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ちょっとワルなトランペッター!

ジェームス・カーターのライブで見た時はいまひとつだったのですが、CDを聴いたらなかなかいいんじゃないかと思ったこの人。トランペッターのコーリー・ウィルクスってちょっとワルなやつでした。そんなウィルクスのアルバムを紹介します。

P113 コーリー・ウィルクス&アブストラクト・パルス『クリーズ・フロム・ザ・ゲットー』(2008年rec. PI RECORDINGS)です。メンバーは、コーリー・ウィルクス(tp,flh)、ケヴィン・ネイバーズ(ts)、スコット・ヘッセ(g)、ジュニアス・ポール(b)、イサイア・スペンサー(ds)、ジュマン・テイラー(tap dance)です。メンバーも聞いたことがない人ばかりですね。タップ・ダンサーもいます。

ディスクユニオンの新譜紹介でチェックしていたのですが、ネット通販では入荷までに時間がかかりそうだったので、入手することを躊躇していました。そしたらジェームス・カーターのライブで売っていたので、迷わず買った1枚です。これを聴いて最初に思ったのは街のストリート・ギャング。ちょっとワルなやつらのカッコいいストリート・ミュージックです。

1曲目《ファースト・マインド》、ミディアム・テンポでワルなやつらが冷やかしながら街を歩く雰囲気が漂ってきます。こりゃっ、ちょっと危ないね~(笑)。ソロはギターのヘッセから、こいつがアバンギャルドしています。とはいっても過激さはあまりなく小ワルなイメージ。バンド・サウンドにはマッチしていますね。カッティングによるバッキングもなかなかイイ味を出しています。こいつ注目ギターだと思います。

ウィルクスのトランペットは、ダークなトーンで熱く語りかけてきます。テクニックを駆使するタイプではありません。それがこの前見たライブでは今一だった要因のようです。一音一音しっかりと、ワルカッコいいフレージングを積み重ねて吹いていきます。続くテナーのネイバーズも野太いトーンで熱くブローします。派手さはないけれど味があるテナーで、ウィルクスとのサウンド・マッチングは凄く良いと思います。良いテナーですよ。

続く《アブストラクト#1》はフリーの演奏ですが、難解という感じではありません。黒人街でワルが集まって、ストリートでアバンギャルドにジャムっちゃう感じとでもいいましょうか。タップ・ダンサーがタップを踊っているので、余計そんな感じに聴こえてきます。なかなかカッコいい演奏です。

3曲目《シック JJ》のウィルクスのソロはどことなくヒノテルにも似ているようにも聴こえます。そして4ビートに変わって出てくるネイバースのテナーはデイブ・リーブマンな感じかも?途中にはさむ低音”ヴォー”がなかなか盛り上げてくれますよ。こう聴いてくると80年代のヒノテル/リーブマン/ジョンスコ系の熱いジャズと言えるのかもしれません。で、そこにちょっとけだるさも漂っています。

4曲目《レヴィテーション》はウィルクスがハーマン・ミュートで甘いバラードを聴かせてくれます。ライブで見た時と同様、ウィルクスのハーマン・ミュートでのプレイはイイですね~。とても浸透力のある音で歌心のあるメロディーを奏でてくれます。

ベースとドラムは目立つところはありませんが、フロントの雰囲気にマッチした力強いリズムをしっかり刻んでいます。なかなか渋い仕事をしていると思いますよ。

こんな感じで演奏が続いていきますが、最初に言たっとおり、ちょっとワルなやつらのカッコいいストリート・ミュージックです。バンド名の「アブストラクト・パルス」もなかなかカッコいいと思いませんか?このバンドのライブを観てみたいものです。

アルバム名:『CRIES FROM THA GHETTO』
メンバー:
Corey Wilkes(tp, flh)
Kevin Nabors(ts)
Scott Hesse(g)
Junius Paul(b)
Isaiah Spencer(ds)
Jumaane Taylor(tap dance)

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