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雲さんからまたまた面白いコメントをいただきました。

先日またまた高野 雲さんから面白いコメントをいただきました。
どうもありがとうございます。
コメント欄に置いておくだけなのはもったいないのでこちらに転載します。
長~いコメントです(笑)。

tommyさん のコメント

先日、池ちゃん先生と話していたら、最近の若いミュージシャンがコピーがヘタだと言っていました。それからハービー、チック、キース以前のピアニストを真剣に聴いていないとも、古くてもエバンスまでかな?なんて話題になって、完全コピー譜面の功罪の話にもなりました。
「もっと耳で盗まないとね」というのが結論です。

に対する 高野 雲さん のコメントです。

tommyさんの書き込みを読んでいたら、岩崎峰子さんの著書『祇園の教訓』の中の一節を思い出しました。

引用します。

「舞のお稽古に限らず、邦楽のお稽古は師匠を真似ることから始まります。“自分”という個性を消すくらいに真似をするのは精神修養のように厳しいものです。しかし、消したはずの個性が消えるものではありません。同じ師匠の型を徹底的に真似しても、私の舞と別のお弟子さんの舞は違います。」

そうなんです。

自分を消し去って、消し去って、消し去っても、なおも残るもの。にじみ出るもの。それが個性。オリジナリティ。

最近では、「自分探し」「自分らしさ」を優先させる風潮ですし、槇原敬之が作ってSMAPがヒットさせた《世界に一つだけの花》の歌詞を額面通り受け止めた「オンリー・ワン」志向の人も多いと思うのですが、私はその風潮は良い面もあるけど、悪い面もあると思うのです。

良い面とは、すなわち自信のない人にも、
「そんなキミにだって、キミだけにしかないイイところがあるはずなんだから!」
と、勇気と希望を与えてくれた、かも?しれないということ。

悪い面とは、まだ確固とした「自分」すらも持っていないヒヨッコに「オレが、オレが」な気分を増長させかねない(笑)。

一口に「オリジナリティ」とか「自分らしさ」って簡単に言うかもしれないけど、それを得るためには莫大な努力が必要なんだよ、と私は思うほうです。

音楽に言えば、まさにコピーがその出発点だと思います。
パウエル派、パーカー派というように、やっぱりキャリア初期には、彼らジャイアンツに「私淑」するところから表現をスタートさせていったジャズマンは多い。

自分の表現の確立とは、まずはコピーからスタートし、範となる表現内容と、自身の表現内容との差異に自覚的になることにほかならない、と私は感じています。

この差異の自覚こそが、「守破離」における「破」のレベルに達した段階であり、思い込みや盲目的な根拠なき自信は、オリジナリティ以前に「裸の王様」、あるいは、「井の中の蛙」レベルに他ありません。

あ、「守破離」に関しては、
▼コチラ
http://cafemontmartre.jp/essay/1999/arube.htm
でも説明していますので、是非読んでいただくとして(笑)。

最近思うんだけど、
やっぱり、「私淑」って大事だと思うんですよね。

表現活動のもっとも原初的なモチベーションは「私淑」だと思う。

一流ミュージシャンは皆、過去の偉大なアーティストに敬意を払っているし、若い頃は「私淑」している音楽家の一人や二人はいた。たとえば、表現内容はまったく違いますが、チック・コリアなんて、『アメイジング・バド・パウエル』のレコードにあわせて、最初から最後までピアノをそっくりに弾けるほど練習したそうです。
マーカス・ミラーも『ジャコ肖像』をレコードプレイヤーに乗せっぱなしだったそうですし。

こうして、先人の知恵とワザを吸収し、まったく違う音楽性を持つ次の世代の大物が登場するわけです。
過去のミュージシャンの表現をコピーしてゆこう、盗んでゆこうという意気込みがないと、表現力もそこで止まっちゃうような気がしてなりません。

ところで、先日(といっても1年以上前に)、あるジャムセッションで、パーカッションが上手な女の子に会ってお話したんだけど、
「好きなミュージシャンは?」
「いません、あまり知りません」

「ふだんはどういう音楽聴いてるの?」
「うーん、音楽あまり聴いてない。CDとか持ってないし」

「じゃあなんでパーカッションやってるの?」
「先生が好きだから。先生、上手だから」

みたいな会話になりました。
自分探しをしていて、たまたま知り合った人物がプロのパーカッショニスト。その方の「人柄に惚れて」弟子になり、手ほどきを受け、上達していったそうなのです。

聴くのは先生の音楽だけで、パーカッションのはいった音楽はほとんど聴いたことがないし、興味がない。
でも、パーカッションを触るのは大好き。よって、上達も早い。だからジャムセッションで知らない曲に初参加しても、そこそここなせてしまう。音楽が好きかというと、正直わからない。でも、楽器は好き。

この子のようなタイプの若い楽器奏者、最近増えているような気がしないでもありません。音楽好きではなく、楽器好きのタイプ。

こういうタイプのプロが増えたら、音楽、どう変わってゆくのかなー、なんて思いながら会話をしていた記憶があります。

いや~っ、こんな長~いコメントを書いて下さるのは雲さんだけです(笑)。
で、内容が面白い!

『祇園の教訓』からの一節から「守破離」へと、なるほどなるほど。
「守破離」に関する雲さんの説明がこれまた非常に面白いんです。
皆さん。必読であります。

パーカッションが上手な女の子。
音楽を演奏するための手段(楽器)が目的になっちゃっう例ですね。
私の身近な所では、音楽を聴くための手段(オーディオ)が目的になっちゃっう例。
音楽を聴く方にはずっと前から起きていた現象が、
音楽をやる方にも起きつつあるというのは面白いです。

私も含めオーディオファンは、音楽ファンから白い目でみられているような
気がしますが、楽器好きの人も白い目で見ないといけないのかなっ?
これはちょっと皮肉ですが(笑)。
手段が目的のプロのミュージシャンが増えたらどうなっていくのか?
私も興味意が湧いてきました。

*

tommyさんからもコメントをいただきました(笑)。
どうもありがとうございます。
こちらへ転載します。

自分にオリジナリティが出るまで、コピーし続けるって大変なエネルギーなんですよね。んで、そのエネルギーこそが創造するマインドなんだけど。
これはデザインの世界でも同じなんですが、新人は「自分の好きなようにデザインさせて貰える」と思って入社してくるのですが、最初は先輩に指示されたものをちゃんと作ることからはじまるのです。で、これが耐えられない(笑)。それを学びの時間だと理解できないんですよ。
「先輩と同じ事をやっても、クリエイティブではない」と勝手に決めてしまう。「創造性とは生まれながらにして、自分が持っている資質」だと理解したいようです(笑)。
最近は「才能」というのが、以前より気になる若者が多いようです。「才能がないなら、やっても仕方ない」から、早く見極めたいという事のようです。
オイラは「才能があるかないか」考えた事はないです(笑)。十代の頃から、デザインを仕事にするために生まれてきたと思い込んでいますからね(笑)。
「できないことは、身につくまでコピーして学べばよい」は、当然の事なんだけどなぁ〜。
その行為自体が、その人を育てるツーのが軽視されていますね。

オイラが仕事のために覚えてきた事って、音楽の修業に似ているところがあって、殆どの事はマインドとしては理解しているのですが、いざ楽器を持ってやってみると、デザインをやっている時とは同じテンポで進まないから、アタマにくるし、不甲斐ないなぁ〜って思う(笑)。音楽をするマインドは分っているんだけどねぇ〜実力が伴わない。実践がないと、練習だけだとダメかも?(笑)

デザインの世界にもコピーは重要なのですね。

で、私も「才能」についてはあまり考えたことはありません。
サラリーマンは仕事をやっていく上でいちいち才能なんて考えません。
まずは目の前にある仕事をこなすことが要求されるわけです。
そして仕事を上手くこなせれば、それが自分の才能だと思いこみます(笑)。

そんなのでは、クリエイティブじゃない気がするので、
私の場合は社内で誰もやったことがないような新しい製品に次々と
首を突っ込んできました。
ということは、私も「先輩と同じ事をやっても、クリエイティブではない」の口(笑)?
まっ、それはそれとして、新しいことをやるには大きなエネルギーが必要です。

tommyさんの楽器のことについてですが、
率直に言わせていただくと、そこに才能との関連があるのかも?
失礼致しました。

とまあ、気ままなことを言わせていただきました。

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コメント

いっきさん、おはようございます。

自分にオリジナリティが出るまで、コピーし続けるって大変なエネルギーなんですよね。んで、そのエネルギーこそが創造するマインドなんだけど。
これはデザインの世界でも同じなんですが、新人は「自分の好きなようにデザインさせて貰える」と思って入社してくるのですが、最初は先輩に指示されたものをちゃんと作ることからはじまるのです。で、これが耐えられない(笑)。それを学びの時間だと理解できないんですよ。
「先輩と同じ事をやっても、クリエイティブではない」と勝手に決めてしまう。「創造性とは生まれながらにして、自分が持っている資質」だと理解したいようです(笑)。
最近は「才能」というのが、以前より気になる若者が多いようです。「才能がないなら、やっても仕方ない」から、早く見極めたいという事のようです。
オイラは「才能があるかないか」考えた事はないです(笑)。十代の頃から、デザインを仕事にするために生まれてきたと思い込んでいますからね(笑)。
「できないことは、身につくまでコピーして学べばよい」は、当然の事なんだけどなぁ〜。
その行為自体が、その人を育てるツーのが軽視されていますね。

オイラが仕事のために覚えてきた事って、音楽の修業に似ているところがあって、殆どの事はマインドとしては理解しているのですが、いざ楽器を持ってやってみると、デザインをやっている時とは同じテンポで進まないから、アタマにくるし、不甲斐ないなぁ〜って思う(笑)。音楽をするマインドは分っているんだけどねぇ〜実力が伴わない。実践がないと、練習だけだとダメかも?(笑)

投稿: tommy | 2009年9月 9日 (水) 07時32分

何事も身に付けたい事って、10代〜20代の初めじゃないのかなぁ?
よく「今からでも遅くない!」って言うけど、遅いス!(笑)。
もの覚え悪いし、それだけやっていれば幸せツーもんでもない。
ホントは本業やめて、楽器だけに時間を使いたいけど、
それは出来ないでしょう?そこが問題なんだよね。

オイラの年齢で、「ミュージシャンになりたい!」って言っているのオイラだけだよ(笑)。趣味じゃイヤなんだよね。プロになりたいの。10年計画だけど、後6年だよ。
んで、今やっているデザインの仕事を趣味にしたい(笑)。
もうリスナーはイヤなんだよ。プレイヤーになりたい!
今日の事は今日で終わる仕事がいいなぁ〜(笑)。

投稿: tommy | 2009年9月10日 (木) 23時44分

デザインに関しては、迷いのないtommyさんですが、楽器になると、色々とマイナス条件を挙げながら迷っているという、そのギャップが面白いです(笑)。

客観的に見ていると、このような迷いの有り無しが「才能」の差なのかな?な~んて思えてきたりもします(笑)。

投稿: | 2009年9月11日 (金) 00時17分

音楽に関しては才能はありませ〜ん(笑)。好きなだけで〜す。
まぁ、「継続は力なり」を信じているだけです。
音楽を聴く楽しさは分ったので、やる楽しさを味わいたい!
でも・・・練習の努力が足りない。物覚えも悪い(笑)。

投稿: tommy | 2009年9月11日 (金) 19時37分

tommyさん。こんばんは。

>「ミュージシャンになりたい!」

tommyさんのチャレンジ精神は凄いですよね。
私には無理です(笑)。

>今日の事は今日で終わる仕事がいいなぁ〜(笑)。

確かにそういう仕事って憧れます(笑)。

>音楽を聴く楽しさは分ったので、やる楽しさを味わいたい!

なるほど。「やる楽しさ」ですかー。それもあるでしょうね。
今のところ私はそちらには興味ありません。
楽器とか練習するの嫌いですから(笑)。

投稿: いっき | 2009年9月11日 (金) 23時20分

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