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大西順子トリオのライブ・レポート(その1)

昨日見た大西順子トリオのライブは良かったです。

私はもともと大西さんをそれほど聴いてきたわけではありません。デビュー後凄く話題になったので、『ビレッジ・バンガードの大西順子』は買いまいたがそれきり。というのも、このアルバムを聴いてとても女性が弾いているとは思えずに驚いたものの、それほど惹かれたわけでないからです。今考えるとそれは、私がジャズから一番遠ざかっていた時期なので、大西さんの魅力がどうのこうのというより、私のジャズ離れによるところが大きかったのです。で、その後引退してしまったので、私の興味は別なところにいっていました。

そうこうしているうちに、大西さんが復帰したという話題が流れ、活動も本格化してアルバムも出すということになったので、これは聴かねばなるまいということになったわけです。で、甲府に来るというんですから、これは聴き逃すわけにはいきませんよねっ!ライブを見るからには事前に新譜『楽興の時』も買って学習。最初は意外と耳に入って来なかったので、「あれっ・・・」と、「何か期待しすぎちゃったかな?」なんて思いつつ何度か聴いているうちにだんだん見えてきました。で、昨日のライブとなったわけです。

Dscf0005 いつものとおりゆっくり出かけ、開場時間後に「桜座」に到着。お~っ、さすがは大西さん、結構入っているではありませか。やばいっ!いつも座る客席の中央あたりはもう埋まっています。しょうがないのでピアノ側の最前列端に座ることに。客席と言ってもここには椅子がなく、畳敷きの雛壇に薄い座布団を敷いて座って見ます。最前列はステージと同じ高さなので、座ると見上げる感じになります。

Dscf0003 こんな感じです。演奏中は撮影禁止なので、演奏前に撮りました。席を確保したので、開演までに生ビールを1杯、少量の枝豆(サービス)をつまみつつ飲み干しました(笑)。準備万端整いました!お客さんは60~70人、かなりの入りです。若い女性も結構来ていましたよ。

楽器セッティングが変わっていますね~。向かって右にピアノ、中央にベース、左にドラムなのですが、ピアノが右を向いているので、ベースとドラムに背を向けて演奏することになります。ピアノ・トリオでこんなの初めてです。普通はベースとドラムが視線に入るようにセッティングするんですがね~面白い!そしてこれも変わっているんですが、ピアノの脇に自分用のプレイバック・モニター・スピーカーを置いているんですよ。そのマイクはピアノの中に向けられていました。

前置きが長くなりました。開演です(笑)!

大西さんは白いパンツと白いシャツに薄い上着を羽織っていました。色白です。白が似合いますね~。クール&ビューティーな大西さん。写真より実物のほうが美人でした。ベースは井上陽介さん(新譜に参加)、ドラムは原大力さんです。

黙って座って1曲目の始まりです。大西さんの「アンッ、アンッ、アンアンアンッ」のテンポ指示がカッコイイ!てっきり新譜初っ端の《ハット・アンド・ベアード》かと思ったら、大西さんオリジナル曲《バック・イン・ザ・デイズ》でした。最初は様子見って感じですね。

で、思ったのがアルバムと同じだってこと。同じ曲なのでそれは当たり前だろうと思われる方がいるかもしれませんが、ジャズの場合、ライブではテーマー部が同じでもその後の展開やソロのニュアンスが結構異なる場合も多いのです。どうやら構成がかなり決められているようです。楽譜を見ながら演奏していることからもそれは感じられました。レギュラーバンドでありながら、リーダーが楽譜を見ながら演奏するというのもジャズとしては珍しいんじゃないでしょうか?

それからダンパ・ペダルを多用していました。テーマ部は使いっぱなしで、ソロに入っても結構使っていましたよ。曲によってはソフト・ペダルも使っていました。なんでペダルが気になったかというと、目線が低いんで嫌でも目に入ってくるんです。覆うところが少ない銀色の派手なミュールを履いていて、色白の足でペダルを踏むのが凄くかわいく見えたので余計気になりました(笑)。

大西さんのピアノの音はクリアではありますがまろやかです。で、タッチはしっかりしていて重厚です。CDの音のとおりでした。ライブでありながらCDを聴いている感じが面白かったです。もちろん迫力はCDとは比べ物になりませんが。

曲が終わってMC。「多くの人が来てくれて嬉しいです。」とファンへのサービス発言はこれくらい、あとはメンバー紹介と曲紹介のみの素っ気ないものでした(笑)。私は別にトークは期待しないのでこれで充分。演奏さえ良ければ良いのです。

続く2曲は《ビタースイート》《楽興の時》。こちらもアルバムどおりの演奏でした。私は、前者の印象的なベース・ラインにのってニュアンス溢れるメロディーを紡ぐところが良いと思っています。後者は今時のヨーロピアンなピアノのニュアンスが聴けるのが良いですね。私はこの曲がお気に入りです。ほのかな翳りと哀愁を湛えたメロディーが心に染みてくるんです。ベタですみません(笑)。演奏後半の盛り上げも気持ち良いですよね。今回のアルバムでもこういう落着いた演奏に大西さんの成長を感じている私です。

続けてキターッ!第一部のハイライト。《ソー・ロング・エリック~》です。アルバムのボーナス・トラックのやつです。これはかなり気合が入っていました。最初は軽快なバップ演奏、手馴れた感じで淀みなく弾いていきます。ドラムの原さんも「ア~ッ!」とアルバムと同じような声を発していましたよ。ここも演出されているんでしょうか(笑)?

途中しばらくの3拍子を挟んだ後で一挙にテンポアップ!テンポアップの瞬間ベースとドラムがちょっとついていけない感じだったのは何?ここからが圧巻でした。ベースもドラムもそっちのけで大西さんはぶっ飛ばしていきました。この速弾きには参りましたよ。単に速いだけじゃなくてキレがあって重さを保っているんです。重くて速いからそのインパクトは強烈なんです。ピアノの近くで聴いていたのもあって、かなりの迫力!結構心臓にきました(笑)。

この演奏に関しては、CDで聴くのは足元にも及びません。ライブでの体感は5割り増し、いやっ、2倍の迫力でした。曲の途中でメンバー紹介。これってやっぱりアルバムと同じタイミングですね~。う~ん、帰ってきてアルバムを聴いて思ったのですが、これらの演奏はかなりパッケージングされいるみたいです。パッケージングされているから完成度は高いんですが、もう少し自由度がほしいような・・・。これって私のわがままですよねっ(笑)。

ここまでで第一部が終了。いや~っ、大西さんのピアノ。迷いがなくて実に堂々としていました。引退雲隠れしていたなんで信じられません。これまで何人かの女性ジャズ・ピアニストを見ましたが、存在感はこの人がピカ一!演奏中の表情がまた凛々しいんですよ。実にイイッ!

それから、演奏中に自己陶酔するようなところはありませんでした。姿勢はあまり崩さないし、表情も終始クールでポーカーフェイス。ベース・ドラムの方を振り返って’ニッコリ’は2回くらいしかありませんでした。かなり演奏が白熱してもどこか覚めたような感じが漂っていました。知性と感情のバランスが独特な感じなんです。

今日はここまで、第2部は明日書きます。

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