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エレクトリック・マイルスはイイ!そして作家平野啓一郎さんの「マイルス愛」!

今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「エレクトリック・マイルス特集」
ゲストは作家の 平野啓一郎 さん。

最初に雲さんからエレクトリック・マイルスの解説。
雲さんはちょっと興奮気味ですね(笑)。そして長~い。
平野さんからマイルスがなぜエレクトリック化したかの仮説があります。
You Play JAZZ?で配信されている収録風景をご覧下さい。
ココ
http://www.youplay-jazz.com/movies/view/568

バックに薄くマイシャがかかっていて、今回はなんかカッコイイです。

マイルスのソロのバックでハービー・ハンコックがピアノを弾かない演奏。
スペースを気にするマイルスが、ピアノのコードの塊がスペースを埋めて
しまうのを避け始めた頃の演奏。
『マイルス・スマイルズ』から《オービッツ》

この辺りから、硬いピアノの音をどうしようと思って、エレピを導入。
そのエレピの”ジワ~ッ”と広がる音を、平野さんは「リキッドな感じ」称しています。
雲さんが言うように、この表現が文学者ならではなのです。

この曲ではハービーのソロでさえ左手でコードを弾かず右手のみ。
平野さんはこういうところからも緊張感を感じる演奏だと言っています。

エレピのリキッドな感じを示す音源。
『イン・ア・サイレント・ウェイ』から《イッツ・アバウト・ザット・タイム》
途中フェード・アウト。

平野さんは、
「ピアノはシリアスで高級感がある。
音楽が変わっていくなかでそれが不要になっていく。
構造が明確になっていく。
リズムを細かくして音色を増やしていき、混沌へとつながる。」
と言っています。

平野さんは、流れで作品を見るのが好きだそうで、
それらを追って行くなかで何かを見つけていくのが好きだとか。

ここで、小説とのからみでマイルスの音楽を語ります。
You Play JAZZ?で配信されている収録風景をご覧下さい。
ココ
http://www.youplay-jazz.com/movies/view/568

平野さんは、冒頭で雲さんが言っていたのと同様に、
マイルスは知的好奇心を刺激するとも言っています。

エレピには攻撃な部分もあるということで、チックのエレピ
『ブラック・ビューティー』《パート1》
途中フェード・アウト。

かなりエグイ。
ロックが出てきて、でっかい会場でやったときのPAのでっかい音に影響。
そこではキーボードもこれくらいえぐくて攻撃的になる。
ピアノは上品になっちゃうから、アタック強くしても物足りなくなっちゃう。
なんて2人の会話があります。
You Play JAZZ?で配信されている収録風景をご覧下さい。
ココ
http://www.youplay-jazz.com/movies/view/568

ギターを導入する話。
ビッチェズ・ブリューはギターでカッティングはしていない。
ジミ・ヘンやJBからの影響もあり、リズムにギターを取り入れていく。
そういう演奏で平野さんオススメ。
《ブラック・サテン》のバリエーションで、スネアの”バシッ”が好きなこの曲。
『オンザ・コーナー』から《ワン・アンド・ワン》

平野さんは、「ロックとかファンクのビートを捻ったというより、
一から作ったんだろうと感じる。」と言います。
雲さんは、「打ち込みでは簡単にできるリズム・パターンを人力でやって、
ちょっとズレたりするのが面白い。」と言います。

雲さんは『パンゲア』よりどろどろなところが好きだという
『ダーク・メイガス』から《モジャ》
途中フェード・アウト。

平野さんは、
「ジャングルの中の混沌。ライブの尺が長くなって、時間感覚が変わっている。
これも麻薬の影響だろう。」
「ピンク・フロイドのシンセの演奏でも、餅みたいに時間が”ビローン”と伸びている。
これも麻薬の影響はあるだろう。」
と言っています。
「餅みたいに”ビローン”」なんて、面白い表現を使いますよね。
これをスピーカーの前で聴くときは気合を入れて聴かないといけないなんて話も。

ギターの話とマイルスに嵌った話。
『カインド・オブ・ブルー』でピンと来て、
アコースティックもエレクトリックも平行して聴いていたそうです。
You Play JAZZ?で配信されている収録風景をご覧下さい。
ココ
http://www.youplay-jazz.com/movies/view/568

ギターのジョン・マクラフリン入りオススメ。
『ジャック・ジョンソン』から《ライト・オフ》

新作『ドーン』の話。古平正義さんによる拘りぬいた装丁とのこと。
小説を読まない私なのですが、平野さんのホームページを見ていたら、
SF的な設定なようで、読んでみたくなりました。

今日は《ライト・オフ》でエンディングです。

<アフター・アワーズ編>

アコースティック・ピアノとエレクトリック・ピアノのニュアンスの違いを
ディレクター嬢のキーボードと雲さんのベースで実演。
『ソー・ホワット』の出だしのフレーズ。
よくわかりましたよ。

平野さんが「ベースの人はこのリフは弾きたいですよね。」なんて言います。
ここで雲さん持参のオリジナル・フレッドレス5弦ベースの話へ。
楽器をやるもの同志の会話です。
平野さんは今はギターを弾く暇がないそうで、
バンドをやるにしても、今は何の音楽をやりたいというのがないそうです。
またいつかやりたい音楽がみつかればバンドもやるかもとのことでした。
平野さんはマイケル・ジャクソンも好きということで、
話題は《ヒューマン・ネイチャー》へと。
マイルスの《ヒューマン・ネイチャー》は晩年テンポが速くなっているが、
平野さんは遅いほうが好きで、モントルー・ジャズ・フェスの頃が好き、
フォーリーが入ってからのやつはダメらしいです。
《タイム・アフター・タイム》はシンディー・ローパーよりマイルスの方が好きとのこと。
雲さんと意見が一致していました。

とりとめもない会話。楽しそうでしたよ(笑)。

「TALKIN’ ジャズ×文学」小川隆夫、平野啓一郎を読むと、
今回の放送で平野さんが語っていたことも出てきますので是非ご一読を。

今回の「エレクトリック・マイルス特集」は良かったですね~。
普通、『ブラック・ビューティー』『オン・ザ・コーナー』『ダーク・メイガス』
『ジャック・ジョンソン』なんてかかりませんよ(笑)。
マイルス好きな私としては平野さんのお話には頷けるものがありました。
そして、平野さんの語りからは「マイルス愛」が感じられて良かったです。

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コメント

いっきさん、おはようございます。

平野さんの「エレクトリック・マイルス特集」は、いい内容でしたね。
クオリティーは高かったと思います。
まぁ、そこまでのジャズファンがどれだけいるのかも気になるところですが、たまにはこういうのもいいと思います。
それにしても、平野さんは分析マニアです。「なぜ?」が気になるのでしょうね。んで、自分なりの結論に導いていく。
確かにそういうストーリーを組立てて、聴いて行くのは楽しいです。
かなり想像力がいる作業ですが・・・。


投稿: tommy | 2009年8月10日 (月) 05時59分

tommyさん。こんばんは。

>クオリティーは高かったと思います。

高かったです。

>まぁ、そこまでのジャズファンがどれだけいるのかも気になるところですが、たまにはこういうのもいいと思います。

たまにはいいんじゃないですか?これくらいの放送があっても。マイルスはコレくらいやってほしかったんです(笑)。

>それにしても、平野さんは分析マニアです。「なぜ?」が気になるのでしょうね。んで、自分なりの結論に導いていく。
>かなり想像力がいる作業ですが・・・。

このあたりが作家さんならではなのでしょうね。

投稿: いっき | 2009年8月11日 (火) 00時25分

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