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2009年10月

今回のジャズ批評

今回のジャズ批評(2009年11月号、No.152)は、
レッド・ガーランド/ウィントン・ケリーの特集です。

ディスコグラフィーを眺めていたら、

プレスティッジの頃にガーランドが参加したレコードのオリジナル盤を
6枚持っていることに気づきました。
10年くらい前に買ったんですが、たぶんお手頃価格だったはずです。
なので、ファースト・プレスではありません。
私、決して自慢できるようなオリジナル盤コレクターではありません。
オリジナル盤コレクターもどきってところです(笑)。
未だに細々と続けています。

ケリーは有名なジャズアルバムにたくさん参加していることを改めて実感。
私は30枚以上持っていました。
げげっ、こちらはオリジナル盤を10枚も持っていました。
私、やっぱり自慢していますよね。許してねっ(笑)!

「ブログ・ウォーキング」には今回も私のブログを掲載していただきました。
雲さんの作家・平野啓一郎さんネタ、すずっくさんの八木ブラザーズさんネタ。
共にお二人らしい記事です。
私はジャズ喫茶訪問:中野新橋「ジニアス」編。
ご一読いただければ幸いです。

さて、他のネタですが・・・、

雲さんがブログで「岩浪洋三のジャズ日記」に対してツッコミを入れてますが、
とても面白いです。
私も深く頷かざるを得ませんでした(笑)。
要チェック!コチラ↓
http://kairaku-jazz.seesaa.net/article/131467239.html

では、私は寺島靖国さんの「ジャズはジャズだ」にツッコミを入れましょうか。
原田暁生氏の「音楽の聴き方」のことが出ていました。

この本はジャズ関係者の間でかなり話題になっていたようです。
後藤雅洋さんも com-postbbsでこの本についてふれていました。
後藤さんの文章が引用されているとのこと。
もちろん後藤さんは肯定的です。

一方の寺島さんは当然ながらこの本の内容に否定的です。
ポスト・モダンを口走る人たちうんぬんと、
暗に四谷派に向けた内容もチラリと書いてありました(笑)。

このお二人、相変わらず我が道を行っていますね(笑)。
このお二人、私は好きです。
「音楽の聴き方」、私も気が向いたら読んでみましょうか。

「ジャズオーディオ座談会」って、単なる内輪話。
アバンギャルドを持っている人達のマスターベーションに思えます。
ジャズだけでもマイナーなのにそれに×オーディオ。
マイナーの中のマイナーです(笑)。

てなわけで、ジャズ批評読んで下さ~い!

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ビル・フリゼールを再認識させられた1枚

ジャズ喫茶「いーぐる」のマスター後藤雅洋さん著「ジャズ選曲指南」には色々お世話になりました。この本に掲載されたアルバムを全部蒐集しようとしていたことで、tommyさんや雲さんに知り会えたわけですし、全部蒐集できた時には後藤さんにもお祝いしていただきました。で、そこからジャズ批評誌での後藤さんとの対談記事やブログ・ウォーキングへの掲載へと話が進んでいったわけです。なので、この本には足を向けて寝られません(笑)。

その上、ここに掲載されたアルバムを蒐集してみて、90年代や2000年代の要注意な人達にも出会えたわけです。ありがたや。ありがたや(笑)。そんな要注意人物の一人が今日紹介するビル・フリゼール。それまでフリゼールといえば、ベーシスト・マーク・ジョンソンのグループ・ベース・デザイアーズのメンバーだった人くらいの認識しかなかったのです(汗)。

P159 本に掲載されているフリゼールのアルバムは『ブルース・ドリーム』(1999年rec. NONESUCH)です。メンバーは、ビル・フリゼール(eg,ag,loops)、グレッグ・レイツ(pedal steel,lap steel,national steel guitar,mandolin,他)、ロン・マイルス(tp)、ビリー・ドリュース(as)、デヴィッド・ピルチ(b)、ケニー・ウォルスン(ds)、カーティス・フォルクス(tb)です。

レーベルがノンサッチというのも驚きでした。ノンサッチと言えば、その昔オーディオ評論家の長岡鉄男さんが書いた「外盤A級セレクション」でお世話になった現代音楽のレーベルです。ジャズをやっていたのは予想外でした。パット・メセニーがこのレーベルに移籍したのは皆さんご承知の通りです。クリエイティブはギタリストがレーベルの好み?

さてアルバムの内容ですが、ジャケットが内容をよく現していると思うわけです。アメリカの片田舎のガソリン・スタンドはカントリー系ジャズを意識させますし、写真のモノ・トーンは3管を配した淡いニュアンスのサウンドを意識させます。

今やフリゼールのアイコンとなってしまったこのカントリー系ジャズを決定づけるのは、ペダル・スティールが参加しているからなんですが、フリゼールのギターも同系の音ですし、曲だってカントリー調なのです。後藤さんが本に書いていますが「懐かしいような。もの悲しいような不思議な気分にさせられる音楽。」です。私はカントリーに興味があったわけではないのですが、フリゼールがやると妙に心に入り込んでくるから不思議です。

1曲目《ブルース・ドリーム》からもうフリゼールの世界としか言いようのない強烈な個性を放っています。ロン・マイルスのトランペットがフォーキーな世界にマッチしているところも不思議です。

で、私は2曲目《ロン・カーター》にやられてしまいました。まずはベースが繰り返す単純なリフが気持ちイイの根源。その上にノイジーなトランペットとフリゼールのカッティングが漂えばもう気分は浮遊して夢見心地。かぶさる3管によるアンサンブルはギル・エバンス的な淡いサウンド効果を生んでいると思います。こっちのほうが”ドリーム”な感じなのですが、なんでタイトルは”ロン・カーター”なの?ベースのリフがロンに似ているわけでもないんですよ。

3曲目《プリティー・フラワーワー・メイド・フォー・ブルーミング》は、もろカントリーというか”ウエスタン”な雰囲気。ガンマンが馬に乗って夕陽の荒野を行く感じとでもいいましょうか?「シェーン・カム・バーック!」という私の貧相なイメージ(笑)。4曲目《プリティー・スターズ・ワー・メイド・トゥ・シャイン》も同じく”ウエスタン”。こちらは陽気に長閑な荒野を闊歩して行く感じです。

「いーぐる」では以上の4曲をかけるようです。その後も同様なイメージが続き、全18曲。カントリーなビル・フリゼールを聴いてみようかな?と思うあなたには、まずこのアルバムをおすすめしたいと思います。

アルバム名:『blues dream』
メンバー:
Bill Frisell(el-g, acc-g, loops)
Greg Leisz(pedal steel, lap steel, national steel-g, scheerhorn resonator-g,
mandolin)
Ron Miles(tp)
Billy Drewes(as)
David Piltch(b)
Kenny Wollsen(ds, per)
Curtis Fowlkes(tb)

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現代ヨーロピアン・ハードバップの最高峰?

最初にオリオン座流星群の話。
先週はオリオン座流星群が見られるというので、
星空を何度かしばらくの間眺めていました。
月曜日の夜には5個くらい見ました。
あとは日に1個くらい。
よく流れ星が見える間に3個お願いをすると願いがかなうなんて言いますよね。
これ、はっきり言って無理です。
見えるのってほんの1秒くらいなんです。
とても3個も願いは言えません(笑)。

さて、今日紹介するのは、ディスクユニオンの紹介に「現代ヨーロピアン・ハードバップの最高峰の演奏と言って過言なし。」と書いてあった1枚。その言葉に吊られて迷わず買ってしまいました(笑)。

P158 イェンス・ウィンター『コンコルド』(2006年rec. STUNT RECORDS)。メンバーは、イェンス・ウィンター(tp,flh)、トーマス・フランク(ts)、アントニオ・ファラオ(p)、パレ・ダニエルソン(b)、ディアン・テルジック(ds)です。ジャケ写のイメージはメイナード・ファーガソンなので、ポップな演奏をしていそうですがさにあらず(笑)。曲は全曲ウィンターのオリジナル。

こいつら結構やってくれますよ。イメージは新主流派の頃のマイルス・デイビス・クインテットをソフトにした感じとでも言いましょうか?とは言っても、硬派なハード・バップ演奏であることは確かです。

ウィンターのトランペットはちょっぴりかすれた音で、クールかつまじめにフレーズを積み重ねていくタイプ。どちらかと言えば地味なタイプだと思います。フランクのテナーにはやっぱりショターやコルトレーンの影はありますね。これは今時しょうがないとして、派手さはありませんがしっかりとプレイするので、ウィンターにはよく合っています。

アントニオ・ファラオがやっぱり冴えていますね。イタリアンにしては暗めの演奏をするのですがそれがいいわけでして、重厚で尖がっていつつも美味しいフレーズが散りばめられていたりするところが私は好きです。ダニエルソンのベースはベテランの貫録!テルジックのドラムは全体のバランスを配慮した上で過不足ないビートを刻みます。

1曲目《コンコルド》はいきなりハードに飛ばします。マイルス・クインテット系のダークでクールな曲はカッコ良く、つかみはO.K.ですね(笑)。2曲目《UBATUBA》はミディアム・テンポのラテン曲。憂いを帯びたメロディーが素敵です。3曲目の《オーガスト》はフリューゲルホーンに持ち替えてのバラード演奏。タイトルの「8月」というよりは9月のイメージで、叙情的な演奏です。

4曲目《シュープリーム・ラブ》って、コルトレーンの《ラブ・シュープリーム》を逆にしただけですよね(笑)。タイトル通りスピリチュアルに始まりますが、途中からはテンポ・アップして、コンテンポラリーな曲調になります。ファラオのピアノが甘くクールに決めてくれます。5曲目《アブストラクト・カラーズ》は、タイトル通りアブストラクトでマイルス・クインテット的な演奏です。こういう硬派な曲と演奏が私は好きなんですよ。ジャズのビューティーを感じます。

6曲目《オネスティー》はフリューゲルホーンに持ち替えてのバラード。タイトル通り「まじめ」な美メロ曲です(笑)。ウィンターも美しいですが、ファラオが文句なく美しいのであります。ラスト《ペキュリア・ウォーク》はトランペット、ベース、ドラムのトリオです。アップ・テンポの4ビートにのったカッコいい演奏。さらりとやってのけますがキレはなかなかですよ。

このアルバム、最高峰とまでは言いませんが、かなり聴きごたえのあるアルバムだと思います。知名度がないのは少々残念。

アルバム名:『CONCORD』
メンバー:
Jens Winther(tp, flh)
Tomas Franck(ts)
Antonio Farao(p)
Palle Danielsson(b)
Dejan Terzic(ds)

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今日の「快楽ジャズ通信」はなかなか深いぞっ!

今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「打ち込みジャズ」
ゲストはピアニストの橋本一子さん。
番組詳細については 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。
橋本さんがゲストで来るのは今回が2度目ですね。

橋本さんは昔から打ち込みを、ジャズに限らずポップスでやっていました。
雲さんはジャズを聴いたことがない時に
橋本さんの『ヴィヴァン』《D.P.》の強烈な打ち込みを聴いて
ジャズを感じたそうです。
一方の橋本さんはマイルスの『ヴィッチェズ・ブリュー』を聴いて
ジャズを感じたそうで、
俗に言うジャズではないものにジャズを感じたところは似ているお二人。

橋本さんは、「ジャズには昔は打ち込みはなかった。
でもビ・バップの頃からジャズは最新のものを取り入れていたので、
そういう意味では、ジャズは常に革新的な要素を持っているべき。」
と言います。
続けて、「マイルスがエレクトリックを取り入れた時、
アコースティックなものがジャズと思っていた人からは反発があったように、
今でも打ち込みはジャズではないダンスだなんて言う人もいるが、
そうではなく、ジャズは革新的なもの。
エレクトロ、打ち込みはまだ進化する可能性がある。
革新的はものを取り入れるところが、ジャズの幅広さ奥深さなのではないか。」
と熱弁して、雲さんも激しく同意(笑)。

これらについては、私も全く同じ考えです。

雲さんは《D.P.》を聴いて、
クラシックのピアノ協奏曲がパンク化したのがジャズだと思ったとか。
で、最初の曲は橋本さんの『ヴィヴァン』から《D.P.》

私も時々聴くアルバムです。
打ち込みとミニマルなピアノ・シンセの組み合わせですね。
橋本さんの最新アルバムと共通のコンセプト。
途中のフリーなピアノソロがいいんですよ。
ある意味セシル・テイラー的で、クラシックの匂いはあります。
雲さんの言う通りなのです。
(以降緑字は、曲を聴いての綿私の感想などです。)

D.P.はダイアモンドとピアノの略だそうです。知りませんでした。
歌詞に「Diamod is shininng、Shining is Piano、D.P.」ってあります。
橋本さんも自分で聴いてカッコいいと言っていました(笑)。
橋本さんは久しぶりに聴いたそうです。

最初の方の「カンカン、カンカン」のピアノがもう一子コードだと雲さん。
聴いた橋本さんも自分でビックリだそうです(笑)。

次は緩い、フォービートのニュアンスが残っている打ち込みです。
ピアノ・トリオを基本にしています。
「ツッツ タッカ」の安いリズムがいい味を出しています。
ブルース・ホーンズビー『キャンプ・ミーティング』よりタイトル曲
ベースはクリスチャン・マクブライド、ドラムはジャック・ディジョネット。

これ、初めて聴きましたけど面白いです。
ヒップホップ・ミーツ・ジャズ・ピアノです。
前に私が紹介したマシュー・シップの『ヌー・バップ』と同趣向。
こういう打ち込みにアコースティック・ベースって結構あいます。
ホーンズビーのアーシーで緩めのピアノがいい塩梅。
ちょっぴり近未来(笑)。安っぽいSFドラマな風情。
私はかなり気に入りました。

「楽しい感じでほのぼのしてかわいく、日本の祭りのイメージ。」と雲さん。

橋本さんが、「発展する自由度はなくなるが、
定型リズムに収束するゆとりから自由度が高まる。」と言います。

雲さんが、「Y.M.O.(橋本さんも参加していました)は電子メトロノームを
ヘッド・フォンで聴きながら演奏したが、それに近い感覚なのでは?」と質問。
橋本さんは、こういう風に合わせて演奏するのが好きらしいです。
自分でリズムを取らないので、演奏に自由度があるそうです。
定速リズムがあることで、演奏者のノリ方を浮き上がらせることになります。

マイルス『ドゥー・バップ・ソングEP』から
《ドゥー・バップ・ソング/エディット・ウィズ・ラップ》

これはアルバムを買った頃にはかなり聴きました。
私の中では晩年で一番好きなアルバムかも。
マイルスのせつないミュートとヒップホップがマッチするんですよね。
ラップのリズムが持つ怠惰感、ルーズ感がマイルスのミュートと好相性。

雲さんは、「マイルスはニュアンスの人なので、その繊細なコントロールが
無骨な打ち込みによって浮き彫りにされる。」と言います。

橋本さんによると、
自分でやる時、打ち込みにラップが入っていないとシンプルで踊ろうという
感じではなくなるのですが、ラップが入ることによって、
機械のスピード感をUPさせるんだとか。
打ち込みの上に被せる上ものが大切で、
ラップやマイルスのトランペットが入ることによって、
スピード感・グルーヴ感をUPさせているとのことです。
雲さんによると、このアルバムにはラップがないバ-ジョンも入っていて、
それは躍動感が足りないらしいです。

その躍動感、グルーヴ感のせいでしょう。
橋本さんは聴きながら微妙に踊っていたそうです(笑)。

次は坂本龍一『ネオ・ジオ』から《フリー・トレーディング》
ドラムがトニーなのですが、全部を叩かせていなくて
サンプリングして、組み合わせて使ってるそうです。
コードの響きに浮遊感があり、
それをどう感じたか曲後に橋本さんに聞いてみたいとのことでした。

これはもう一聴で坂本龍一とわかるメロディー(笑)。
東洋っぽくてせつない感じです。
これ嫌いじゃありませんが、私的にすごく好きまではいかないです。
ちょっとセンスが良すぎてスマートなんですよね~。
最近ではもっと臭いくらいなほうが好きです(笑)。
でも、カッコいいサウンドです!

雲さんはこの曲がすごく好きだそうです。
コードの響きが好きなんだそうです。
これは作曲が坂本龍一じゃないそうです。
でも編曲は坂本さんなので、坂本コードになっているんだろうと。

雲さんが、「橋本さんの和音の響きも一発でわかるが、
坂本さんにもそういうキモがある。」と言います。
橋本さんによると、経過音的に使われる和音が独特なんだとか。
こういうのは頭で考えるんではなく、そこへいくと使ってしまうらしいです。
雲さんが、「それは手癖のようなものですか?」と質問したら、
橋本さんは、「手癖ではなく感性癖。」と答えます。
雲さんが、「それは美意識のようなものですか?」と質問したら、
橋本さんは、「美意識ではない。意識までのぼっていない。無意識。」と
答えます。
音を辿っていくとそれになるらしいです。「音感」と言っています。
しっくりくるポイントがあるらしいのです。

こういうのは人それぞれで、個性を持つ人には特徴があるとのこと。
で、チックにしてもキースにしてもハービー・ハンコックにしても
まず理論ありきでそうなるわけではないと言います。
インタビューでハンコックは「そうなっちゃった。」と言っていたそうです。
何かほしい音が頭の中で鳴っていて、
それを見つけた人がオリジナリティーを持つんだと、橋本さん。

雲さんが「それは作家の文体にも言えますよね。」と言います。
橋本さんは「そこが一番大事。テクニックをつけるよりも。」と言います。
オリジナリティーを持つ人からはサウンド感、音色感を生かせるポイントを
常に教えられるらしいです。

う~ん、なかなか深い話ですぞっ、これは!

次は橋本さんのアルバム『Arc’d-X』(アークドX)から。
雲さんは《Arc'd-X》と《Jazzz》の2曲が好きで、
どっちをかけようか?という話から、曲名の話へ。

《Jazzz》は「ジャズー」と読むそうです。
で、曲名の由来はジャズっぽいイメージの曲だから(笑)。
曲名がきちんと決まる前、
ジャズ風曲は「ジャズ」。ボッサ風曲はボッサ。ラテン風曲は「ラテン」。
と仮に名を付けていたようで、そこから正式曲名をつけたらしいです。
で、かけるのは《Jazzz》

この曲のテーマは『Ub-X』の《Parallel》ににています。
橋本さんによると、実は『Arc'd-X』の方が先なんだとか。
『Arc'd-X』のアコースティック版が『Ub-X』だそうです。

『Arc'd-X』の演奏は最初は自由度がなかったそうなんですが、
やっていくうちに自由度が増したそうで、
今は自分のほうが打ち込みより強いと言っていました。

このニュアンスは分かってもらえるかな~。
私は番組を聴いていてなるほどと思いました。

これは私も好きな曲です。
この曲を聴いた感想はすでにブログにUPしていますので、
それを参照して下さい。
今日聴いて、橋本さんは勝っていると思いました(笑)。

雲さんは、アマチュアで演奏もしますが、今日の話は文章を書くことに
当てはめられると思ったそうです。

なるほど、ブログを書く私にも非常に参考になりました。
これって自分を表現しようとしている人には重要な話ですよねっ。
一応私も稚拙ながらブログで自分を表現しているということで、ヨロシク(笑)!

同じことを言っていても視点(演っている方と聴いている方)が違うと
言い方が異なって面白いという話で終了。

いや~っ、今日の話は面白かったです。
このブログ、曖昧な部分もあると思いますが、
話のニュアンスを感じとっていただければ良いのですが・・・。

<アフター・アワーズ編>

雲さんがサンプラーを持ってきました。
ディレクター嬢がサンプラーを操作。
それに合わせて、橋本さんがキーボードを
雲さんがベースを弾くことに。
曲は《マドモアゼル・アラケダ》。(笑)

橋本さんのシンセ/エレピはハービーなんですよね~。
シンセ/エレピに対しては絶対ハービーに近い感性癖を持っていると思います。
雲さんのベースはジャコをちょっと野暮ったくした感じ?失礼!
すみません!いつの間にかディレクター嬢の操作するサンプラーが聴こえず、
橋本さんのエレピ、そして雲さんのベースに耳がいっていました。
これって、きっとサンプラーに勝っているということだろうと思いますよ(笑)。

<追伸>
今日はたくさん書いたのですが、
新調パソコンがサクサク動いたので、
結構スラスラ書けました。
でも、やっぱり疲れました(笑)。

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とうとうパソコンを買い替えてしまった!

もう我慢の限界でした。

わはっはっはっ、パソコンを買い替えてしまいましたよ!

いや~っ、快適快適!

なんなんでしょっ、この速さ!

今までのパソコンが蒸気機関車なら、

今度のやつはリニアモーターカーです。

山梨もとうとうリニアの時代に突入しました(笑)。

コジマ電気で安く売っているA4版ノートパソコン東芝dynabookを買いました。

私のdynabookはこれで3代目。

国産ノートパソコンはdynabookが一番安いのです(笑)。

安いとは言っても、

CPUは、Intel(R) Core(TM)2 Duo CPU P8700 @ 2.53GHz で

メモリーは、4GBなので、私には十分すぎるのです。

OSは、Wndows Vista。

最近Windows7が発売されて話題になっていますが、

私はWndows Vistaで十分。

今まで重宝していたPaint Shop Proの古いバージョンが動かないのですが、

これに代わるものとしてフリーソフトを入手。

スキャナーやデジカメのアプリもインストールを終えて、

無料動画ソフトもネットからダウンロードしつつ、

今はインターネットのサイトをお気に入りに登録したりしています。

立ち上げも簡単になりましたね。

LAN接続なんてケーブルをつなげば自動的にやってくれるんですね。

相変わらずメールの立ち上げにちょっと手間取ってしまいましたが(笑)。

ネット画面の遷移の速さと、動画をストレスなく見られることが、とにかく快感!

今までの悶々とした日々は一体何だったのでしょうか?

気分が良いのであります!

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日本人ジャズを聴こう!

最近は「日本人ジャズを聴こう!」が増えてきているような?
今日は橋本一子さんです。
橋本さんは長らく私のアンテナにはひっかかっていなかったのですが、
橋本さんと雲さんがお友達であり、「快楽ジャズ通信」にゲスト出演してから、
俄然私の中で存在が大きくなりました。

P157 さて今日紹介するのは、そんな橋本さんの新譜『Arc’d-X』(2009年、najamaja)です。メンバーは、橋本一子(vo,key,g)、石井AQ(DJ,voice)、小田島亨(sax,fl)です。明日の快楽ジャズ通信に橋本さんがゲスト出演するので、その前にこのアルバムを紹介したかったんです。

これまで橋本さんはUb-Xというアコースティック・ピアノ・トリオで活動されたいましたが、本作は一転エレクトリックな打ち込みジャズです。1曲目《All Right》はハウス・テクノ・ミュージック。「東京電気グルーヴ」なんかと類似サウンド。まっ、そこは橋本さん、独特なささやき系ボーカルとミニマルなシンセ音は彼女ならではだと思います。ポップでキャッチーな歌が楽しいですね。

途中に入る石井さんのラップはどこかで聴いたことがあるような?そうだっ、マイルスの『ユア・アンダー・アレスト』の1曲目《ワン・フォーン・コール/ストリート・シーンズ》のスティングがやっている警官ラップではないですか。マイルスが好きな橋本さんのこと、意識しているのかも?と妄想しました(笑)。曲の後半には橋本さんのラップも入ります。なかなか面白いサウンドだと思います。

次の《Latina》は頭がプッシュホンのような音で、これって《ワン・フォーン・コール》つながり?この曲は全編橋本さんのラップです。途中のラテン・パーカッションもね~、リズムが《ワン・フォーン・コール》につながりませんか?絶対マイルスを意識していると思うんですよ(笑)。マイルスに対抗した橋本さん流ラップがこの曲だとしたら面白いんですけどね~。

そして途中のエレピ・ソロはハービー・ハンコックに似ています。なので、ハービーの『ディス・イズ・ダ・ドラム』が浮かんできます。いや~っ、面白いUb-Xの時のアコースティック・ピアノはチックに似ていたりするのですが、エレクトリック・ピアノはハービーというセンスが好きです。チックもハービーもアコ/エレ両刀使いなので、逆の選択もあり得るのにそうでないところが橋本さんのセンスの良さだと思う私です。

タイトル曲《Arc'd-X》は更にリズムが強化され、グルーヴしまくるDJサウンドの上で橋本さんのラップが冴えます。バックにかぶさるミニマルなシンセがこれまたクールでかっこいい!途中に入る狂おしいバリトン・サックス・ソロもヒップでクールですね~っ。この曲は聴いてトランス感が味わえます。

《Baby,Baby》は気だるいミニマル・ファンク曲。前の曲の熱を冷ますような感じで、かつスペイシー。橋本さんのボーカルがセクシー・キュートに迫ってきます(笑)。《Jazzz》のピアノのリフは『Ub-X』に収録された《Parallel》と同じです。この曲は完全なヒップホップ。マイルスの『ドゥー・バップ』と同じサウンドですね。途中に入るベースとその上で舞い踊るフルートはもうクラブ・ジャズの世界。サヒブ・シハブしてます(笑)。

《Bossa Cruise》も橋本さんのセクシー・ボーカルを生かしたミニマル・ファンク。《Love Scope》もヒップホップ。こちらは全編に入っているシンセの使い方から、エレピ・ソロの高域「ピロピロピロリ~ン」まで、かなりハービーの影響を感じます。夏の暑さを感じさせる曲もハービー似のファンクだと思うのですが・・・。ラスト《Aqua》は浮遊感漂うキーボードによる短いエンディング・バラード。

このプロジェクトは、「SphinX..」(多分「スフィンクス」と発音)として1年ほど活動して、休止後10年の時を経て再開したとのこと。いや~っ、これは面白いアルバムです。私が好きなマイルスやハービーのラップ、ヒップホップ、ファンクなサウンドを橋本さんが消化して、そこにテクノやクラブ・ジャズなど若者受けしそうなサウンドをふんだんに盛り込んで作っています。色々な音楽に関わってきた橋本さんならではのエレクトリック・ジャズだと、私は思います。

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こんな気分の日もあるさ!

一昨日はトニー・マラビーだったのですが今日は?
ジャズを聴く気分ではないんですよね~。
いつもジャズばかりじゃ疲れます。
で、今日はこんなの聴いてます。

P156 野田幹子『キュート』(1992年、CBSソニー)。
昔、カー・オーディオで聴いていました。
前にブログで平松愛理、谷村有美のアルバムを紹介しました。
その路線ですね。
他には松田聖子、森川美穂、杏里、松任谷由実、今井美樹。
新譜が出る度にCDをレンタルしてはせっせとカセットにコピー。
今ならi-podに入れるところなんですけどね(笑)。

このCDは最近「ブックオフ」で買った中古です。
カセットは今でも持っているのですが、
今カセットデッキが故障中なので、
この手のCDは数百円で売っているのを良いことに、
ついつい買ってしまいます(笑)。
本当は飯島真理のCDを探していたのですが、
ありませんでした(涙)。

で、このアルバムの話。
歌詞はほとんどが恋心を歌ったもの。
はっきり言って私はほとんど歌詞は聴いていません(笑)。
曲とアレンジを聴いています。
作曲者は数人いるのですが、イメージは統一されています。
哀愁のメロディーです。
聴いていると「せつねー」気分になります。
奇跡的なくらい私の”ツボ”曲が並んでいます(笑)。
今思うとこの頃のポップスのアレンジが好きです。
打ち込みと人力が適度にミックスされたサウンド。
多重録音を駆使した豪華で緻密なアレンジはなかなかです。
FM音源(デジタル)シンセサイザーの爽やかキラキラな音。
恥ずかしいけれど、私は好きですよ(笑)。
野田のニュートラルでちょっと甘い声もいいです。

まっ、こんなの毎日聴いていたらアホになります。
たまに聴くから良いのです。

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高野 雲さんのアルバム評にうならされる!

最近のジャズはどのように聴いたら良いか分からない。
最近のジャズは楽しめない。
デイブ(・ダクラス)、クリス(・ポッター)には旋律がないからダメ(笑)。
なんて意見が私の周囲にはあります。
さて、どうしたら最近のジャズが分かるんでしょう?
ますは”分かる”ところから、それを楽しむかどうかはあなた次第。

最近のジャズが分かりたい。
そんなあなたに朗報です!
我らがジャズ・ナビゲーター高野 雲さんが教えてくれました!
ちょっと大袈裟ですか(笑)?

雲さんは、ブログ:「快楽ジャズ通信」 をやっていますが、
サイト:カフェ モンマルトル の管理人でもあります。
このサイトには「ジャズ批評」というのがありまして、
雲さんはアルバム評をたくさん書いています。
アルバム評は既に1000枚を超えていて、今も増えています。

最近、トニー・マラビー『パロマ・レシオ』のアルバム評がUPされたのですが、
これを読めば最近のジャズの聴き所が分かると、私は思ったのです。

P48 雲さんのアルバム評はココ↓
http://cafemontmartre.jp/jazz/Ma/paloma_recio.html
ここの後半部分が重要なのです。

このアルバムについては、ウェブマガジン:com-post
NYダウンタウンの益子博之さんもアルバム評をUPしています。
http://com-post.jp/index.php?itemid=285

これら2つのアルバム評を読んで面白いものが見えてきました。

益子さんが「全体としてのまとまりというか、何か統一された意思のようなもの」と言っていること。
このアルバムのプロデューサー、マーク・アライアスがライナーに書いているという「このバンドは結成から2年以上に亘ってツアーは一切行わず、地元ニューヨークで独自のアンサンブルに関する議論と検証を重ねてきた」という事実。
マラビーがインタビューで答えた「language=言語、語法、文体」
また益子さんが「「language」とは特定のメンバー間のみで成立するような会話の進め方、会話術とでも言うような、極めて具体的で固有性の高いものではないだろうか?」と言いっていること。

それらに対する答えは、雲さんが書いている以下なのではないかと、私は思うのです。
(雲さんからコメントをいただきましたが、雲さんは益子さんのアルバム評は読んでいなかったようです。まっ、私は多分そうだと思っていました(笑)。なのに、お2人のアルバム評が呼応しているかのようだったので、ここにリンクさせてみたのです。面白いですよね。)

この手の演奏で大事なのは、互いの距離や密集感、一体感ではなく、ビジョンの共有。
テンポ、モード、モチーフ。これらの要素をメンバー同士が共有し、常に演奏中に頭の片隅に置きながら、互いに細かなところまでは寄り添わず、反応し過ぎずに、己の思い描いたビジョンを即興する。そして、即興とはいえども、共有しているモチーフから外れすぎなければ、結果的に「合っている」し「思いもよらぬ面白い内容」になることもある。

あとは練り上げるだけ。即興といえども、個々の局面では毎回違うアプローチはするにせよ、音のストーリーの段取りは、マラビーのバンドの場合は、相当に練習し、練り上げている形跡が随所に認められる。
かなり入念なリハーサルが施されたに違いない。

コレクティヴインプロヴィゼーション(集団即興演奏)は、最初の段階はハプニングの連続だが、プレイバックを繰り返しているうちに、どこまで離れていいのか、どこまで寄り添っていいのかという距離感と、己の役ドコロ、そして演奏の方向性が次第に見えてくる。
このプロセスを繰り返し、互いの距離感と音像のバランス感覚がつかめれば、あとは回数を重ねるごとに「練れた」内容になってくるし、楽器同士の距離感もよりエリアが広がってくるものだ。

つまり、一聴、トリッキーにすら聴こえかねないマラビーらのアンサンブルは、机上で練り上げられたアレンジではなく、演奏を通じて「演りながら練り込んでいった」現場感の強いアンサンブルなのだ。

(以上の文章。雲さんはまだご不満みたいです。「折を見てもう少し文章ほぐそうと思います。」というコメントをいただいていますので、後日この記事を読んだ方は上記のリンク先へアクセスして、アルバム評を読んでいただきたく。)

その後に続くマイルス・クインテットの話がよりわかりやすい例です。

以上を読めば彼らの音楽が見えてきませんか?

そして、これらを楽しめるかどうかは、
雲さん言うところの「ジャズ的な刺激を強く感じるのは、きっと純粋な4ビートではなくとも、即興とアンサンブルへの目線がジャズそのものだからなのだろう。」
皆さんが面白いと感じるか否かなんだろうと、私は思います。

私が信頼するお2人のアルバム評を勝手に解釈しているだけですが、
皆さんはどう思われますか?

<追記>
雲さんのピアノに対する解釈も興味深いものがあります。
ピアノ入りが少ない最近のジャズの傾向を補足する内容だと思います。

P31 ジョー・ロバーノ『フォーク・アート』についても
雲さんのアルバム評がUPされています。ココ↓
http://cafemontmartre.jp/jazz/L/folk_art.html

こちらを読めばジョー・ロバーノが分かります(笑)。

いや~っ、雲さんのアルバム評は分かりやすくて面白いです!

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ブラウニーのトランペットはやっぱりいいよねっ!

昨日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「クリフォード・ブラウン特集」でした。

詳細については「快楽ジャズ通信」をご覧下さい。

クリフォード・ブラウンのプロフィールについてはディレクター嬢から。
クリフォードについて語ったマイルスの言葉がカッコいいですね~。

クリフォードはこれからジャズを聴きたい人にオススメ。
何が良いのか?
まずは音色がいい。
そしてアドリブの語り口が物語を語っているようで楽しい。
そして完璧という言葉が相応しい。
完璧というと冷たいイメージ。
でもそうではなく暖かいのがクリフォードです。
その語り口については雲さんの分かり易い喩えの説明がありました。

『バードランドの夜Vol.1』から《ワンス・イン・ア・ホワイル》
アルトのルー・ドナルドソンが抜けたワン・ホン・カルテットの演奏。
まったく飽きないクリフォードのアドリブを聴いて下さい。
クリフォードのアドリブだけを聴いても良いです。
きちんとしたアドリブの構築力を聴いて下さい。

これは確か私が初めて聴いたクリフォードの演奏です。
FM NHKの「ゴールデン・ジャズ・フラッシュ」のクリフォード特集の1曲目?
この回はラジカセでカセットに録音して何度も聴きました。
まさかまたラジオ番組で会えるとは、懐かしさひとしおです。
この演奏は本当に素晴しいんですよ。
(以降緑字は曲を聴いての私の感想などです。)

クリフォードのアドリブが開花したのはこのグループから。
クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ・クインテット。
アドリブの凄さとアレンジの妙をうまく聴かせたグループです。
エネルギッシュでカッコいい曲。
『クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ・クインテット』から《ダフード》

クリフォードのソロは本当に素晴しいです。
気持ち良いアドリブ。
続くピアノ・ソロも単純明快。
テナー・ソロも負けじとメロディアス。
最後はローチの歌うドラム・ソロ。
演奏前後のアンサンブルも気持ち良く、文句無しですよね。
これぞ、ハード・バップです。

「テーマ部のマックス・ローチのドラムが歌っています。
やっぱり凄いドラマーです。」と雲さん。

ここでブラウン・ローチ・クインテットのお話。
グループ・メンバーのつながりにはドルフィーの自宅ジャム・セッション
がかかわっているんだとか。
ピアノのリッチー・パウエルとローチの面白い関係の話もありました。

エリック・ドルフィーの自宅ジャム・セッションの話が出たので、
それを収録した最近出たアルバム
『トゥギャザー・レコーデッド・ライブ・アット・ドルフィーズ』から《クリジーオロジー》
音が悪いですが、クリフォードがピアノを弾いています。

なるほどピアノのもなかなか上手いですね。

「楽しげなピアノ。でもフレーズは堂々巡り。」
「誰かに似ている。初期のホレス・シルバーに似ている。」と雲さん。

次は演奏とメロディーに対するクリフォードの集中力を聴きましょう。
『クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス』から《スター・ダスト》

この歌心は凄いと思います。
今更言うまでもなく、良いものは良い(笑)。

もう1曲しみじみナンバー。
『サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン』から《エイプリル・イン・パリ》

これも今更言うことはありません。ジャズですね~(笑)。
ピアノ、テナー、ミュート・ソロと気持ち良く続いていきます。
後半はボーカルにミュート、テナー、フルートがからんで極上です。

「歌伴といいますが、クリフォードは第2のボーカルです。」と雲さん。

次は元気のいい曲。
『ザ・ビギニング・アンド・ジ・エンド』から《ドナ・リー》

淀みないアドリブと輝かしい音が素晴しいですね。
こんなライブを聴けた当時のお客さんが羨ましい限りです。

この演奏、実は死ぬ前ではなく1年前の録音だったことがわかっています。

最後の曲は雲さんが個人的に大好きな曲。
ラジオ体操の始まりの曲「新しい朝が来た~」な気分になるとか(笑)。
『クリフォード・ブラウン・メモリアル・アルバム』から《ベラローサ》

軽やかでウキウキしてくるような曲ですね。
軽快なアルト・ソロからクリフォードの輝かしいソロへ。
続くメローなピアノ・ソロと、聴くほどに元気が出てきます(笑)。
この曲で〆というのは気分が良いです。

<アフター・アワーズ編>

ディレクター嬢がこれはリー・モーガンだと思った演奏がB.G.M.。
ライアン・カイザーの最近のアルバムから『クリフォードの思い出』
クリフォードの人柄などについてのトークから
ディレクター嬢初見弾きのセッションへ。
曲はもちろん『クリフォードの思い出』です。
で、B.G.M.はバド・パウエルのバージョンへ。
「実は自分の弟リッチー・パウエルを思って弾いていたんじゃないか?」と雲さん。
間延びしそうなくらいゆっくり弾いても聴かせてしまう後期パウエルです。

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「KOFU JAZZ STREET 2009」!

昨日は恒例の「KOFU JAZZ STREET 2009」へ行ってきました。
町興しの一環として行われる「まちなかミュージックフェスタ」(10/1~31)
のメイン・イベントです。
ジャズストリートと言いますが屋外でのイベントはありません。
「桜座」「コットンクラブ」「Alfie」「ALONE」「THE VALUT」「花国」の6ヶ所に
それぞれジャズマンを招いて行われるライブ・イベントです。
それも夜の3ステージだけなので、「KOFU JAZZ NIGHT」くらいのほうが良いかも?

「JAZZ STREET」へ向かう途中、市役所の駐車場で集会をしていました。
昼間に行われていた「甲府大好きまつり」の閉会式でしょうかね?
たぶん市の職員と関係者が集まっていたんだと思います。
銀座通りなどには屋台が出ていました。
夜は「ライトダウン甲府バレー」というイベント。
街のネオンを消してきれいな星空を見ましょうという環境イベントです。
あいにく午後から雨が降り出し、「JAZZ STREET」の頃に雨は上がったものの、
曇り空なので星は見えない状況でした。
甲府の人達も色々なことを考えて人集めに奮闘中。成果のほどは・・・?
中心部はシャッター街と化してるにも関わらず、あちこちに大規模店舗が進出中。

前置きが長~くなってしまいました(笑)。

まずは「桜座」でオープニングセレモニーを見ました。まさにセッションが始まったところに到着。やらないはずの山下洋輔さんがセッションに参加してるというので早速見ることに。テレビで見るとおりの山下さんです(笑)。ここに集まったミュージシャン全員が交代でする顔見せセッションなのですが、今回は全員が参加しないまま中途半端に終了。まっ、いいか。ライブが始まるまでの時間に、「甲府大好きまつり」の屋台が出ていた銀座通りあたりをブラッとしてから、夕食を済ませました。

今年は去年よりお客さんが少ない感じでした。2割減くらい?去年は結構若い人達がいたのに今年はかなり少なめ。パスポート代(前売り\6,000、当日\7,000)はやっぱり高いのかな~。多分不況の影響がもろに出ているんだと思います。客層は、ジャズファン・オヤジ、中高年の夫婦、祭り好きなオヤジ達、洒落たオバサマ・グループといった感じでした。

P152 まずは「桜座」山下洋輔ユニットを見ました。他は3ステージなのにここだけ2ステージ。一番盛り上がる最後の3rdステージで山下さんを見ようと思っていたのですが予定変更です。多分騒音問題のせいです。10時以降は演奏できないと言っていたので、「JAZZ STREET」も例外が認められなくなったのではないかと思います。ここは個人営業の店ではないのでしょうがありません。お客さんはもう満席に近く真中辺りには座れませんでした。まずは生ビールを1杯飲んでから演奏を聴きました(笑)。

1曲目は山下さんのソロで《ラウンド・アバウト・ミッドナイト》。う~ん、安心して聴ける貫禄の演奏です。2曲目はドラマーの小山彰太さんが加わり《寿限無》。山下さんが「寿限無寿限無・・・」を一通り言ってから演奏開始(笑)。このお2人、もう長い付き合いなのでお互いの息もピッタリ。

3曲目はアルト・サックスの米田裕也さんが加わってのトリオ演奏。3人での演奏は今回初めてとのこと。米田さんのリクエストで日本の歌だったのですが、すみませんタイトルが思い出せません。次はスタンダード(タイトル忘れ)。山下さんが「この3人なので普通ではありません。さてどうなりますか?」と言って始まりました。そして最後は《キアズマ》。終盤での熱演は大迫力でした。

米田さんは若い金髪兄ちゃん(失礼!)なのに(笑)、これがなかなかやってくれました。アルトもよく鳴っていましたし、アドリブも山下・小山のお2人と堂々と渡りあっていました。山下さんとの音のよみ合いは見ていて面白かったです。ライブでの真剣勝負、フリー・ジャズの一番面白いところはここなんですよね。とても充実した演奏でした。さすがは山下さん!

P153 次は「コットンクラブ」アレッサンドロ・ブラーボ・トリオwithキャロル山崎&市原ひかりを見ました。昨年は席がないくらい混み合っていたのに、今年は余裕で座れました。生市原ひかりさんが見たかったミーハーな私です(笑)。バーボンの水割りを飲みながら見ました。

最初に市原ひかりカルテットで2曲演奏しました。演奏したのは《イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー》《ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラヴ》。1stセットはボーカル抜きのインストゥルメンツでの演奏はしなかったそうなのでラッキーです。

華奢で小柄な市原さんがトランペットを吹くのは大変そう。でも市原さんはマイクを立てずに演奏したので、生のトランペットのファットな音が気持ち良かったです。ラッパの前方に座った人が羨ましかったなあ~、できればそこで聴きたかった私(笑)。アレッサンドロ・ブラーボ・トリオが市原さんを優しくバック・アップしていたので心地良く聴けました。

P154 一旦市原さんが下がって、ボーカルのキャロル山崎さんが登場。元宝塚鳳蘭さんに似たチャーミングな方でした。1stセットのお客さんの入りがいまいちだったようですが、この2ndセットはほぼ満席。山崎さんは嬉しいと言っていました。で、入りが良ければ歌の方も当然乗ってくるわけで、お客さんと一体化した楽しいステージになりました。

まずは《シャレード》。素直なボーカルが心地良かったです。続いての《ポインシアーナ》はラテン・アレンジ。私はこの曲が好きですし、ラテンのリズムが気持ち良くてウットリ聴きました(笑)。市原さん再登場。5人での演奏となりました。2曲のうち1曲で市原さんはフリューゲルホーンを吹いていました。ラストは8ビートのアップテンポ曲で、手拍子もあって大盛り上がりのうちに終了。アレッサンドロ・ブラーボ・トリオは歌伴に徹していました。3人とも控えめな洒落たイタリアン。ブラーボは結構お茶目で気さくな人でした(笑)。

P155 ラストは「THE VAULT」アンディ・ウルフ・セッションを見ました。実はこのお店に入ったのは今回が初めて。地下の広いワン・フロアーのお店でオーストラリアスタイルのバーらしいです。店主も外国の方です。このセッションが見たかった理由は、ドラマーの則武裕之さん目当て。則武さんは元T-スクエアーのドラマーで、日本屈指のテクニシャンです。20年くらい前にT-スクエアーのライブで見た時はこの人のドラミングに感動しました。

ちょっとお腹も減ったのでピザを注文してベルギー・ビールを飲みながら見ました。結構酔っ払い状態です(笑)。まずはグロバー・ワシントンJr.の曲から、そうです。ジャズではなくてフュージョンです。ラストはフュージョンで盛り上がって終わろうと思った私です(笑)。前の席に座ったオジサン2人はフュージョンがダメだったのか?途中で抜け出していきました(笑)。こういうのはもうノリノリで聴いたもんが勝ちな演奏です。

ウルフさんは日本に住んでいます。熱帯ジャズ楽団に参加しているそうです。結構日本語もしゃべります。フュージョン・サックスのカーク・ウェイラムが好きだとか。2曲目はウェイラムの曲でした。3曲目は《モーニン》のフュージョン・バージョンです。ブルージーな自作バラード曲も披露。基本はテナー・サックスですが、数曲でソプラノ・サックスも吹きました。

ベースは日野JINO賢二さん。4弦ベースと5弦ベースを曲によって弾き分けていましたが、その理由は不明。酔っ払いの私にはそこまで分かりません(笑)。普通の指弾きの時には弦上のカバーの後方で親指弾きも(ギターのアルペジオ風)交えて弾き、チョッパーの時はカバーの前方(ネック側)で弾いていました。足元にはたくさんのエフェクターが並び、ギターの音域に変えての演奏もありました。そして歌も歌うのですが、これが結構ソウルフルでカッコ良かったです。

ここには控え室がなく、ステージ脇で演奏者が休憩しているのですが、日野さんのと思われる弟子?付き人?楽器持ち?が3人いました。そのうちの1人が演奏前に楽譜を並べたり、日野さんがベースを持ち替える時のサポートをしていました。なるほど今もこういう人がいるのかと思いました。さすがは世界のヒノテルの息子です(笑)。顔も似ていました。

則武さんは始終クール。カッコいいの一言です。ドラミングは相変わらず最高のキレでした。ドラムの配置について言っておかねば。スネア、ハイハット、タムタム2個、フロアータム1個、シンバル3個、バスドラ1個に小太鼓?1個という比較的シンプルなセットで、シンバルやタムやスネアを同じくらいの高さに水平配列するスタイルでした。シンバルも傾けずに水平。なので、ドラムを叩いている姿は上半身から上がよく見えます。こういうセッティングが最近は多いようです。

キーボードのペニー・Kさんはもちろん日本人です(笑)。KORGとYAMAHAのシンセ2段。演奏はとにかくエキサイティング。ソロでの盛り上げぶりが尋常ではありませんでした。こういう演奏には欠かせないお祭り男です(笑)。見ている私達より演奏している皆さんのほうが楽しそうな演奏が続いていきました。

お客さんも酔っ払いばかりなので、盛り上がる盛り上がる。アンコールも2回やりました。最後のアンコールはドラム・ソロから始まり、則武さんのドラムを満喫できました。途中から全員が加わりやりだした曲はジャコの《ザ・チキン》。オリジナルより速めのテンポで演奏。会場は興奮の坩堝と化しました。そして最後は日野さん指導のもと全員立たされて変なダンス(笑)。もう酔っ払いオジサンやオバサマがそろって変なダンスするんだから異常です(爆)。当然私も皆さんにお付き合いしましたよ。

フリー・ジャズ、ジャズ・ボーカル、フュージョンという展開。
ジャズを聴くから一緒になって楽しむまで、なかなかのセレクションでしょ。
楽しいジャズ・イベントでした。

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KOFU JAZZ STREET 2009へ行ってきました。

P151 今年も「KOFU JAZZ STREET」へ行ってきました。
私が見るのは今年で3回目。
イベント自体は今年で4回目です。
私が甲府に帰ってきた年に始まったのですが、
私が見たのは2回目からなんです。

昨年から6ヶ所(6グループ)で開催されていますが、
ライブは3ステージなので、1ステージずつ見ると、
3ヶ所(3グループ)しか見られません。
中にはステージ途中で移動するお客さんもいますが、
1ステージ1時間弱では落着いて見ていられません。

というわけで、私が見たの以下の3グループ。

山下洋輔UNIT
アレッサンドロ・ブラーボ・トリオwithキャロル山崎&市原ひかり
Andy Wulf Session

それぞれが異なるジャズなので楽しめました。
明日レポートを書きますので、お楽しみに!

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渋いユーロジャズ。

一時期しきりにユーロジャズと言っていましたが、最近は言わなくなりましたね。
どうしてなんだろう?ユーロジャズ・ブームの終焉?
最近はユーロとまとめずに、国の名前で呼ぶようになっただけかもしれませんね。
今はイタリアのジャズが人気のようですが、私はそれほど聴いていません。
ヘソ曲がりなので、流行のものは聴かないんです(笑)。

私が数年のブランクをはさんでジャズをかなり聴くようになったのは2000年頃。
今日はその頃に買ったアルバムを紹介します。

P150 エッカード・ワイト・カルテット『スタンダード・ムーズ』(2000年rec. organic music)です。メンバーは、エッカード・ワイト(ts)、マーティン・シュラック(p)、トーマス・スタベナウ(b)、ギド・メイ(ds)です。当時ピアノ・トリオとともに流行っていたワン・ホーン・カルテット。

当時もそうですが、今だにたくさんのワン・ホーン・カルテットやピアノ・トリオが輸入されていて、そのほとんどが忘れ去られる存在。だから、MOONKSのように、そういった中から良いものを紹介して聴き継いでもらいたいという人達がいるのは充分理解できます。でもねっ、その「良い」の基準が多分に個人的もしくは狭いエリアなうえ、価値観の多様化があるので、なかなか難しいところなんですよ。

さて、話をこのアルバムに戻しますが、万人に向けて「良い」と言えるとは思っていません。個人的に気に入っているのです。私のブログを読んで下さり共感を持って下さる方に気に入っていただければ、私としては嬉しいです。でも、既にこのアルバムは入手困難かもしれませんね。まっ、私は「これは聴くべきレア盤だ」とは間違っても言いませんよ(笑)。

ジャケ写を見て「こいつジャズやれるの?」と思うかもしれませんが、結構やってくれますよ(笑)。アルバム・タイトルが『スタンダード・ムーズ』なので、スタンダードを演奏していそうですが、スタンダードは一切やっていません。全曲ワイトが作曲していますが、これがなかなか良い曲揃いです。そして難解さは全くありませんのでご安心下さい。

ちょっと擦れてスモーキーなテナーの音が良い感じです。ジョー・ヘンダーソンから灰汁を取り去った感じなのがいかにもヨーロッパです(笑)。フレージングは現代的なんですが、マイケル・ブレッカーみたいに垢抜けすぎていないのが良いですね。ジャケ写のご本人同様で垢抜けてはいません(笑)。よく見るとワイトはどこにでもいそうなサラリーマン風です。

このアルバム、要は通好みの渋いマイナー・テナーの典型みたいなものです(笑)。バックのピアノ・トリオもまさに通好みの渋いマイナー系、奇を衒うようなところは皆無です。私の勝手な思い込みかもしれませんが、ドイツ(レーベル)の真面目さみたいなものが漂っていてるのも私好み。話がちょっと逸れますが、それに引替えイタリアってちょっと軽薄なんですよね(笑)。

このアルバムを聴いた時は、なるほどこういうジャズが今世間(2000年頃)で受けているのかと納得したもんです。メジャーなアメリカ系のジャズにはない魅力を持っているよな~と思いました。

このアルバム、どこかで見かけることがあったら買ってやって下さいねっ。

アルバム名:『STANDARD MOODS』
メンバー:
Eckhard Weigt(ts)
Martin Schrack(p)
Thomas Stabenow(b)
Guido May(ds)

明日は「甲府JAZZストリート」を見にいきます。
ジャズ喫茶「いーぐる」の新譜特集には行けません(涙)。

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スガさんと雲さんのマシンガン・トークに疲れる(笑)!

今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「スピーク・ロウ特集」
ゲストはジャズ・ピアニストのスガダイローさんです。
番組詳細は「快楽ジャズ通信」をご覧下さい。

そうか~、前回から番組テーマ曲が変わったんでした。
一瞬違う番組が始まったのかと思いました(笑)。

《スピーク・ロウ》についてはディレクター嬢から説明がありました。
B.G.M.はウォルター・ビショップJr.『スピーク・ロウ』から。

スガさんは甘めの低音ボイス。
声と喋り方は、「安全地帯」の玉置浩二にかなり似ています(笑)。
雲さんの声質と被るところがあるので、
話が盛り上がってお2人が早口で喋ると、ついていくのが大変です(笑)。

いきなりスガさんのアルバム『坂本龍馬の拳銃』から。
全編アルコ弾きのベースが意表を突いています。
つかみはO.K.な曲です(笑)。

確かにこのアルコ弾きには意表を突かれますね。
エキサイティングな演奏です。
あっけらかんとしたスガさんのピアノが魅力的。
(以降緑字は曲を聴いての私の感想などです。)

雲さんは「のっけからぶっとびますね。」と言います。
ドラム・ベースが自由にやっています。
スガさんによれば「スイングしないがモットー」。
この演奏はピアノをベースとドラムが支えるのではなく、
ピアノが支え、ベースとドラムがソロをとるというコンセプトだそうです。

これを聞いて思うのが、「ポスト・モダンジャズ」の特徴。
「フロントとリズムの逆転現象」です。
例のジョシュア・レッドマンの『コンパス』に見られる演奏と同じです。
《月光》はジョシュアが淡々とメロディーを吹いて、
バックのベースとドラムが自由にやっていますが、発想は同じだと思います。
まさかスガさんからこういう話を聞くとは思いませんでした。
NYに限らす日本にもいるんですよね~。ポスト・モダンな人達。

次はオーソドックスなピアノトリオ。
ベースとドラムがピアノを支えます。
テテ・モントリュー『ピアノ・フォー・ヌリア』から。
雲さんはテテのスピード感と時々出る狂気じみた弾き方が気持ち良いとか。

ウォーキング・ベースがズンズンと気持ち良く刻みます。
確かに途中で狂気じみた速弾きがあり、気持ち良いです。
オーソドックスですがかなりエキサイティング。
聴く者も気分が高揚してくる楽しい演奏です。

スガさんは「スイングしていてしゃくに障る。」と言います。
スガさんは「スイングしない。」と公言していますが、半分やけくそだとか(笑)。

原曲に近いだろうと思う演奏。
グレン・ミラー・アーミー・エア・フォース・バンドの演奏から。

なるほどね~。こんな感じなんですね~。
ちょっと眠気が・・・、コクリッ(笑)。

スガさんはこの演奏のようなつもりで弾いているんだそうです(笑)。
これは雲さんが最初に聴いたバージョンだそうです。
で、次に聴いたのがウォルター・ビショップJr.のピアノ・トリオ。
このアルバムはスガさんも好きだそうです。

ちなみに私が最初に聴いたのもウォルター・ビショップJr.のトリオ。
ジャズを聴き始めた翌年くらいにレコードを買いました。

またエキサイティングなバージョン。
グラント・グリーン『抱きしめたい』から。
エルビン・ジョーンズの煽るドラムを聴きましょう。

グリーンのアーシーで臭いギター(笑)は私も好きです。
ハンク・モブレーのテナーも黒くていい感じですね。
大好きなエルビンは文句なく最高のグルーヴ。
ラリー・ヤングのオルガンは軽めなのですが、そこがグッド・バランス。

スガさんはエルビン・ジョーンズのドラムが素晴しいと言います。
雲さんはこのドラムに合わせてベースを弾いたことがあるそうですが、
弾くうちにドラムとずれてしまうんだとか。
エルビンのリズムはそういう独特のリズムという話。

ここで合わせる合わせないの話へと。
スガさんは無理にあわせない事で音楽に一体感が出ると言います。
無理やり合わせると、吉本新喜劇みたいになってしまうとも言います。
なので、「聴かないでくれ。反応しないでくれ。」という感じで演奏しているそうです。
自然に聴こえてくるのものなので、過剰な反応はしないでくれということです。
雲さんは意図的に合わせられると、
「オレはフュージョンをやっているんじゃないんだぞ。」と思うとか。
「キメの不快感」なんだそうです(笑)。

ここでガンダム話。
実はスガさん、ジャズよりガンダムのほうが楽しいとか。
お2人ともガンダムのメカが好きだそうです。
で、お2人とも「グフ・カスタム」が一番好きなんです。
グフに乗る人は「漢(おとこ)」、ジャズをやるのも「漢」みたいな、
「”ジャズ”、”グフ”似ているでしょ。」と、スガさん(笑)。
話は逸れていますが、坂本龍馬も「漢」ということで、
スガさんのアルバム・タイトル曲《坂本龍馬の拳銃》へと強引につなげます(笑)。
大迫力なカッコいい演奏です。

雲さんはこの曲に幕末の京の町の不穏は夜の空気を感じるとのこと。
テーマのメロディー「レミシシシシシシシ」が幕末の感じなんだとか。
スガさんによれば、日本語は抑揚感がないので、
日本ぽい曲を弾くときは同じ音の連打をするんだとか。
それからこの曲は右手と左手が違うキーでやっているんだそうです。
コード感覚の稀薄さ。
ハーモニーがきれいについていると日本的でなくなるとか。

そういえばマイルスの『オン・ザ・コーナー』のライナーノーツで
岩浪洋三さんが以下のようなことを書いていました。
「ハーモニーはヨーロッパで極度に発達した。
一方アフリカ、インド、東洋などはリズムとメロディーが音楽の主軸をなしている。
日本人がハーモニーに対するセンスが乏しいからといって劣等感をもつ必要
などないのである。」
同じことを言っているように思います。
よく読むと岩浪さんは良いことを書いていたりします(笑)。

非常にスピーディーな展開の曲です。
時々リズムがズッコケそうになったりします。
ベース、ドラムは確かに予定調和ではないですね。
それが生き生きとした演奏になるんでしょうね。
なるほど、聴き所を教えてもらって聴くとわかりやすいです。

私は思うのですが、このリズムがズッコケそうな感じ。
私がよく聴くポスト・モダン系、NYダウンタウンの人達にもあります。
最初に聴いた時は違和感アリアリでしたが、最近はすっかり慣れて、
これが気持ち良いのです。
これを聴いて、スガさんにますます「ポスト・モダン」を感じました。

雲さんは「何回聴いてもいい。映画を見ている感じ。」と言います。
雲さんが映画を撮るなら、この曲をB.G.M.に使いたいそうです(笑)。
やっぱりリズムを合わせるのが難しいそうです。
無意識に反応しちゃうんだそうです。

ここでスガさんの次回アルバムの話。
『黒船・ビギニング スガダイロー短編集』は、11月4日発売。
黒船から始まった敗戦国家うんぬんがコンセプトみたいです(笑)。
「ビギニング」がガンダムにつながるらしいのですが、今はまだ秘密。
「緑」がキーワードとか何とか?
私にはよくわかりませ~ん(笑)。
謎が解けました!
「ビギニング」は、ガンダムの中でニュータイプの女戦士ララァ・スンが
死ぬ時に流れる曲名と同じだということです。
キーワードの「緑」は、ララァが乗るモビル・アーマー「エルメス」の色でした。
私は「エルメス」が白色だと思い込んでいましたよ(涙)。
(2009/11/5)

最後はボーカルで〆ましょう。
『フォア・フレッシュ・メン&ファイブ・トロンボーンズ』から。

優雅な感じで〆でした。
お2人のマシンガン・トークを冷ますのにはいいでしょう(笑)。

新しいジャズ観を持ったスガさん。
「スイングしてもいいし、スイングしなくてもいい。」そうです。
スガさんはスイングするのが嫌いなんだそうです(笑)。

エンディング・テーマ曲は今回もほぼ全曲かかりました。

<アフター・アワーズ編>

お2人とも酔ってエレピを弾いて鍵盤を壊したことあがあるんだとか。
手も血だらけになったらしいです(笑)。

スガさんのエレピと雲さんのベースで《スピーク・ロウ》。
今回は間接空気録りとのことで、音はちょっと不明瞭ですが、
スガさんがハミングしながら弾いているのもわかって、
ライブ感はよく出ていました。

徐々に盛り上がっていく活き活きとした演奏です。
お2人が楽しそうに弾いているのが伝わってくる良い演奏でした。

今日の放送は内容が濃い上に、お2人のマシンガン・トークもあり、
レポートを書き終えた今はすっかりお疲れモードです。
でも、楽しかったな~。

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たまにはソフト路線もなきゃだめですか?

ジャズ友 tommyさん がブログで
「おひとりさまジャズ」(10月限定)なるキャンペーンを始めました。
女性にオススメのジャズ・アルバムを紹介する企画です。
これは暗に私へのアドバイスも含んでいるんだろうと勝手に受け取りました(笑)。
なにしろ私は昨日の「オン・ザー・コーナー」のようなマニア向けのジャズばかりを
紹介していますからね。
「これではイカン!女性にも目を向けなさい!」ということなのでは?

それでは私もということで、女性向けジャズ・アルバムを紹介しましょう!
と思ったのでありますが、いつもがいつもなだけに思いつかないのです(涙)。
う~ん、どうしたものでしょう・・・。
そうだっ!これいってみましょう。

P149 アート・ファーマー『処女航海』(1983年rec.日本コロンビア)です。ウィズ・ストリングスと言いまして、バックに小編成のストリングスが入ります。

これ、メンバーが凄いんです。リーダーのアート・ファーマーは「趣味の良いトランペッター」と言わており、軽やかでリリカルなトランペットを吹く人です。でもここで吹いているのはフリューゲルホーン。トランペットを一回り大きくしたような楽器で、シルキータッチのソフトで包み込むような音を出します。この音を聴くだけでもウットリしますよ。

ピアノとエレクトリック・ピアノを弾くのは佐藤允彦です。知る人ぞ知る日本屈指の知性派ジャズマン。お洒落で知的なピアノが心地良いんですよ。この佐藤がストリングスの編曲と指揮をしているんですから、ストリングスの響きはそりゃーもうエレガントそのものです。

ベースのロン・カーターは、CMにも登場するダンディーなベーシストです。もちろんベース・プレイもダンディー。最後にドラマーのジャック・ディジョネットは、ピアノも一流に弾きこなすこれまた知性派の凄腕ドラマーなのです。

どうですか皆さん?趣味が良くて知性派でダンディーなジャズマンがここには揃っているんですよ。奏でられるサウンドは悪いはずがありません。このアルバムでジャズのお洒落でエレガントな面を堪能して下さい。

やっている曲も《ニカの夢》《ルビー・マイ・ディア》《ブルー・ボッサ》《グッド・バイ・ポーク・バイ・ハット》《ブルー・イン・グリーン》《処女航海》《ナイーマ》と、有名なジャズマンのオリジナル曲ばかりで、いわば「モダン・ジャズ・スタンダード」です。

貴女も絶対に1曲、いや数曲は気に入るはずです。気に入った曲が入っているアルバムを探して聴くも良し、気に入った曲を作曲したジャズマンのアルバムを聴くも良し、このアルバムから貴女のジャズが広がってゆくこと間違いなしです。

そうそう、これを言っておかないと。決して売れ線狙いのお気楽ジャズ・アルバムではありません。高いクオリティーを持っています。深まる秋、まさに今聴くのにもピッタリなジャズです。このアルバム聴いてみて下さい!

私もやればできるでしょ?(笑)

あちゃ~っ!tommyさんからダメ出しされてしまいました(涙)。
興味がある方はコメント欄を見て下さいませ。

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こんなものが入っていました!

中古のレコードやCDを買うと思わぬものに出くわす時があります。
今日はおととい買った中古レコードの話です。

P147 マイルス・デイビス『オン・ザ・コーナー』(1972年rec. CBSソニー)です。メンバーは、マイルス・デイビス(tp)、カルロス・ガーネット(ss,ts)、ハロルド・ウィリアムス(key)、ハービー・ハンコック(key)、デビッド・クリーメン(g)、コリン・ウォルコット(sitar)、マイケル・ヘンダーソン(el-b)、ジャック・ディジョネット(ds)、ビリー・ハート(ds)、ジェイムス・ムトゥーメ(per)、バダル・ロイ(tabla)です。

メンバーを見て、ハービーとコリン・ウォルコットが参加していたことを再認識。ハービーってこの時期はマイルスとレコーディングしていないという思い込みがありました。シタールはカリル・バラクリシュナだとばかり思っていました。ハロルド・ウィリアムスとデビッド・グリーン、それ誰ですか?って感じです(笑)。実際にはもっとたくさんのメンバーが参加したテープを編集しているのですが、当時は上記メンバーしかわからなかったということですね。

もちろんこのアルバムは持っています。最初はCDを持っていたのですが、オリジナル盤のレコードがほしくなり、探している過程でうっかりバーコード付きの80年代くらいの再発米盤を買ってしまいました。これが録音レベルが低く、何とも覇気のない音だったので不満を持っていました。今回見つけたのは日本盤なのですが、音質はこれの方がましなんじゃないかという期待と共に、二つ折りジャケットだったので買ってしまいました。値段は¥840。当然不人気盤です(笑)。ビニールで包んであるのも値落ちの理由。

これもライナーノーツは岩浪洋三さんが書いています。当時のCBSソニーのマイルス系フュージョン・アルバムはほとんど岩浪さんが書いているんですよ。当時はこの手の音楽をジャズと認めていないジャズ評論家ばかりだったので、なんでも書いた岩浪さんに依頼がいったのでしょう。「ぼくは近作の中では「イン・ア・サイレント・ウエイ」、「ビッチェズ・ブリュー」にひってきするジャズ界の重要なマイルスの作品だどとおもう。」と〆ているのですが、今読むと何かむなしく響くのは私だけでしょうか?

P148前述のとおりジャケットには丁寧にビニール・カバーがかけられていました。よく見ると左のチケットが入っていたんです。1973年(チケットの裏に48・4・11四谷税務署の印有)のマイルス来日時のコンサート・チケットです。当時の¥4,000はかなり高かったんでしょうね~?このチケットを見てちょっと気になることがあります。

1973年のマイルスの来日コンサートって、中山康樹さん著「マイルスを聴け!」によると、6/19日の初日がラジオで放送され、翌6/20がテレビ放映されたとあります。両方ともブート盤が出ています。で、中山さんは初日のステージからマイルスの”追っかけ”がスタートしたと書いています。このチケットは6/22です。ということは3日以上厚生年金ホールでやったということですよね?当時は一ヶ所でそんなに何回もやったんですね~。

チケットには「九重奏団」って書いてありますから、チケットを印刷した頃にはメンバーが9人いたことになります。でも来日時は7人になっていました。まっ、それは「マイルスを聴け!」の4/13と5/1のブート盤が10人だったことからもわかります。マイルスに首を切られたメンバーは、ロニー・リストン・スミス(key)、カリル・バラクリシュナ(sitar)、バダル・ロイ(tabla)。ある意味余分な人達だったわけです。

この73年来日時のメンバーと楽器構成はその後ちょっと変更はありますが、75年の引退まで続くわけですから、来日時はこの時期のターニング・ポイントだったということになります。そこに遭遇した中山さんにも運命的なものを感じます。

このレコードを持っていた方も、まさにそれを体験した方だったわけです。感動したんでしょうね。だからジャケットにビニール・カバーをかけて、チケットを入れて大事に持っていたんですよ、きっと。そんな大事なレコードだったのに、どういう事情かは分かりませんが、多分本人ではなくて親族か誰かがこのレコードを売りに出したということなのでしょう。

と、このレコードを手にして私は歴史を感じたわけです。大袈裟な(笑)!
私の元に来て良かったですよね?
こうしてチケットがネットを通して陽の目を見たんですから、幸せですよ(笑)!

*

tommyさんからコメントをいただきました。

貴重なチケットを手に入れましたね。「On the Corner」に入っていたのが、すごくイイ!
1973年というと、オイラが東京に来て1年目です。「6・22」のステンシル・デザイン文字が時代を感じます(笑)。
オイラもレコードにチケットやサインを入れる癖があって、前にソニー・ロリンズの直筆サインをMacotoが見つけて驚いていました(笑)。
このマイルスの二度目の来日公演の初日の1973年6月19日が火曜日なんですよ。ですから22日は金曜日(東京公演最終日)のチケットなんです。来日ライブが、平日火曜日初日なんてビックリ。
当時3〜4回公演は普通で、昼夜2ステージの3日間なんていうのもありました。
これは航空運賃が、今と比べるとスゴク高かったからです。ニューヨーク、東京間のエコノミークラスの往復料金が70万円〜以上だったと思います。かなりの数をやらないと招聘元もペイできなかった。
今は、ブルーノート東京出演のためにミュージシャンが来る事を考えると、8,000円くらいでライブが観れるのは幸せな状況なんですね(笑)。
そのチケットはお宝です。額縁に入れておきましょう(笑)。

「On the Corner」に入っていたっていうの、イイですよね。
なるほど、レコードにチケットを入れておくのも良いかもしれません。
73年のマイルスのコンサートは6/19~6/22の4回だったということですね。
火曜日初日は確かに驚きです。
なるほど、航空運賃がらみの理由があったんですね。
確かにブルーノート東京で簡単に見られるようになったのは幸せです。
でも、そのせいでありがたみがなくなってしまったかも?
73年マイルス東京公演最終日チケットは大切に保管しておきます。
額縁に入れるんですか~?

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上野まなさんのライブに行ってきました。

昨日は高野雲さんが出演する上野まなさんのライブに行ってきました。
色々な出来事がありました(笑)。

まずはデジカメを持っていくのを忘れてしまいました。
駅で「かいじ東京フリー切符」を買おうとしたら9月末日で終了。
後続サービスとして「東京週末フリー切符」になったらしいのですが、
休日前の金曜日までしか買えません。
おかげで普通の特急切符を買うはめになりました。
高かい(涙)!窓口の駅員さんに愚痴ってしまいました(笑)。

ディスクユニオン吉祥寺ジャズ・クラシック館ではLP買取10%UPキャンペーン中。
不要LP20枚を売ってきました。
オリジナル盤とかあったのですが、LPは高く買い取ってもらえませんね~。
まっ、聴かないのを持っていても場所を取るだけなので、たまには売却しています。
で、中古LP2枚と新譜CD2枚を買いました。

次は御茶ノ水駅にいつものジャズ友が集合。
すでに駅前にはtommyさんがいらしていました。
なんと、アマチュア・バンドが屋外ライブ演奏中。
ちょうど演奏が始まるところ。
で、始まったのはジャコ・パストリアスの《ザ・チキン》。
ノーサン、じゃこのめさんもやってきました。
ジャコ・パストリアスのファンサイトを運営するじゃこのめさんには
グッドタイミングな曲ではありませんか(笑)!

P145 日立製作所の本社ビルがない!建て替え中?
工事現場を横目に見ながら
「真空管オーディオ・フェア」へと向かいました。
去年は吉祥寺ジャズ・ミーティングと重なったのですが、
今年もジャズ友イベントにぶつかりました。
私の趣味にジャズ友の皆さんを付き合わせてしまいました。

今年も特に代わり映えなしでした。
真空管マニアが集まる年に1度のイベント。
相変わらず年齢高めなオジサン達が大勢来ていましたよ。
販売会場と各展示/リスニングブースをひととおり見て終了。
こういうイベントが初体験なジャズ友の皆さんは、
マニアックでコアなイベントに驚いたみたいです(笑)。
今年で15回目。パンフレットには座談会記事もありました。
真空管オーディオは相変わらず熱いマニアに支持されているのでありました。

さて、まなさんライブまでには時間があるので、一杯やることに。
途中レフィーノ&アネーロで、ハイエンド・オーディオを見て目の保養(笑)。
駅前の¥270均一のお店へ。安いですね~。
注文は備え付けの端末へセルフ入力。
安いのでこのくらいの手間はやむを得ないでしょう。
途中で雲さんと連絡してライブ会場入りの時間を決めました。
飲み食いしながらのジャズ談義。
いや~、いつものことですが楽しかったです。
雲さんごめんなさ~い!次は一緒に飲みましょう。

しっかり出来上がった状態でライブ会場「御茶ノ水KAKADO」へと。
入口のところに何やら見たことのある人影が、
雲さんとお友達のドラマーのアイスマンさんが立ち話をしていました。
楽屋が狭いらしく、外で入り待ちしているとのこと。
スケジュールが押しているらしく、それじゃー我々もと、外で立ち話。
雲さんのお友達のフルーティストの江原さんもやってきました。

P146じゃあそろそろ中へ入りましょうかということで、
お店の中へ、30人強くらいのお客さんは男のみ(笑)。
1ドリンクを注文して、ライブを見ました。
椅子は昔ながらの木の丸椅子。長く座っているとお尻が痛くなります(笑)。
上野まなさんを含め4人見ましたが、やっている音楽はそれぞれ。
こういう地道な活動をしている若いミュージシャンがたくさんいるんですね~。
初めて見たのでなかなか面白かったです。
広島から出てきた「ファミチキ」好きの杉恵ゆりかさんにちょっと興味を持ちました。

次は上野まなさんが登場か?と待つのですが、なかなか出てきません。
結局4人目にトリを務める上野まなさんが登場。
セッティングを終えるともう10時過ぎです!
やばいです。新宿発11時の帰りの電車の時刻が迫っています。
まなさんのステージは全部見られるのだろうか?

実物の上野まなさん、なかなか輝いていましたよ。
ステージに立つ雲さんも嬉しそうでした(笑)。
まなさんのボーカルとピアノ、拓馬さんのギター、雲さんのベース、
雲さんのお友達オージローさんのギターでのステージです。
4人の演奏では、まなさんはボーカルのみ。
爽やかでしっかりしたまなさんのボーカルを雲さんたちは盛り立てていました。
生で聴くとやっぱり良いですね。

雲さんによると、まなさんへのファンのウットリ視線が凄かったみたいです(笑)。
雲さんとまなさんのトークもお客さんに結構うけていました。
「快楽ジャズ通信」で聴いた雲さんとまなさんのトークと同じく、
お2人の相性はなかなか良いと思う私なのでありました。
《Feeling》《空のキヲク》《Love Power★》の3曲を演奏。
《Love Power★》はお客さんの手拍子とともに盛り上がりました。
これからまなさんの弾き語りになるというところでタイムリミット!
本当に残念でしたが、ここで会場を後にしました。

このライブに関する上野まなさんのブログ記事は↓
http://ameblo.jp/mana-ueno/entry-10362758692.html#cbox
このライブに関する雲さんのブログ記事は↓
http://kairaku-jazz.seesaa.net/article/130124996.html#comment

お疲れ様でした。

色々な体験ができて有意義な1日を過ごすことができました。

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今日はいろいろなネタを書いちゃいましょう。

まずはミュージックバードの「PCMジャズ喫茶」から。

今日のゲストは、オルトフォンジャパンの元社長にして現ZONOTONE前園俊彦さんでした。前園さんの「手にしやすい価格で、できるだけ良いケーブルを提供したい。」という話にはちょっと感動しました。儲けはほどほどでもよいのでオーディオ・ファンに安くて良いケーブルを届けたいという気持ち、嬉しいじゃありませんか。輸送料金削減のため自ら販売店へケーブルを届けているなんて話も。偉い!

で、寺島さんはいつもの如く「ジャズ向きケーブルを作って下さい。ジャズ向きのオーディオ装置があってもいいじゃないですか。」の繰り返し(笑)。前園さんは「伝送中に失うものをできる限り少なくするのが良いケーブル。そのために色々技術を使ってケーブルを作っています。本来ジャズ向きとかクラシック向きとかはありません。」と言っているのに、寺島さんは聞く耳持たず(笑)。

まっ、そこが寺島さんの良いところでもあり、顰蹙をかうところでもあるのは皆さんご存知のとおり(笑)。この際寺島さんにはとことん「ゴーイング・マイ・ウェイ」で行っていただきたいと思う私です。私はと言えば、一応エンジニアの端くれですから前園さんの言うことに共感します。今日の「PCMジャズ喫茶」、いつもはジャズについて「あ~あっ」な寺島さんのオーディオ・バージョンでした(笑)。これがこの番組の面白さです。

次はミュージックバードの「田中伊佐資のジャズ・サウンド大爆発!オレのはらわたをエグっておくれ」

先週の放送ですが、番組リクエストがかなりあったということで、例の20万円クリスタル・ディスクをかけました。ジョン・コルトレーンの『バラード』です。クリスタル・ディスクはこれまでクラシックのアルバムしかなかったのですが、「ジャズも作ってくれ。」との要望により作ったのが『バラード』。オーディオ・ファンのジャズってこれなんですか・・・、トホホッ。

従来のCDとはマスターが違うとかで厳密な比較はできないようです。いつも書きますが、ミュージックバードがいくら高音質といっても、自宅のCDで聴くのとは鮮度に歴然の差がありますので、私はあくまで目安程度と受取ることにしています。で、こればっかりは個人の価値観の問題だと思いますが、私は別にクリスタル・ディスクはいりません。

今、高音質CDとかありますが、小手先のやりかただと私は思います。どうせ高音質というのなら、フォーマットからして違うSACDにすべきだと私は思います。SACDは良い録音ならばアナログの肌触りにより近づくように感じます。HM-CDやブルースペックCDにするくらいなら、SACDハイブリッドにすべきだと思います。SACDって一体なんなのために作ったのでしょう?最近のオーディオ界、私は信用していません(笑)。

次は音(マスタリング)の話。

P142 ヨーロピアン・ジャズ・トリオ『黄昏のサウダージ』。先日閉店してしまった下北沢のジャズ喫茶「マサコ」で以前聴いて気に入ったので、血迷って買ってしまった1枚です(笑)。木全さんプロデュースの日本ヒットのピアノ・トリオです。ボサノバとかをやっていて軽く聴くには気持ちの良い演奏です。軟弱ジャズ(笑)。

これね~っ、マスタリングがひどいのです。やたらと中低音を盛り上げてあります。たぶんi-podや小型スピーカーでの小音量再生の低音不足をカバーするための処理です。妙に弾力性があるボヨンボヨンのベースの音が気持ち悪いのなんのって、聴いているうちに低音酔いしそうです。中低音のレベルを上げているけれど、その下の低音はカットしてあるので余計不自然。

こういう録音を良しとするのは、喩えればマクドナルドのハンバーガーが美味しいと言っているのと同じだと思います。これしか知らなきゃこれはこれで美味しいのでしょうが、本当の自然の美味しさというのもあるわけです。それを知らないのは可愛そうに思います。味覚も聴覚もおかしいのが現代の世の中と言えばそれまでなのですが・・・。

その後、結局音が気に入らずに売ってしまいましたとさっ。

なんか今日は愚痴ばかり言っているような・・・(笑)。
これ以上続けると危険なので話題を変えましょう。

P143ベランダで育てているミニバラ。お盆前は湿気が多かったので、葉の病気に悩まされ続けました。思い切ってカットしたあと、雨が少なかったのが良かったのか、嘘のように葉の病気が治り、ご覧のとおりの大きな花を咲かせてくれました。当社比過去最高の花です(笑)。大きな花を咲かせてくれたり、多くの花を付けてくれたりすると嬉しいものなんですよ。

で、もう1種類のミニバラ、過去にブログに掲載したピンクぶちの白い花を咲かせてくれるほうなんですが、今瀕死の重傷です。夏前に歯の病気が気になり、農薬を買ってきたのは良いのですが、ボトルを振らずにかけたものだから底に沈殿していた濃い液がかかってしまいました。乾いたら葉が真っ白になっていたので、水をかけて洗ったのですがあまり効果がなかったみたいです。庭師の義理の弟に聞いたら、昼間にかけたのも良くなかったとの話。

しばらくはそれでも頑張っていたのですが、お盆くらいには新しい芽が全く生えてこなくなってしまい、枝を短く切ってしまってからも一向に芽が出る気配はなしです。義理の弟に対策を聞いて実施したのですが、今の所は効果も見られず様子見状態。う~ん、このまま冬を越して来春には芽が出てくるのでしょうか?不安です。バラは強いとたかを括っていたのがまずかったようです。悲しい!

P144 話はまた変わりまして、今度はブドウです。お彼岸のお墓参りの時に親父の田舎の本家に寄ってきたのですが、その時にブドウをいただきました。ブドウやスモモを育てている農家なんです。山梨県に住んではいますが、高いのでブドウなんてめったに買いません。

なのでブドウをいただいて嬉しかったです。このブドウがまた美味しいんですよ。昔はブドウといえば、デラウエア、ネオマスカット、巨峰しかなかったのですが、品種改良が進んで最近では色々あるので、このブドウも名前が分かりません。味としては巨峰とマスカットの中間のような感じです。実がしまっていて皮が簡単に剥けるので、実を裸にして噛んで種を取り出しながら食べました。ちなみにブドウはもらってからすぐに食べましたよ。

通なブドウの食べ方というのがありまして、実をつまんで中身を吸出し噛まずに種ごと丸呑みします。デラウエアみたいに種無しで実が小さいブドウならこれが当たり前なんですが、マスカットや巨峰など実の大きい種有ブドウでも同じ食べ方をするのが通な甲州人。でも、いただいたブドウは甘いので噛んで味わいながら食べることにしたんです。1人で一房食べると甘さで舌がしびれるくらいです。

ここでブドウの豆知識を1つ。ブドウは房の下より上の(肩の)部分の方が甘いって知っていますか?枝に近い方の実に糖分はたくさん行き、末端にいくほど糖分は行きにくくなるんです。だから上から食べると食べるほどにすっぱく感じます。食べる時は下から食べるようにしましょう。そして何人かで食べるなら房の上の方を食べるのが賢いです(笑)。

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上野まなさんのライブに雲さんが出演!!

明後日10月11日上野まなさんのライブがあります。
そのバンドのベーシストは何とっ!高野 雲さんなんです。
上野まなさんが「高野 雲の快楽ジャズ通信」にゲスト出演した際、
雲さんの出演交渉がみのり、今回のライブとなったそうです(笑)。

ライブの内容は下記のとおりです。

「ふわライブ31」
日時 10月11日(日)
場所 御茶ノ水KAKADO
 行き方⇒http://kakado.netne.net/modules/gmap/
Open / Start 17:45/ 18:15
前売り¥2000 当日¥2500(1ドリンク別)
出演:Kafka / 杉恵ゆりか / 吉村かおり / 溝口京子 / 上野まな

5組の出演者のうちのラストが上野まなさんのステージです。

明日までなら前売り券の予約もできるようです。
詳しいことが知りたい方は雲さんのブログ
http://kairaku-jazz.seesaa.net/article/129759670.html#comment
をご覧下さい。

上野まなさんのオフィシャルサイトはコチラ↓
http://uenomana.boo.jp/site/Top.html

ちなみに私もこのライブを見に行きます。
いつものジャズ友も集まります。
楽しみです!

上野まなさんの爽やかな歌声、いいですよ~!
ジャズではないですが、興味のある方は見にいきましょう!

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これ買った人いますか?

久ぶりの台風上陸。皆さんは大丈夫でしたか?
山梨県内はおかげさまさで大きな被害はなかったみたいです。
今朝かなり雨が降りましたが、風は思ったより強くありませんでした。

さて、今日は新企画「これ買った人いますか?」です(笑)。
これまでも、日本でいったい何人が買ったのか知りたいようなマイナー・アルバムを
紹介してきましたが、その手のアルバム紹介にタイトルを付けてみました。

P141 今日紹介するのはウィル・セレーンラッド『バランス』(2007年rec. Beezwax Records)です。メンバーは、ウィル・セレーンラッド(g)、アブラハム・バートン(ts,ss)、北川潔(b)、ビクター・ルイス(ds)です。

ディスクユニオン通販の¥1,000均一セールで買いました。売れ残りに近い状況でしたが、メンバーを見て購入。リーダー意外はなかなかの布陣だと思いませんか?リーダーのギタリストは全然知らない人なので、こういうのって買いづらいですよね。でも「¥1,000ならいいかっ?」って感じです。安く買ったので「当り」だと結構うれしいものです。

9曲中7曲はセレーンラッドが作曲。1曲は北川が、1曲はルイスが作曲しています。こういうのはコンテンポラリー・バップというんでしょうか?8ビートの曲が多いです。アルバム全体のイメージは落着いた感じでモノトーン系。アルバムジャケットの白黒写真のイメージだと思います。

1曲目《バランス》は、ミディアム・テンポの4ビート。ブルージーでほのかな哀愁が漂う洒落た曲です。強靭なベースとしなやかなグルーブのドラムにのって、まずはバートンがテナーで熱いソロをとります。バートンのテナーはしっかり腰が据わっていて、噛み締めるように音をつづっていき、大人の味わい。徐々に盛り上がる構成も良いです。続くセレーンラッドのギターも落着いたもの。現代コンテンポラリー系ですが、フレージングとかは比較的オーソドックスです。

アブラハム・バートンは、後藤雅洋さん著「ジャズ・レーベル完全入門」で知りました。本に掲載されていた『レフト・アローン』(1994年rec. enja)では、マクリーン系の熱いアルト・サックスを吹いていました。この演奏は結構好きだったのですが、今回はテナーとソプラノを吹いており、かなり成長して落着いた感じです。もう13年も経っているので、当たり前と言われればそうかもしれません。いいサックス奏者になったと思います。

2曲目《ダブル・ダウン》はアップ・テンポの4ビート。軽快なビートに乗ってのギター・ソロとテナー・ソロはともに熱いです。3曲目《テル・ミー・ホワイ》は北川の曲。哀愁漂う甘すぎないメロディーは、まるでメセニーの曲のよう。そう感じるのはギターの奏でるハーモニーがメセニー風だったりするからかも知れませんけどね。北川って良い曲を書くんですね~。知りませんでした。北川のベース・ソロもフィーチャされていて良い感じですよ。

4曲目《スタブス》はスロー・テンポのブルージーな曲。今度はジョンスコ風。セレーンラッドはジョンスコみたいです。とは言ってもジョンスコほどアクは強くないのでご安心を。コンテンポラリー系のギタリストって、多かれ少なかれメセニーやジョンスコの影響を受けているのはもうしょうがないのですよ。バートンのテナー・ソロ、いいです。ブルージーな曲は得意みたいです。

こんな感じで落着いた渋めのトーンの曲が続いていきます。ルイスの曲《イッツ・ビーン・ア・ロング・タイム》も上手く馴染んでいます。で、私的にはバートンの好演に強く惹かれるものがあります。このギター&サックス・カルテットは渋いですね~。派手さはないけれど各人のしっかりした技量と感性によって、音楽をきちんと聴かせています。

こういうジャズを皆さんに聴いてほしいと思う私であります。

もしこのアルバムを買った人がいましたら、コメント下さい(笑)。
「こんなアルバムつまらない。」という感想でも結構ですので是非コメントを!

アルバム名:『Balance』
メンバー:
Will Sellenraad(g)
Abraham Burton(sax)
Victor Lewis(ds)
Kiyoshi Kitagawa(b)

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暗黒パワーに圧倒される!

今日はネクラな凄いアルバムを紹介します。
台風が接近してる今にピッタリです(笑)。

P140 ヴィジェイ・アイヤ『リイマジニング』(2005年、savoy jazz)です。メンバーは、ヴィジェイ・アイヤ(p)、ルドレシュ・マハンサッパ(as)、ステファン・クランプ(b)、マーカス・ギルモア(ds)です。名前が読みにくいんですが、アイヤはインド移民の息子なんだそうです。M-BASE系の人でもあります。アルトのマハンサッパがこれまた難しい読み方なのですが、この人もインド系で数学者らしいです。マーカス・ギルモアはご存知のとおりロイ・ヘインズの孫。

このアルバムを知ったのは私がジャズ喫茶「いーぐる」に行くようになってしばらく経った頃です。当時、マスターの後藤さんは、NYダウンタウンに毎年行っている益子さんに同行して、NYのライブの現状を視察したてきたあとでした。私もNYダウンタウンのジャズに興味を持ち始めた頃で、この手のジャズがどういうものか知りたくてこのアルバムを買ったのです。

これね~、1曲目《レボリューション》から凄いことになっています。流麗なピアノが一瞬聴こえてくるんですがすぐに変拍子に突入し、浮遊感というか不安感を掻き立てるようなメロディーをダークでブリブリな音色のアルトが奏でていきます。これを聴いていると、それこそいっきに不安感が心に広がります(笑)。一言でいうと”ネクラ”サウンド!よくもまあ、こんな”ネクラ”曲を作ってくれたもんです。

2曲目《イネルティア》も暗~いメロディーをピアノで重々しく弾いていきます。この曲はピアノ・トリオ。ベースもドラムも暗いピアノにさらに重さを増し、3人でスピリチュアルに深く沈んでいくが如くの演奏はなかなか凄いです。3曲目《ソング・フォー・ミッドウッド》は東洋風メロディー。インド系といえるのかな?やっぱり暗いです。どんどん深みへ陥れられていく~(笑)。

7曲目《イクスペリエンス》なんかは、ピアノのアルペジオにのって、サックスが救急車のサイレン”ピーポー、ピーポー、ピーポー”のようなメロディーを吹くんですから、それこそもう入院したい気分になってきます(笑)。ピアノのメロディーは暗いですが、結構美メロ?もう7曲目くらいまで聴くと、ちょっとした明るい音が美メロに聴こえてきますよ(笑)。

10曲目《イマジン》はピアノ・ソロ演奏。ここまで続けて聴いたあなたは、もう完全にダーク・サイドに入っていますからお忘れなく(笑)。で、頑張って聴いたんだから、最後はジョン・レノンの《イマジン》で心を安らかにして下さいというご褒美!と思ったあなたは甘いです。思いっきり暗く、それこそ不安を煽るようなメロディーで弾きます。リハーモナイズしているのかな?最後の最後に奈落の底へ陥れてくれます。感謝っ!

とにかく全編暗いんですがやたらとパワーがあります。ベースとバスドラを強めに録音しているせいもあるのですが、演奏そのものからも暗~い熱気が滲み出てくるんです。これはスターウォーズのダースベイダーがダークサイドから物凄いフォースを発している感じ。ここまで暗黒パワーを発散していると逆に気持ちいいですよ。暗黒パワーに酔いしれましょう!そしてね~、よく聴くと”暗黒美”を感じるようになります(笑)。

ネクラだけれど何か凄いアルバムなのです。
このアルバム。確かその年のジャズ喫茶「いーぐる」年末ベスト盤大会で
後藤さんがかけたんじゃなかったかな?
これっ!勇気がある人は絶対聴くべきです(笑)!

アルバム名:『Reimagining』
メンバー:
Vijay Iyer(p)
Rudresh Mahanthappa(as)
Stephone Crump(b)
Marcus Gillmore(ds)

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レイ・ブラウンの音に酔う!

今日は番組レポートの前にお知らせがあります。

しばらくの休憩をはさんで、
ジャズ友tommyさんのブログが復活しました。
tommyさん。お帰りなさい!
Tommy's Jazz Caf'e
チェキラッ!

今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「レイ・ブラウン特集」
クリスチャン・マクブライドさんのインタビューも交えての放送です。

番組詳細は「快楽ジャズ通信」をご覧下さい。
と毎度書いているのですが、私のほうが詳細レポかも(笑)?

今回から2年目に突入ということで、オープニング・テーマ曲がかわりました。
この曲もなかなかいいですね~。

レイ・ブラウンのプロフィール紹介はディレクター嬢から。
バックに流れる曲がまたカッコいい!
橋本一子さんの『マイルス・アウェイ』の中の《ネフェルティティ》
このアルバムは廃盤。私は探しているのですが未だ見つからず(涙)。

ミスター・ベース・マン! レイ・ブラウンの掴みの1曲。
『サムシング・フォー・レスター』から《オホス・デ・ロホ》
曲名は「赤い眼」という意味だそうです。

いきなりのベース・ソロが強靭です。
これシダーの曲ですよねっ。ラテンタッチの佳曲です。
シダーの《ボリビア》とか、
この手のラテンタッチの曲が私は好き。
グイングインくるベースは文句なく気持ち良いです。
この曲から始まるなんて、今日も気分いいぞ~っ(笑)!
(これ以降、緑字は曲を聴いての私の感想などです。)

情熱的なシダー・ウォルトンの曲。
最近若手がテンポを上げて切れ味抜群の演奏をしていますが、
雲さんによるとそれは発泡酒。
テンポ遅めのブラウンの演奏はベルギービールのコクだそうです。
おっしゃること、よ~く分かります(笑)。

ここでレイ・ブラウンの魅力をマクブライドさんに語ってもらいます。
いい声ですね~。丁寧に言葉を選びながら答えている感じです。
真面目で誠実な人なんじゃないかと感じました。

サウンド・テックニック・グルーヴ・イマジネーション・クリエイティビティ。
歴史上のベーシストは上記の3,4個は持っているが、
レイ・ブラウンは5個全て持っているとのこと。ベタ褒めです(笑)。

次はマクブライドさんが好きなアルバム。意外とベタです(笑)。
オスカー・ピーターソン『プリーズ・リクエスト』から《酒とバラの日々》
雲さんは最初、このアルバムの分かりやすいピーターソンが嫌いだったとか。
それがある日、このアルバムの音のリアルさに気付き、
それからよく聴くようになったらしいです。
ブラウンが多用するハイ・ポジション(高音域)の音の素晴しさを聴きましょう。
粒立ちのはっきりした高音。

これは今更説明不要でしょう。
スイングジャーナル誌の録音賞に輝いたアルバム。
オーディオ好きには避けて通れない1枚です。
私は輸入盤CDとオリジナルステレオ盤を持っています。
演奏も楽しくて素晴しいと思います。
私、この曲が大好きですしっ。

レイ・ブラウンの魅力はベースの音色。
おいしい音をたっぷり味わえるアルバム。
ミルト・ジャクソン『ザッツ・ザ・ウェイ・イト・イズ』から
《フランキー・アンド・ジョニー》
リラックスした伸びやかで楽しいセッション。
テーマでのベースの歌わせ方が気持ち良いです。

確かに良い音ですね。ライブ録音で雰囲気最高。
テディ・エドワーズの渋いテナー。
ブルージーなミルト。いいよね~っ!
弾きまくりのモンティ・アレキサンダーが、ここでは渋いです。
でもなんと言っても、ベース・ソロがたまりませ~ん!
こういうジャズが時々無性に聴きたくなります(笑)。

次は迫力のある演奏。
デューク・エリントンとのデュオ。ジミー・ブラントンに捧げたアルバム
『ジス・ワンズ・フォー・ブラントン』から《ドゥ・ナッシン・ティル・ユア・フロム・ミー》

これはね~。巨匠ががっぷり四つに組んでの演奏です。
色々言う必要はありませんよねっ。黙って聴きましょう。
音は少なめですけど濃い世界です。
こういう味はね~。巨匠でないと出せません。
このアルバムは持っていないのでほしくなりました。

雲さんは、マクブライドさんのライブを見て、
彼がレイ・ブラウンのファンであることがよくわかったそうです。
レイ・ブラウンの遺伝子はマクブライドに受け継がれていると雲さんは言います。

次はクリスチャン・マクブライド『カインド・フォー・ブラウン』から
《テーマ・フォー・カリーム》
このアルバムでマクブライドさんは全編アコースティックベースを弾いています。
日本盤のライナー・ノーツを書いているのは雲さん!

《テーマ・フォー・カリーム》はフレディ・ハバードの曲です。
マクブライドさんは18歳でフレディ・ハバードと共演しています。
その時の思い出をインタビューから。結構長く語っています(笑)。

グレイト・メモリーズ=良い思いでがたくさんあるとか。
ハバードとの共演ではスポーツをやったあとのように大汗かいたそうです。
非常に緊張したんだとか。
シカゴでの演奏が特に印象的なんだそうです。
普段ハバードは演奏中にマクブライドさんを見ないんだそうです。
マクブライドさんはそれがちょっと不安だったとか。
その日の演奏最後にこんなことがありました。
「レイディーズ・アンド・ジェントルメン。クリスチャン・マクブライドです。
ファンタスティックなベースを弾いてくれました。」と言ったんだそうです。
今になって思えば18歳が思い上がらないための気遣いではなかったかと。
なんかいい話ですよね~。

今時の人達の軽快な演奏です。
マクブライドのベースは強靭。
アルト、ヴァイブ、ピアノは明るく軽やかにやっていますね。
気持ちよく聴きました。

エンディング・テーマ曲も変わりました。フルコーラスかかりましたねっ(笑)。
郷愁を誘う良い曲であります。さて誰の曲でしょうか?

<アフター・アワーズ編>

ディレクター嬢さ~ん。
「快楽ジャズ通信、ポッド・キャスト編」って言ってますよ~。
レイ・ブラウンの教則本の話。ブラウンは完璧主義らしいです。

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日本人ジャズを聴こう!たまにはねっ。

2016年のオリンピックはリオデジャネイロに決定しましたね。
東京で開催されたら見にいきたかったのですが残念です。

たまにはこれっということで、不定期企画「日本人ジャズを聴こう!」

P139 今日は中村尚子古澤良治郎『新緑の中に雨が降っている』(2009年、Haruinu Music)を紹介します。メンバーは中村尚子(p)、古澤良治郎(ds)です。「高野 雲の快楽ジャズ通信」でタイトル曲を聴いていいなあと思いました。

雲さんは番組の中で、タイトル曲を聴いて「土の匂いがする。」と言っていましたが、確かにそういう感じがします。私がこのアルバム全体をとおして感じたのは「素朴」という言葉。都会の華やかさや喧騒とは反対の世界。聴いていていくうちに気持ちが落着いてきます。でもね~、力強いんですよっ。大地の安定感もある。これは「古き佳き時代の日本の母」なんですよ(笑)。

1曲目《新緑の中に雨が降っている》は、まさにタイトルどおりのイメージが広がります。間を生かして音を丁寧に丁寧に紡いでいく中村さんのピアノと、軒先から不定期に落ちる雨音の如き古澤さんのドラムが絶妙にからみあいます。

次の《対話~ダイアログ~》はですね~。古澤さんの素朴なドラミングにちょっと意表を突かれました(笑)。だって私が聴く最近のドラマーって皆凄いキレキレなんですよ。その対極のドラミングが古澤さん。こんなの久しぶりに聴きました(笑)。味があるドラミング。中村さんとの素朴な対話を楽しみましょう。

《かげろう》も1曲目同様に2人の絶妙のからみを聴く曲。テーマのメロディーがE.S.T.(エスビョルン・スベンソン・トリオ)のアルバム『セブン・デイズ・オブ・フォーリング』に収録されている《バラッド・フォーザ・アンボーン》に似ていてちょっとビックリ。この丁寧に音を広げていく感じは、結構エスビョルン・スベンソンにも似ていると思います。でもフレーズは中村さんのほうが洗練されていると私は感じます。

《地下鉄にて》は、電車がゴトゴト走るが如く、グングンと推進力がある曲です。この力強さは私には蒸気機関車のイメージなのですが(笑)。ホレス・シルバーの《Peace》はピアノ・ソロ。これも丁寧に丁寧に音を弾いていきます。ジャズの魂が入っていると思いますが、フレーズからはクラシカルな洗練された響きも感じられます。

《ひかりのくに》もピアノ・ソロです。「ひかり」は木漏れ日という感じです。風にそよぐ木々の葉の間から優しい光が射します。そしてどこか懐かしく寂しさが漂います。ひょっとしたらこの寂しさは夕暮れなのかな~?遊んでから帰る家庭の明かりなのかも?という感じでイメージが広がってゆきます。

《A・E・E・A》はクラシカルな響きで始まり、途中からフォーク調の懐かしさへと。控えめにドラムがからみます。一転、バッハ的クラシカルで厳かなイメージになります。教会音楽のような感じもあります。最後はまたフォーク調に戻ってエンディングへ。展開が面白い曲だと思いました。ラストはタイトル曲をピアノ・ソロで聴かせます。このソロもまた良し。

素直に心に入ってくるアルバムだと思いました。日本の母は優しく強し(笑)。

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下北沢のジャズ喫茶「マサコ」が閉店(涙)!

ナナナントッ!下北沢のジャズ喫茶「マサコ」閉店していました(涙)!
9月12日に「マサコ」へ行ったのですが、その後閉店していたのです。
最近、「ジャズ喫茶 マサコ」で検索して私のブログに来る人が多かったので、
グーグルを検索したら「閉店」の2文字がっ・・・!
9月24日が最終営業日だったようです。

P136_2 「マサコ」閉店に関する記事はコチラ
http://shimokita.keizai.biz/headline/756/
下北経済新聞なんてあったんですね~。

大き目の写真を載せたのでクリックしてご覧下さい。
残念ながら入口の写真だけです。
「シンス1953」のとおり、今年は56年目でした。

9月12日に訪問したときの私のブログ記事はコチラ
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-55ca.html

P137 実はこの時初めて入口の写真を撮りました。
今までに何度も行ったのですが、
写真を撮ったことはありませんでした。
今回写真を撮ったのも何かの縁なのでしょう。
写真を見るとわかるのですが、
この時既に入口のドアには閉店のお知らせが
貼ってあったのです。

P138 のんきな私はその張り紙に全く気付いていなかったのです。
こんなことなら、お店にもっと長くいれば良かったな~。
結構混んでいたのは、閉店するからだったんでしょうね。

いろいろな思い出がある「マサコ」。
昔ながらのジャズ喫茶の面影を残す貴重なお店だったのに、
閉店してしまったなんて本当に残念です。

今後の予定として、同店スタッフが近くで「マサコ」を引き継ぐ話も
あるみたいですが、詳細は未定のようです。

「マサコ」の皆さんお疲れ様でした。
そして、どうもありがとうございました。

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センスが良く、味わいもある。

とうとう2009年度下半期に突入。
夜はかなり涼しくなってきました。

今日も新譜紹介。とは言っても私の場合はちょっと遅れてます(笑)。

P135 ナタリー・ロリエ『モーメンツ・ド・エタニティ』(2009年rec. De Werf)です。メンバーは、ナタリー・ロリエ(p)、フィリップ・アーツ(b)、ヨス・ヴァン・シャイク(ds)、バート・ヨリス(tp)、ストリングス・カルテットです。トランペットのヨリスが全面サポート。9曲中7曲はヨリスがアレンジしています。残る2曲はロリエがアレンジ。

ナタリー・ロリエはベルギーの女性ピアニストです。1990年に初リーダー作を出しているので、世代的には大西順子と同じということになると思います。ロリエはモード系の美しく良い曲を書きます。このアルバムでも全曲ロリエが作曲。ピアノはキース系ヨーロピアン・ピアノです。

ロリエのアルバムは1枚だけ持っていました。どういう経緯で入手したのかは忘れました。入手後しばらく経ってから読んだ杉田宏樹さん著「ヨーロッパのJAZZレーベル」で、ベルギーのイグルー・レーベルのトップでこの人を紹介していました。今回のアルバムはトランペットとストリングス・カルテットの参加に興味を持ったので買いました。

1曲目《400ミリオン・イヤーズ・アゴー》。予想に反してアップテンポのコンテンポラリーな曲が飛び出してきたのでニンマリ。もっとクラシカルなのかと思っていたのですが、良い方向に予想を裏切られました。ヨリスのトランペットが”元気ハツラツ!オロナミンC”で気持ち良いことこのうえなし。いきなりのオヤジ・ギャグ、ご容赦(笑)。続くロリエのピアノ・ソロも快調そのもの。ストリングスもなかなかのスピード感。これはロリエのアレンジです。つかみはO.K.!

2曲目のタイトル曲は一転、スローで落着いた美メロで始まります。しばらく経つとドラムのマレットにのって、荘厳でスピリチュアルな曲調へと。ヨリスのトランペットがファットな音で全体を包み込むようにソロをとります。続くロリエのソロも丁寧に音を紡いでいきます。荘厳かつスピリチュアルでクラシカルな響きにうっとりします。

3曲目《ネイジ》はミディアム・テンポのワルツ曲。私が聴く前に持ったイメージはこれに一番近いかなっ。モーダルなんだけど冷たくならず、美メロなんだけど甘くなり過ぎない、ヨリスのファットな音から醸し出されるほのかな暖かさ、私、このくらいの温度感はかなり好きです。聴いていると気分は癒されつつ、前向きな気持ちになってくるのが良いところです。ストリングス・カルテットだけになる場面は、モーツアルトの宮廷音楽風響きも感じられます。ヨリスのアレンジなのですが、なかなかやりますねっ、この人。

4曲目《メモリー・ド・0》は、スロー・バラードで結構甘~い曲。映画の主題歌的な曲です。ヨーロッパ美メロピアノ・トリオにストリングスが優しく淡い色を付け加えます。ヨリスのトランペットが甘~く語りかけ、続くベース・ソロも曲想に沿った落着いたもの。この曲はちょっと砂糖過多な感じもしますが、演奏は安易なB.G.M.にはなっていないと思います。じっくり聴きたい曲です。

こんな感じで緩急織り交ぜモーダルな美メロ曲が次々と現れます。甘さは適度に抑えられているし、ほのかな暖かさが感じられるし、私的にはかなりお気に入りのサウンドです。このアルバムを一言で言うとすれば「センスが良い。」ですね。そして正に今、深まる秋に聴くアルバムとしては最適だと思います。必聴!

アルバム名:『Moments d'Eternite』
メンバー:
Nathalie Loriers(p, com, arr)
Bert Joris(tp, arr)
Philippe Aerts(b)
Joost Van Schaik(ds)
Igor Semenoff(1st violin)
Stefan Willems(2nd violin)
Aurelie  Entringer(viola)
Jan Sciffer(cello)

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結構ヤバイけれど洗練されていたりもします。

アクセスカウンターを控えめに表示しているのですが、
今日、100,000アクセスをオーバーしました。
自分のアドレスのフィルターしかかけていませんので、あくまで目安です。
2年経つ前になんとか大台にのったのは嬉しいです。
アクセスして下さった皆様に感謝致します。

最近は比較的新譜を紹介していますが、今日もいきます。
で、私が紹介するのはやっぱりちょっと捻くれ者なのです(笑)。

P134 マルク・デュクレ『LE SENS DE LA MARCHE』(2007,2003年rec. ILLUSIONS/澤野工房)です。メンバーは、マルク・デュクレ(g)、ブルーノ・シェヴィヨン(b,electronics)、エリック・エシャンパーレ(ds)、ANTONIN RAYON(p,rhodes,clavinet)、PAUL BROUSSEAU(clavinet,sampler)、TOM GAREIL(vib,marimba)、MATTHIEU METZGER(as,ss)、HUGUES MAYOT(ts,bs)、YANN LECOLLAIRE(cl,fl)、PASCAL GACHET(tp,bugle,bass-tp)、JEAN LUCAS(tb)です。

カタカナ表記の3人はトリオでの録音もあります。このギター・トリオに8人加わった11人編成のバンド。初めて聞く名前ばかりですが、それぞれの実力はなかなかのものと聴きました。2ヶ所でのライブ録音を収録しています。これはミュージックバードで聴いて気に入ったので購入しました。

澤野からマルク・デュクレのアルバムが出たのは意外です。ピアノ・トリオだけでなく、こういうものも出していく方針なのでしょうか?マルク・デュクレのギター・トリオを2枚持っていますが、いづれも自主制作盤でディスクユニオンに少量しか入荷しなかったことを考えると、澤野から出してくれるのはありがたいです。

フランスの鬼才ギタリスト・マルク・デュクレですから、そのサウンドは一筋縄ではいかないです。フリーな場面も少しはありますが、基本的には定型メロディーもリズムもありますので聴きやすいと思います。自由度を大きくしつつも、曲の構成はしっかりできているように感じました。ヤバイところが私好みなのですが、怪しくなり過ぎずに洗練を感じさせるところは、さすがフランスですね。

ある局面ではメンバー全員がパーツとなって自由なサウンド空間を構築したり、ある局面ではホーンが熱いソロをとり、ホーンやキーボードがアンサンブルをかぶせたり、またある局面ではキーボードとサンプリングがスペイシーな空間を作り出したりと、長めの曲のなかで様々な局面が次々と展開していき聴くものを飽きさせません。

デュクレはギンギンのギターソロを取る場面が数箇所ありますが、基本はサウンド全体を陰になり日向になりリードしていきます。全曲デュクレ作曲なので当たり前かもしれませんが、デュクレのサウンド・カラーに統一されています。まあ、いくらデュクレの作曲だといっても、メンバーが勝ってにやりだしたらサウンド・カラーはおかしくなってしまうわけで、メンバーがしっかりしていると同時に、デュクレの強いリーダー・シップが感じられて、そこが魅力です。

こういう自由で開放的なサウンドを聴くのは、こちらも感性が開かれる感じがして気持ちが良いものです。最近私はこの手の自由なサウンドか、アングラ系の捻くれサウンドを好んで聴いています。最近の人がやるオーソドックスなフォーマットの演奏を聴いていても何か歯ごたえがないんですよ。そんなのを聴くくらいなら、やっぱり50、60年代の元となったものを聴いたほうが良いと思ってしまいます。

Marc Ducret(g)
Bruno Chevillon(b, el-b)
Eric Echampard(ds)
Antonin Rayon(p, fender rhodes, clavinet)
Paul Brousseau(clavinet, samplers)
Tom Gareil(vib, marimba)
Matthieu Metzer(as, ss)
Hugues Mayot(ts, bs)
Yann Lecollaire(cl, fl)
Pascal Gachet(tp, bugle, bass-tp)
Jean Lucas(tb)

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