『ウィー・ウォント・マイルス』最高!
本日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」は「マイルスとマーカス」。
ゲストはマーカス・ミラーさんです。
ライブの時にインタビューしてきたそうです。
番組の詳細は 「快楽ジャズ通信」 を参照願います。
マイルス復帰後のベーシストがマーカス・ミラー。
マーカス・ミラーのプロフィールはいつものとおりディレクター嬢から。
ウィントン・ケリーの甥だということを初めて知りました(笑)!
マイルスとマーカスが作ったサウンドと言えばこれ。
もっとも代表的な『TUTU』からタイトル曲《ツツ》。
これは頭のキメがカッコいいのです。
これが出た頃、私は完全なマイルス・ファン。
出るアルバムは全て買っていました。
バックのサウンドはほとんどマーカスが作り、
そこへマイルスがトランペットを被せるという、
マイルス・カラオケ状態が当時としては衝撃でした。
う~ん、やっぱりクールな演奏ですね。
(以降緑字は、曲を聴いての私の感想などです。)
雲さんも「カラオケ・マイルス」と言っていますね(笑)。
次もカラオケ・マイルス。
マーカスのバス・クラリネットに注目。
続くスパニッシュで物悲しいマイルスのトランペットにも注目。
『シエスタ』から《オーガスティンのテーマ》。
雲さんが言うとおりの物悲しいミュート・トランペットは、
もう昔からのオハコと言っていいプレイです。
マーカスのバスクラがマイルスのよき相棒となっています。
悲しさ+不穏さの妙。これ、久しぶりに聴きました。
マイルスはいつでもマイルスなのです(笑)。
打ち込みジャズでもあります。
ここで、来日した時の六本木のビルボードでのマーカスさんの取材から。
話した内容は「ADLIB」誌11月号に書かれていますので、
買って読んで下さい。(私は立ち読み。失礼!)
雲さんの記事、じゃこのめさんのライブ・レポート、
「快楽ジャズ通信」の取材レポートが4ページに渡って書かれています。
写真撮影はtommyさん。
tommyさんのブログ:Tommy's Jazz Caf'e にマーカス写真展があります。
マーカスさんが子供の頃聴いた音楽の話から
スライ&ザ・ファミリー・ストーンがマイルスとマーカスを読み解く鍵。
という話になります。
雲さん一押しのアルバム『暴動』。私も買わせていただきました(笑)。
ここに参加しているベーシスト、ラリー・グラハムのチョッパー演奏が世界初。
と言われているそうです。
ここでの押さえこむようなダウナーなまったり感。
これがマイルスにもあるということです。
『ウィー・ウォント・マイルス』で、マイルスはスライをやりたかったんじゃないか?
そういう演奏があると。
41歳の時に結婚した20代のベティ・メイブリーからは、
ファッションなど色々な影響を受けたマイルス。
ベティが当時聴いていたのがジミ・ヘンドリックスやスライ。
それがマイルスの音楽を変えて、エレクトリック・マイルスがあるんじゃないか?
マイルスの《ジャン・ピエール》の一部をかけます。
続いてスライの《アフリカは君に語りかける》をかけて比較します。
雲さんはニュアンスが似ていると言います。
確かに似ていますね。
今日はスライについて熱く語っています(笑)。
次はマイルスの《バック・シート・ベティ》。
熱くなっていくけれど常にクールな目線があると言って曲もかけます。
ひえーっ、やっぱ、カッコいいですね~っ。
スライに似たクール目線を感じてほしい。
次は『ウィー・ウォント・マイルス』。
マイルスとマーカスの共演はこれ1枚あればO.K.?
マイルスの熱い演奏。マーカスの当意即妙。
ジミヘンのように弾けと言われたマイク・スターンも凄い。
シンバルで煽るアル・フォスターも最高。
これは戦い。音楽ではありません。
『ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン』に入っていた《アイーダ》を速くした曲
《ファースト・トラック》。
「言うことないので聴いてみて下さい。」by雲さん。
いやっ、これは、ほんとカッコいいです。
もちろん言うことはありません。
これを聴いて何も感じないやつはジャズを聴くなと言い切ります(笑)。
私はジャズを聴き始めてすぐに「やっぱマイルスでしょっ!」
となって、このアルバムを買ったので、モロに影響を受けました。
あとは何度も書いている『パンゲア』ねっ。
マイルスからジャズに入った私は幸せ者だと思います(笑)。
パーカッションソロの合間に入る”ジャ~ン”のキメ。逝ってしまいます(笑)。
tommyさんはこの頃のマイルスのライブをアメリカで見たっていうんですから。
クウ~ッ、羨ましいのです(笑)!
私はNHKで、新宿西口広場でのライブ録画放送を見ました!
あの衝撃は忘れられません。
今日はこの一言。マイルス最高っ!
<アフターアワーズ編>
ディレクター嬢とマーカス・ミラーのライブ&インタビュー談義です。
ベーシスト雲さん。凄く楽しそう!
途中からは捲し立てるベース・トークでした(笑)。
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コメント
いっきさん、こんばんは。
「マーカス写真展」のご案内ありがとうございます(笑)。
そうで〜す。オイラの『ウィー・ウォント・マイルス』は、1981年7月5日、リンカーンセンター、エイブリー・フィッシャー・ホールでのライブ(結婚前のカミサンも一緒でした)。
マイク・スターンとマーカス、アル・フォスター、ビル・エバンスが若くて目立っていました。その日のマイルスは調子悪そうでイマイチ元気がありませんでしたが、若いのがNY凱旋で元気でした。
マイルスは、それほど吹かなかった記憶が・・・。
3ヶ月後の新宿西口ライブのマイルスも体調は悪かったのですが、もっと音がまとまっていると思います。
こういうアルバムは大音量で聴きましょう(笑)!!。
『ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン』、『ウィー・ウォント・マイルス』及び『スター・ピープル』は、これはマイルス音楽としては混沌としているので、今一度再研究する必要がありますね(笑)。
投稿: tommy | 2009年11月16日 (月) 01時22分
>新宿西口公園でのライブ録画放送
あれは新宿西口公園ではなく、新宿中央公園に面した空き地、現在は東京都庁が建っている場所です。当時は西新宿高層ビルの建設ラッシュで建設資材置き場になっていた場所。元々は淀橋貯水場跡地なんですよ。
あそこはビル風もひどく、音もビルに跳ね返るので野外ライブ会場としては最悪の場所でした。ロックのライブも何度かありましたが、ホテルの宿泊客から苦情がでて、都はライブでの使用を禁止しました。その後、しばらく劇団四季が大きなテントを建ててミュージカル公演をしていた場所でもあります。
投稿: tommy | 2009年11月16日 (月) 08時29分
tommyさん。こんばんは。
マーカスのライブ楽しかったようですね。
ADLIBの記事を読んでそう思いました。
『ウィー・ウォント・マイルス』には、tommyさんが見たマイルスのそのライブから、雲さんがクールな目線があるという《バック・シート・ベティ》が入っていますよね。この日のライブはブート盤も出ていますね。
>こういうアルバムは大音量で聴きましょう(笑)!!。
番組中で、雲さんも大音量で聴くと気持ちいいと言ってましたよ。
>『ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン』、『ウィー・ウォント・マイルス』及び『スター・ピープル』
70年代の再演なんだけど、マイルスが目指したものは、もっと健康的で整理されたものだったということじゃないでしょうか?
で、コアとしては雲さん言うところの、スライのダウナーな感じで、サウンドが整理されたぶん、それが見えるようになったんじゃないかと思います。
「新宿西口公園」は誤記でした。
「新宿西口広場」でしたね。
>新宿中央公園に面した空き地、現在は東京都庁が建っている場所です。当時は西新宿高層ビルの建設ラッシュで建設資材置き場になっていた場所。元々は淀橋貯水場跡地なんですよ。
あの一体が貯水場跡地というのはTVで見ました。
通りよりビルの立っている場所が低いのはそのためだというのをやっていました。
東京都庁の場所だったというのは初めて知りました
そうだったんですか。
茨城から車で東京に行っていた頃、よく西口の地下駐車場に車を止めたりしたので、あの辺は結構走っています。通りが複雑でわかりにくいんですよ。
投稿: いっき | 2009年11月16日 (月) 18時53分
いっきさんこんばんは。
だはは、今回は途中でスライ特集になっちゃいましたが、これはかなり意図的なものです(笑)。
なんか妙なところでヒネクレ根性みたいなものが働いてしまいまして。
本来なら、ベタに『ザ・キング・イズ・ゴーン』でもかけて、これがマイルス亡き後にマーカスが追悼して作った作品でーす、みたいな感じにすれば誰もが納得なのでしょうが、そうはしたくなかったんですよ。
あのアルバムあんまり好きじゃないし(笑)。
それにね、スライ『暴動』に耳を汚染(?)されてからマイルスに戻ってくると、エレクトリック・マイルスがこれまで以上にスッとはいってくるんです。
耳のシステムが変わるとでもいうのでしょうか、それともスライの音楽が物差しになってしまうからでしょうか、『オン・ザ・コーナー』や『イン・コンサート』、『ゲット・アップ・ウィウ・イット』に『ライヴ・イヴィル』、そして『パンゲア』は言うにおよばず、復帰後の『ウィ・ウォント』あたりまでは、すごく作品の立ちどころというか座標軸が見えやすくなるんです。
「あ、コレは近いな」とか、「おっ、おれは少し遠くだな」みたいに(笑)。
「重武装でかなり無理して遠くへ行こうとしてるけど、やっぱりスライの重力圏だよな」という瞬間がいくつも発見できるという新たな楽しみも生まれます(笑)。
投稿: 雲 | 2009年11月16日 (月) 22時40分
雲さん。こんばんは。
今回のスライ話。
すごく面白かったですよ。
こういうのが「快楽ジャズ通信」の素晴らしさだと思います(笑)。
こんなこと言う番組は他にありません。
>それにね、スライ『暴動』に耳を汚染(?)されてからマイルスに戻ってくると、エレクトリック・マイルスがこれまで以上にスッとはいってくるんです。
>すごく作品の立ちどころというか座標軸が見えやすくなるんです。
なるぼど。そういうのあるかもしれませんね。
私は『暴動』をあまり聴きこんでいないのですが、もう少し聴いてみる気になってきました。
tommyさん。追加がありました。
>『ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン』、『ウィー・ウォント・マイルス』及び『スター・ピープル』
は、覚めたダウナーなコアと、ポップスへの接近が混ざっていますね。だから混沌としていますよね。
で、一挙にポップス路線へ入ったのが、テオ・マセロと決別してセルフ・プロデュースした『ユア・アンダー・アレスト』でした。
投稿: いっき | 2009年11月17日 (火) 01時04分