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この2枚を皆さんに問う?

今日の最高気温は37℃!
私の住んでいる山梨県甲府市は日本一気温が高かったのです。
年に何回か日本一暑い日があるんですよ。
暑くて嫌なんだけど、日本一っていうのがなんか誇らしい(笑)?

今日はこの2枚を皆さんに問う(笑)?

P78 まずは、スティーヴ・リーマン『オン・ミーニング』(2007年rec. PI RECORDINGS)です。メンバーは、スティーヴ・リーマン(as)、ジョナサン・フィンレイソン(tp)、クリス・ディングマン(vib)、ドリュー・グレス(b)、タイション・ソーリー(ds)です。全45分の短さが潔し。

実はこれ、昨日紹介したリーマンの『トラヴェイル,トランスフォーメーション,アンド・フロー』を買おうと思っていたのに、しばらく前に勘違いして買ってしまった去年のアルバムです。このメンバーはリーマンのレギュラー・クインテット。『トラヴェイル,~』は、このメンバーにテナーとトロンボーンとチューバを加えて、音に厚みを増したりサウンドに変化をつけたりしているというわけ。

このクインテットの楽器構成。まさにエリック・ドルフィー『アウト・トゥ・ランチ』です。個性的なアルト奏者がリーダーであること、ヴァイブがサウンドに独特のクールさをもたらしていること、片やトニー・ウィリアムス、片やタイション・ソーリーという切れ味鋭いドラマーがいること、アドリブも含め全体のサウンドを意識した楽曲、と何やら共通項が見えてくるのが興味深いです。

リーマンは、ジャッキー・マクリーンとアンソニー・ブラクストンに師事した経験があるのだとか、感情的なマクリーンと理知的なブラクストンに師事したとは面白いではありませんか。両極を知っておこうということだったのかもしれません。そういう経験をした上で、今のジャズを演奏するリーマン。要注意アルトだと思いませんか?

私はこのアルバムも昨日紹介したアルバムも、どこか心惹かれるところがあるのです。パッと聴いただけでは、捉え方が難しそうなこのアルバム。色々な人に聴いてもらって、感想を聞きたいものです。

アルバム名:『On Meaning』
メンバー:
Steve Lehman(as)
Jonathan Finlayson(tp)
Chris Dingman(vib)
Drew Gress(b)
Tyshawn Sorey(ds)

P79 次は、アイヴィン・オプスヴィーク『オーバーシーズⅢ』(2007年rec. loyal label)です。メンバーは、ジェイコブ・サックス(p,falrisa org,celeste,wurlizer,rhodes)、トニー・マラビー(ts)、ケニー・ウォルスン(ds,cymbals,gongs,timpani)、ラリー・キャンベル(pedal steel guitar)、ジェフ・デイビス(vib,xylophone)、アイヴィン・オプスヴィーク(b,tack piano)です。

これは、ジャズ喫茶「いーぐる」の「2008年上半期の新譜特集」で紹介された1枚なのですが、ず~っと日本販売しなくて、ようやく先月ディスクユニオンの店頭に並んだものです。『オーバーシーズ』『オーバーシーズⅡ』はフレッシュ・サウンド・ニュー・タレントから出たので入手しやすかったのですが、今回はマイナー・レーベルなので、輸入に時間がかかったのでしょう。

「これがジャズ?」って言う人いるでしょうね。1曲目『ニール』は、レイジーな8ビートにのって、ロック系で使われるエレピ:ウーリツァで長閑なメロディーを弾き、それにペダル・スティールがからむ展開です。途中から入るマラビー(また出ました、笑)のテナーが何とかジャズの雰囲気を感じさせるくらいです。テナーもアドリブではなくて作曲されたものを吹いている感じです。中盤ヴァイブやシンセの効果音が少々出てくるのですが、あくまで味付け程度。

2曲目『エバーシーズ』はスペイシーで荘厳な楽曲。ティンパニーがバックに薄く鳴り、エレピとテナーがフレーズの断片を丁寧に重ねていくのは、まさに映画のサウンドトラックです。3曲目『シルヴァー』はペダル・スティールのハワイアン?のようなトロピカルなメロディーから入るカントリー調。ジェイコブのイマジネイティブなエレピ・ソロとマラビーのスケール大きいテナー・ソロが楽しめます。

4曲目『ジンジャー・ロジャース』は静かで乙女チックなかわいい感じから、ちょっと不安をはさみ、だんだん勇壮になり”決意”から落着いていくみたいな展開(笑)のサウンドトラック。5曲目はオルガンが活躍するロック・ナンバー。ここではマラビーの痛快爆裂サックスが聴けるのですが、曲が4分少々と短いのが何とも残念。これはロックでしょっ。魂こもってます(笑)。

6曲目『ウィフ・オブ・ウッド』はまた荘厳&スペイシーなサウンドトラック。そしてラスト7曲目はカントリー/ロック&サウンドトラックの長尺曲。いわゆる”ジャズ”ではないんですよね。やっぱりこれ。ポスト・ロック系ファンにオススメという声も。でもです。ここにある表現はかなり深いものだと感じるのです。

もう1つ言っておかねば、エンジニアのヘンリー・ハーシュはレニー・クラビッツなんかも担当する人で、60年代アナログサウンドを狙っているらしいです。乾いた粗い感じの肌触りのサウンドはロックっぽくてなかなか心地良いです。

私、別にジャズじゃなくても良いんですよね。面白ければ。これも色々な人に聴いてもらって、感想を聞きたいものです。

アルバム名:『OVERSEASⅢ』
メンバー:
Jacob Sacks(p, farfisa org, celeste, Wurlizer, fender rhodes)
Tony Malaby(ts)
Kenny Wollesen(ds, cymbals, gongs, timpani)
Larry Campbell(pedal steel guitar)
Jeff Davis(vib, xylophone)
Eivind Opsvik(b, tack piano)

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コメント

いっきさん、こんにちは。

これは新鮮でした。全然知らないス!(笑)。
それにしても、最近のジャケットがインテリア系のビジャアルというか、テキスタイルな柄が多くなっているんが気掛かりですね。見る側に感情を持たせないデザインが多くなっています。昨日、一昨日のジャケットもその傾向ですね、
なんだろう?この音や匂いを全て消したようなビジュアルは?
ん〜、研究の余地がありますね。

投稿: tommy | 2009年7月17日 (金) 04時30分

tommyさん。こんばんは。

この辺も結構面白いですよ。
デザインですが、リーマンは音楽と同じでジャケトも抽象的なんじゃないかと思います。
オプスヴィークはナチュラル思考がありますから、この森のジャケットなんだと思います。

>なんだろう?この音や匂いを全て消したようなビジュアルは?

ある意味、こういうビジュアルにあうようなジャズなんですよ。この辺の感覚は、昔のいわゆるジャズの持つ匂いはないということだと、私は思います。

投稿: いっき | 2009年7月17日 (金) 19時48分

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