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ドラマーによる現代音楽的ジャズ。

やっぱりアメリカのジャズは凄いと思います。
今日これから紹介するようなジャズ・アルバムを作って流通させるんですから。
で、それらを輸入して売る人達もエライし、買った私もエライ(笑)!
前にも同じことを言ったような気がします(笑)。

このアルバムはジャズ喫茶「いーぐる」で行われた益子博之さんの「NYダウンタウンを中心とした2009年第3四半期新譜特集」で知りました。残念ながら今回私は当日用事があって参加できなかったのですが、後日「いーぐる」のdiaryにリストが掲載されたので、それを見て知りました。

P186 ジョン・ホレンベック・ラージ・アンサンブル『エターナル・インタールード』(2009年rec. Sunnyside)です。メンバーは、ジョン・ホレンベック(ds,composition)、ゲイリー・ベルサーチ(p,org,key)、テオ・ブレックマン(voice)、トニー・マラビー(ts,ss)、エラリー・エスケリン(ts)、アラン・フィーバー(tb)、デイヴ・バルー(tp)、ケルミト・ドリスコル(ac-b,el-b)、他。サックス/トロンボーン/トランペット各数名、マレット・パーカッション、指揮者からなるオーケストラです。

リーダーのジョン・ホレンベックはドラマーであり、クローディア・クインテット他自己のいくつかのグループを持って活動するだけでなく、このアルバムに参加しているトニー・マラビーとの「cello trio」、ゲイリー・ベルサーチ、テオ・ブレックマンとの「refuge trio」などのグループに参加したりと、とにかく活動は多岐にわたり、それぞれが創造的であるという、とんでもない人です。そして要注意人物であります。

「cello trio」「refuge trio」については、前にブログの書いています。
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/2008-e87e.html
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-87ef.html

このアルバム、ホレンベックが全曲を作曲し編曲しているのですが、凝った曲でかなりの完成度を示しています。やっていることはジャズの単なるビッグ・バンドではありません。ギル・エバンスから連なる練られたアレンジの中にソロを有機的に溶け込ませたものになっていて、マリア・シュナイダー(ギルの弟子)、守屋純子などの現代ジャズ・オーケストラのひとつと言えます。

そのサウンドからは、現代音楽的なものも感じますね。で、ホレンベックの一つの特徴というのが、マレット・パーカッション:ヴァイブラホンやマリンバの使用。サウンドにフワリとした柔らかさをもたらしています。テオ・ブレックマンのヴォイスも効果的に使われています。緻密で凝ったアレンジなんですけど、それを極度に意識させるような張り詰めた感じになっていないところもホレンベックの上手さ。

マラビーやエスケリンの期待を裏切らないソロが入っていて、ファンならばニンマリな場面も出てきます。ベルサーチのピアノ、オルガンもセンスが良いですね。タイトル曲は19分にも及ぶ壮大な音楽絵巻。こういうアーティスティックなオーケストラ作品を作るホレンベックは凄いとしか言いようがありません。

このアルバム、グラミー賞にノミーネートされました。

アルバム名:『ETERNAL INTERLUDE』
メンバー:
John Hollenbeck(ds, com)
e.t.c
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