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この時期のマイルスは私も大好きなんです。

今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」
「第2期黄金のクインテット時代のマイルス」でした。
ゲストはジャズ・トランペッターの類家心平さん。

類家さんのプロフィール話は「You Play Jazz」のコチラをご覧下さい。
http://www.youplay-jazz.com/movies/view/600
面白い話ですよ。
見た目の印象とちょっと違って、類家さんの素朴で親しみ易い感じが伝わります。
私にジャズを指南してくれた従兄に似た雰囲気もあり、
私は類家さんが好きになりました。

番組の詳細は 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。

最初にマイルスの第1期黄金のクインテットと第2期の違いについて
類家さんから説明があります。

マイルスのトランペットはあまり変わっていません。
それ自体がまず凄いと言いつつ、
ビ・バップ特有のフレーズ、3連符などが減っていき、
それはディジー・ガレスピーから離れていくという意思だろうと推測しています。

まずは類家さんおすすめの曲。
新主流派の夜明け。サックスを探してバンドが揺れ動いていた時期の演奏。
このアルバムにはウエスト・コースでの録音とイースト・コースとでの録音が
入っているのですが、敢えてウエスト・コースとでの録音を選択。
『セブン・ステップス・トゥ・ヘブン』から《家へおいでよ》

これは新主流派時期のマイルスのミュートによるバラッドの名演です。
やっぱ、マイルスの歌心ってイイですね~。
この曲を選ぶあたりに類家さんの拘りを感じます。
(以降、緑字は曲を聴いての私の感想などです。)

この頃はハード・バップ時代のメロディーを大事にする歌うマイルス。
これがマイルスの基本。色々なボーカリストから影響されています。
類家さんは「70年代色々やって、80年代はまた歌のマイルスが戻ってくる。」
なんて話もしています。確かにそうですよね。

いよいよ第2期黄金のクインテット時代のマイルス。
抽象化されていくマイルスです。
『ラウンド・アバウト・ミッド・ナイト』から《ラウンド・ミッドナイト》のテーマをかけ、
『プラグドニッケルのマイルス・デイビス』から同曲

このメンバーならではの新しい響きのバンド・サウンドが醸し出されています。
私はこの時期のマイルスも大好きです。

かなり変わっています。フリーに接近しています。
「ショーターをはじめ、フリーが好きな面々なので、マイルスがいない場面では
フリー寄りになる。」と類家さん。
類権さんは「バンドがその場でどう反応するかという方向になってきている。」
とも言っています。

雲さんが「ハンコックがどうにでもとれる和音を弾いている。」と言います。
類家さんは「ピアノのバッキングによって自分の演奏もかなり変わる。」と
言っています。
類家さんは続けて
「マイルスは強いので、マイルスの出した音にメンバーがつけるのが凄い。」
「マイルスのわざと外した音にもきっちりついていくメンバーが凄い。」
「マイルスの音の説得力が素晴しい。」
「それについていくメンバーの意気込みも凄い。」と言います。
類家さんがこの時期のマイルスをお気に入りというのが伝わってきました。

雲さんから類家さんに質問。
「ハンコックのような抽象的なバッキングと、ウィントン・ケリーのような
分かりやすいバッキングのとどっちが好きですか?」
類家さんはハンコックのような抽象的な方が好きだそうです。

「新しい音楽だぞっ」ていう感じがする曲。
『ESP』からタイトル曲

いかにもウェインなソロがまずイイですよね(笑)。
それに続くマイルスの抽象的なフレージングも私は好きです。
とにかくカッコいい感じがします。
ハンコックのフレッシュな響きの短いソロもイイ。

「マイルスのプレーがスピード感があって良い。トニーもカッコいい。」と雲さん。
「ある時から3連符がなくなるのはトニーのシャープなドラムのせいかも。」
なんて話もありました。なるほど~。

ショーター色が強くなる演奏。
『ネフェルティティ』から《フォール》
この曲のミュートとオープンの吹き分けの感想を聞きたい。

ミステリアスな雰囲気が漂う曲はショーターらしくてイイですよね。
私はこういう「美」をイメージさせるところが好きなんです。
クール&ビューティー。
最初しばらくミュートで吹いたあとソロはオープンでラストはまたミュートです。
後半のショーターのソロはイマジネイティブですよね。
この時期のマイルス・クインテットはやっぱカッコいい。

雲さんは「まったりしていていい感じ。サウンドがこのバンドにしか出せない。」と。
類家さんは「マイルスの曲が減ってメンバーの曲が多くなるのに、
マイルス・サウンドなのがこの時期のマイルス。」と続けます。
あれっ!ミュートとオープンの吹き分けの感想がないですね(笑)?
編集で消えちゃったのでしょうか?雲さん教えて下さ~い。

上記の件について雲さんのブログに真相がUPされました。
コチラ↓
http://kairaku-jazz.seesaa.net/article/127533683.html?reload=2009-09-08T00:05:43

どうやら曲をかけている間、類家さんとの話が盛り上がり、
雲さんは質問のことを忘れてしまったみたいです(笑)。
人間、誰しも忘れることはあります。しょうがないと思います。
でも、類家さんの感想を聞きたかったな~(笑)。

ラストは類家さんのアルバム『DISTORTED GRACE』から《SKID》
雲さんは突き刺すようなトランペットとリズムがカッコいいということで選曲。
アルバムタイトルと曲名の意味するところについて類家さんから説明がありました。

ベースだけの出だしからカッコいいぞな予感です。
今時のクラブ/ジャムバンド系サウンドです。
私この手のやつ結構好きですよ。
リズムは人力ドラムンベース。
雲さんが好きなのも分かるな~。
例のマーク・アイーサの『オファリング』系です。

<アフター・アワーズ編>

「類家さんのトランペットはストレートで直球的ですよね。」と雲さん。
類家さんは「もっとドロドロでありたい。」と意外な返事でした。

類家さんのミュートと雲さんのエレベでデュオです。
雲さんは類家さんのミュートが好きということで、《アイ・ラブ・ユー》をリクエスト。

スローで入って、途中からミディアム・テンポに。
リスムチェンジがなかなかお洒落です。
ミュートの音がいいですね。フレージングも比較的シンプルです。
類家さんのプレーからはマイルスに魅せられた感じが滲み出ていました。
良い演奏でした。

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