ジャズ喫茶巡り、中野新橋「ジニアス」
しばらく間が空いてしまいました。ジャズ喫茶巡りの続きです。
下北沢「マサコ」からディスクユニオン新宿ジャズ館を経由して最終目的地へ。
東京には行きつけのジャズ喫茶が何件かあります。今日紹介するのはそのかなの一軒、中野新橋にあるジャズ喫茶「ジニアス」です。初めて行った時、マスターからかけられた一言「何かリクエストありませんか?」から、マスターとは気楽に会話させていただくようになり、お気に入りのジャズ喫茶となりました。
ここはジャズ喫茶とはいっても昔の薄暗い紫煙の似合うイメージとは違います。店内は明るく綺麗でモダンなインテリア。普段は近所の奥様方がジャズをB.G.M.にお茶しながら会話を楽しんでいるお店です。このお店は以前渋谷にあり、硬派なジャズ喫茶として知られていたのですが、時代は変わり場所も移って今のようなお店になったのです。
私が行くとマスターは普段かけていないような熱いジャズをかけてくれます。マスターによると、お客さんの顔(反応)を見ながらジャズをかけるのがマスターの務めだということなのですが、ジャズを聴きに来るお客さんは少ないとのことです。だから私みたいに聴いて反応すると喜んでもらえます(笑)。
さて、今日はどんなアルバムを聴かせてもらえるでしょうか?
お店に入るとソニー・クラークの『ダイアル”S”フォー・ソニー』がかっていました。いきなり渋いではありませんか?やっぱりジャズ喫茶で聴くといいですな~(笑)。
夕食もここでとろうということで、いつものエビピラフ・セットを大盛りで注文。このピラフ。漬物とコンソメスープが付いて、レタスもたくさん盛り付けられていてなかなかの美味なのです。私のお気に入りです。
次にかかったのはカルテット・モデルノの『ecco!』です。レトロなジャケットだったので再発かと思ったら違うんですね。今結構人気があるイタリアの気軽なジャズです。マスターも軽く聴くのに良いと言っていましたよ。MOONKS本にも掲載されていました。私は同レーベルのカルテット(クインテット)・ロ・グレコを持っています。難しいことを言わずに楽しめます。
次はサックス奏者エディ・ハリスの『ア・テイル・オブ・トゥ・シティーズ』です。エディ・ハリスといわれてもアルバム名は浮かんできませんよね。そんなジャズマンのあまり知られていないアルバムを聴けることがジャズ喫茶の醍醐味なのです。私が70、80年代の熱いジャズを聴きに来ていることを知っての選曲です。
このアルバムにはシカゴとサンフランシスコでのライブが収録されていて、2ヶ所での演奏がばらばらに並んでいます。マスターはサンフランシスコでのライブをCDプレーヤーにプログラムして聴かせてくれました。こういう拘りがとても嬉しいんです。ハリスのサックス・プレイはオーソドックス。そして熱いプレイを繰り広げています。これ、帰ってから通販で買ってしまいました(笑)。
そしてフランク・ストラゼリ・トリオの『ライブ・イン・フランス』です。なかなか小粋で熱い演奏を聴かせてくれました。これもほしくなった1枚。そのうち購入するかもしれません。もしディスクユニオンで中古をみつけたら買うことになると思います。こういうマイナーなピアノ・トリオってとにかくたくさんあってハズレも結構あるので、要注意です(笑)。
これは渋いです!ロイ・ブルックスの『ビート』です。それもオリジナル盤です。中古盤もあまり見ないです。オリジナル盤はかなりの高額で取引されている1枚。フロントがブルー・ミッチェル(tp)、ジュニア・クック(ts)ですからねっ。そりゃー黒いサウンドが聴こえてくるわけですよっ(笑)。ジャズ喫茶には最高のマッチング、幸せっ!ということで、ビールを注文してしまいました(笑)。
ラストは『モントルー・サミット』です。モントルー・ジャズ・フェスティバルでのライブ。ボブ・ジェイムスを始めとしてジャズ/フュージョン界の錚々たるメンバーが参加したスペシャル・バンドでの演奏。まっ、皆さんご想像の通りのサウンドです(笑)。
帰りの電車の時間が近づいてきたので、ここら辺でお店をあとにすることにしました。会計の時、マスターがレコードを掃除していました。田村翼の『バラッド・フォー・ハンプ』でした。こちら(中野新橋)にきてから初めてかけると言っていました。聴きたかったです。
で、レコードの掃除はどのようにしているのか尋ねると水拭きとのことでした。ガーゼに水を含ませてレコード面を拭き取ります。これが一番良いとのことです。レコードを拭く時はターンテーブルシートをマットがわりにしていました。それっ、私も真似しようかと思いました。
今回も楽しかったです。
私はいつも2時間くらいかけてマスターの選曲を楽しんできます。最近はジャズを聴きに来るお客さんが少し増えているように感じます。この日もジャズ好きの常連さんのお顔を見かけました。私が極たまに来ていつも会うということは、お店には頻繁に通っているんだと思います。いいな~っ。
皆さんもたまにはジャズ喫茶でマスター選曲を楽しみませんか?
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コメント
いっき 様
ジャズ批評152号、p177にこちらのコメントが紹介されていることに、偶然ジニアスにいるときに気がつきました。
「マスター、1ページまるごと載ってますよ」
「エッ?気がつかなかった。・・・こちらのお客様が?たまに山梨県から来られるかただ」
>ジャズ好きの常連さんのお顔を見かけました。私が極たまに来ていつも会うということは、お店には頻繁に通っているんだと思います。いいな~っ。
「常連さん」とは私のこと?と思いかけました。
実は当方、勤務先がジニアスの近くで、毎週2~3回帰りがけに立ち寄っています(かれこれ16年間)。土・日・祝はあまり行くことはありませんが・・・。
いつか、お会いできたらと思います。
なお、ジニアスはサイトを持っていないので、mixi上にあるジニアスのコミュで、ジャズ批評152号の件を紹介させていただきました。以前ほど密接ではなくても、ジニアスとジャズ批評との結びつきは強いですね。
投稿: mogie | 2009年10月31日 (土) 09時19分
mogie様 こんにちは。
コメントいただきありがとうございます。
>ジャズ批評152号、p177にこちらのコメントが紹介されていることに、偶然ジニアスにいるときに気がつきました。
面白い偶然ですね。
マスターに言わずに書きましたので、今度行った時には一言ご挨拶します。
「ジニアス」ではいつも楽しいひとときを過ごしていますので、ジャズ批評にジャズ喫茶のことを書くなら、まずは「ジニアス」と決めていました。
>いつか、お会いできたらと思います。
私もお会いしたいです。
私は年数回しか行けませんので、なかなか難しいのかもしれませんが、お会いできることを楽しみにしています。
>mixi上にあるジニアスのコミュで、ジャズ批評152号の件を紹介させていただきました。
ご紹介いただきどうもありがとうございます。
>以前ほど密接ではなくても、ジニアスとジャズ批評との結びつきは強いですね。
そうですね。
私はジャズ批評誌で、マスターに「ジャズ喫茶の今」を語っていただくような記事を書いてほしいと思っています。
投稿: いっき | 2009年10月31日 (土) 12時38分