プリアンプ改造終了!
先週だったっかな?オーディオの虫がうずいてしょうがないって書いたのは。
それでず~っと前から懸案だったプリアンプを改造したいと書きました。
ハハハッ、改造してしまいました(笑)!
今回はかなり満足がいく結果になり、気を良くしています。
そのプリアンプの改造内容とは?
一時期はオペアンプを使ってしまおうかとも思っていました。それでもなお色々ネット検索していたのですが、最近の自作記事は真空管を使ったものばかり、これはダメかな~と、一時はあきらめかけていました。そうしたら、ありましたよ。ぺるけさんという方が運営している 情熱の真空管 という知る人ぞ知るサイトです。
ここにある 「FET式差動ライン・プリ・アンプ」 を作ることにしました。
何が良いかって?回路が簡単なことです。私はあまり複雑な回路は好みません。だからFET2個の1段増幅というシンプルな回路に惚れたのです。”ビビッ”ときましたよ!問題はFETを選別してペアを作らなければならないことです。
問題はあっさり解決。ぺるけさんが選別ペアFETを頒布して下さっているのです。早速メールして注文しました。丁寧かつ簡潔な対応をしていただき気持ち良かったです。ご覧のとおりの気配りもさすがです。上が選別ペアFETで下が定電流用FET。私は念のため2組分注文しました。何しろ半導体を使った工作はかなり久しぶりなので、FETをうっかりあの世に送ってしまう可能性があったからです(笑)。
回路基板は2枚自作しました。まずは電源基板。コンデンサと抵抗だけの簡単な回路です。コンデンサは真空管アンプを作った時のものを流用。セラファインとブラックゲートのノンポーラ。抵抗は秋葉原千石通商で売っている金属皮膜抵抗1/2W誤差1%です。電圧を分割するので正確な値の抵抗がほしかったのです。部品の足で配線することを基本として、足りないところは錫メッキ銅線を使っています。一応左右分離しました。
こちらはアンプ基板。電解コンデンサはミューズ。音声信号が通るので高級なものを使いました。フィルム・コンデンサはERO。抵抗は秋葉原海神無線で売っている音響用金属皮膜抵抗1/2W誤差1%。この抵抗は製造中止なんだとか、売り切れの値のところにはKOAの金皮抵抗が置いてありました。私お気に入りのデールの金皮抵抗も同様に製造中止だとか。自作派にとっては年々厳しい状況になっている気がします。こちらも基本は部品の足で配線して、足りないところは錫メッキ銅線を使っています。
基板作りは大変でした。最近老眼なので、ランドが光ってどこがどこだかよくわからないのです。大体の感覚で半田付けして、接触の有無と半田ののり具合をいちいち虫メガネで確認しながら作業する始末です(笑)。ここはきっちりしておかないと後々のトラブルになるので手は抜けません。ご覧のとおりの簡単な回路ですので、それほど時間はかかりませんでした。それでも付近のランドに余分な半田が付いたりして、半田吸い取りでとったりしたのでちょっとお恥ずかしい仕上がり具合です(涙)。
ケース、入力セレクタ、ボリュームは元のプリアンプのものを使用。ケースはタカチ製、セレクタはセイデン製、ボリュームは東京光音電波の受注生産アッテネータです。取り付け穴も出来るだけ前のものを生かして、必要最小限の穴開けをしました。
今回電源の仕様が全く変わってしまったので、電源トランスと安定化電源を新規購入しました。電源トランスは必要容量より大き目のものをセレクト。ただしこの手の小型のやつはシールドとかはないので、アルミ板で静電シールドくらいは取り付けました。安定化電源は秋葉原千石電商で売っている組立て済みのものです。
もともと余裕ある大きめのケースに入れていたので、中はご覧のとおりのスカスカ。入力コネクタからセレクタまではシールド線を使っていないので、トランスが近くにあるとノイズを拾う可能性大。なのでこのくらいが丁度良い大きさだと思います。
最初に電源部のみ取り付けて電圧を確認し、その後アンプ基板を取り付けて再度電圧を確認しました。と言っても確認するのは数箇所のみなので超簡単。さて、ここで一応アンプの特性を調べておくことにしましょう。
特性を調べると言っても、正弦波と矩形波を入れてその出力波形を確認するだけのことです。今まで真空管アンプをたくさん作ったので、これだけ確認しておけば特に問題はありません。発信器は日本オーディオの計測器RC-1Sを使っています。この計測器は歪み率の測定もできます。オシロスコープは秋葉原計測器ランドで買った韓国製の一番安いものです。オーディオ信号ならこの程度のオシロで十分。アンプを自作するならこの程度の測定器は揃えておきたいものです。
正弦波の方は見ても面白くないので、矩形波の結果だけのせておきます。左から100Hz、1KHz、10KHzです。100Hzにサグはないので低域特性は充分です。1KHzは全く問題なし。10KHzは少しなまっていますが、この程度ならオーディオ帯域は充分確保されています。オーバーシュート、アンダーシュート、リンギングがないので高域は素直に減衰しているはずです。
いよいよ音出しとなります。今使っているのはプリメインアンプA-10Ⅲ。プリとメインを分離してパワーアンプとして使います。このアンプの入力インピーダンスが低いので、以前のプリアンプでは難儀したのですが、今回はいかに?ちょうど良いくらいのゲイン(利得)でした。私が希望する程度のボリューム角度で適度な音量を確保できます。ノイズはいかに?スピーカーに耳を近づけてやっと残留ノイズが聴こえるかどうかくらい。なかなか良好です。
さて、肝心の音。まあ、こんな簡単な回路なので特筆するようなものはないのですが、いたって素直でクリヤな音です。セパレーションも良好。これで良いのです。パーツも少ないので音響用の部品を使えばまっとうな音が出るのは当たり前ですね。まだエージングが足りないのでちょっと粗さがありますが、エージングが進めば良い結果が得られそうです。ムフフッ、私好み!
* その後順調にエージングは進み、素直でクリヤな音質にほのかな艶が乗って良い感じになりました。メインシステムのプリアンプとして愛用しています。
今回のプリアンプ改造は大成功!
簡単にしてシンプルなオーディオを楽しむ。
それでいいじゃありませんか?
私にはハイエンドオーディオは無用なのです。
| 固定リンク
「オーディオ」カテゴリの記事
- TA-3650のつづき(2023.03.25)
- ジャンクアンプの続き(2023.02.12)
- 久しぶりにジャンクアンプを買いました。(2023.02.05)
- アンプのパワートランジスタを交換(2021.01.24)
- ツイーターの修理(2021.01.11)
コメント
いっきさん、こんにちは。
おっ!楽しそうな事をやっていますね〜。
知識と電気技術がある人が羨ましい〜です。
自分で作るツーのは、何よりも楽しいですからね。
オイラはエレベ用スピーカーを制作中です(木工派)。
20センチユニット2個入り、今度紹介しま〜す。
投稿: tommy | 2009年7月 6日 (月) 16時51分
tommyさん。こんばんは。
もう病気ですね。1年に何回か物を作らないと狂い死にしてしまいます(笑)。でも去年は300Bアンプの改造しかやらなかったし、今年はこれが初めてなので、回数はめっきり減っています。
電子工作は小6くらいからやっていますから、もうかれこれ34年(途中ブランク有)。実はこの趣味が一番長いんですよ。
エレベ用スピーカー工作も楽しそうですね~。私は逆に木工する作業スペース(騒音問題も含め)がないのでtommyさんが羨ましいです。
工作過程を是非紹介してください。
投稿: いっき | 2009年7月 6日 (月) 20時12分