この双子は只者じゃない!
昨日ちょっと出ていたやつらのアルバムを紹介しておきましょう。
まずは、ムタン・リユニオン・カルテットの『レッド・ムーン』(2003年rec. nocturne)です。メンバーはフランソワ・ムタン(b)、ルイ・ムタン(ds)、バティスト・トロティニョン(p)、リック・マギッツア(ts)です。フランソワ&ルイのムタン兄弟は双子です。
兄弟でベースとドラムをやるって、なんかカッコ良いと思いませんか?1人がピアノとかホーンをやるならありがちだと思うのですが、2人そろって裏方リズムっていうのが粋です(笑)。
こいつらかなりヤバイです。まずフランソワのベースが強靭の一言に尽きます。ヨーロッパのベーシストだけあってテクニックは凄いのですが、テクニックに走らずにブリンブリンとベースを掻きむしります。真中にドンと居座るベース音を聴いていると惚れ惚れします。
ルイのドラムはレスポンスとフレキシビリティ重視。リスムを細分化しつつ強靭なベースに柔軟にからんでいきます。どちらかと言えば軽いかもしれませんが、しっかり地に足がついたリズムで安定感は抜群です。
この2人のコンビネーションが作り出すリズムは、重くも軽くもなく丁度いい按配でドライヴ感に溢れています。そんなリズムにからむピアノがトロティニョン。この人のアルバム『FRUID』はピアノ・トリオ・ファンの間で結構人気がありますよね。ヨーロッパ系のクラシックも心得たうえでの、現代的なハーモニー・センスでスマートなピアノを弾く人です。
テナーのマーギッツアは、マイケル・ブレッカーに通じる現代コルトレーン系サックス奏者です。ゴリゴリはないので物足りないかもしれませんが、スマートなフレージングでの落着いたプレーはこのバンドにとてもよくマッチしています。
このアルバムはほぼムタン兄弟が作曲しています。トロティニョンやマーギッツアだって良い曲を作るのにここでは一切演奏していません。そのムタン兄弟の曲がかなりカッコイイのです。コンテンポラリー・ジャズの理想系かも?甘い美メロでもなく、難解なアブストラクトでもなく、ブルージーでもなく、都会的でフランスのエスプリ(また出た、笑)に溢れた曲だと思います。私は好きだな~、こういうの。特に《テイキング・オフ》でのリズムが変化したところのメロディーなんかは、く~うっ、たまらん!です(笑)。
このアルバム、一言でいうなら新主流派の温度感をもう少し高くして甘さをまぶした感じです。私はお気に入りです。
ついでにもう1枚。同じくムタン・リユニオン・カルテットの『サムシング・ライク・ナウ』(2005年rec. nocturne)です。メンバーは、フランソワ・ムタン(b)、ルイ・ムタン(ds)、ピエール・ド・ベスマン(p,rhodes)、リック・マギッツア(ts)です。ピアノがベスマンにチェンジしましたが、内容的には上記アルバムとほとんど同じです。んっ、でも温度感は更に上昇。
このアルバムも1曲を除いてムタン兄弟が作曲していて、相変わらず私好みの曲満載です(笑)。除いた1曲はなんとチャーリー・パーカーの曲で、《コンファーメーション》から始まる《バーズ・メドレー》。それもムタン兄弟のベース&ドラムのデュオ。このデュオがまたユニークな演奏なのです。なかなかのセンスだと思います。
最後に、ジャケット写真を見て下さい。パリの街?を並んで歩いているのがムタン兄弟。ハンサムぅ~&不良してます。この2人がやっているんだからカッコイイに決まっているじゃないですか?えっ、皆さん!ムタン兄弟恐るべし(笑)!
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