スガさんと雲さんのマシンガン・トークに疲れる(笑)!
今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」は「スピーク・ロウ特集」。
ゲストはジャズ・ピアニストのスガダイローさんです。
番組詳細は「快楽ジャズ通信」をご覧下さい。
そうか~、前回から番組テーマ曲が変わったんでした。
一瞬違う番組が始まったのかと思いました(笑)。
《スピーク・ロウ》についてはディレクター嬢から説明がありました。
B.G.M.はウォルター・ビショップJr.の『スピーク・ロウ』から。
スガさんは甘めの低音ボイス。
声と喋り方は、「安全地帯」の玉置浩二にかなり似ています(笑)。
雲さんの声質と被るところがあるので、
話が盛り上がってお2人が早口で喋ると、ついていくのが大変です(笑)。
いきなりスガさんのアルバム『坂本龍馬の拳銃』から。
全編アルコ弾きのベースが意表を突いています。
つかみはO.K.な曲です(笑)。
確かにこのアルコ弾きには意表を突かれますね。
エキサイティングな演奏です。
あっけらかんとしたスガさんのピアノが魅力的。
(以降緑字は曲を聴いての私の感想などです。)
雲さんは「のっけからぶっとびますね。」と言います。
ドラム・ベースが自由にやっています。
スガさんによれば「スイングしないがモットー」。
この演奏はピアノをベースとドラムが支えるのではなく、
ピアノが支え、ベースとドラムがソロをとるというコンセプトだそうです。
これを聞いて思うのが、「ポスト・モダンジャズ」の特徴。
「フロントとリズムの逆転現象」です。
例のジョシュア・レッドマンの『コンパス』に見られる演奏と同じです。
《月光》はジョシュアが淡々とメロディーを吹いて、
バックのベースとドラムが自由にやっていますが、発想は同じだと思います。
まさかスガさんからこういう話を聞くとは思いませんでした。
NYに限らす日本にもいるんですよね~。ポスト・モダンな人達。
次はオーソドックスなピアノトリオ。
ベースとドラムがピアノを支えます。
テテ・モントリューの『ピアノ・フォー・ヌリア』から。
雲さんはテテのスピード感と時々出る狂気じみた弾き方が気持ち良いとか。
ウォーキング・ベースがズンズンと気持ち良く刻みます。
確かに途中で狂気じみた速弾きがあり、気持ち良いです。
オーソドックスですがかなりエキサイティング。
聴く者も気分が高揚してくる楽しい演奏です。
スガさんは「スイングしていてしゃくに障る。」と言います。
スガさんは「スイングしない。」と公言していますが、半分やけくそだとか(笑)。
原曲に近いだろうと思う演奏。
グレン・ミラー・アーミー・エア・フォース・バンドの演奏から。
なるほどね~。こんな感じなんですね~。
ちょっと眠気が・・・、コクリッ(笑)。
スガさんはこの演奏のようなつもりで弾いているんだそうです(笑)。
これは雲さんが最初に聴いたバージョンだそうです。
で、次に聴いたのがウォルター・ビショップJr.のピアノ・トリオ。
このアルバムはスガさんも好きだそうです。
ちなみに私が最初に聴いたのもウォルター・ビショップJr.のトリオ。
ジャズを聴き始めた翌年くらいにレコードを買いました。
またエキサイティングなバージョン。
グラント・グリーンの『抱きしめたい』から。
エルビン・ジョーンズの煽るドラムを聴きましょう。
グリーンのアーシーで臭いギター(笑)は私も好きです。
ハンク・モブレーのテナーも黒くていい感じですね。
大好きなエルビンは文句なく最高のグルーヴ。
ラリー・ヤングのオルガンは軽めなのですが、そこがグッド・バランス。
スガさんはエルビン・ジョーンズのドラムが素晴しいと言います。
雲さんはこのドラムに合わせてベースを弾いたことがあるそうですが、
弾くうちにドラムとずれてしまうんだとか。
エルビンのリズムはそういう独特のリズムという話。
ここで合わせる合わせないの話へと。
スガさんは無理にあわせない事で音楽に一体感が出ると言います。
無理やり合わせると、吉本新喜劇みたいになってしまうとも言います。
なので、「聴かないでくれ。反応しないでくれ。」という感じで演奏しているそうです。
自然に聴こえてくるのものなので、過剰な反応はしないでくれということです。
雲さんは意図的に合わせられると、
「オレはフュージョンをやっているんじゃないんだぞ。」と思うとか。
「キメの不快感」なんだそうです(笑)。
ここでガンダム話。
実はスガさん、ジャズよりガンダムのほうが楽しいとか。
お2人ともガンダムのメカが好きだそうです。
で、お2人とも「グフ・カスタム」が一番好きなんです。
グフに乗る人は「漢(おとこ)」、ジャズをやるのも「漢」みたいな、
「”ジャズ”、”グフ”似ているでしょ。」と、スガさん(笑)。
話は逸れていますが、坂本龍馬も「漢」ということで、
スガさんのアルバム・タイトル曲《坂本龍馬の拳銃》へと強引につなげます(笑)。
大迫力なカッコいい演奏です。
雲さんはこの曲に幕末の京の町の不穏は夜の空気を感じるとのこと。
テーマのメロディー「レミシシシシシシシ」が幕末の感じなんだとか。
スガさんによれば、日本語は抑揚感がないので、
日本ぽい曲を弾くときは同じ音の連打をするんだとか。
それからこの曲は右手と左手が違うキーでやっているんだそうです。
コード感覚の稀薄さ。
ハーモニーがきれいについていると日本的でなくなるとか。
そういえばマイルスの『オン・ザ・コーナー』のライナーノーツで
岩浪洋三さんが以下のようなことを書いていました。
「ハーモニーはヨーロッパで極度に発達した。
一方アフリカ、インド、東洋などはリズムとメロディーが音楽の主軸をなしている。
日本人がハーモニーに対するセンスが乏しいからといって劣等感をもつ必要
などないのである。」
同じことを言っているように思います。
よく読むと岩浪さんは良いことを書いていたりします(笑)。
非常にスピーディーな展開の曲です。
時々リズムがズッコケそうになったりします。
ベース、ドラムは確かに予定調和ではないですね。
それが生き生きとした演奏になるんでしょうね。
なるほど、聴き所を教えてもらって聴くとわかりやすいです。
私は思うのですが、このリズムがズッコケそうな感じ。
私がよく聴くポスト・モダン系、NYダウンタウンの人達にもあります。
最初に聴いた時は違和感アリアリでしたが、最近はすっかり慣れて、
これが気持ち良いのです。
これを聴いて、スガさんにますます「ポスト・モダン」を感じました。
雲さんは「何回聴いてもいい。映画を見ている感じ。」と言います。
雲さんが映画を撮るなら、この曲をB.G.M.に使いたいそうです(笑)。
やっぱりリズムを合わせるのが難しいそうです。
無意識に反応しちゃうんだそうです。
ここでスガさんの次回アルバムの話。
『黒船・ビギニング スガダイロー短編集』は、11月4日発売。
黒船から始まった敗戦国家うんぬんがコンセプトみたいです(笑)。
「ビギニング」がガンダムにつながるらしいのですが、今はまだ秘密。
「緑」がキーワードとか何とか?
私にはよくわかりませ~ん(笑)。
謎が解けました!
「ビギニング」は、ガンダムの中でニュータイプの女戦士ララァ・スンが
死ぬ時に流れる曲名と同じだということです。
キーワードの「緑」は、ララァが乗るモビル・アーマー「エルメス」の色でした。
私は「エルメス」が白色だと思い込んでいましたよ(涙)。
(2009/11/5)
最後はボーカルで〆ましょう。
『フォア・フレッシュ・メン&ファイブ・トロンボーンズ』から。
優雅な感じで〆でした。
お2人のマシンガン・トークを冷ますのにはいいでしょう(笑)。
新しいジャズ観を持ったスガさん。
「スイングしてもいいし、スイングしなくてもいい。」そうです。
スガさんはスイングするのが嫌いなんだそうです(笑)。
エンディング・テーマ曲は今回もほぼ全曲かかりました。
<アフター・アワーズ編>
お2人とも酔ってエレピを弾いて鍵盤を壊したことあがあるんだとか。
手も血だらけになったらしいです(笑)。
スガさんのエレピと雲さんのベースで《スピーク・ロウ》。
今回は間接空気録りとのことで、音はちょっと不明瞭ですが、
スガさんがハミングしながら弾いているのもわかって、
ライブ感はよく出ていました。
徐々に盛り上がっていく活き活きとした演奏です。
お2人が楽しそうに弾いているのが伝わってくる良い演奏でした。
今日の放送は内容が濃い上に、お2人のマシンガン・トークもあり、
レポートを書き終えた今はすっかりお疲れモードです。
でも、楽しかったな~。
| 固定リンク
「ラジオ快楽ジャズ通信2」カテゴリの記事
- 「快楽ジャズ通信」ゲストの矢野沙織さん。ご機嫌斜め(笑)?(2010.04.02)
- 雲さんならではの”パウエル愛”に溢れた番組。(2010.03.29)
- ビバップにかける矢野さんでした。(2010.03.22)
- 原さんの落ち着いた語り口の解説が素敵でした。(2010.03.14)
- ドルフィーのアルトは3つのキーワードで聴け!(2010.03.07)
コメント
あべべ、そんなにマシンガンしたか、
失礼しました。
いや、こちらとしては、ウマが合うなーなんて思いながらリラックスして話していたつもりでしたが、会話がのってくるとテンポもちがっちゃうのでしょうね。
投稿: 雲 | 2009年10月17日 (土) 00時01分
雲さん。こんにちは。
気持ち良かったですよ(笑)。
冷静に聴けばそれほどマシンガンではなかったかもしれませんが、私はお2人のトークに引き込まれたので、次々出てくる言葉によりスピードを感じたんだと思います。
そういう意味では心地良いテンポでした。
なので、疲れといってもスポーツしたあとのような爽快なものです。
投稿: いっき | 2009年10月17日 (土) 14時23分