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「PCMジャズ喫茶」のゲストは川島重行プロデューサー(その3)

昨日の続きです。

で、今度は伊藤八十八さんの話へ。川島さんのオフィス:バーズレコードの別の新規格/新レーベル:ブルー・イン・グリーンに伊藤さんがいます。このレーベルからは1作目トーマス・エンコ、2作目SAYAKAが発売されています。寺島さんは「躍進著しい。」と言います。
このブルー・イン・グリーン・レーベルの話。以下のとおり前にブログに書きました。
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/moonkstyle-8e4c.html

ここで川島さんのプロデューサー遍歴の話がちょっと出て、色んな所を歩いてきたプロデューサーで、今は大手の会社に属していないということを言います。ちなみに川島さんは2度目の自分の会社レーベルで制作・販売の全てやっています。で、ジャズの独立した専門のプロデューサは何人いるかという話へ。川島さんが知っているのは4人とのこと。

寺島さんが「どうなんですか?端的に申しますけれど、仕事は大変だという話はさっきしましたけど、それに対する”ニギリ”ってのはどのくらいになりますか?」と質問。川島さんは「たとえば、プロデュース印税だけでやっていくとなると、今の御時世、この不況下でCDの売り上げが下がってますし、食っていくのは大変ですね。」と答えます。

この前木全さんに「プロデューサー印税何%ですか?」と聞いたら、ポンッと答えたらしいのですが、支障があるからそれは言えないという話も出ます(笑)。「たとえば多過ぎるかもしれないけど、1枚100円で3,000枚売れて30万ですか?それでアメリカまで行って・・・、凄い話になりました。」なんて言ってました。ジャズ専門プロデューサーでは食っていけないんですね。ジャズをやるなら、澤野公房、ガッツ・プロダクション、スパイス・オブ・ライフ、ダウトとかレーベルを作ってやっていかないとダメなのでしょうね。

岩浪さんから「今どうやればCD売上を上げることができますかね?」と質問があります。寺島さんは「難しい話だな~。」なんて言います。川島さんは「バーズレコードで一番売れたのがマンハッタン・ジャズ・クインテット『V.S.O.P.』で、この時代に13,000枚売れた。」と言います。で、SONYのCDクラブの会員のお買い上げが入っているそうですが、それを入れなくても10,000枚超えたそうです。えっ、SONY会員に3,000枚近く売れたんですか?CDクラブ会員はたくさんいるんですねー。

で、その売り上げは、お店が相当ディスプレイをやってくれて、推薦文を書いてくれての結果。CDを買った動機は「お店で見て」というのが60%なんだそうで、だからお店の力が大きいと言っています。店によって、誰々派というのがあるなんて話もありました。レコード会社にとってはお店が大事だと言ってました。お店の担当者とも定期的に話して、情報ももらっているとのこと。

ここで、川島さん推薦CD。バーズレコード初のピアノ・トリオです。川島さんはピアノ・トリオが好きではないそうです。なぜなら、ピアノ、ベース、ドラムのように手ではなく、口で吹く楽器が一番感情にくると思うからとのこと。ラッパ・サックスが入ったほうがいい。

歌伴なんかを有名なところでやっているL.A.のクイン・ジョンソンからマシューズのところにデモ・テープが来たんだそうです。で、マシューズから川島さんの所に来て、聴いたら一発で気に入ったそうです。新人だから難しいのですが、3、4年、4、5年かけて大物に仕上げたいんだそうです。テクあり、表現力ありとのことです。なかなかクリエイティブではありませんか?

ジョンソンがN.Y..に来てくれて、N.Y.で録ったそうです。寺島さんが「もちろん川島さんが行って、へぇ~、金がかかってるねー。」と言うと、川島さんは「私がN.Y.へ行くと3本くらい録ってくるんですよ。これなんかもう5時間か6時間くらいで録れた。」と言います。寺島さんが驚いて「1本が?へ~っ、凄い速攻だね~。」と感心します。川島さんは「グラント・スチュワートも6時間ぐらい。(多分『プレイズ・ジャズ・バラード』のこと)」と続けます。1日でとのことです。マンハッタン・ジャズ・クインテットですら2日だそうです。

いや~っ、ビックリしましたね。もちろん事前打ち合わせはあるでしょうし、長い時間かけて録ればいいってもんでもないでしょうけど、日本のポップスの時間をかけて、練りながら録り直したりして作るのとは雲泥の差です。ここでもジャズにはお金がかけられないというのが出ています。

『クイン・ジョンソン・トリオ』から《愛とは何でしょう》
スイングジャーナル誌では久保田高司さんと小川隆夫さんが4.5星付けています。
スインギーで良いピアノでした。大物になることを祈念致します。

聴いた後で、岩浪さんは「ノリはいいし、フレッシュで、古臭くなくて、もぎたてのフルーツみたいな新鮮な風を感じます。これは売れると思いますよ。」と最高の褒め言葉です。キターッ、ヨイショ(笑)!川島さんも喜んでいましたよ。

寺島さんは「やっていることは極普通のピアノ・トリオなんですよね。だから川島さんとしては、こういうオーソドックスなものを臆面もなくよく作ったなという感じがするんですが、川島さんの考えるピアノ・トリオってこれなんですよね?ピアノ・トリオでギル・エバンスみたいにあっちやったりこっちやったりひるがえしたりはしないんですよね。」と言います。あははっ、またギル・エバンスをけなしています。

寺島さんは「今ピアノ・トリオは日本で売れて売れてしょうがない状況ですけど、それに迎合しないで色んなものを作ってきた中で、いよいよピアノ・トリオに入ったわけだけれど、これがもし売れたら、どんどんピアノ・トリオを作っていく?」と聞きます。川島さんは「作りましょう。」と答え、一同大笑です。ただ、川島さんはしばらくはクイン・ジョンソンに集中するとのことでした。

今回は日本制作のジャズの実態がかなり見えました。
とても面白かったです。

本番組レポートは、音楽専門・衛星デジタルラジオミュージックバード
THE JAZZチャンネルで放送している「寺島靖国のPCMジャズ喫茶」
もとにして書いています。
他にも楽しい番組が盛りだくさん。
放送を聴いてみたい方は ミュージックバード からお申し込みできます。

「サウンズパル」takaラサーンさんから
以下の素敵なコメントをいただきました。

いっきさんこんにちは♪CD屋にとってもためになる話、興味深く読ませて頂きました。

今の世の中「音盤」だけではなかなか食っていけません。ダウンロードも本格的になりだしてからは、売り上げは減る一方。頭の痛い話であります(困)。

けれども「何でCD売れんくなったのか?」という問いに、CD屋が「いや、ダウンロードが出てきたから」「音楽離れが進んだから」とか見苦しい言い訳しちゃあいけませんね。だったらCD屋は「音楽を売る」ことにどんだけ努力して勉強してきたんだ。と、逆に突っ込みたくなります。あんまりデカイ声では言えませんが・・・(汗)。

音楽屋は「ハレ」の商売です。”一塊り¥3000”のプラスチックを売ってるんじゃあないんです。お客さんからしたら、そこには夢が詰まってるんです。音楽業界が浮くも沈むも、現場にいる者の意識にかかってると思います。

川島さんのお話はとても痛切に感じます、同時に励みにもなりました。こういうお話を拾ってブログにアップしてくださるいっきさんに感謝です。

takaラサーンさん。こんばんは。

>だったらCD屋は「音楽を売る」ことにどんだけ努力して勉強してきたんだ。と、逆に突っ込みたくなります。あんまりデカイ声では言えませんが・・・(汗)。

いやっ、デカイ声で言って下さい(笑)。
コメントはしていませんが、ブログは時々見させていただいています。
こんなに精力的にCDの魅力を伝えているCD屋さんは他に知りません。
「サウンズパル」がある奄美大島の音楽ファンは幸せだと思います。

>お客さんからしたら、そこには夢が詰まってるんです。音楽業界が浮くも沈むも、現場にいる者の意識にかかってると思います。

音楽を取り巻く状況は色々大変になってきているとは思いますが、音楽の持つ力を信じて、現場の人がそれをファンに伝えないといけないんでしょうね。
私も、ブログで何とか「音楽の力」を伝えていければ良いのですが。

>こういうお話を拾ってブログにアップしてくださるいっきさんに感謝です。

そう言っていただけると凄く嬉しいです。
今回、音楽を作る側の素の意見が聞けて私も色々考えさせられました。

私、takaラサーンさんを応援していますよ。

「奄美のCD屋 サウンズパル」 では「ブルーノート¥1100シリーズ」
紹介しています。

コチラ
①:http://ameblo.jp/soundspal/entry-10388070854.html#cbox
②:http://ameblo.jp/soundspal/entry-10389859928.html#cbox

この続きもあるそうですよ。
こんなに熱くて親切なCD屋さんは他に知りません。
甲府にも「サウンズパル」がほしい(笑)!

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コメント

いっきさんこんにちは♪CD屋にとってもためになる話、興味深く読ませて頂きました。

今の世の中「音盤」だけではなかなか食っていけません。ダウンロードも本格的になりだしてからは、売り上げは減る一方。頭の痛い話であります(困)。

けれども「何でCD売れんくなったのか?」という問いに、CD屋が「いや、ダウンロードが出てきたから」「音楽離れが進んだから」とか見苦しい言い訳しちゃあいけませんね。だったらCD屋は「音楽を売る」ことにどんだけ努力して勉強してきたんだ。と、逆に突っ込みたくなります。あんまりデカイ声では言えませんが・・・(汗)。

音楽屋は「ハレ」の商売です。”一塊り¥3000”のプラスチックを売ってるんじゃあないんです。お客さんからしたら、そこには夢が詰まってるんです。音楽業界が浮くも沈むも、現場にいる者の意識にかかってると思います。

川島さんのお話はとても痛切に感じます、同時に励みにもなりました。こういうお話を拾ってブログにアップしてくださるいっきさんに感謝です。

投稿: takaラサーン | 2009年11月23日 (月) 19時23分

takaラサーンさん。こんばんは。

>だったらCD屋は「音楽を売る」ことにどんだけ努力して勉強してきたんだ。と、逆に突っ込みたくなります。あんまりデカイ声では言えませんが・・・(汗)。

いやっ、デカイ声で言って下さい(笑)。
コメントはしていませんが、ブログは時々見させていただいています。
こんなに精力的にCDの魅力を伝えているCD屋さんは他に知りません。
「サウンズパル」がある奄美大島の音楽ファンは幸せだと思います。

>お客さんからしたら、そこには夢が詰まってるんです。音楽業界が浮くも沈むも、現場にいる者の意識にかかってると思います。

音楽を取り巻く状況は色々大変になってきているとは思いますが、音楽の持つ力を信じて、現場の人がそれをファンに伝えないといけないんでしょうね。
私も、ブログで何とか「音楽の力」を伝えていければ良いのですが。

>こういうお話を拾ってブログにアップしてくださるいっきさんに感謝です。

そう言っていただけると凄く嬉しいです。
今回、音楽を作る側の素の意見が聞けて私も色々考えさせられました。

私、takaラサーンさんを応援していますよ。

投稿: いっき | 2009年11月23日 (月) 20時05分

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