tommyさんから夏休みの課題を出されてしまった!
いや~っ、参った!
ジャズ友tommyさんから夏休みの課題を出されてしまいました。
その課題とは?
「体験的!3枚でジャズ入門」
以下参照。
http://ameblo.jp/tommy-tdo/entry-10310830165.html#cbox
期限はお盆前くらいとのこと。
普通の私ならやるのは期限ぎりぎり。
自分を追い込んでからやるタイプなのですが、今回はさっさと片付けます(笑)。
tommyさんはウェス・モンゴメリーからジャズ入門したそうです。
で、私はピアノでジャズ入門になるんじゃないかとのこと。
えっ? ピアノからジャズ入門ですか?
「喝っ!」
ピアノからジャズに入門するのはジャズに癒しを求めるオジサンだけにしてくれっ!
ジャズはトランペットから入るのが正しいのだっ!
そう、マイルス・デイビスから入門するのが正しい。
アレッ?それって中山康樹さんの専売特許ですか?
「マイルスからはじめるJAZZ入門」だっ!
アレッ?そのタイトルは我が愛しの後藤雅洋さんの本なのでは?
しょうがないじゃないですか。
私だってマイルスが一番好きなのだから。
ご存知ですか?拙ブログの第1回目はライブ・レポートなのですが、
第2回目は私のジャズ観宣言も込めて、マイルスの『パンゲア』紹介です。
どうだっ!参ったか(笑)?
ここで最初に買ったジャズ・レコードの話にちょっと触れておきましょう。
やっぱりトランペッターのアルバムなのですが、日野皓正。
『ダブル・レインボー』です。
このアルバムは菊地雅章とのコラボレーションで『ススト』の続編みたいなもの。
結構強敵ですよ。このアルバム。
後日改めて買った経緯とこのアルバムの紹介をしたいと思います。
さて、本題「体験的!3枚でジャズ入門」=「マイルスの3枚でジャズ入門!」
上記『ダブル・レインボー』を買った時にもらったチラシ、CBSソニーの廉価盤「ビッグ・ジャズ・フュージョン23」の中の1枚。チラシにかいてあるコメントを読んで、選びに選んで買いました。他にウェザー・リポートの『スウィート・ナイター』とハービー・ハンコックの『マン・チャイルド』も一緒に買いました。フュージョンにも興味があったので、そのルーツとなると紹介されていたこれらのアルバムを買ったのです。今考えると3枚とも「黒い」ぞっ(笑)!
『パンゲア』を聴いてカルチャー・ショックを受けました(笑)。ここに展開されている世界にノック・アウトされたのです。第一印象は「ジャズってよくわからないけれど、とんでもない音楽だ。」ってこと。何か凄く切羽詰った危ないことをやるのが最高のジャズだって、この時に分かったのです。で、こういうのは今までに聴いたことがなかったので、「よし、この世界をもっと深く知ろう。」となったわけです。
だから当時の私はジャズに癒しを求めるなんてことは全然考えもしなかったのです。そんな私がジャズに求めている一番重要なことは、常人には及ばない世界を感じたいってこと。それを実現する手段の1つとして、アドリブが重要な要素であると捉えています。アコースティック/エレクトリックとか4ビート/8(ロック)ビートとか、いわゆるフォーマットはどうでも良いことなのです。
今になって考えると、これって私にとっては凄く良かったと思うのです。もしジャズに癒しを求めていたらジャズはこれほど長く聴かなかったと思います。なぜなら、癒しなら他の音楽にいくらでもあるからです。とは言っても、今はほとんどジャズしか聴かないので、音楽に癒しを求めたい時には癒され系のジャズを聴きますよ。
ちなみに、ちょっとジャズに期待し過ぎたことが、しばらく後で分かることになりました。『パンゲア』レベルの「凄み」って、そんなに多くはなかったということです。最初はジャズにはこのレベルのものがゴロゴロしているのだと思っていました(笑)。
私が飽きずに新しいジャズや未知のジャズを聴き続ける理由?
それは常人には及ばない世界を探し続けているからかもしれません。
カッコつけすぎっ!自分に酔ってる(笑)?
tommyさん。私にとってのジャズ。何となく分かったような気がします。
ジャズ入門1枚目。
マイルスの『パンゲア』にジャズの凄みを聴けっ!
『パンゲア』を聴いてブッ飛んだ私、ならば「それ以前のアコースティックなマイルスも聴かねば。」と思ったのです。レコード屋「サンリン」のレコード棚を見て、当時の¥1,800円廉価盤シリーズのたすき(帯)のコメントを片っ端から読んで買った1枚です。
言っておかなければならないことがありました。私は当時からオーディオが趣味だったのですが、それまでロック・ポップスを聴いていたので、良い音質のレコードがなかなかないという悩みがありました。だからそれを解消するためにオーディオ雑誌にのっているクラシックやジャズのレコードを聴こうということになったのです。クラシックも何枚か買いましたよ。でも『パンゲア』にやられてしまってから、ジャズにドップリ。ついでに音質が悪くてもよくなってしまいました(笑)。
話は戻って『ソーサラー』。これも音質は悪いです。トニーのシンバルがやたらシャカシャカ強く聴こえて、ベースとバスドラは軽くて薄いのです。でもそんなことを跳ね返す魅力がありました。クールで美しくてカッコいいのです。ジャズって「クール&ビューティーな音楽」でもあったんだと分かりました。『パンゲア』の危険で熱い(芯はクールですけどね。)のとは対極です。とにかくマイルスのトランペットが美しいんですよ。いやっ、ウェイン・ショーターのテナーもハービー・ハンコックのピアノもロン・カーターのベースもトニー・ウィリアムスのドラムも美しい!
ここにあるクール&ビューティーな世界は新鮮でした。響きが瑞々しい。これもそれまでに聴いたことはなかったと思います。とにかく文句なくカッコ良く感じられたのです。でもねっ!ここにあるのはカッコ良さだけではないのです。深いものがあるのですよ。こいつら何でこんな深遠は世界を描き出せるのかと思いましたよ。もちろん凄みもあります。ちなみに、ビューティーとは単なる美メロではありませんので、お間違えなきよう。
余談ですが、私はこのアルバムA面1曲目《プリンス・オブ・ダークネス》が時々発作的に頭の中で鳴り響くことがあるのですが(笑)、後藤雅洋さんがお店で選曲に困った時にこのメロディーが鳴り出すというのを「ジャズ選曲指南」に書いていたので笑ってしまいました。
ジャズ入門2枚目。
マイルスの『ソーサラー』にジャズのクール&ビューティーを聴けっ!
『ソーサラー』を聴いて「クール&ビューティー」の元は何なのかと思ったのです。それはどうやら「モード」とかというものらしいのです。では「モード」の元祖を聴いてみようということで、更に時代を遡り『カインド・オブ・ブルー』を聴いてみました。これは。いわゆる歴史的名盤ですね。
ここまで戻ってきてやっと、皆さんが抱くいわゆるジャズのイメージに近づきました。はっきり言ってこれは古さを感じました。昔のジャズだなって。1つの完成された世界ではあることはわかりましたが、上記2枚に比べると何か物足りない感じがしました。まっ、それはしょうがない話なのです。ここにあるものはマイルスのコアに近い部分なのですから。
これに色々なものを付け加え、改良を加え、磨き上げて行った結果が『ソーサラー』であり『パンゲア』なのです。これら2枚のほうが内包するものが多く、感じ取ろうとすれば色々なものが感じられるのは当たり前の話なのです。ここには、マイルスの「進化」とか言うと抵抗があると思うので、敢えて違う言い方をしますが、マイルスの進んできた道のりが感じられるはずです。
そして、『カインド・オブ・ブルー』にはジョン・コルトレーン、キャノンボール・アダレイ、ビル・エバンス、ウィントン・ケリー、ポール・チェンバースの名前がありますから、この人達を辿ってジャズを聴き広げていくという楽しみがあるのは言うまでもありません。
ジャズ入門3枚目。
マイルスの『カインド・オブ・ブルー』にジャズのコア(核)を聴けっ!
とまあ勝手な、ホントに私的な、「体験的!3枚でジャズ入門」でした。
誰もこんなアホなジャズ入門はしないと思いますが、
この結果が今のマニアックな私であることも事実。
コアでマニアックな”ジャズ者”になりたいなら、
「これくらいのジャズ入門をしてみやがれ!」ってことです(笑)。
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コメント
いっきさん、こんばんは。
いや〜、面白かったよ。
どういう経緯のジャズ聴きなのかがよくわかりました(笑)。
「そんなヤツ他にいないよ!」・・・と思ったのですが、
先日の作家の平野さんにも似た感じがありましたよ。
クリエィティブなマインドをジャズで刺激しているんだね。
ホントは、これが正しいジャズ入門なのかも知れません。
でも入門アルバムに、まったく生活感がありませんね(笑)。
これは時代性なのかも知れませんが。
日常の自分を、望む場所に連れて行ってくれる
「どこでもドア」がジャズなのですが、
いっきさんの行きたい所が現実の「過去」や「未来」では
なく、「別世界」だということが良く分かりました(笑)。
これは妹のピクルスさんにも通じる芸術志向だと思います(笑)。
(いーぐるの後藤さんにも共通しますが・・・)
ピクルスさんはある時期に現実の世界に戻って来ましたが、
いっきさんは完全に「別世界」に行きっぱなし、
より完成度の高いモノを求めて「パンゲアへの旅」をズ〜ッと
続けていることが、よく分かりました(笑)。
なるほど!入門が「パンゲア」だと、まだまだ旅は続きますね。
より革新的な感動を求めているので、新譜チェックも厳しくなる。
もう趣味じゃないじゃん!自分の一部だよ。
いっきさんのジャズは、ディープだ!!(笑)
追伸:妹のピクルスさんへ
"「STUDIO VOICE」 8月6日発売号で休刊!!"だそうです。
ピクルスさんの青春の一部が、やっと終了いたしました(笑)。
最終号は是非、立ち読みして「サヨナラ!」を言ってください。
投稿: tommy | 2009年8月 2日 (日) 03時45分
アニキ、こんにちは。
アニキのマイルス好きの理由がわかって新鮮でした!そっかぁ…アニキってやっぱりマニアックだったんだ(笑)
Tommyさん、「STUDIO VOICE」情報ありがとうございますm(__)m早速立ち読みして別れを惜しみます!
実は私の芸術志向はいまだに燻っていて、私の夫も同じ匂いのするマニアックな人ですねっ、アニキ!!
投稿: ぴくるす | 2009年8月 2日 (日) 13時22分
tommyさん。
今日はお疲れ様でした。ヒノ・オーディオなかなか楽しかったですね。
>クリエィティブなマインドをジャズで刺激しているんだね。
それはあるのかもしれません。
>いっきさんの行きたい所が現実の「過去」や「未来」ではなく、
>「別世界」だということが良く分かりました(笑)。
私は、ジャズの場合は「別世界」で、ポップス・ロックの場合は現実の「過去」や「未来」なんだろうと思います。
>より完成度の高いモノを求めて「パンゲアへの旅」をズ〜ッと
>続けていることが、よく分かりました(笑)。
鋭いご指摘。「パンゲアへの旅」は続くのであります(笑)。
>いっきさんのジャズは、ディープだ!!(笑)
ハイッ、ディープです!
ぴくるすへ。
マニアックな兄妹夫婦ってことですな(笑)。
投稿: いっき | 2009年8月 3日 (月) 00時57分
いっきさん、お疲れさまでした。
ヒノ・オーディオねぇ〜、オイラは目的は果たしたけど(笑)。
もう、ヴィンテージ・オーディオの時代でもないよね。
でも、ああいう音は聴いておいた方がいいね。
今のオーディオは、ああいう音はしないですからね。
やっぱりオイラは、打倒!パラゴンです。
あれから、渋谷のユニオンに行って、安かったので(笑)
アナログ盤を大量に買い込みました。
買い込んだ後で考えたのですが
「そうだ!ラファロでアナログ盤を売ろう!」
そうすれば「アナログ倶楽部」が見えてくる。と思ったのです。
メールでの注文があればの話ですけどね(笑)。
田舎にはジャズのレコード屋さんって少ないですからね。
評判が良かったら、原価を考えて続けます。送料が高い(泣)。
ぴくるすさん(ピクルス←訂正。ひらがなでしたね)こんにちは。
いっきさんは、温和な性格ですが面白いです。
仕事の事はよく分からないのですが、他の部分は才能がある(笑)。
何か形に残したいと思っています・・・クリエーチブな事で!
オイラは仕事なので、芸術志向は全くありませんツーか、
それはとっくに消化して、体内にあるものだと勘違いしています(笑)。
まぁ職業上、他人もそう見てくれるので楽といえば楽なんですけど。
投稿: tommy | 2009年8月 3日 (月) 04時39分
tommyさん。こんばんは。
ヴィンテージ・オーディオは未だに根強いファンがいるよですが、私はあまり興味はありません。
>でも、ああいう音は聴いておいた方がいいね。
>今のオーディオは、ああいう音はしないですからね。
そうですね。あんな音は聴きたくてもなかなか聴けないと思います。貴重な体験でした。ノーサンとヒノ・オーディオに感謝。
>やっぱりオイラは、打倒!パラゴンです。
それ、イイですね~。
パラゴンの音はコンシューマー・オーディオの最高の部類だと思います。特にジャズに合うところがグッド。
>「そうだ!ラファロでアナログ盤を売ろう!」
次々とアイディアが浮かんでトライするtommyさんは凄いと思います。
>何か形に残したいと思っています・・・クリエーチブな事で!
何かできるならうれしいし、楽しそう!
>それはとっくに消化して、体内にあるものだと勘違いしています(笑)。
私、「いーぐる」から出てきたtommyさんと近くの路上ですれちがったのが、ファースト・コンタクトです。その後お店で後藤さんからtommyさんを紹介されたのですが、そのファースト・コンタクトの瞬間、tommyさんなのかなっ?て思ったのと同時に、アートを感じましたよ(笑)。
投稿: いっき | 2009年8月 3日 (月) 19時56分
Tommyさん、こんばんは。
ぜひ形に残してください!私も楽しみにしてます
投稿: ぴくるす | 2009年8月 3日 (月) 21時05分