりしてごめんなさい(笑)。

私がまずひろみちゃんを買うところはオリジナリティー。ひろみちゃんにはひろみちゃんの個性があります。後藤さん風に言わせていただくと「ブラインドが可能な人」(ブラインド・フォールド・テストで聴き分けられる個性を持った人)です。そこが買い!また演奏技術をきちんと自分の表現にしています。そして、私がひろみちゃんを面白いと思うのは、極めて現代的だからです。

まずリズム。フラットでスクエアなリズム感。黒人グルーヴとは異質なものです。ちょっとデジタル/マシンチックであります。NYダウンタウン系の今時の人達にもこれは通じるものがあると思っています。更にひろみちゃんのリズム感は凄く正確。サラッとやっていますが、これだけのリズム感はめったにいません。

次に感性というか感情表現。今回のアルバムでも色々な場所や物についての想いを音にして綴っているのですが、場面場面では感情豊かにやっているのはわかるのですが、いざ1曲聴き終えた後心に残るものは意外とアッサリしたものであるということ。私はこのあたりに現代ジャズのテイストの基調を感じます。人によってはこういうところがつまらないと言います。私としてはこのあたりのニュアンスをきちんと聴いてあげるべきだと思うのです。

さて、ではどの曲をかけたのかというと、敢えて技巧や特殊奏法が全面に出ていないものを選びました。冒頭の《BQE》なんかはこのアルバムの象徴的な曲なのですが、インパクトが強すぎて本質は見てもらえないと思いました。で、比較的オーソドックスな《ケープコッド・チップス》。低音のタッチの力強さも聴いてほしかったし、「いーぐる」オーディオでの再生やいかに?と思ったのです。

さてお聴きになった皆さんはどう思ったのでしょうか?

ひろみちゃんの演奏については、後藤さんにも認めてもらえているみたいなので、私としては嬉しい限りです。後藤さんは「○○さんや××さんのように技術があるけど何をやりたいのか見えてこない人とは違う。」なんておっしゃっていました(笑)。

「いーぐる」オーディオでのひろみちゃんのピアノの音、これが意外と普通に聴こえました(笑)。ちなみに私が「普通」と言うときは、違和感なく「良い音」という意味です。「いーぐる」の音って、結局は単に私好みの音なのかもしれませんね(笑)。いつ何を聴いてもスルリとオーディオをあまり意識せずに聴くことができます。

講演終了後の忘年会では、ひろみちゃんについて面白い話がいくつか聴けました。

まずは、林さんが「上原ひろみは古いストライド・ピアノをよく研究している。あのリズムは縦ノリ。」とおっしゃったことです。かけた曲はストライド奏法を交えていますよね。なるほど、アリー・ジャズにお詳しい林さんならではの御意見です。縦ノリ!私はロックのリズムの縦ノリ~フラットなリズム感だとイメージしていたのですが、多分同じことなのだろうと思いました。

雲さんからは綾香と上原ひろみの共演がYouTubeにUPされていると教えていただきました。「上原ひろみのソロが凄くて綾香が入るのを戸惑っている。」とのことだったので、早速チェックしました。ひろみちゃんキレまくってます(笑)。

初共演のスタジオ録音版もアップされていますね。
これを見て上原ひろみからジャズに興味を持ってくれる若者が増えるといいのですが・・・。で、いざジャズ雑誌を開くとオジサン向けジャズばかりでは、若者が後ずさりしそうですよね(笑)。若者をリードできる人、今いるのかな~(笑)。

村井さんはこのアルバムでは《BQE》が良いそうです。で、「上原ひろみが「ピアノ・ソロはピアノとの戦いです。」と言っているところがいいよね~。」ともおっしゃっていました。《BQE》を演奏するためにものすごく練習したなんて話も聞かせていただきました。私はひろみちゃんにはストイックさを感じます。例えば野球のイチローと同じ。ストイックですよね~。イチローの野球はアートだと思います。自分には到底無理なだけにストイックな人には憧れます。

上原ひろみをかけたことで、色々なお話(情報)を聞けるのもこういう場の楽しいところなんですよね~。

忘年会、酔っぱらった私は後藤さんに色々と言いたい放題してしまったようで(汗)、ご容赦願います。

とにかく楽しい忘年会でした。皆さまどうもありがとうございました。

P11 「いーぐる」に行く前、ディスクユニオンお茶の水ジャズ館で上原ひろみのデビュー・アルバム『アナザー・マインド』の中古を見つけたので買いました。実はこれは持っていなかったのです。ジャケ少スレ盤A/Bで¥630。トホホッ、不人気盤です(笑)。これで上原ひろみリーダー作5枚が揃いました。

アルトサックスが入ったフュージョンもやっていたんですね。デヴィッド・フュージンスキー入りも既にトライしていました。色々な方向性があったのですが、次作でピアノ・トリオに焦点を定めたようです。で、その後フュージンスキー入りのソニックブルームもやって今に至ります。お~っ、アンソニー・ジャクソンがエレベ参加した曲が3曲ありました。ヘビーなグルーヴです。

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フリージャズも聴きたくなります。

ここのところ急に寒くなりましたね。冬らしい感じです。

フリージャズのファンって、意外といますよね。ディスクユニオン新宿ジャズ館には結構広めのフリージャズ・コーナーがあるのですが、お店に行くと必ずフリージャズ・コーナーを見ている人がいます。そういう私もフリージャズの新譜は一応チェックする1人です。

フリージャズ好きな人って昔からあまり減っていないのかもしれません。そういう人は前衛&アート志向の人なのではないかと思います。娯楽&癒し志向のジャズ・ファンが増減しても、フリージャズ・ファンは多くありませんが一定数安定存在しているように感じます。

私はフリージャズ・ファンとまではいきませんが、フリージャズも聴くようにしています。フリージャズは難解だからと敬遠する人がいると思いますが、意外と普通に聴けるものもあるんですよ。硬派バップのちょっと先です。最近あまりにも軟派バップものが多いので、この硬派バップまで切り捨てられてしまうのが、なんとも悔しい(笑)。

まあ、フリージャズもそれこそ”ピンキリ”で、比較的分かりやすいものもあれば難解というか不毛なものもあります。私も聴いているのが苦痛になるようなフリージャズは嫌いです。でも、バップを基調としつつ、フォーマットにとらわれないという意味でのフリージャズは面白いと感じます。聴く方の意識をちょっとばかりフリーにすれば楽しめると思うんですよね。

今日紹介するのは、そんな1枚。

P8 ザ・フレーム・カルテット『35mm』(2009年rec. Okkadisc)です。メンバーは、ティム・ダイシー(ds)、フレッド・ロンバーグ・ホルム(cell,electronics)、ネイト・マクブライド(ac-b,el-b,electronics)、ケン・ヴァンダーマーク(ts,B♭-cl)です。シカゴ系の人達です。

シカゴのフリージャズは、AACM(Association for the Advancement of Creative Musicians:創造的音楽家の進歩のための協会)なんかがあるように、黒人のコミューニティにおいて育まれてきた歴史があります。こういう環境下で演奏されるフリージャズは、どこか身近に感じられるような気がしますし、フリーな空気感が醸し出されています。

このアルバムではエレクトロニクスも使用していますが、必要最小限のサウンド・エフェクト程度。基本はアコースティックなサウンドで、ヴァンダーマークの豪放なテナーとロンバーグ・ホルムのノイジーなチェロが主役を演じます。チェロはノイジーですが時に美アート、決して耳触りというほどではなく心地良いと思いますよ(笑)。ダイシーのドラムとマクブライドのベースも力強いビートを叩き出し、フロントを支え鼓舞。ロック・ビートとフリー・ビートの間を行き来しつつ曲が進行していきます。

10分以上の曲が5曲収録されていて、それぞれ、ペーター・ブロッツマン/ハン・ベニンク/フレッド・ヴァン・ホフ、エンニオ・モリコーネ、メルス・カニンガム、ジミー・ライオンズ、スティーブ・レイシーの5組のための演奏となっています。残念ながら私にはそれぞれの人と曲の関連性みたいなものは分かりません。まあ、特に意識しなくても聴くことに支障はないとは思います。

フレーム・カルテットの”フレーム”はカメラの枠のことのようで、アルバムタイトル『35mm』はカメラのフィルムのサイズですよね。上記にあげた人達の音楽をカメラのフレームでフィルムに写し撮るような意味合いがあるのかもしれませんが、これも特に意識する必要はないと思います(笑)。

このアルバムを聴いて、4人のヤンチャで奔放素朴なアートを楽しんでください。

明日はジャズ喫茶「いーぐる」の「持ち寄り2009ベスト盤大会」&忘年会へ行く予定です。

アルバム名:『35mm』
メンバー:
The Frame Quartet
Tim Daisy(ds)
Fred Lonberg-Holm(cello, electronics)
Nate McBride(acc-b, ele-b, electronics)
Ken Vandermark(ts, B♭-cl)

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雲さんのブログ(レビュー)は面白すぎ!&昨日の続き。

雲さんがアルバム・レビューに書いている某ジャズ喫茶での体験話。
私にはド・ツボです!面白すぎます。
以下必読です。

http://kairaku-jazz.seesaa.net/article/135641866.html
http://kairaku-jazz.seesaa.net/article/135730336.html

雲さん曰く
「ジャズという磁石だけではなく、その磁石が放つ磁界もひっくるめて面白くて深い」
ほんとにその通りだと思います。
私のブログの読者の皆様も分かっていただけますよね?

では昨日の続きです。
「discland JARO」 の通販で買ったレコードの紹介。

P6マイルス・デイビス『フォア・アンド・モア』(1964年rec. COLUMBIA)です。オリジナル盤ですよ。2eye、マトリックスは両面1Aです。盤質はかなりきれいでランクN。ジャケットにはシュリンクがかっかっていました。コロンビアはオリジナル盤とはいえ不人気なので安いです。 マイルスだって高いのは『ソー・ホワット』とか極一部。なので、今回買ったのも4桁です。

メンバーは、マイルス・デイビス(tp)、ジョージ・コールマン(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)です。まっ、今更説明不要のメンバーであり、演奏内容ですよね。NYリンカーン・センターのフィルハーモニック・ホールでのライブ録音です。同日の録音の静か系を収めた『マイ・ファニー・バレンタイン』もあるのは、皆さんご存じのとおりです。

これ、改めて聴いてみるとやっぱり凄いものがあります。異常なほどの疾走感。ボスのマイルスが凄いので、全員それに負けじと疾走します。トニーが煽りまくると言われますが、やっぱりこれはマイルスが引っ張っているんだと思います。

A面1曲目の《ソー・ホワット》から凄いのですが、それに続く《ウォーキン》のマイルスのソロ、これがまた恐ろしいスピードです。途中に挟むハイ・ノート高速フレーズの凄み!こんなスリルのあるソロはめったに聴けません。カッコいい!で、トニーのドラム・ソロですよ。ハチャメチャに暴れるかと思いきや、これが意外と知的に計算されたもの。

コールマンも凄いです。ウェインに比べて落ちると言われますが、ここでは気合い入ってます。ハービーもトップ・ギアに入りぱなし、アクセル全開。バックでは、「ロン・カーターさん。指大丈夫ですか?」と、心配になるくらいの高速ウォーキング・ベースが唸りをあげています。

A面ラスト《ジョシュア~ゴー・ゴー》で、ちょっと、ちょっとねっ、一息つけます(笑)。A面のハイ・スピード曲3連発は凄すぎます。このA面を聴いた後に「ハイ・ファイブ」とか聴くと一挙に和みます(笑)。時代が違うと言ってしまえばそれまでなのですが・・・。やっぱりジャズを聴く醍醐味は、こういう演奏からガッツとパワーをもらうことなのではないかと思います。マイルスってやっぱり凄いミュージシャンなのです。

P7 続いてディジー・ガレスピー『ザ・ギフテッド・ワンズ』(1977年rec. PABLO)です。メンバーは、ディジー・ガレスピー(tp)、カウント・ベイシー(p)、レイ・ブラウン(b)、ミッキー・ロッカー(ds)です。このアルバムはず~っと探していまいた。後藤雅洋さん著「ジャズ・オブ・パラダイス」に掲載されているもので、コンプリート蒐集目指して探していた1枚。

中古レコードを何年も探していたのですが、見たことがありませんでした。最近CDがあることに気づいて注文したら、メーカー在庫切れとかでいつ入ってくるかわからないような状況。そこに「ジャロ」の通販リストが届きました。こんなレコードがある「ジャロ」ってやっぱり凄いお店です。

後藤さんが書かれているように、「なんでもないようなさりげないような音にもジャズのエッセンスがつまっている。」演奏が収録されています。「ジャズって何?バップって何?ブルージーって何?」という疑問には、このアルバムを聴かせてあげるというのはどうでしょう?ジャズの名手達による肩肘張らないジャジーな好セッションです。

上記マイルスのアルバムとは好対照。
でも、どちらもジャズって素晴らしいと思えるアルバムなのではないでしょうか?

今日のジャケット写真。tommyさんのアドバイスに従って、デジカメのストロボの前に、トレーシングペパーではなくて、家にあった半紙を貼り付けて撮影しました。ちょうど良いくらいの光量になったと思います。

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渋谷のレコード屋さん「ジャロ」の通販

ボーナス・シーズン12月。
渋谷のレコード屋さん 「discland JARO」 から通販リストが送られてきました。
通販リストが送られてくるのは年4回。
3月、6月、9月、12月です。しっかりボーナス月はおさえていますね(笑)。
通販リストに興味がある方は上記リンク先から、お店に連絡してみて下さい。
って、ジャロの宣伝を無償でやっています(笑)。

リストを必死に調べ、渋いのを買ってしまいましたよ。ちょっと紹介します。

P4 まずは、デューク・ジョーダン『ジェラシー』(1983年rec. マシュマロレコード)です。渋いジョーダンなのに、その中で更に渋い1枚(笑)。ジャズ喫茶「いーぐる」に集う有志によるウェブ・マガジン com-post の企画「80年代の100枚」で紹介されている1枚で、その発表イベントで原田和典さんがかけた1枚でもあります。その時の模様はブログにUPしています。
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/com-post-1c8d.html

メンバーは、デューク・ジョーダン(p)、イェスパー・ルンゴ(b)、エド・シグペン(ds)、クリスチャン・ジョーゲンセン(vln)です。ジョーゲンセンはラストの1曲だけしか参加していません。それもたった3分10秒の曲。これ、CDが出ています。CDを買おうと思っていたのですが、買いそびれているうちに通販リストに発見したので買うことにしました。やっぱりレコードのほうが私としては嬉しいのです。当時の空気が詰まっている感じがします。中古盤で特にレア盤というものではないので\1,800。

録音がなかなか良い感じです。ジョーダンのピアノが力強い音で響き、ルンゴのベースはふくよかで深い響き、ドラムも上品でダイナミック。このしなやか録音はシンプルな録音方法によるところが大と感じました。ミキシング後、2トラックのテープレコーダー:スチューダA80にダイレクトに録音しているそうです。

ジョーダンのピアノが優しくかつ力強く歌い上げる感じは心に染みます。「男はタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格はない。」みたいなジョーダンのピアノです(笑)。選曲も単に日本受けするようなスタンダードを並べるのとは違って渋め。ジョーダン作《コール・ミー・トゥ・ユア・アームズ》、ちょっとベタな哀愁美メロ曲ではありますが、私は好きになりました。

P5 次は、ハリー・ヴァービク『ジブラルタル』(1979年rec. Timeless)です。ハリー・ヴァービクはMOONKSの「JAZZとびっきり新定番500+500」に別なレコードが紹介されていて、気になっていた人です。一抹の不安も感じつつ(笑)、電話で在庫確認した際、JAROの店主に「これどんな感じなんですか?」とたずねると、「大人のジャズです。」とのお答え。

実はこの人の別なレコードも薦められたのですが、まずは1枚買って様子見(笑)。レコード・タイトルが気に入りました。「ジブラルタル」何かラテン系の哀愁メロディーが聴こえてきそうでしょ(笑)?レコードが届いてわかったのですが、フレディ・ハバードの曲でした。曲想はシダー・ウォルトンの《ボリビア》風で私好みです。

メンバーは、ハリー・ヴァービク(ts)、ロブ・アフルベーク(p)、ハービー・ルイス(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)です。タイムレスお得意のビリー・ヒギンズがいます。激渋ピアニストのロブ・アフルベークがいるじゃありませんか?いや~っ、わかる人にはわかる。80年前後に録音されたために、良質バップ・アルバムなのに世間認知度がほとんどないアルバムです。現代最新ジャズの合間にこういうのを聴くと安心します(笑)。

最初のひと吹きで、この盤の良質「大人のジャズ」度が認知できました。80年頃にはこの手のアルバムが結構あります。2000年代にも似た趣向のアルバムがたくさん出ていますが、私には全然レベルが違うように感じます。表面上は同じようなサウンドなのに、80年頃に出たアルバムと比べると落ちるものばかりのような・・・。

で思うのが「最近のバップはやっぱり質が落ちるな~。」ってことです。最近のバップを「良い良い。」と言っていたりするのを聞くと、「この人達は80年頃のバップもちゃんと聴いていないんだろうな~?」と思います。私はこの辺りのバップを聴く耳を養うために、ジャズ喫茶「ジニアス」へ行っているというところもあります。「ジニアス」には80年頃にお店でかけていた当時の良質バップ盤がたくさんあるのです。

で、同時代音楽としてバップをやっていた50年代や60年代と比較すれば、80年代も差はあるのですが、現代のやつはそれよりさらに落ちる感じがします。もちろん最近のバップでも優れたものはあるでしょう。でもかなり少ないように感じています。まあ、現代バップにはあまり興味がない私なので、単に私が知らないだけかもしれませんが。

なんか愚痴になってしまったので、このへんでやめておきます(笑)。

新しいデジカメはフラッシュの発光が強いのか、どうも明るく撮れ過ぎな感じです。
今回掲載写真は、ソフトで明るさを-20にしてみました。

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久々にオーディオの話題でも。ヘッドホン!

以前、ジャズ友のtommyさんがご自身のブログにヘッドホンの話題を書いていました。”耳心地の良いヘッドホンはありますか?”と。
http://ameblo.jp/tommy-jazz/entry-10395470688.html#cbox
tommyさんが書いていらっしゃるとおり、私も長くヘッドホンをしているとのぼせてしまいますし、顔が大きいので(笑)耳への圧迫感もかなり気になります。

さて、そんな私が愛用しているヘッドホンはというと?

P1_2 オーストリアはウィーンのAKG(アーカーゲー、ドイツ語読みねっ)のヘッドホンK-501
これを買うまで中学1年の時に買ったTRIO(KENWOODの前身)の安いオプンエアー型(KH-52)を使っていました。とは言ってもヘッドホンで聴くと気分が良くないので、ほとんど使っていなかったのです。
で、たまに夜中に聴きたくなる時もあるので、少しまともなヘッドホンを買おうかという気持ちになって、ヘッドホンを新調しました。
当時真空管パーツを買いによく秋葉原へ行っていたついでに、石丸電気で色々なヘッドホンを試聴してこれに決めました。
これにした最大の理由は音がものすごく爽やかだったからです。この爽やかな音なら聴き疲れしないんじゃないかと思ったのです。ある意味独特な音。この音に嵌まれば唯一無二の存在かも?

P2このヘッドホンは、インピーダンスが高く(120Ω)、出力音圧レベルもかなり低い(94dB)ので、音量を上げるにはかなりボリュームを回さなければなりません。
それから低音が少ないように聴こえます。前にマッキントッシュのプリアンプC36(ヘッドホン端子有)を使っていた時、私はBASSを2目盛ほど上げて使っていました。BASSをブーストしても爽やかさは維持していたので快適でした。

オーディオ評論家の故長岡鉄男さんが、このヘッドホン他のレビューをした記事があるのですが、例によってスペアナで周波数特性を調べ、写真を掲載しています。
で、このヘッドホンは6.4kHzのピークを除けばほとんどフラットという独特なものでした。他のヘッドホンはみな多かれ少なかれ高音と低音に盛り上がりがあります。
長岡さんは、「なぜかオルガンの低音は力不足。明るくメリハリがあり、シンバルはシャープで繊細、ハンドベルは抜群。ソプラノも明るくさわやか。独特の味を持ったヘッドホンだ。」と、評していました。私は既にこのヘッドホンを持っていたので、さすがは長岡さん。適切な評価だと思ったものです。
吉田伊織さんのヘッドホン・レビューでは、「高鮮度で格調ある音質」と書いてありました。”格調ある音質”というのがイイです(笑)。

P3_2 このヘッドホンはもう製造中止なのですが、上記のような音色に人気があるらしく、ネット検索をすると、このヘッドホンについての記事がたくさんヒットします。どうやら巷の見解はクラシック向きヘッドホン(笑)。
私のメインスピーカーはタンノイですし、どうも私の好みはクラシック向き?ちなみにタンノイのスターリングは低音ダクト全開で高音も1目盛UPして、そこにホーンツイーターを加えているので、かなりメリハリのある音がしています。低音より高音志向?
このヘッドホンもメリハリがありますから、そういう音が私好みということになりますね。これはジャズ向きでもあります。って強引かなっ(笑)?

ヘッドホンの箱も捨てずにとってあります(笑)。私のヘッドホンは側圧調整用?のゴムが伸びきってしまっていますし、パット部もよれよれ気味ですが、このヘッドホンは手放せないでいます。デザインはちょっと野暮ったいのですが、音質あってのこのヘッドホンなので、デザインには目をつぶりましょう。だいたいヘッドホンをしてしまえば自分では見えません(笑)。ネットでこれだけ話題になっているヘッドホンを使っているというのが、かなり嬉しく自慢な私です(笑)。

このヘッドホンはかけ心地というより、音質が耳に心地良いです。

今回の写真は新しいデジカメで撮影しました。ネット用なので、0.3Mの最小モードで撮影していますが、前のやつよりずっとキレイに感じます。画素数は一挙に6倍になりました。

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板橋文夫さんの味があるトーク&ピアノに参りました。

今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「マッコイ・タイナー特集」
ゲストは、ジャズ・ピアニストの板橋文夫さんです。

番組の詳細は 「快楽ジャズ通信」 を参照願います。

板橋さんと言えば、私が山梨に帰ってきて甲府「桜座」で見た最初のライブが
アルト・サックスの林栄一さんと板橋さんのデュオでした。
過激に弾きまくる板橋さんの映像が目に焼き付いています。
即興演奏で《桜座の夜》という曲もやりました。
当時の演奏は、横浜・ドルフィンでライブ録音された『ライブ・アット・ドルフィー』
持っています。なかなか良いデュオ・アルバムですよ。

マッコイ・タイナーのプロフィールはディレクター嬢のナレーションで。
女子ディレクターの番組制作日記 にUPされています。

板橋さんがジャズを始めた頃のアイドルがマッコイ・タイナー。
板橋さんの『渡良瀬』での演奏とマッコイの『ソロ・ライブ』での
ペンタトニックの音が日本人にも共有している感覚なんて話も出ます。
和的情緒はペンタトニックによるものかも?
このことについては後ほど出てきます。

ペンタトニックとは、5音で構成されるスケール(音階)です。
日本の「四七抜き」とか、沖縄民謡などがあります。

で、《渡良瀬》のメロディーは黒鍵の5音でできているんだとか。
雲さんは、「《猫踏んじゃった》と同じじゃないですか?」なんて言ってます(笑)。

板橋さんは、マッコイのバップ的でなく、モード的な感覚が良かったとか。
マッコイ・タイナー『インセプションン』からタイトル曲。

まさにマッコイな演奏。
和音の響きはフレッシュですよね。
明快で力強い演奏です。
ここではまだ後年のしつこさはないです(笑)。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

板橋さんがレコードを持ってきたので番組ではそれをかけました。
板橋さんも久しぶりに聴いたそうです。
柔らかい音がいいなんて話になります。

板橋さんは大学に入って本田竹曠さんを聴いて、
感激してジャズを弾くようになったそうです。
マッコイの演奏については、レコードのコピーから入ったそうです。
レコードの針を何度も戻してコピーしたんだそうです。
大変だったそうですよ。
一音ならまだしも、和音はとくに大変だったとか。

そういう面倒なコピーをしたことは遠回りだったかもしれないが、
今思えばそれが良かったのではないかとのこと。
今のように譜面が簡単に手に入るようになるのはよくないなんて話も。

次はホーン入り。
『リアル・マッコイ』から《パッション・ダンス》
この曲は板橋さんが学生当時バンドでよくやったそうです。

これ、テーマのメロディーがカッコいいと私は思います。
このハーモニー感覚。「マッコイだよね~。」としか言いようがありません(笑)。
よくもまあ、指がコロコロと動きます。
何と言うのか?重さと飛翔感が同居している快感。
ジョー・ヘンダーソンがね~、ウネウネとやってくれます(笑)。
エルビン・ジョーンズも素晴らしいグルーヴ。
私、これ好きです。

このアルバムが録音された年、まだ雲さんは生まれていなかった話から、
板橋さんが「雲さんはなんでジャズを聴くの?」という質問へ。
当時リアルタイムで聴くのと、後にCDで聴いて当時を追体験するのは違うはす。
そういうところをどう捉えているのかも知りたかったみたいです。
雲さんは刺激的な音楽を聴きたいので、それがジャズにもあると答えます。

板橋さんは、マッコイに新鮮な新しい音楽を感じたそうです。
雲さんがコルトレーンの《マイ・フェイバリット・シングス》で
マッコイを初めて聴いたなんて話から、コルトレーンはどうかという話へ。
板橋さんも最初コルトレーンはわけがわからなかったそうです。
ジャズ喫茶でフリーになっていたのを聴いて「なんじゃこりゃ。」と思ったそう。

リアルタイムで時代の音楽を聴く感覚とCDであらゆる時代を追体験するのは
違うという話へ戻って、雲さんはやっぱり当時の空気はわからないと言います。
だから雲さんは、リアルタイムの空気を知っている人と話をするのは面白いと。
雲さんが「だから今日、板橋さんと話すのは凄く面白いんですよ。」と言うと、
板橋さんは「それは運命だ。」なんて言っていました(笑)。

板橋さんの『渡良瀬』からタイトル曲

私は初めて聴きました。良いですね~。
なるほど、確かにマッコイ的な響きがあります。
これが黒鍵だけで弾いたペンタントニック・スケールね~。
和の響きも感じられますね。
これは日本人の琴線に触れる音だと思います。
重さと郷愁のサウンドがいい感じにハートにきます。
他の演奏も聴きたいので、『渡良瀬』を買いたいと思いました。

曲後、雲さんが「琴線にじわじわ染みてくる。何か懐かしい。」と言います。
すると、板橋さんは「5音階でできていて、日本の唱歌からきている感覚。」と
言います。板橋さんのお母さんが音楽の教師だったそうで、
「唱歌とかをいつも口ずさんでいたのが耳に残っているのかも?」とのこと。
板橋さんにとっては生活の歌なんだとか。

唱歌と言えば、前にブログに書いた「音楽の正体」の放送でやった、
「日本音楽とは何か」で、日本音階「四七抜き」を唱歌として普及させた
なんて話がありましたよね。
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-392a.html
チェックしてみて下さい。

板橋さんは小学2年からクラシックを習ったとか。
でも、それまで特にクラシックは好きではなかったそうです。
板橋さんは家にあった足踏みオルガンが好きだったそうで、
よくさわっているの(弾いている?)のを親が見て、
音楽も習わしてみようとなったんだとか。

国立高校を受験して、音大に上がった後もクラシックをやっていたが、
ポップスのほうが好きだったそうです。
大学で本田竹曠さん(もクラシックからジャズへ転向)を聴いて、
板橋さんもジャズへ転向。
板橋さんと本田さんはピアノの先生が同じだったそうで、
これには運命的なものを感じると言っていました。

で、今やっとクラシックの良さがわかり、
ジャズと大して変わらないと思うようになったとか。
ただし音符がたくさんありめんどくさいとか言っていました。
板橋さんらしいです(笑)。
今は自分なりにできるピアノを弾きたいとのことで、
今度のライブではクラシックを弾くんだそうです。

この板橋さんのライブについては、tommyさんのブログに掲載されています。
http://ameblo.jp/tommy-jazz/theme-10016197299.html
を参照願います。

マッコイ・タイナー69歳のソロ・ピアノ。
『ソロ・ライブ』から《ネイマ》

大人し目に入ったと思ったら、やっぱりガンガンきますね。
で、またしっとりも織り交ぜつつ、緩急をうまく配した大人のピアノです。

今日は板橋さんの味があるトークに魅了されました。
楽しかったです。

<アフター・アワーズ編>

板橋さんのエレピと雲さんのエレベでセッション。《高野雲ブルース》。
いきなりのベース大音量で音が割れています(笑)。
板橋さん。黒いです。ガンガン攻めてきます。
鼻歌も交えつつの快適ブルースになっていましたよ。
雲さんのベース・ソロも今回は多めにフィーチャー。
音がクリップしてもお構いなしの痛快セッションでした。

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デジカメを買い替えました。

先週の日曜日にデジタル・カメラが壊れてしまったことはブログに書きました。

デジカメがないと困るので買い替えましたよ。

今回はAmazonで物色して買いました。

価格を見ながら、キャノンと富士フイルムとニコンの仕様を比較。

バッテリー式にするか単3型乾電池式にするか迷ったあげく、

従来使っていたのが乾電池式だったので、今回も乾電池式にしました。

バッテリーの残量とかを気にするのはめんどくさいですし、

一方、単3型乾電池ならどこにでも売っていますからね。

で、メーカーは富士フイルム、前に使っていたのと同じです。

買ったのは、FINEPIXのA220です。

これねっ:http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/a220/index.html

前に使っていたのがA203なので、後継機ということになります。

A203からA220までにはかなりのモデルチェンジが繰り返されています。

Amazonでの在庫が最後の1個だったので、もうありません。

FINEPIXの売れ筋は、F200EXR、F70EXR、Z300、Z37とかなのでしょう。

私が買ったAシリーズは近いうちに消え去る運命?

これでまたレコード・ジャケット写真が撮れるようになりました。

めでたし、めでたし!

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スレッギルのオーガニック・ミュージック!

今年の漢字は「新」に決まったようですが、世の中不景気一色で「新」な感じはあまりないですね~。自民党から民主党へ政権交代したんですけど、政界に「新風」を吹き込むとまではいってないですよね。政治の世界って結局混沌としているように感じます。

P200 まっ、それはさておき、今日紹介するのはヘンリー・スレッギル・ズォイド『ディス・ブリングズ・アス・トゥVol.1』(2008年rec. PI RECORDINGS)です。なんなんでしょ。この味もそっけもないジャケットは(涙)。メンバーは、ヘンリー・スレッギル(fl,as)、リバティ・エルマン(g)、ホセ・ダヴィラ(tb,tuba)、ツトム・タケイシ(b)、エリオット・フンベルト・カヴィー(ds)です。

この人、昔は”スレッギル”とカタカナ表記していましたが、”スレッジル”と表記する方もいますね。外来語のカタカナ表記は難しいです。8年ぶりの新作らしいです。私にとってのスレッギルは「AIR(エアー)」というサックス・トリオに参加していたということ、私がジャズを聴き始めた年に『シカゴ・ブレイクダウン’82』を出して、当時はスイングジャーナル誌でも結構取り上げていた記憶があります。当然私はまだこの手のジャズを聴くレベルではありませんでした。今聴くとなかなかクリエイティブで面白いサウンドだと思います。

さて、本アルバムの話。一言で言うと一筋縄ではいかないサウンド。「いーぐる」周辺では有名なアルバム『トゥ・マッチ・シュガー・フォー・ア・ダイム』をシンプルにした編成&サウンドです。そのアルバムいついては前に書いていますので、以下を参照願います。
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_991b.html

1曲目《ホワイト・ウェンズデー・オフ・ザ・ウォール》は、音の隙間が多めのフリー・インプロビゼーション。音の空間配列や音のニュアンスを意識的に聴かせるような演奏です。スレッギルはフルートを吹いています。

2曲目《トゥ・アンダーテイク・マイ・コーナーズ・オープン》は、ミディアム・バウンスのフレキシブルなファンク・ビートに乗って、ダヴィラのトロンボーンやエルマンのギターがじんわり熱いソロを展開し、最後にスレッギルも雰囲気を維持してソロをとります。この微妙によじれたサウンドが個性的です。

3曲目《チェアマスター》は、ダヴィラのチューバーが低音パルスのベース・ラインで演奏をリードする曲です。ギターとベースは自由に動き回っています。浮遊感を感じるよじれたリズムの上で、アグレッシブなスレッギルのフルートが舞い踊り、エルマンの抽象的なよじれたギター・ソロが続きます。タケイシはアコースティック・ベースを弾いています。私はこの人はエレクトリック・ベースの人だと思っていました。

4曲目《アフター・サム・タイム》では、やっとスレッギルのアルト・サックスが登場。これもよじれサウンドです。リズムとかサウンドは前曲と同じですが、スレッギルがアルトを吹くとアグレッシブさが増してきます。エルマンの現代的で個性的なギター・ソロが続きます。

5曲目《サプ》は、ドラムのソロから入ります。パワーで押すという感じではなく、ニュアンス&広がりを意識したものです。アップテンポのファンク・ビートに変わり、他の楽器が入ってくる瞬間がカッコいいです。この曲もチューバーがベース・ラインを吹きます。チューバー・ベースって、ちょっと緩い感じがして気持ちいいんですよね。で、リズムがとても軽くなります。ここでもスレッギルのエキサイト・アルトとエルマンのよじれギターが炸裂。

6曲目《ミラー・ミラー・ザ・ヴァーブ》は、最初と同じでフリー・インプロビゼーション。スレッギルはアルト。これも空間系の隙間が多い演奏です。1曲目よりこちらのほうが激しい演奏になっています。

ちなみに、全曲をスレッギルが作曲しています。前半3曲がフルートで、後半3曲がアルト・サックスという構成でした。全6曲39分5秒。最近にしては収録時間がかなり短いです。潔さを感じます。収録時間がだらだら長いものよりは好きです。

これらのサウンドをなんと説明したらいいんでしょうか?よじれていますが決して威圧感はなく、ちょっとユーモラスで浮遊感があり、身を任せるとかなり気持ちが良いサウンドです。スレッギルが達したブラック・ミュージックというのは、オーガニック・ミュージックなのではないかと感じました。

自然派の人は一度聴いてみてやって下さい!

アルバム名:『this brings us to vol.1』
メンバー:
Henry Threadgill(fl, as)
Liberty Ellman(g)
Jose Daila(tb, tuba)
Stomu Takeishi(bass-g)
Elliot Humberto Kavee(ds)

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《オール・ザ・シングズ・ユー・アー》は楽しい演奏揃い。

今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「オール・ザ・シングズ・ユー・アー特集」

番組詳細は 「快楽ジャズ通信」 を参照願います

《オール・ザ・シングズ・ユー・アー》は?
ジャズメンに人気がある曲。
やっていて面白い曲。
コード進行が面白く、いじって遊べる曲。
ジャズマンのおもちゃ。

私がこの曲を意識したのは、キース・ジャレットの『スタンダーズVol.1』です。
私はこのアルバムが出た翌年にCD(\3,300)を買いました。
圧倒的は美メロの洪水に参りました。
「快楽ジャズ通信」の「キース・ジャレット特集」でもかかりましたよね。

ブッカー・アービン『ザ・ソング・ブック』から。
ロング・トーンの喜びを聴きましょう。

この人は結構アクが強いのですが、私は好きです。
フリーク・トーンまでいかない独特の泣き節が嵌まると快感になります。
トミー・フラナガンの流麗でスインギーなピアノ・ソロも聴きもの。
これ、結構ドラムが迫力ある音で録られているところもポイント高いです。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)

チャーリー・パーカー『ストーリー・オン・ダイアルVol.2』から
《バード・オブ・パラダイス》
コード進行は同じ曲です。
パーカーのメランコリックな情感と技を聴きましょう。

太くまろやかな音でシンプルにして明快なソロ。
やっぱりさすがパーカーですね。

ビバップの時期はいい曲というより、コード進行がいい、
コード進行が難しい、そういう曲を題材に技を競ったんです。
この曲は変な個所で転調があるそうですよ。
転調好きな私は当然この曲が好きです(笑)。

《チェロキー》《ハニー・サックル・ローズ》《アイ・ガット・リズム》なども
同様な理由でジャズマンが取り上げる曲です。

アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
『アット・カフェボヘミアVol.1』から《プリンス・アルバート》
ケニー・ドーハム作曲。
雲さんがピアノを弾いて両曲の比較。
左手ベース・ラインは同じにして、メロディーだけを変えての演奏。
なるほど、この曲も同じコード進行です。

ドーハムのソロで《草競馬》の引用が面白い。
ドーハムの渋いソロ。いいですよね~。
バックでは時折意表を突いたリズムで煽るブレイキーが素敵です。
続くモブレイ。当然ですが渋いです(笑)。
後ろではブレイキーがやっぱりやりたい放題。
ジャジーな渋さのツー・トップがこの時期のジャズ・メッセンジャーズ。
ブレイキーの元気なドラムとの対比がいい感じです。

リー・コニッツのストイックな世界。『コニッツ・ミーツ・マリガン』から。

吹きすさぶアルトの妙(笑)。
リー・コニッツのクールネスは、現代N.Y.に繋がっています。
途中から入る音量小さめのマリガンの合の手的アンサンブルも渋いです。

管楽器が続いたのでギター・バージョン。
ジョン・スコフィールド『フラット・アウト』から。

この人はちょっと聴いただけでジョンスコとわかります。
それくらい個性的。私は大好きなんですけどねー。嫌いな人もいます(笑)。
ジョンスコの捻くれブルージーはカッコいいと思いますよ。
ベース&ドラムもエキサイティングですね。

ピアノ・トリオをお届け。
デューク・エリントン『ピアノ・イン・ザ・フォアグラウンド』から。

エリントンのピアノはゆったり、味わいは濃厚。
泰然自若な入りから、途中テンポ・アップしてダイナミックに。
再びスローに戻って優雅な終焉。

エリントンのピアノ・スタイルは時代に関係なくエバー・グリーンと雲さん。

松本茜『フィニアスに恋して』から。
ためらい感、はにかみ感、日本的で胸キュンな演奏。

これ、最初の入りが独特なんですよね。
茜さんがイントロ曲を作っていて、それが独特の日本的哀愁感。
で、《オール・ザ~》のテーマが出てくるのですが、
ソロになるとまたイントロの曲を発展させたものが出てきて、
しばらく遊んだ後に《オール・ザ~》のコード進行に入ります。
で、ちょっと勇ましいフレーズも織り交ぜられていたりします(笑)。
一連の展開がなかなか聴かせる演奏なのです。
私も好きな演奏です。

《オール・ザ・シングス・ユー・アー》はやっぱり良い曲!
色々な演奏が楽しめました。

<アフター・アワーズ編>

「ジャズマンはなぜスタンダードを演奏するのか?7つの理由」
メリット/デメリトがあります。
それぞれに理由を付けて雲さんの熱いトークです(笑)。

1.良い曲だから
2.良くない曲だから
3.プロデューサーにやれと言われたから
4.難しい曲だから
5.演奏していて楽しいから、面白いから
6.有名曲だから、皆が知っている曲だから
7.トレード・マークになっちゃったから

なるほどね~。面白かったです。

番組が終わったら、
ラジオからスライ&ザ・ファミリー・ストーンの
《ユー・キャン・メイク・イット・イフ・ユー・トライ》が流れてきました。

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ジャズ喫茶「ジニアス」で寛ぐ。

おとといの日曜日、CD&レコードの買取り&ハント終了後、
中野新橋のジャズ喫茶「ジニアス」にて〆としました。

前はジャズ喫茶を何軒かハシゴしましたが、最近はちょっと面倒。
「ジニアス」にてマスター選曲のジャズを聴きながらのんびり飲み食いしました。
ショコラケーキ・セット+ビール+エビピラフで、約3時間。
「ジニアス」はこんな感じで楽しめるジャズ喫茶なのです。
あー極楽極楽(笑)!

ジャズ批評のブログ・ウォーキングに「ジニアス」のことを書かせていただいたことを事後報告(笑)。マスターも奥さんも喜んで下さったみたいなので一安心。

ジェリー・マリガン『ジェル』がかかっていました。もちろんレコード。マリガンのバリトンサックスがふくよかに鳴っていましたよ。既にここから寛ぎモードに突入です。

続いてバルネ・ウィラン『LA NOTE BLEUE』。これまた良い雰囲気でバルネのテナーが鳴っていました。マスターによると、新宿ディスクユニオンのジャズ・フロアーが、今のアクセサリーを売っている建物の地下にあった時、このアルバムなんかは安売りされていたとのことでした。今買えばそれなりの価格するんですよね、これ。

お次は”さすが!”のマスター選曲。アンソニー・ブラクストンの『セブン・スタンダーズ1985Vol.1』。あのブラクストンがスタンダードをやっています。何とこれ、ウィンダムヒル・レーベルなんです!バックは、ハンク・ジョーンズ(p)、ルーファス・リード(b)、ビクター・ルイス(ds)。ちょっと”ヒラホラ”上滑り気味なのがこの人なのですが、悪くはないです。

次がまた異色。エディ・ヒギンズ、ピート・ミンガー?、ジョン・スワナ『ワンス・イン・ア・ホワイル』。トランペット/フリューゲルホーンの3人(1人はテナーと持ち替え)によるバトルものライブ・アルバム。私はピート・ミンガーの柔らかく太いフリューゲルホーンの音色に参ってしまいました。ヒギンズのピアノもスインギーでした。

P156熱いのが来ました!ボビー・ワトソン『パーペチュアル・グルーヴ』。B面のアルト・ソロから入る方をかけてくれました。循環呼吸を使ってワトソンが吹きまくる強烈なアルト・ソロです。
このアルバムについては、以前ブログにUPしています。

http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_ece9.html

今度はちょっと落ち着かせてジョニー・グリフィン・カルテット・ライブ『ジャズ・Guhen・イン・ベルリン84’』。グリフィンのワン・ホーン・カルテット、やっぱりイイものはイイ、以上(笑)。

で、多分常連さんが持ってきたピアノ・トリオ。寛げました。ビールも飲んでいて気分が良かったせいか、ちょっと意識がもうろうと・・・(笑)。

これは新しめ。エリック・アレキサンダーが入った『タフ・ガイズ』。この手の安定したハード・バップものでした。

次はかなりの寛ぎ系。トーレ・ヨハンセン・フィーチャリング・カーリン・クローグ『ライク・ザット』。スムースジャズとも言えるかもしれません。でも、ピアノはラーシュ・ヤンソンだったりしますから、クオリティーは高いのです。何となく雰囲気はクリスマス(笑)。結構いい感じ、これはこれで良いです。マスターもお気に入りなんだとか。

アルバム途中でお店を後にすることにしました。
極楽なひとときでした。

今日はカッコいい紳士のお客さんが来ていました。マスターに棚からワインを出してもらい、おつまみを作ってもらいながら、ゆったり食事をしていたんです。煮物に始まり、最後はざるうどんが出てきたのには参りましたねっ。いや~っ、カッコいい!

ジャズ喫茶「ジニアス」恐るべし!

中野新橋駅から「ジニアス」への道と店内の様子
YouTubeにUPされています。ココ
http://www.youtube.com/watch?v=Yg8wrTswj-A

これを撮っている人が座る席、私がよく座るスピーカー前のテーブルです。
私はこの3席の真ん中に座ります。一応常連席?

チェックすべし!

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神田川ってなぜ御茶ノ水を流れているの?

昨日は新宿~御茶ノ水~中野新橋の近くをぶらつきました。
とは言え、毎度のことですが駅とお店の間を歩くだけになってしまいます(笑)。

ちょっと写真を撮りましたのでご紹介。

P195 これはお茶の水橋からの眺めです。
秋葉原方面に向かって撮りました。

御茶ノ水駅に停車中の中央快速。
聖橋の橋脚間に見える地下鉄丸ノ内線。
神田川を行く白いボート。
見回り中?
偶然にしては役者が揃っていますよね?
グッド・タイミングです(笑)。

P196 こちらはズームなし。
秋葉原駅周辺の高層ビルが遠くに
見えます。

ところで神田川がなぜここを流れているか皆さんはご存じですか?
江戸の町づくりをするにあたって、川をこちらにコース変更させたらしいです。

川面が低いのは、ここが本郷台地だからです。
江戸の町を水害から守るために、台地を割って川のコースを変えたっていうんですから凄い。
もちろん重機などはない時代。手掘りだそうです。

この話はNHKの番組 ブラタモリ でやっていました。
今まで何気なく見ていた光景に歴史があったんですね~!

P197御茶ノ水駅から神田川を見ると、この辺りって、ちょっとした渓谷状態なんですよね。
大都市のまん中にあるこういう立体的な景色が私は好きです。

元の神田川は本来本郷台地の南端を流れていたようです。そう言えば、御茶ノ水駅を出て、明治大学前の坂を下っていったところが「神田」です。あそこで本郷台地が終わっていて、その先は平地。あの辺りを流れていたんでしょうね。

更にちょっと南へ行くと皇居(江戸城)があります。江戸城のすぐ横を神田川が流れているというのも、多分よろしくなかったんじゃないかと想像します。

で、その神田川をさかのぼって行くと、中野新橋になります。

P198_2 こちらはジャズ喫茶「ジニアス」の裏を流れる神田川です。
桜橋の上から撮影。

護岸がコンクリートで固められています。
都会を流れる川も場所によって色々な表情を見せてくれますよね。
正面に新宿の高層ビル群が見えますね。都庁の頭もチラリ。

この写真を撮ったあとに大変なことが!
デジカメのレンズが収納されなくなってしまいました。壊れたんです(涙)!
レンズを動かすモータが壊れたのかも?写真も撮れません。
あ~あっ!

前に1度、落としたショックで壊れたことがあり、その時は修理したんですが、
今回は買い替え時なのかもしれませんね。
もう7年くらい使ったのでよしとしようかな。

今日は神田川が流れる都会の風景でした(笑)。

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年末なのでちょこっとレコード&CDを整理。

年末なので、少しは身軽になりたいということで、
いらないレコードとCDを集めてディスクユニオンの買い取りに出してきました。

集めたと言ってもほんの少し、レコード25枚とCD15枚です。
私のコレクション全体からすれば極僅かではありますが、
整理すれば気分が良いのです。

12月7日まではレコード&CDの買い取りUPキャンペーンなので、
今日駆け込みで整理してきたというわけ。

新宿ディスクユニオンJAZZ館では、
昨日、中古CDフロアーで「ジャズ廃盤CDセール」
レコードフロアーで「ブルーノート廃盤セール」を開催。
その余韻が今日も残っていました。

中古CDフロアーでは、スティーブ・キューン『ザ・バンガード・デイト』が\52,500!
もうすぐ再発されるモンセフ・ジュヌ『ウェイティング・フォー・バース』が\20,000!
ローレン・シェ-ンバーグ『スポージン』が\16,000だったかな?
スティーブ・キューン
『ライフズ・マジック』が\4,000。レコードは安いのに・・・。
買う人の気持ちが分からない私です。

そんなCD達を冷やかした後、新着中古の中から、
ザ・ナットツリー・カルテット『スタンダーズ』\1,000を1枚だけ買う私って、
COOL(笑)?
この『スタンダーズ』って、ジャズ・ブロガーの皆さんが去年UPしていましたよね。

退散!

お次はレコードフロアーへ、6桁のブルーノート高額盤が壁で光輝いていました。
一通り眺めつつ、この不景気に買う人がいるのかな~と思いました。
で、今日は買い取りがかなり盛況(笑)。
中古レコード買い取りUPキャンペーン中の最後の日曜ですからねっ。
私も含め売る人がたくさんいるわけです。

今日は「中級廃盤セール」
一通り見ましたが特に注目すべきものはなし。
散財が防げるので嬉しい限りです(笑)。
で、買ったのが『ザ・ジュゼッピ・ローガン・カルテット』(笑)!
菊池成孔さんの「東京大学のアルバート・アイラー」の講義でかけたやつです。
一度聴きたかったのです。フリー・ジャズです。\840なら買いでしょ。

もう1枚は、いつもの悪い病気が出てしまいました(笑)。
サヒブ・シハブ『サヒブズ・ジャズ・パーティ』の再発盤が\2,100。
CDを持っているのですがやっぱりレコードがほしい。
コンディション「A」なのに微妙にスレが・・・、でも買っちゃいました。
これって完全に病気ですよね(笑)。

退散!

新品CDフロアーも覗いておかないとねっ。
HMVでは売っていないマシュー・シップ『ヌー・バップ・ライブ』をまずゲット。
新品定価はこれだけ。
最近、新品はもっぱらHMVのマルチバイ特価を利用することにしています。
何て言ったって安いですから。

それではということで、アウトレットですよ。
あるんですね~これが!
『REFUGE TRIO』 !面白いのにね~、アウトレットでした(涙)。
私がチェックしていたものが3枚あったので購入。\300、\800、\1,000也。

退散!

そして、御茶ノ水JAZZ館へ。
ここは中古CDフロアーと新品CDフロアーの場所を交換。
中古CDフロアーの方を広いスペースにしました。
これって、新品があんまり売れていないってことですか?
ここにも不況の波が・・・。
売り場を偵察!なるほどね~。

レコードフロアーでは、こちらも「ブルーノート廃盤セール」
最近は程々コンディションで手頃な価格のものは極僅か。
やっぱりここでも見るだけでした(笑)。

新着見ても買いたいものはなし。
今日は収穫なしかも?いやっ、ありました!
前から探していた『ザ・ファビュラス・ファッツ・ナバロ』がありました。
これ、Vol.1、2を一緒に買いたかったのですが、
コンディションが良くて2枚揃って売っていることがなかったのです。
それが、2枚一緒に売っていて\2,310!買うしかないでしょう。

私、後藤雅洋さん著「ジャズ・オブ・パラダイス」のコンプリート蒐集も
目指していますので、また一歩前進です。

退散!

その後は、いつものジャズ喫茶「ジニアス」へ。
ジャズ批評誌に書かせていただいたので、一応挨拶しておかないとねっ。
今年行くのはこれが最後になるでしょうから。

続きはまた明日!

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今日は怪しげな1枚。

ヴァンフォーレ甲府、J1昇格ならず。ほんの後1歩及ばず。
来年はJ2の3年目となるのですが大丈夫なんでしょうか・・・。
スポンサーは付いてくれるのでしょうか?かなり厳しい年になるかも?

P194 さて、今日紹介するのは怪しげな1枚。セックス・モブ『ミーツ・メデスキ、ライブ・イン・ウィリサウ2006』(2006年rec. Thirsty Ear)です。メンバーは、セックス・モブ:ケニー・ウォルスン(ds,per)、トニー・シェル(b)、スティーヴン・バーンスタイン(slide tp)、ブリガン・クラウス(as)、ゲスト:ジョン・メデスキ(org)です。録音は3年前でライブ・レコーディング。

このグループについてはジャズ批評誌の「トランペット最前線2005」で知りました。トランペッターのバーンスタインをdoubt musicの沼田さんが紹介していて、このグループのことも書かれていました。

当時の私はジャズの聴き方を暗中模索中。寺島靖国さん推薦マイナー・ピアノ・トリオ系聴きの呪縛を離れて少し経った頃。この号で紹介されていたトランペッターは半分以上知りませんでした。その後かなりチェックして、今ではほぼ全員わかります。で、今そのジャズ批評を読みなおしたら、四谷派とMOONKSメンバーが一緒に書いたんですね。こういう時代もあったのかー。フムフム(笑)。

セックス・モブについては、前アルバム『セクソティカ』をブログで紹介しています。
コチラ⇒http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_cafe.html

セックス・モブはジャム・バンド系のジャズです。いや~っ、実に怪しいサウンドを作りだしています。基本アコースティックですが、フロントの2人、バーンスタインとクラウスが粗くダーティーなサウンドで吠え唸るのが良いです。心に”グリグリ”食い込んできますよ。ベースとドラムもラフで強靭なリズムを繰り出して盛り上げます。

ゲストのジョン・メデスキは、ご存じメデスキー/マーチン/ウッドのキーボーディスト。バンドのサウンドに全く違和感なく溶け込んでいて、とてもゲストとは思えなません。ここではメデスキのオルガンも含めてのサウンドが構築されています。粗いサウンドにクリーミーなオルガンが入ることによって、上手い具合にサウンドを繋いでいます。個々の食材の味を繋ぎによって一体化しつつ、個々の食材の味わいも失われないような料理とでもいいましょうか?

まあ、その味はモスバーガーのようなファースト・フード。それがセックス・モブの良さですね。私は時々ファースト・フードが無性に食べたくなりますが、ジャズにも同じような欲求が出て、それを満たしてくれるのがセックス・モブのようなジャム・バンドだったりします。

曲は3部の組曲からなり、それぞれが起伏に富んだ構成になっていて、かなり練り上げられているのではないかと思います。ただ、演奏は至って自由奔放なものになっていますので、最初から最後までノリノリで楽しめます。最後の組曲は頭のところで、007の「ゴールドフィンガー」のテーマーが出てくるんですが、それをもってこのバンドの音楽性はだいたい想像していただけるのではないかと思います。

ファースト・フードな”セックス・モブ”、美味しいですよ。
ライブも見てみたいものです。

アルバム名:『SexMob meets Medeski』
メンバー:
SEXMOB:
Kenny Wollesen(ds, per)
Tony Scherr(b)
Steven Bernstein(slide-tp)
Briggan Krauss(as)
John Medeski(org)

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今日も極楽アルバムで行きましょう!

紹介したい新譜もあるのですが、今日も定番にします。極楽盤!

P192 ミルト・ジャクソン・アンド・ウェス・モンゴメリーの『バグス・ミーツ・ウェス』(1961年rec. Riverside)です。メンバーは、ミルト・ジャクソン(vib)、ウェス・モンゴメリー(g)、ウィントン・ケリー(p)、サム・ジョーンズ(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)です。このメンバー、どうですか?これぞハードバップです。それぞれが名手。文句あるやつは出てこい(笑)!

P193 へっへっへっ、これはオリジナル盤です。これも最初はOJCのCDでしたが、ディスクユニオンの廃盤セールでオリジナル盤を買いました。リバーサイドなのでオリジナル盤としては安価です。モノ、溝あり、コンディション:B+。結構重量もあります。私はリバーサイドのさりげない素直な録音も好きです。ヴァン・ゲルダーのガッツや、コンテンポラリーのHiFiとは違う味わいを持っています。

これを購入したきっかけは油井正一さん著「ベスト・レコード・コレクション・ジャズ」でチェックしたからです。で、これは後藤雅洋さん著「ジャズ選曲指南」の「入門編1」にも取り上げられていますよ。

これ、A面最初の《S.K.J.》のテーマをミルトとウェスがユニゾンでゆったり奏でるのを聴いただけで極楽モードです。ミルトのまろやかなヴァイブとウェスの太く温かいトーンがからみあい何ともグルーヴィー!これぞジャズのグルーヴなのです。ケリーの”コロコロ”と転がるピアノ、サム・ジョーンズのプリプリなガット弦、フィリージョーのブラシ、文句ありませんがな(笑)。

続く《ステイブルメイツ》はアップテンポ。フィリージョーが爆ぜまくります。スネアの”パーン”が最高ですね。サム・ジョーンズのウォーキング・ベースも”ズンズン”と淀みなく煽り。こうなるとウェスとミルトは当然の如く張り切っちゃうわけです(笑)。とは言え、肩の力は抜けていて何とも快適。私、ベニー・ゴルソンのこの曲が好きです。

で、バラード《ステアウェイ・トゥ・ザ・スターズ(星へのきざはし)》。ミルトのヴァイブが主役のこの曲。くつろぎのバラードを聴くうちに、気持ちがほぐれてきます。これってヒーリング効果?A面ラストはブルース《ブルー・ローズ》で〆。ズンズン、ズンズンと街を闊歩するような演奏に、ほぐれた気持ちがポカポカしてきます。

B面は割愛しますが、フィリージョーがかなり頑張っています。良いです。
よ~しっ、明日も頑張るぞ(笑)。

最後に、オリジナル盤はやっぱり音が良いのでした。ゴメンねっ(笑)!

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バリー・ハリスに癒されていた時もあったんです。

とうとう12月ですね~。今年もあと1カ月か~。
今年は年明けの「快楽ジャズ通信」へのゲスト出演から始まり、
ジャズ批評誌での「いーぐる」後藤雅洋さんとの対談と続いていったのですが、
その後はだんだん落ち着いて、今は平々凡々な日々(笑)。
1年を総括するにはまだ早いかなっ?
で、結局毎年1年の総括などしない私なのでありました(笑)。

さて、たまにはベタなアルバムのことでも書いておきましょう。

P191 バリー・ハリス『アット・ザ・ジャズ・ワークショップ』(1960年rec. Riverside)です。メンバーは、バリー・ハリス(p)、サム・ジョーンズ(b)、ルイス・ヘイズ(ds)です。言わずと知れた名盤でしょう。

今から15年くらい前、会社の仕事が凄く忙しかった頃、帰ってきてはこれを聴いて癒されていた時期がありました(笑)。何しろ今みたいに欧州癒しピアノ・トリオなんて知らなかった頃ですからねっ。

持っていたのはOJCの安い輸入CD。OJCが輸入されたばかりの頃は確か\1,500くらいで、売っていました。東京によく出張していたので、お茶の水の「セカンドハンズ」(今はない)に寄って買っていました。安いのを良いことに、持っていなかった定番ジャズアルバム、例えばロリンズの『サキコロ』なんかもOJC盤を買いました(笑)。当時はレコードとCDを合わせて300枚くらいしか持っていなかったんです。

皆さんはOJC盤CDの音をバカにしているかもしれませんが、素直で意外と高音/低音もちゃんと出ていたりするんですよ。夜小さい音でかけてもそれなりにバランス良い音で聴けたので、TVをボーッと見ながら、このCDをながら聴きしていたんです。

バリー・ハリスのピアノに目覚めたのは、学生時代に甲府のジャズ喫茶「アローン」で聴いた『プレイズ・タッド・ダメロン』。ジャズ喫茶という空間にマッチした演奏に一発で参ってしましい、その後すぐに「サンリン」へ行って買いました。その時のことはブログにUP済みです。
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_956c.html

私が特に好きなのは、エキゾチックな曲でのハリスです。このアルバムで言えば《スター・アイズ》《ロリータ》。哀愁漂うフレーズが指先からコロコロと紡ぎだされるところに、ウットリしてしまうというわけ。あまり甘くなりすぎず渋さが漂っているところがまたイイんですよねっ。もちろんバップ・チューンも良いです。

で、サム・ジョーンズのベースが、”ブンブン”とメロディアズでとても気持ち良いのです。この音、tommyさんのブログにUPされていたtommyさんとベースの先生の会話を読んで知ったのですが、ガット弦によるものだったのです。いや~っ、いいです。ルイス・ヘイズのスネアの爆ぜ具合と、ハイハットの”シャキシャキ”、シンバルの”チンチキ”もなかなか気持ち良いです。

こういうオーソドックスなバップ・ピアノ・トリオはいくら聴いても聴き飽きない、噛めば噛むほど味が出る良さがあります。愛聴盤の1枚。

ちなみに、今持っているのはレコードです。6年くらい前に、60年代まではレコードにすることに決めて買い換えました。結局OJC盤(笑)。渋谷のレコード屋さん「discland JARO」の通販カタログにオリジナル盤が載っていたこともありました。でもやっぱり高いのでした。OJC盤でいいやっ(笑)。

私、新譜だけを聴いているわけではありませんよ。
やっぱり、こういう定番を聴ききつつ新譜も聴く。
バランス感覚は必要だと思います。

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