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現代ヨーロピアン・ハードバップの最高峰?

最初にオリオン座流星群の話。
先週はオリオン座流星群が見られるというので、
星空を何度かしばらくの間眺めていました。
月曜日の夜には5個くらい見ました。
あとは日に1個くらい。
よく流れ星が見える間に3個お願いをすると願いがかなうなんて言いますよね。
これ、はっきり言って無理です。
見えるのってほんの1秒くらいなんです。
とても3個も願いは言えません(笑)。

さて、今日紹介するのは、ディスクユニオンの紹介に「現代ヨーロピアン・ハードバップの最高峰の演奏と言って過言なし。」と書いてあった1枚。その言葉に吊られて迷わず買ってしまいました(笑)。

P158 イェンス・ウィンター『コンコルド』(2006年rec. STUNT RECORDS)。メンバーは、イェンス・ウィンター(tp,flh)、トーマス・フランク(ts)、アントニオ・ファラオ(p)、パレ・ダニエルソン(b)、ディアン・テルジック(ds)です。ジャケ写のイメージはメイナード・ファーガソンなので、ポップな演奏をしていそうですがさにあらず(笑)。曲は全曲ウィンターのオリジナル。

こいつら結構やってくれますよ。イメージは新主流派の頃のマイルス・デイビス・クインテットをソフトにした感じとでも言いましょうか?とは言っても、硬派なハード・バップ演奏であることは確かです。

ウィンターのトランペットはちょっぴりかすれた音で、クールかつまじめにフレーズを積み重ねていくタイプ。どちらかと言えば地味なタイプだと思います。フランクのテナーにはやっぱりショターやコルトレーンの影はありますね。これは今時しょうがないとして、派手さはありませんがしっかりとプレイするので、ウィンターにはよく合っています。

アントニオ・ファラオがやっぱり冴えていますね。イタリアンにしては暗めの演奏をするのですがそれがいいわけでして、重厚で尖がっていつつも美味しいフレーズが散りばめられていたりするところが私は好きです。ダニエルソンのベースはベテランの貫録!テルジックのドラムは全体のバランスを配慮した上で過不足ないビートを刻みます。

1曲目《コンコルド》はいきなりハードに飛ばします。マイルス・クインテット系のダークでクールな曲はカッコ良く、つかみはO.K.ですね(笑)。2曲目《UBATUBA》はミディアム・テンポのラテン曲。憂いを帯びたメロディーが素敵です。3曲目の《オーガスト》はフリューゲルホーンに持ち替えてのバラード演奏。タイトルの「8月」というよりは9月のイメージで、叙情的な演奏です。

4曲目《シュープリーム・ラブ》って、コルトレーンの《ラブ・シュープリーム》を逆にしただけですよね(笑)。タイトル通りスピリチュアルに始まりますが、途中からはテンポ・アップして、コンテンポラリーな曲調になります。ファラオのピアノが甘くクールに決めてくれます。5曲目《アブストラクト・カラーズ》は、タイトル通りアブストラクトでマイルス・クインテット的な演奏です。こういう硬派な曲と演奏が私は好きなんですよ。ジャズのビューティーを感じます。

6曲目《オネスティー》はフリューゲルホーンに持ち替えてのバラード。タイトル通り「まじめ」な美メロ曲です(笑)。ウィンターも美しいですが、ファラオが文句なく美しいのであります。ラスト《ペキュリア・ウォーク》はトランペット、ベース、ドラムのトリオです。アップ・テンポの4ビートにのったカッコいい演奏。さらりとやってのけますがキレはなかなかですよ。

このアルバム、最高峰とまでは言いませんが、かなり聴きごたえのあるアルバムだと思います。知名度がないのは少々残念。

アルバム名:『CONCORD』
メンバー:
Jens Winther(tp, flh)
Tomas Franck(ts)
Antonio Farao(p)
Palle Danielsson(b)
Dejan Terzic(ds)

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コメント

面白そうだにゃ。

>STUNT

つうことは、、トランペットはデンマークですか??
アントニオファラオも久々だし、聴いてみたいにゃぁぁ。

投稿: すずっく | 2009年10月28日 (水) 17時29分

すずっくさま。こんばんは。

どこの人なんでしょう?
私にもよくわかりません。
ググってみましたが、有益な情報はなしです。
これ、なかなか良いですよ。
是非聴いてみて下さいにゃ。

投稿: いっき | 2009年10月28日 (水) 20時52分

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