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2009年7月

この時期にぴったりサマー・タイム

今日は「高野 雲の快楽ジャズ通信」の再放送。
「サマー・タイム特集」でした。
詳しいことは 「快楽ジャズ通信」 を参照願います。

雲さんはジャニス・ジョップリンが歌う《サマー・タイム》から入ったそうです。
ジャニスの絶叫が良いとか。雲さんらしいですね~。

最初に《サマー・タイム》の説明がありました。
この曲は、ジョージ・ガーシュウィンの黒人オペラ「ポーギーとベス」の第一幕で
歌われる子守唄です。

まずは、曲の輪郭を掴みやすい、クールなマイルスのトランペット。
マイルス・デイビス『ポーギーとベス』から。

ギル・エバンス・オーケストラの淡いアンサンブルが良いです。
その上でクールで気高い感じのマイルスのミュートが冴えますね。
この二人ならではの都会的な響きがあります。
(以後緑字は私の曲を聴いての感想などです。)

雲さんはこのマイルスのトランペットにさまざまなニュアンスが込められていると
言っています。なるほど、そう聴きますか~。

エラ・フィッツジェラルドルイ・アームストロング『ポーギーとベス』から。
エラが歌うと芸術性が高い立派な感じになるとのこと。

こちらは黒人オペラを感じさせますね。
サッチモのしわがれ声も中々渋いんじゃないでしょうか。

雲さんはこれを聴くとお腹一杯だそうです(笑)。

ここでちょっとマメ知識。
《セントルイス・ブルース》と頭の部分が似ているとのこと。
なるほど確かにそうですね。
詳しいことは雲さんのブログを見てね!

貧しい黒人、うらぶれた感じ、シドニー・ベシェ『ブルーノート・イヤーズ』から。

これはまた何とも素朴というかしみじみですな~(笑)。
たまにはこんなのも面白いですね。

雲さん、「昔のアメリカにタイムスリップした感じ。」と言います。
ソプラノ・サックスがクラリネットの音に似ていて物憂げです。

ピアノ・トリオの《サマー・タイム》はやっぱりこれでしょう。
ウォルター・ビショップJr.『ザ・ウォルター・ビショップ・トリオ』から。

これはブルージーな感じがにじみ出ていますね~。

《サマー・タイム》は構造がブルースに似ているとか。

アート・ペッパー『モダン・アート』から。輸入盤CDのボーナス・トラック。
咽び泣く、すすり泣くペッパー。最後に一発号泣するところあり。
今回一番異色で、雲さんが個人的に一番好きな演奏かもしれないそうです。

切々と歌い上げるペッパーは最高だと思います。
私もかなり気に入りました。

「まさに夏向きなんじゃないでしょうか。」と雲さん。
確かにそうですね。

デューク・エリントン『デューク・エリントン・プレゼンツ』から。
コテコテ、重厚、偉そう、ベートーベンみたいな(笑)。
これを最初に聴いて、エリントン嫌いになった時期があったとか。
出だしは重厚なのですが、キャット・アンダーソンのトランペットなど
中盤は聴きやすく聴き所が多いそうです。

確かにこの出だしは引きます。
何か昔の日本の怪獣映画の最初の曲みたいだと、私は感じました。

最後は現代風アーバンなすっきりアレンジ。
寺井尚子『ピュア・モーメント』から。
エレキベースは雲さんのベースの師匠池田達也さん。
ベース・ラインがこの演奏の曲調を決めています。

前に私が寺井さんのこのアルバムを紹介したときに、
「この曲の小気味良いリズムアレンジは快適快適。」と書いています。
爽やかにして快適です。
まさに「日本の夏、金鳥の夏」ですねっ(笑)!

<アフター・アワーズ編>

番組エンディングテーマ、コルトレーンの《エブリタイム・ウィー・セイ・グッバイ》の
次に入っている《サマー・タイム》もちょっとかかりました。
これは『マイ・フィバリット・シングス』のCDの場合の話。レコードはA/B面です。
今日の放送は本編の収録時間が短くて、エンディングを全部かけ、
まだ時間が余ったから次の曲がかかったのかと思ったら、
なるほど<アフター・アワーズ編>へのつなぎの演出だったんですね。

今日本編でかかったもので私が持っているのは寺井さんのやつだけでした。
私の『モダン・アート』はレコードなので、《サマー・タイム》は入っていません。
色々なヴァージョンの演奏があるものなんですね~。
なかなか楽しい選曲でした。
マイルスの『ポーギーとベス』はレコードを入手したいです。

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今、クリポタ聴かなきゃやばいでしょ!

クリポタって知ってますよね?
そうです。現代最強テナー奏者の1人、クリス・ポッターのことです。
今、この人聴かなきゃジャズ・ファンとは言えません!
いきなり強気発言(笑)。

P89 新譜出ましたね。クリス・ポッター・アンダーグラウンド『ウルトラハング』(2009年、artistShare)です。メンバーは、クリス・ポッター(ts,b-cl)、クレイグ・テイボーン(Rhodes)、アダム・ロジャース(g)、ネイト・スミス(ds)です。このメンバーでの3作目。

今回はArtistShareから出たので、入手に手間取る方もいるんでしょうね。私はこの前のジャズ・ミーティングの時に吉祥寺のディスクユニオンで買いました。普通の輸入盤より高めなのは、このレーベルなのでしょうがありません。ホームページにアクセスすれば特典があるのですが、英語が苦手な私には宝の持ち腐れってやつです(笑)。

このアルバムは、ウェブ・マガジンcom-post「注目作クロスレビュー」
お題なのでコチラをご覧下さい。
http://com-post.jp/index.php?itemid=333

さて、前回は同メンバーによるライブ盤『フォロウ・ザ・レッド・ライン』だったのですが、今回はスタジオ録音。やっぱりと言えばやっぱり、ライブの勢いはありません。とは言え、上記クロスレビューでも皆さんが指摘していますが、グループとしてのまとまりはこちらのほうが上だと思います。

益子さんのクロスレビューによると、このグループには「ベースレスでファンクは可能か?」というクリポタの課題設定があるとのこと。で、聴いてみると、テイボーンがローズでベースライン的なものを弾いているので、ベースレスはあまり意識せずに済みます。

この編成、ちょっと考えるとオルガン・カルテット(オルガン、サックス、ギター、ドラム)の現代版と考えられなくもないのです。その昔ジミー・スミスもオルガン・カルテットでファンキーな演奏をしていました。クリポタのこのバンドもファンクってことでは、ジャズの伝統につながっているわけです。とは言っても、ファンキー/ファンクの質が全然違いますが。

ここでのファンクって、私はマイルス~M-BASE(ブルックリン派)の延長上に位置するものだと思っています。このアルバムの3曲目《rumples》を聴いて思ったのです。この曲どこかで聴いたことがあるような曲だと。思い出しましたよ。ゲイリー・トーマス『バイ・エニー・ミーンズ・ネセサリー』の初っ端タイトル曲、それです。ギターのジョンスコがゲスト参加しています。デニチェンのドラムがキレキレでカッコイイ。《バイ・エニー・ミーンズ・ネセサリー》を聴いた後に《rumples》を聴くと、ロジャースのギターが何となくジョンスコに聴こえてきます。コレホント(笑)!影響関係が垣間見られます。

私はこの手のファンクが大好きなので、クリポタのグループがやっている音楽にかなり好意的です。でも一番の魅力はクリポタの現代的なラインでの強靭なブローにあることは言うまでもありません。クリポタさん、バス・クラリネットもイイ味出していますね~。テイボーンのワイルドなローズ(ソロ少な目が残念)、ロジャースのロック&ブルースなギター、スミスの安定したファンク・グルーヴ、カッコイイです。

クロスレビューで原田さんが「楽曲の中では3曲目(上記《rumples》ねっ!)と7曲目が断然いい。」と言っているけれど、私も同じことを思いました。それから4曲目ボブ・ディランの《イット・エイント・ミー・ベイブ》をバスクラでやるって発想。これって、マイケル・ムーア『宝石と双眼鏡~ボブ・ディランの音楽』と同じなんじゃないですか?

何か最近は色々なものがつながって見えるようになってきたような?

Suzuckさまが素敵なアルバム評を書いていますので、是非↓
http://plaza.rakuten.co.jp/mysecretroom/diary/200908020000/#comment

アルバム名:『ultrahang』
メンバー:
Chris Potter(ts, b-cl)
Craig Taborn(fender rhodes)
Adam Rogers(g)
Nate Smith(ds)

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分かる人には面白い?

これ聴いていて思わずニンマリしてしまいました。
分かる人には面白いんじゃないかと思うのですがいかがでしょう?

菊地成孔(ss,ts)南博(p)のデュオでタイトルが『花と水』だから、一体どんなことをやっているのだろうと興味がありました。アルバムの構成は、ショター、マイルス、ミンガス、バッハなどの曲の間に、イントロのような小品が入ったものになっています。椎名林檎のアレンジもしている斉藤ネコアレンジのストリングスが加わった曲もあります。

で、聴き始めてしばらくすると「あれっ?」となったのです。聴き進んで8曲目の《オレンジ色は彼女の色》を聴いて「なるほど!」と思いましたね。菊地さん。多分自分の好きなアルバムの好きな曲を取り上げて、その世界を再現しているんだと思います。

そのアルバムを挙げていきましょう。
《フォール》 : マイルスの『ネフェルティティ』の同曲。
《ブルー・イン・グリーン》 : マイルスの『カインド・オブ・ブルー』の同曲。
《オレンジ色は彼女の色》 : ギル・エバンスの
 『ライブ・アット・ザ・パブリック・シアター、ニューヨーク1980 vol.2』の同曲。
《ラッシュ・ライフ》 : ジョン・コルトレーンの同アルバムの同曲。
《ユー・マスト・ビリーブ・イン・スプリング》 : ビル・エバンスの同アルバムの同曲。
といった具合です。

私はクラシックに詳しくないのでよくわかりませんが、
バッハの《チェンバロ協奏曲 第五番 ヘ短調 第二楽章: ラルゴ》にも、元ネタがあるんじゃないかと思っています。

それにしても、2人だけでそれぞれの世界をよく再現していると思うのです。フレーズとかをコピーしているわけではないんですよ。醸し出している雰囲気が元ネタを聴いているような気分にさせてくれるのです。このお2人、さすがによく研究していると思います。

さて、上記の曲と小品以外に菊地さん作の《花と水》があるのですが、これが何と言いましょうか、耳に残らないんですよ。ここに現代のジャズ・ミュージシャンが抱える問題があるのではないかと思ってしまうのです。

スイングジャーナル6月号の「解明!ジャズ素朴な疑問コーナー」、「ジャズの歴史を知ろう」(77) 90年代にデビューした二人のスターって?(2)の中で、村井康司さんが以下のようなことを書いています。
「さまざまな先人たちの「個性」を学び、それらをある種の抽象化作業を行って統合する。ということがウイントンやロバーノやジョシュアの方法だとしたら、彼らの音楽がどこか冷静な感触を帯びてしまうのは当然のことだと言えましょう。」

これって、菊地さん作《花と水》にも同じことが言えるんじゃないかと思うのです。その冷静(クールで抽象的)な感触が、ジャズ・ジャイアンツの再現の中において、《花と水》の印象を薄くしてしまっていて、だから耳に残らないのではないかと?

このアルバムを聴いて色々考えさせられた私なのですが、これは私のジャズ病(笑)。普通に聴けば、キレイな音色のソプラノ&テナー・サックスと落着いて粒立ちの良い音のピアノによる、心地良く聴き応えのあるデュオ・アルバムになっていると思います。

菊地さんが『花と水』考を書いていたりするのですが、例によって、「純日本人ではない日本人による華/茶道」とか、YMOがどうのとか、ジャポニズムの欠如がどうのとか、ユースカルチャーにおける虚勢がどうのとか、訳が分からない面白文となっています(笑)。

*****

雲さんからコメントをいただきました。どうもです。

このアルバムに関する菊地さんのインタビューにあったのですね。
http://openers.jp/culture/lounge_interview/kikuchi01.html

読むと、このアルバムはカヴァーと即興で構成されているとのこと。

つまり、上記で私が元ネタを示した曲が、カヴァー。
イントロのような小品が、即興。

カヴァーだから、元ネタ曲の雰囲気に沿って演奏しているんですね~。なぁんだ!
いかにもわかったようなことを書いた私が恥ずかしい。

選曲基準は、テーマ「ジャズ・ジャポネズム」。
単に菊地さんが好きな曲を選んだと、私は思ったのですが・・・(笑)。

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ギターの音色。

昨日はブログを更新しなかったのにアクセスが多かったので、どうしたのかと思ったら、tommyさんがご自信のブログ Tommy's Jazz Caf'e に私のことを書いて下さっていたからなんですね。どうもありがとうございます。

一昨日、「PCMジャズ喫茶」での岩浪さんの「メセニー嫌い発言」に私が怒ったことに、tommyさんと雲さんから面白いコメントをいただいたので転記します。

tommyさん。

岩浪さんは職業上それでは困るが、
一般的にはメセニーを聴かないオジサンは多いと思う。
オイラもジョンスコは苦手だし・・・音色がね(笑)。
確かにウエスが好きで、ジョー・パスが好きなんだけど、
ラルフ・タウナー、ジョン・アバークロンビー、
アル・ディ・メオラの方がメセニーよりは好きなんだよ。
好きなギタリストには順番がある(笑)。
それは、どれだけ聴いたかにもよると思うけど。
オイラの場合は単純で、「オイラもそう弾きたい」と
思える人が好きなの。ギターとベースだけはね(笑)。

でも、どっちにしろ苦手はあると思う(笑)。
「うわぁ、それ苦手で〜す」もイイかも?と最近は思う。
いづれ聴く機会がやってくるから・・・。
最初苦手な方が好きになったらディープなんだよ(笑)。

雲さん。

岩浪さんは、タイニー・グライムスが好きですからね(笑)。
理由は音の太さ。

ギターの音色って様々だから、音色によって好き嫌いってすごく分かれると思うし、実際、tommyさんがジョンスコのことを嫌いなのも、たしか音色が理由だったと思います。
寺島さんもウェスを嫌いな理由に「ポクポクした音色」と、やっぱり音色を理由に挙げていますから。

平野さんが「TALKIN'」で語っているとおり、ギターの音は「時代の音」に直結してるんですよね。

奏法と音色が不可分なところは、ほかの楽器以上のものがあり(たとえばスラッシュメタルのリフをケニー・バレルの音色では絶対にできないもんね)、そういった意味では、時代の音色の好みが、その人の好みや感性の新旧を炙り出す。まさに、じゃこのめさんおっしゃる「踏み絵」というやつですね。

つまり、件の「消しさりたい発言」で岩浪さんの感性が電波に乗ってリアルに炙り出されちゃったわけです。

音色に話を戻しますが、ギターに関しては、私は、ジャズよりもロックやブルース方面のギタリストのほうが好きな人が多いかもしれない。

理由はやっぱり音色。

ギターって、ピアノやサックス以上に、フレージング以前に、やっぱり音色一発!で好みが決定される怖いところがある。

音色がそのギタリストの名刺のようなものですからね。

tommyさん。

そうそう、ギターって音色で好みが分れるし、
他の楽器よりミュージシャンが特定しやすい。
逆にその音色が命とも云えるのだけど・・・。

雲さんはグラント・グリーンが好きだけど、
オイラは好きじゃないんだよね。ちょっと泥臭い(笑)。
そういいながらもコーネル・デュプリーが好きだったりする。
ワーワー・ワトソンも好きだなぁ。あぁ〜、泥臭い。

ジョンスコよりは断然メセニーが好きだよ。
ジョン・マクラフリンは微妙。考えたことないや(笑)。

おいら、基本的には B.B. キングみたいなギターが好きだよ。
バリバリのテクニシャンじゃない方がいい。
もう、飽きれるほど自分のフレージングしかできないの(笑)。

なるほど、ギターの音色の違いがギタリストの好き嫌いを左右すると。
確かに、「PCMジャズ喫茶」でも音色のことを言っていました。岩浪さんは昔の硬い音のギターが好きだと、だからフュージョンの軽い音のギターが嫌いなんだと言っていました。
実は、メセニー嫌い発言他も岩浪さんが言ったというより、寺島さんが「岩浪さんは、”これこれ”だよね。」と言って、岩浪さんがそれに同意して言う感じでした。

で、私はというと、ギターの音色で好き嫌いはないですね~。
マイク・スターン、ジョンスコなどロック系のギタリストから入って、メセニーにいき、あとはジャズ・ギタリストは色々聴いていますが、ウェス・モンゴメリーもジム・ホールもグラント・グリーンもジョー・パスもラリー・カールトンもリー・リトナーも皆好きです。私節操がないんです(笑)。
最近好きなギタリストはビル・フリゼール、ベン・モンダー、カート・ローゼンウィンケルとか音楽性が個性的なギタリストかな。

最後に、パット・メセニー聴くなら、パット・メセニー・グループのこれは必聴!

そして、エバーグリーンなデビュー・アルバムも必聴!

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今日は怒っているのだ!

今日は怒っているのだ(笑)!
笑いながら怒る人、それって竹中直人です(爆)。
なぜかって?
今日の「PCMジャズ喫茶」で岩浪さんが、
「パット・メセニーは大嫌い。できるなら消し去りたい。」と言ったからです。

「なに~っ!いいかげんにしろっ!」と思いましたね。
パット・メセニー好きな私としては聞き捨てなりません。
そう言った後にかけたのがニコラ・コンテ。
今岩浪さんはイタリアンジャズがお気に入りなんだとか。

「なんだ、只のバップじゃないか。ちっとも面白くないそっ!」
と私は叫びましたね。心の中で!
あ~あ、ニコラ・コンテに非はないのだけれど、
メセニーを嫌いだと言った後だから、かけた曲も憎らしくなってしまう(笑)。

ワッハッハッハッ!
言いたいこと言ったのでスッキリした!
岩浪さんがメセニー嫌いでも別にいいやっ!

今日の「PCMジャズ喫茶」の番組冒頭で、
寺島さんから長澤祥さんの番組引退について簡単な説明がありました。
「詳細はミュージックバードのコラムを見て下さい。」ですって(笑)。
ミュージックバード・ホームページの「PCMジャズ喫茶」の
コラム「ジャズのススメ」のバックナンバーに「長澤祥という人」があります。

ちなみに、私がブログに長澤さん引退のことを書いたら、
その記事に長澤さんご本人からコメントがあり、
「もうジャズとオーディオには飽きた。」と書かれていました。

今日は澤野工房のプロデューサー石井広明さんがゲストでした。
さすがは澤野のプロデューサー、ジャズの現状と自社の立ち位置を
冷静に見ていると思いました。

それに比べると寺島さんは周りの色々な意見に惑わされすぎで、
戸惑いがあるように感じられます。
最近はピアノ・トリオでなく、管入りクインテットなのだそうですが、
寺島さんが理想とする現代のクインテット像が私には???

ハイ・ファイブ、ルーティーン・ジャズ・クインテットでしたっけ?・・・
私の勘ではもうこないと思うんですよね~。クインテットは。
結局売れるのはマンハッタン・ジャズ・クインテットが関の山。

ダン・ニマーの話がありました。
ダン・ニマーってウィントンのアルバムでピアノを弾いている人です。
昨年の「PCMジャズ喫茶」公開録音の時に、
長澤さんがヴィーナスから出たCDをかけて、
現代最高のピアニストだと言っていた人です(笑)。

そのダン・ニマーが先月(6月)の「メグの会」にいたのに、
私は誰だかわからなかったって、ブログに書きましたよね。
なんと、日本人の女性と結婚するそうなのです。
あの時隣にいた女性がそのお相手だったとか。ビックリです。
姉さん女房なんですって。
寺島さんはダン・ニマーのことを年上女性から好かれそうな優男と言ってました。
確かにそんな感じに見えました。

今日はホントに戯言のみ。失礼!

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雲さんのマラビー評は面白い!

高野雲さんのブログ 「快楽ジャズ通信」 とミュージックバードの同番組のことは
いつも紹介しています。
今日は雲さんのジャズサイト カフェ モンマルトル のことについて紹介します。

要注目は「ジャズ批評」
物凄い量のアルバム評が書いてあります。
今更なぜこんなことを紹介するかというと、
トニー・マラビー(Tony Malaby)のアルバム『タマリンド(Tamarindo)』評が
最近アップされたからです。

http://cafemontmartre.jp/jazz/index.html の上記タイトルをクリック!

P11 このアルバム、NYダウンタウンで最近人気のマラビーの
サックス・トリオです。
NYダウンタウン系ならではのテイストを持ったサウンドで、
いわゆるバップとはちょっと異なるテイストを持っています。
この面白さがなかなか掴みにくいんですよね。
そんなアルバムを雲さんがとても上手に評しているものだから、
私は喜んでしまったというわけです。

そのサウンドを、「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な水木しげるの絵に喩えているのは
上手いと思います。
マラビーの奏法についても、音楽用語で上手く説明しています。
そして、最後にどうやって聴けば良いかアドバイスしてくれるのが、
親切だと思うのです。

このアルバムに限らず、他のアルバムもとても上手い具合に評されています。
今更聴き飽きたアルバムであったとしても、
雲さんの評を読めば、何か新しい発見があるかもしれません。
事実、私なんか「なるほどそう言われればそうだよね。」ということが多々あります。
なお、メルマガジン登録すれば、最新のアルバム評がメールされてくるので、
便利ですよ。

皆さん、是非読んでみて下さい。

話はちょっと変わるのですが、
Googleで「トニー・マラビー」検索してみて下さい。
並み居る強敵を抑えて、私のブログがトップです(笑)。

もう一度話は変わって

スイングジャーナル8月号
ホントだっ、¥1,200になっちゃった!
なのに、¥100アップについて何も書いてない!
¥100もアップしておいて説明なし?
説明責任があるんじゃないの?

オーディオページのフォーマットも変更になりましたね。
8月に変更って変じゃありませんか?
何でもアリのSJ誌にそんなことを言ってもしょうがないか・・・。

先日書いた7月号の読者通信。寺島さんへの怒りに対する反応は? なし!
「私とJAZZのイイ関係?」、ジャズは大人の音楽である。
なるほどね~。まっ、別にそれで良いんですけどね(笑)。

表紙は大西順子。なかなかいい女になったんじゃないの?
山中千尋も良いんだけど、これからは大西順子の時代なんじゃない?
新作『楽興の詩』が気になりますね。

マンハッタン・ジャズ・クインテット25周年、おめでとうございます!
『アート・ブレイキー・トリビュート』。
単にフォーマットだけがジャズで発想的にはフュージョン?
誰がそんなこと言ってるんだ?
えっ、私ですか(笑)?
デヴィッド・マシューズさんはいい人なんですけどね~。
MJQ・・・・・、こないんですよね~っ。

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Sound Cafe dzumiでマスターとジャズ談義!

昨日の続き、吉祥寺のジャズ喫茶「Sound Cafe dzumi」訪問記です。

P85 ジャズ批評150号記念特別号の話になりました。マスター泉秀樹さんが30ページに投稿しています。ちなみに筆者索引を見たら、泉さんの下が私「いっき」でした(笑)。ジャズ批評4号「フリー・ジャズ特集号」はマスター泉さんが編集と構成をしているのです。写真右がそれです。時代を感じさせますが、これはこれでカッコイイ。「私も88ページに乗せていただいてます。」と、またしても宣伝してしまいましたよ(笑)。

最初にかかったCDはトリロク・グルツ『THE GLIMRSE』。インド出身のパーカッショニスト・グルツのインド系ワールドミュージックといった感じで面白いものでした。興味を示した私に、「これはCMP RECORDSのやつで、他にも面白いものがあるよ。」と、マスターが数枚のレコードを見せてくれました。

80年中頃のもので、レーベルオーナーはECMに対抗心があったらしいです。なかなかお洒落なデザインのジャケットだったのですが、写真を撮るのを忘れました。インナースリーブがカタログになっていたので、それはしっかり写真を撮っておきました。今度中古レコードを見つけたら買おうと思います。

そうこうしていると見たことのある方が入ってくるではありませんか?チャーリー・パーカーのファンサイト Chasin' the Bird の管理人よういちさんでした。よういちさんとは前週のジャズ喫茶「いーぐる」の「2009年上半期新譜特集」でもお会いしました。なんか行動パターンが似ているぞ(笑)!

よういちさんとじゃこのめさんは初対面だったので、私がお2人を紹介しました。共に有名なジャズサイトの管理人なのですが、テリトリーが違うと接点はないようです。じゃこのめさんがジャコ・パストリアスのファンサイトをやているという話を聞いたマスターが、「実は私もジャコのデビュー当時からのファンなんですよ。」と、ジャコと彼が参加したジョニ・ミッチェルのレコードを持ってきてくれました。

P87ジョニ・ミッチェル『シャドウズ・アンド・ライト』のレコードを初めて見ました。輸入盤なのですが、歌詞カードがないとだめだということで、日本盤から抜いて輸入盤に入れてありました(笑)。『ヘジラ』のレコードのオリジナル盤はジャケット文字のインクが盛ってあるのですが、これでないとダメだと言っておりました。さすがです。

マスターは、「”ズミ”というとフリー・ジャズというイメージがあるようだけれど、私はフリー・ジャズを聴く一方で、ジャコ・パストリアスも聴きます。」と、キッパリ! お気に入りのジャケットを手に写真のような笑顔を見せてれました。

「ジャズを聴くにしても、フリーだけとかに偏るのはまずいよね。色々なものを聴いて感覚を広げないとダメだよ。」とおっしゃっていました。これは全くおっしゃるとおりだと思いました。よういちさんもパーカーを中心に聴くにしても、それだけではダメだということで、先週の「いーぐる新譜特集」や「ズミ」に来たりしているとのこと。さすがです。

話はどんどん盛り上がり、マスターが録音技師をしていた時のレコーディング・スタジオ写真や学生時代の下宿部屋の写真を見せてくれました。レコードプレーヤーはパーツを集めて自作したそうで、ハウリング防止のために天井から吊り下げていたとか(笑)。時代を感じる話です(笑)。

当時のヨーロッパ・フリー・ジャズの輸入レコードは給料の1割くらいの値段だったそうです。それでも、新宿のレコード店「マルミ」のショーケースに飾られたレコード(そんな時代があったとは!)がほしくて、1度は見るだけのために来店して2度目に買ったとか。その時は、飲み食いを減らしてもレコードを買うという覚悟だったそうです。いや~っ、今のように物が溢れているのとは違い、こういう時代だったからこその気合がひしひしと伝わってきました。

P88 ジャコ参加の隠れ名盤フローラ・プリム『エブリデイ・エブリナイト』(ミッシェル・コロンビエがアレンジ)をかけてくれることになりました。写真は私が持っている日本盤です。「ズミ」でかけたのはもちろん輸入盤。じゃこのめさんがすかさずB面をリクエスト。ジャコ(b)、ハービー(p,rhodes)、アイアート・モレイラ(ds)のトリオをバックにプリムが歌う《ラス・オラス》がオススメとのこと。

このレコードをかける前にマスターが一言。「当時はJBLの4320というスピーカーをスタジオ・モニターに使っていて、それに合う録音になっているが、お店のオーディオはそれとは違うセッティングになっているから、頭でイコライジングして聴いて下さい。」 さすがは元録音技師です。そうは言っていましたが、中域をしっかり聴かせて艶がある音なので、プリムのボーカルを中心に良い感じに鳴っていましたよ。ロー・エンドが不足するのは大して気になりませんでした。

《ラス・オラス》を聴き終わってしばらくすると、待ち合わせをしていた雲さんからTELが入りました。レコードの途中ではありましたが、お店を出ることに。マスター申し訳ありませんでした。それにしても約3時間、マスターとのジャズ談義は楽しくて、あっという間に過ぎてしまいました。

もう1つ忘れてはいけないことがありました。
ここのコーヒーが美味しいことは前に書きましたが、クルミとバナナのケーキがとても美味しかったことを言っておかねば。甘さ程々でクルミとバナナの風味が上手い具合に溶け合っていました。このケーキ、実はマスターの奥様が作ったのだとか。これは次回また来たら注文しなければっ!

「Sound Cafe dzumi」、何度も行きたくなるお店です。

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Sound Cafe dzumiでジャズ談義!

今日は皆既日食!甲府は残念ながら曇り空。
でも、雲の合間から少し見えたらしいです。

先週の土曜日、ジャズ喫茶「メグ」に行く前に、吉祥寺のジャズ喫茶「Sound Cafe dzumi」へ行きました。私と じゃこのめ さんは吉祥寺駅前で待ち合わせをして、ディスクユニオンをいつものようにパトロールしたあと、「ズミ」(略称)へと向かいました。

P83

これは「ズミ」が入っているビルの入口に立っている看板です。マスターによるとサイズはレコード・ジャケットと同じなのだそうです。やさしい感じになるような文字を選び、文字間も考慮した拘りの逸品。写真はお店の窓から見た井の頭公園。木々が紅葉しているので、秋の写真ですね。

ここは2階のエレベーター・ホールからエレベーターに乗って7階のお店に行きます。なのでエレベーターに乗ったのですが、7階のボタンが押せません。そうか、まだお店が開いていないんですね。ここはエレベーターを降りるとすぐに店内なので、エレベーターが止まるか止まらないかが店のドアの鍵を兼ねているのです。

P84一旦外に出て、じゃこのめさんと「他の喫茶店でちょっと時間を潰してからもう一度来ましょう。」と話していたら、ちょうどそこにマスターの泉さんが登場。一緒にエレベーターに乗ってお店に入りました。ちょっと遅れたのは歯医者に行って永久歯を抜いてきたからだとか。「もう生えてこない。」とマスターは嘆いておりましたよ(笑)。いきなりのハプニング。今日は面白くなりそうな予感です!お店の窓から眺める景色はいつ見ても素晴しい。この日はあいにくの曇り空でした。

P85_2じゃこのめさんとジャマラディーン・タクマの新譜がコルトレーン曲集だなんて話しをしていたら、マスターがコルトレーン本(写真左)を見せてくれました。この本が凄いのです。過去に出たレコード、CDの全てが記載されています。この厚さ、辞典並みですよね。

この本の中に、コルトレーンの葬儀でオーネット・コールマンのグループとアルバート・アイラーのグループが演奏したという記事があり、アルバート・アイラーのみがレコード化されているという記載があります。でもそれは誤りだったのです。フライング・ダッチマンから創設者ボブ・シールの歴史をまとめたようなレコード(見せてもらったのですが写真は撮っていません)が出ていて、それにはコルトレーン葬儀時のオーネット・コールマンの演奏が入っているのです。それを発見したマスター、恐るべし!

P86 コルトレーン葬儀時のアルバート・アイラーの演奏が入っているアイラーのCDボックス・セットも見せてもらいました。この豪華な箱、凄いでしょ!中身も凄いのです。豪華装丁の本が入っていて、色々な方からアイラーにまつわるインタビューをとっていたりします。中には真っ白な押し花も入っていたのですが、発売から時間が経っているので、今はうす茶色に変色していました。こういうものを作って後世へ伝えるって素晴しいことだと思いました。

一連の話をした後に、マスターが「高級オーディオでジャズを聴いたり、レコードを番号順に集めたりするのは結構なことだが、ジャズを後世に伝えていくことが大事だ。」というようなことを言っていました。マスターは「お店のレコードやCDを自宅に持って帰ることはない。」とも言っていました。その言葉からは、今回の私達のようにお店に来るお客さんに、ジャズの魅力を伝えていこうとしている強い気持ちを感じました。

「ズミ」には”サウンド・イメージ研究所”という堅苦しい前置きがあるのですが、その意味するところは”ジャズの魅力を伝えていく”ということなのではないかと思います。上記の話だけからは、何か難しい話をしているような感じがするかもしれませんが、実際にマスターと話をしていると決してそんな感じではありません。マスターがジャズについて語る時の笑顔とキラキラ輝く目を見ているだけでも楽しい気分になります。

今日はここまでですが、まだまだ面白い話があります。
明日続きを書きますので、乞うご期待!

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SJ誌の「読者通信」恐るべし!

スイングジャーナル誌もなかなかやるもんだ!

スイングジャーナル7月号「読者通信」読みましたか?

最初にものすごい強烈な投稿があってビックリ!

タイトルは”「呆れた」に共感!”

日本の某レーベルと某氏プロデュースの音を強烈に批判しているのです。

この投稿者はクラシックも聴くそうです。

最初の方は”某氏”なのに、

途中に、同誌の寺島靖国×山中千尋の対談のことが出てくるものだから、

”某氏”とは誰なのかすぐにわかってしまいます(笑)。

まっ、最初を読めば誰に対する批判なのかは、すぐにわかりますが(笑)。

その対談を、

「氏の「みみっちー」JAZZ感に山中嬢の困りきった表情が目に浮かんだ。」

と、バッサリ!

そして最後は、

「メロディーと劣悪な音のみで音楽に関わっているプロデューサー、エンジニアよ
去れ!」

と締めくくっています。 お~怖っ(笑)!

怒り心頭の投稿者も凄いが、それを掲載したSJ誌も凄い!

私はSJ誌7月号でここが一番面白かったのです。って、それもひどい話(笑)?

ちなみに、「メグの会」へ行き、吉祥寺派になった私としては(笑)、

目くじらを立ててどうこう言う話ではないと思っています。

SJ誌8月号はどうなることやら?乞うご期待!

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デヴィッド・マシューズさんの貴重なお話など。

昨日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」
「アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ特集」でした。
ゲストはマンハッタン・ジャズ・クインテットのリーダーでピアニストの
デヴィッド・マシューズさん。大物ゲストの登場です!
番組の詳細は 「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。

今回はマシューズさんへの質問と回答を書きます。
番組を聴きながらのメモを元にしていますので
聞き逃しがありますし、かなり要約して書いています。
ご容赦願います。

Q.マシューズさんにとってのジャズ・メッセンジャーズ(JM)とは?
高校生の頃に、一番かっこいい音楽だったそうです。
ハッピーでエンジョイな音楽。
そのフィーリングをめざしてマンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)を作ったとか。

Q.雲さんが好きな曲JMの《モザイク》を聴いての感想は?
いつもMJQでやるレパートリーを決めるときはメロディーで選ぶそうですが、
MJQの新作に《モザイク》を入れたのは
この曲にエキサイティングな演奏を誘発する要素と
インプロヴィゼーションを掻き立てる要素があったからだそうです。

Q.JMの《モーニン》を聴いての感想は?
ベニー・ゴルソンから聴いた話ということで。
当時、ツアーのサウンドチェックの時、ボビー・ティモンズが、
この曲の始めの方のフレーズをよく弾いていたそうで、
それを聴いたゴルソンが、ティモンズにブリッジ(サビ)部を書けと言って、
この曲ができたとか。(私、初耳です!)

Q.MJQの新作から《モーニン》を聴いた雲さん。
  「演奏後半に出てくるフレーズはマシューズさんの作曲ですか?」
ブルージーなスタイルがこの曲に似合うだろうと作曲したそうです。
「ライブではこのフレーズところでお客さんが盛りそうですね。」と雲さん。

Q.JMの歴代ピアニストの中では誰が一番好き?
ホレス・シルバー。
どなたも素晴しいのですが、シルバーが最もクリエイティブで作曲が優れ、
ブレイキーとの組み合わせが良いとのことです。

<アフター・アワーズ編内での質問>
Q.今回なぜアート・ブレイキー・トリビュート・アルバムを作ったのか?
今まで、たくさんの偉大なミュージシャンに捧げたアルバムを作ってきたし、
ブレイキーの主要レパートリーも演奏してきたんですが、
今回はブレイキーのレパートリーのみのアルバムにしたかったそうです。

オフィシャルなので、マシューズさんは英語で回答していました。
続けてそれを訳して放送する形となりました。
実はマシューズさん、日本語も上手いそうです。
番組最初と最後に、「ヨロシクオネガイシマス」「アリガトウゴザイマシタ」
と日本語でしゃべっていましたよ。

収録は長時間だったそうですが、番組は1時間弱。
曲をかけながらとなると、番組中で紹介できるマシューズさんとの会話は
結構限定されてしまったみたいです。
編集の苦労も感じられる放送になっていました。

MJQの新作『25―アート・ブレイキー・トリビュート』から《危険な関係のブルース》
をかけて番組終了。

<アフター・アワーズ編>
貴重なマシューズさんと雲さんのセッション!
ブルース(キーはB♭)の演奏。これが凄く良かったです。
マシューズさんはタッチの強弱と抑揚に凄く雰囲気があるし、
フレーズもブルージーで心地良いことこのうえなし。
雲さんのベースとも凄くマッチしていました。
最後は途中フェード・アウトと思ったのですが、
そこのところでピタッと終わったそうです。
今度の木曜日にもう一度聴きなおします。

なるほど、フェード・アウトするところでピタッと終わっていました。
今回はヘッド・フォンできいたので、
マシューズさんの鼻歌もかすかに聞こえて楽しそうな様子が伺えました。

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とうとう「メグの会」へ行ってしまった(笑)!

四谷のジャズ喫茶「いーぐる」の後藤さんとジャズ批評誌で対談した私なのに・・・
先週「いーぐる」の「2009年上半期新譜特集」へ行ったばかりなのに・・・
とうとう昨日、吉祥寺のジャズ喫茶「メグ」で毎月行われる
「メグの会」へ行ってしまいました(笑)!

先月「メグの会」の終了間際乱入の際、高野 雲さんが寺島さんから
次の「メグの会」へのお誘いを受けたということで、
昨日、雲さんとじゃこのめさんと私で「メグの会」へ行ったのでした。

「メグの会」は3部構成。
「自由選曲コーナー」「○○さんに捧げる曲コーナー」「テーマ曲コーナー」です。
私達はといえば、初参加なので「○○さんに捧げる曲コーナー」はご遠慮して、
「テーマ曲コーナー」へ参加することにしました。
ちなみに、7月のテーマは「太陽」。

吉祥寺に集合し、一応作戦会議?を行ってから「メグの会」へと向かいました(笑)。
ちなみに、じゃこのめさんは今回リスナー参加です。

9時を回った頃「メグ」入り、席は満席、会も盛り上がっている真っ最中。
席を空けていただき、私達はもぐりこみました。
「メグの会」は前回同様フレンドリーな雰囲気。
とは言うものも、メンバーの皆さんはやはり只者ではなさそう(笑)。
メグの会会員西村さんに捧げる曲コーナーのラスト曲がかかりました。

いよいよ、テーマ「太陽」曲コーナー。
ここで司会進行の方から雲さんの紹介があり、雲さんの登場となるわけですが、
寺島さんが「せっかくだから、前にかかった曲の感想を聞きましょう。」と発言。
これって、まさにいつも聴いている「PCMジャズ喫茶」のノリです。
生で見られるなんて最高(笑)!

雲さんから「サックスの音色」の話が出て、それに寺島さんがツッコミを入れ、
雲さんがそれを斬ると、更に寺島さんが斬り返し。おぉ~っ!
これ以上は危険(笑)というところで、
「かけた曲を聴けばどういう人かわかる。じゃあ曲をかけてもらいましょう。」と、
相成りました(笑)。

P81 雲さんがかけたのは、朝起きがけに聴くと気持ち良しの。
マーク・アイザ(ds)『オファリング』から《エンブレイス》
キーボード、アコースティックベース、ドラムのトリオ演奏。
ゆったりしたピアノから入り、ジワジワと熱量を発散する曲。
ブーミーなベースと複雑なビートのドラムが生むグルーヴが良。
終盤スローテンポでのエレピと重なるオルガンが
熱気を冷ますような感じ、構成がなかなか面白い曲なのです。
メグ店内の熱気感に合っていたんじゃないかと、私は思います。

これ、昨年末の「快楽ジャズ通信」の年間ベスト盤特集でかかり、
私がブログに「フュージョンだっ!」と書いたのですが、
それは、かかった曲がヒップホップなボーカル入りだったため。
実際には色々なタイプの曲が入っています。
全体を通して感じられるレイジーさとジワジワと感じる熱量が聴きどころ。
雲さん曰く「シド・ビシャス似のジャケット写真がロック。」
私も良いアルバムだと思いました。

「メグのオーディオで聴くとピアノがパキパキした感じ。」と雲さん。
「でもサックスが凄く良い感じで鳴っている」とも。
確かにそういう感じの音です。
中音が強めで全体的に硬めの音だと思いました。

さて、私もかけさせていただくことに。
自己紹介で「ジャズ批評のブログ・ウォーキングにのせていただいています。」
と言うと、「私、読んでますよ。」という方がいらっしゃいました。うれしいです。
そこから、ジャズ批評の後藤さんとの対談があったということになり、
「四谷派だ!」と声がかかりました。皆さん笑っています。
こうなったら言ってしまえ、「今日から吉祥寺派です。」宣言(笑)!
結構うけました。

P82_2 私がかけたのは、
谷口英治(cl)『ブラン・ニュー・スイング』から《ミッドナイト・サン》
夜の雰囲気に合うのではないかとこの曲を選びました。
クラリネットとヴァイブとベースのトリオで、まったりしっとり演奏。
曲が3分と短いところがミソ。
私は谷口さんのモダンなクラリネットが好きです。
昔、ミュージックバードにこの人の「谷口英治のクラクラクラ~リネット」という
番組があったんですよ。東京に住んでいた頃FM多摩で聴いていました。

それにしてもメグの会会員の皆さんの選曲はディープです。
寺島さんが好みそうなテナーがやっぱり選曲されていました。
昔のフランク・シナトラのボーカル入りとか、レス・ポールの昔の演奏とか、
う~ん、私なんかまだまだ青い!

「メグの会7月」の風景はコチラ
http://tokyo.cool.ne.jp/wedscafe/nam2107/night.html
満面の笑みが私。こんなに笑ってたっけ?
酔ってます。顔がテカリまくりです(笑)。

女性ミュージシャンの方が2人いらっしゃっいました。

アルト・サックス奏者の吉野ミユキさんは、CD『straightaway』を出すそうで、
来月8/19(水)にメグで発売記念ライブがあるそうです。
CDのライナーノーツは岩浪さん。

シンガーの戸坂純子さんもCD『in my heart~Ki・Zu・Na』を出すそうで、
やっぱり来月8/19(水)にアート・カフェ・フレンズ恵比寿
アルバムリリース記念ライブがあるそうです。
こちらもCDのライナーノーツは岩浪さん。さすがは売れっ子岩浪さん(笑)!
そのCDから戸坂さんお気に入りのアレンジというオリジナル曲を聴きました。
戸坂さんは「寺島さんが嫌いなオリジナル」と言っていました。
なぜそんなことを言うのかといえば、心当たりが・・・。

戸坂さんと言えば、昨年「PCMジャズ喫茶」にゲスト出演しましたよね。
その時色々やりとりがあって、それが上記発言へとつながっているのです。
私もその番組のレポートを拙ブログに書いているのですが・・・、
いや~っ、私、言いたい放題です。寺島さん。ごめんなさい。
あの~っ、ブログもエンターテインメントだとご理解いただけたらうれしいです。

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「高野 雲の快楽ジャズ通信」にデヴィッド・マシューズが来たっ!

今夜の「高野 雲の快楽ジャズ通信」に注目!

マンハッタン・ジャズ・クインテットのデヴィッド・マシューズがゲスト出演します。

お~っ、これは番組始まって以来の大物ゲスト!

マンハッタン・ジャズ・クインテットの新作がアート・ブレイキー・トリビュートなので、

番組は「アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ特集」です。

番組の中で雲さんはマシューズさんに鋭い質問をしているらしいのです。

これは聴かねばなるまい。

アフター・アワーズ編では、何とっ!

マシューズさんがエレピを弾き、雲さんがベースを弾き、2人でセッション!

ミュージックバードのTHE JAZZチャンネルでは7/19、今夜22:00から。

ミュージックバードのcross cultureチャンネルでは7/23(木)、23:00から。

詳細はコチラ⇒「快楽ジャズ通信」

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まだまだ元気です!

最近高齢の方がお元気なのを目にする機会が多いですよね。

私のジャズ友に70歳を越える方がいらっしゃるのですが、中年の私なんかより精力的にジャズを聴いているし、ライブやイベントに積極的に参加しているのでビックリしてしまいます。

ジャズメンも同様で、高齢にもかかわらずまだまだ元気で、若手を育てている人がいます。今日紹介するのはそんな一人、ドラマーのロイ・ヘインズです。ヘインズは、ビ・バップ期にはチャーリー・パーカーと共演し、ジョン・コルトレーンやチック・コリアなどと共に、多くのジャズ名盤を残してきている名ドラマー。ヘインズもそうですが、過去にはアート・ブレイキー、最近ではポール・モチアンなど、ドラマーが自分のグループに若手を起用してビシビシしごくのって、ジャズ界にとっては重要なのかも。

P80そんなヘインズの『ホェアーズ』(2006年rec. DREYFUS JAZZ)。81歳になろうという御大のライブ・アルバムです。若手アルトサックスのジャリール・ショウ、ラテン・ジャズ出身のピアニストであるロバート・ロドリゲス、ベースのジョン・サリバンと組んだ自己のカルテットで、楽しく熱気溢れる演奏を繰り広げています。

1曲目コルトレーンの《ミスター.P.C.からアクセル全開。ヘインズは“パンパン”のスネア、“シャキシャキ”のシンバル、“ドスドス”のバスドラで煽りに煽ります。何なのでしょう?この奔放さは。きっとこれもジャズとして受け継ぐべきものの一つ。アルトのショウもクールにプレーすることなどなく、ブリブリと吹きまくります。続くピアノのロドリゲスもラテンの陽気さでピアノをガンガン弾きまくります。最後はベースとヘインズのかけあい、これもガッツに溢れていますね。会場からは始終“ヒューヒュー”と声援が飛び交って良い雰囲気。

選曲も長いジャズ歴を物語るように多彩です。パーカー、モンク、ジョーヘン、チック、メセニーの美メロ曲《ジェイムス》など、これなんかは自己のアルバム『テ・ヴ!』でメセニーと共演したことによるものでしょう。若い感性もどんどん取り込んでしまうヘインズには脱帽ですね。

このアルバムを聴いて、皆さんもヘインズからパワーと元気をもらいませんか?

というわけで本日は終了!

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この2枚を皆さんに問う?

今日の最高気温は37℃!
私の住んでいる山梨県甲府市は日本一気温が高かったのです。
年に何回か日本一暑い日があるんですよ。
暑くて嫌なんだけど、日本一っていうのがなんか誇らしい(笑)?

今日はこの2枚を皆さんに問う(笑)?

P78 まずは、スティーヴ・リーマン『オン・ミーニング』(2007年rec. PI RECORDINGS)です。メンバーは、スティーヴ・リーマン(as)、ジョナサン・フィンレイソン(tp)、クリス・ディングマン(vib)、ドリュー・グレス(b)、タイション・ソーリー(ds)です。全45分の短さが潔し。

実はこれ、昨日紹介したリーマンの『トラヴェイル,トランスフォーメーション,アンド・フロー』を買おうと思っていたのに、しばらく前に勘違いして買ってしまった去年のアルバムです。このメンバーはリーマンのレギュラー・クインテット。『トラヴェイル,~』は、このメンバーにテナーとトロンボーンとチューバを加えて、音に厚みを増したりサウンドに変化をつけたりしているというわけ。

このクインテットの楽器構成。まさにエリック・ドルフィー『アウト・トゥ・ランチ』です。個性的なアルト奏者がリーダーであること、ヴァイブがサウンドに独特のクールさをもたらしていること、片やトニー・ウィリアムス、片やタイション・ソーリーという切れ味鋭いドラマーがいること、アドリブも含め全体のサウンドを意識した楽曲、と何やら共通項が見えてくるのが興味深いです。

リーマンは、ジャッキー・マクリーンとアンソニー・ブラクストンに師事した経験があるのだとか、感情的なマクリーンと理知的なブラクストンに師事したとは面白いではありませんか。両極を知っておこうということだったのかもしれません。そういう経験をした上で、今のジャズを演奏するリーマン。要注意アルトだと思いませんか?

私はこのアルバムも昨日紹介したアルバムも、どこか心惹かれるところがあるのです。パッと聴いただけでは、捉え方が難しそうなこのアルバム。色々な人に聴いてもらって、感想を聞きたいものです。

アルバム名:『On Meaning』
メンバー:
Steve Lehman(as)
Jonathan Finlayson(tp)
Chris Dingman(vib)
Drew Gress(b)
Tyshawn Sorey(ds)

P79 次は、アイヴィン・オプスヴィーク『オーバーシーズⅢ』(2007年rec. loyal label)です。メンバーは、ジェイコブ・サックス(p,falrisa org,celeste,wurlizer,rhodes)、トニー・マラビー(ts)、ケニー・ウォルスン(ds,cymbals,gongs,timpani)、ラリー・キャンベル(pedal steel guitar)、ジェフ・デイビス(vib,xylophone)、アイヴィン・オプスヴィーク(b,tack piano)です。

これは、ジャズ喫茶「いーぐる」の「2008年上半期の新譜特集」で紹介された1枚なのですが、ず~っと日本販売しなくて、ようやく先月ディスクユニオンの店頭に並んだものです。『オーバーシーズ』『オーバーシーズⅡ』はフレッシュ・サウンド・ニュー・タレントから出たので入手しやすかったのですが、今回はマイナー・レーベルなので、輸入に時間がかかったのでしょう。

「これがジャズ?」って言う人いるでしょうね。1曲目『ニール』は、レイジーな8ビートにのって、ロック系で使われるエレピ:ウーリツァで長閑なメロディーを弾き、それにペダル・スティールがからむ展開です。途中から入るマラビー(また出ました、笑)のテナーが何とかジャズの雰囲気を感じさせるくらいです。テナーもアドリブではなくて作曲されたものを吹いている感じです。中盤ヴァイブやシンセの効果音が少々出てくるのですが、あくまで味付け程度。

2曲目『エバーシーズ』はスペイシーで荘厳な楽曲。ティンパニーがバックに薄く鳴り、エレピとテナーがフレーズの断片を丁寧に重ねていくのは、まさに映画のサウンドトラックです。3曲目『シルヴァー』はペダル・スティールのハワイアン?のようなトロピカルなメロディーから入るカントリー調。ジェイコブのイマジネイティブなエレピ・ソロとマラビーのスケール大きいテナー・ソロが楽しめます。

4曲目『ジンジャー・ロジャース』は静かで乙女チックなかわいい感じから、ちょっと不安をはさみ、だんだん勇壮になり”決意”から落着いていくみたいな展開(笑)のサウンドトラック。5曲目はオルガンが活躍するロック・ナンバー。ここではマラビーの痛快爆裂サックスが聴けるのですが、曲が4分少々と短いのが何とも残念。これはロックでしょっ。魂こもってます(笑)。

6曲目『ウィフ・オブ・ウッド』はまた荘厳&スペイシーなサウンドトラック。そしてラスト7曲目はカントリー/ロック&サウンドトラックの長尺曲。いわゆる”ジャズ”ではないんですよね。やっぱりこれ。ポスト・ロック系ファンにオススメという声も。でもです。ここにある表現はかなり深いものだと感じるのです。

もう1つ言っておかねば、エンジニアのヘンリー・ハーシュはレニー・クラビッツなんかも担当する人で、60年代アナログサウンドを狙っているらしいです。乾いた粗い感じの肌触りのサウンドはロックっぽくてなかなか心地良いです。

私、別にジャズじゃなくても良いんですよね。面白ければ。これも色々な人に聴いてもらって、感想を聞きたいものです。

アルバム名:『OVERSEASⅢ』
メンバー:
Jacob Sacks(p, farfisa org, celeste, Wurlizer, fender rhodes)
Tony Malaby(ts)
Kenny Wollesen(ds, cymbals, gongs, timpani)
Larry Campbell(pedal steel guitar)
Jeff Davis(vib, xylophone)
Eivind Opsvik(b, tack piano)

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「2009年上半期 NYダウンタウンを中心とした新譜特集」続き

昨日の続きです。
ジャズ喫茶「いーぐる」の連続講演。
「2009年上半期 NYダウンタウンを中心とした新譜特集」
それではいってみましょう!

ここから3曲は小アルト特集です。

⑧Paul Motian Trio 2000 + Twoの『On Broadway,Vol.5』から
 《Something I Dreamed Last Night》

バンドメンバーが入れ替わりました。アルトのロレン・スティルマンを始め、益子さんがいまいちだと思っていた人達が加入したのですが、ここでは良くなったとか。モチアンのバンドは一定の水準は確保しているので、安心して聴いていられると思いました。
com-postの新譜レビュー参照。

⑨Steve Lehman Octetの『Travel,Transformation,and Flow』から
 2曲《RudreshM》《Living in the World Today》

P76リーマンのアルトを含め、 テナー、トランペット、トロンボーン、チューバの5管に、ヴァイブ、ベース、ドラムのオクテット。
このバンドはこの特集で取り上げられる現代性をかなり色濃く反映していると思います。簡単にまとめると、複雑なリズムの上にサウンド・テクスチャー重視のアンサンブルがのっかり、作曲とアドリブが渾然一体となっている楽曲とでも言いましょうか。そして、ヴァイブが独特の色付けをもたらしているのは、ドルフィーの『アウト・トゥ・ランチ』に通じると思います。
リーマンのウネウネ・メカニカルなラインのソロ、テナーのマーク・シムも同じようなタイプのウネウネ・ソロで独特な雰囲気を醸し出しています。凄いのはドラムのタイション・ソーリー。この人かなりの巨体らしいのですが、細かく刻むリズムの俊敏さとキレは素晴しいものがあります。《Living in the World Today》では、途中でもたつくミディアム・テンポのリズムが異様なグルーヴを生み出していて麻薬的な効果あり?
これも帰りにディスクユニオン新宿JAZZ館に寄って買いました。
com-postの新譜レビュー参照。

⑩Tyftの『Smell the Difference』から《Pittles》
アンドリュー・ディアンジェロのアルト、ヒルマー・ジェンソン(eg)、ジム・ブラック(ds)、ピーター・エバンス(tp)、クリス・スピード(ts)です。曲をかける前、益子さんが「ジェンソンのギターが激しいので、音量を大きめで」と後藤さんにリクエスト(笑)。「いーぐる」の大音量で聴くと最高!パンク、ハード・ロック、ヘビメタ?ジャズからは遠いですね。曲を聴いた後、原田さんが”デス”だと言っておりました(笑)。
帰りのディスクユニオンでこれを探したのですが、お店に在庫なし(涙)。
これ、7月末入荷予定でした。またしても私の思い込み(笑)。7/17
これは買わねばなるまい。
ディアンジェロは脳梗塞で一時大変だったらしいですが今は元気なようです。原田さんがNYで見たこの人の「ゲイ・ディスコ・トリオ」(笑)は凄かったようです。

⑪Jim Black AlasNoAxisの『Houseplant』から《Malomice》
P124 益子さん大推薦。私もブログでこのグループは何度か取り上げています。ジム・ブラック”アラスノーアクシス”は、ジャズというよりは、オルタナロック、ポストロック。NYのライブもその方面のファンが来るらしいです。
益子さんは今回のNY訪問でも、見逃したとかで悔しがっていました。その顛末は、com-postの「益子博之のニューヨーク放浪記」を読んで下さい。
爆音ライブなんだとか。CDを聴くときにはできるだけ大きな音で聴きましょう!
com-postの新譜レビュー参照。

⑫Tony Malabyの『Paloma Recio』から《Obambo》
P48 私、トニー・マラビーはもう何度も紹介しています。このアルバムも既にブログにUPしました。
益子さんによると、「フリーっぽい展開だけれど、フリーとはちょっと違う。」ということになります。まあ、あまり難しく考えず、フリー・ジャズとして聴いても良い演奏だと思いますよ。
ライブを見ると、音だけでは分からないベン・モンダーのギターの色々な弾き方が分かり、それがサウンド効果を上げているのも分かるそうです。ライブを見てみたいですね。
この人は最近かなりの人気なので、ディスクユニオンの新譜紹介でもやたらこの人の名前を見ます。私、マラビー参加のCDはかなり追っかけてますが、もう追っかけきれませ~ん(涙)。
com-post新譜レビュー参照。

⑬John Hebertの『Byzantine Monky』から《Fez》
「ヒバート」ではなく「エイベア」と読むとのこと。この人もかなり売れっ子ベーシストらしく、ポスト・ドリュー・グレス(ベーシストね。)と言われているそうです。マイケル・マティアス(as)、トニー・マラビー(ts)、エイベア(b)、ナシート・ウェイツ(ds)、武石哲(per)で、ツイン・ドラム的な編成。マラビーさん。ここにも参加しています。
どんな演奏だったかあんまり記憶がない・・・。前のやつと似ていたっけ(笑)?

⑭Gerald Clever/William Parker/Craig Tabornの
『Faramers by Nature』から《The Night》

P77 私、ディスクユニオンの新譜紹介で、このメンバーを見て即買いしたのですが・・・、かなり手強いです。完全即興フリー・ジャズ。
音質が悪い(昔のやつみたいに極端に悪いわけではありません)のですが、なぜ悪いかについては、com-postの新譜レビューをご覧下さい。

そろそろ書くのが疲れてきたな~。次でラスト。

⑮Brian Bladeの『Mama Rosa』から《At the Centerline》
こちらは賛否両論、今話題のブライアン・ブレイドのボーカル入りのやつです。
益子さんは、「フォークっぽいことをやっていた頃のデヴィッド・ボウイ」と言っておりました。私と言えば、これには興味なしです。

やっと終了。フ~ッ!

原田さん推薦アルバムも紹介してました。
1、チャールズ・トリバー・ビッグ・バンド
2、インディゴ・ガールズ
3、マリッサ・マドラー
4、ジャズ・モブ
5、例のやつ(笑)
細かいことは、ネット検索してみてネッ!ひっかかるかどうか(笑)?
私は1、4をチェック!

そうそう、益子さんからいただいたNYライブ情報のチラシを見て、
NY行きをシミュレートしてみようかな~(笑)。

講演では、ここに書ききれない色々な情報を聞くことができました。
貴重な機会なので、多くの方に参加していただきたいです。

*かかった曲の詳細リストは ジャズ喫茶 いーぐるdiaryを参照。

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「2009年上半期 NYダウンタウンを中心とした新譜特集」

お待たせ致しました!って待っている人いるのかな~?
少しくらいはいますよね?
先日行ったジャズ喫茶「いーぐる」の連続講演。
「2009年上半期 NYダウンタウンを中心とした新譜特集」のレポートです。

講演者はNYダウンタウンと言えば今やこの人、益子博之さん。
益子さんは6月にニューヨークへ行ってきたそうです。
そのレポートは、http://com-post.jp/index.php?itemid=310
14ページもある大作です。NY観光気分で楽しめますよ。

そしてゲストはNYダウンタウンからパフュームまで、原田和典さん。
原田さんも6月にニューヨークへ行ってきたそうです。
そのレポートは、http://diskunion.net/jazz/ct/news/6
かわいいブルックリン猫にも会えます(笑)。

P73 お店の入口の階段を下りていったら、
お店のドアが突然開いて、中からよういちさんが出てきました。
「こんにちは。お久しぶりです。」と挨拶を交わすと、
なんでもお店のトイレが故障したとか。
お店の外にあるトイレへ行くところだったようです。
お店に入って後藤さんと益子さんに挨拶。
今日はスピーカー側の壁際、真中の席へ座りました。
かかっていたのは、ジジ・グライスの『ラット・レイス・ブルース』。黒い1枚です。
最近の新譜は黒くないから、せめて講演が始まるまでは黒いやつをかける作戦?

それではかかった曲を順次紹介していきましょう。

①Mark Zubekの『Twentytwodpllarfishlunch』から《The Angry Giant》
P74マーク・ターナー(ts)、シーマス・ブレイク(ts)、アヴィシャイ・コーエン(tp)のフロント3管+ベース、ドラムのズベク兄弟。この豪華な3管。素晴しいですね~。哀愁ハード・バピッシュ&変わった変拍子。
「いーぐる」のオーディオで久しぶりに大音量で聴いたのですが、バスドラ”ドスドス”、ベース”ズンズン”がとにかく強烈!その上で3管が充実のソロをとるんだから堪りません。カッコイイ!掴みはO.K.(笑)。
これはまだ買ってなかったので、帰りにディスクユニオンに寄って買いました。
リーダーのマーク・ズベクが歌う”ロッケンロール”なナンバーが数曲あります。
ウェブ・マガジンcom-postの新譜レビュー参照。
ジャック・ディジョネット『インフレーション・ブルース』か~っ、それ、私好きですよ。

②Jerome Sabbaghの『One Two Three』から《Tea for Two》
益子さんによれば緩い系。ほんわかしたピアノレス・トリオでした。思い浮かんだのはロリンズの『ウェイ・アウト・ウェスト』。これって、ウケ狙の選曲ですよね?益子さん。なかなか面白かったです。私は買いませんけどね(笑)。

③Joshua Redmanの『Compass』から2曲《Ucharted》《Moonlight》
P75 これについては今更説明不要でしょう。「いーぐる」掲示板やcom-postのクロス・レビューなどでも、色々な意見が出ていた問題作です。
聴いたあと、益子さんは悲痛な感じが今までのジョシュアにはなかったトーンだと言っておりました。原田さんはジョシュアのアルバムの中で一番飽きないと言っておりました。
私は皆さんが言っていることはわかりつつも、どうもしっくりこないんです。何度も聴きたい意欲が湧いてきません。多分私の理解を越えているんでしょう。いつの日かわかりたい1枚です。あっ、もちろんサックス・トリオでの演奏なんかはわかるんですよ。

④FLYの『Sky & Country』から《Perla Morena》
マーク・ターナー(ts)、ラリー・グレナディア(b)、ジェフ・バラード(ds)のトリオ。これも説明不要ですね。益子さんはターナーが橋爪っぽく聴こえ、影響関係は逆なんでそれが面白いと言っておりました。確かに。私、サボイから出た前作は持っていますが、今回は買おうか買うまいか悩んでいました。う~ん、残念ながら積極的に買う気にはなりませんでした。
com-postの新譜レビュー参照。

ここでFLYが参加したDiego Barbre『Calima』(com-postの新譜レビュー参照)と
Noah Premingerの『Dry Bridge Road』も紹介しました。
私もブログで以前これら2枚を取り上げていますよ。

⑤橋爪亮督/清野拓巳/浜村昌子/萬恭隆の『Needful Things』から《Guitar》
関西のギター、ピアノ、ベースのトリオに橋爪が共演。この曲はピカソの絵にインスパイアされて作ったとか。良い曲ということで選曲。確かに良い曲だと思いました。日本的な和みを感じました。
com-postの新譜レビュー参照。
ジョー・ローゼンバーグの『クイックサンド』では、浜村がピアノを激しく弾いているなんて話がありました。あっ、このアルバム数年前に買って、難解で売っちゃったよ~!う~ん、今聴けば難解度が下がっているかも?

⑥Ingebrigt Haker Flaten/Hakon Hornetadの『Elsa』から
《Ak, mon jek staar i noade》Eiise Flaten(歌)、同タイトル(デュオ)

おばあさんの歌にインスパイアされてのデュオ。ホコーン・コーンスタの独特の奏法を聴く。音響的なアルト・ソロからベースのアルコが加わった辺りは現代音楽的。途中からベース・ピッキングでビートを弾き始めた辺りからは結構面白い感じでした。これは悩みどころです。買おうか買うまいか・・・。

⑦Jeremy Uddenの『Plainville』からタイトル曲
”ウデン”と読むのではなく”ユーディーン”と読むそうです。バンジョーが入ったのんびりカントリー調の演奏です。和み系。私は今この手のやつに興味なし(笑)。

ここまでは安心して聴けるもの。
ここから先は凶悪です(笑)。
私はこの後の凶悪なほうが気に入ったものが多いというか、
半分は買いました。

*かかった曲の詳細リストは ジャズ喫茶 いーぐるdiaryを参照。

続きはまた明日!

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上野まなさんと雲さんのトークは面白かった!

本題に入る前にちょっと!
ジャズ友tommyさんがブログに見た夢の話を書いていてそれがあまりにも面白い!
その夢の中に私(いっき)が登場するのですが、私のとる行動が面白すぎです。
登場している私のキャラ、意外とそんな感じかも(笑)?
シチュエーションが私達の身近にあることを反映しているのがツボです。
内輪話かもしれませんが、ある程度事情が分かる方なら面白いと思います。
こちら⇒Tommy's Jazz Caf'e

昨日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「ボサノヴァ・女性ヴォーカル特集」でした。
ゲストはシンガーソングライターの上野まなさん。
実は上野樹里さんのお姉さんなんですよ。
喋り方やノリはかなり似ています。姉妹でこんなに似ているのは珍しいかも?
番組詳細については「快楽ジャズ通信」をご覧下さい。

鬱陶しいこの夏にさわやかな女性ボーカルで清涼感のある曲を聴かせる特集。
ボサノバに通じる清涼感。清涼感溢れる感じの声ということで、
シンガーソングライターの上野まなさんをゲストにお迎えしたというわけです。
ボサノバ好きだというのでゲストに呼んだら、実はサンバが好きだったとか(笑)。
「ウフフフッ。」という笑い方がカワイイッ!

まずは、ナラ・レオン『イパネマの娘』から《小舟》
聴いた後、まなさんは、
「声が自分の好み。中低音が出ているほうが好き。気だるい感じが好き。」
と、楽しそうです。

次は、アストラッド・ジルベルト『おいしい水』から《ジンジ》
《イパネマの娘》は『ゲッツ・ジルベルト』でアストラッドが初めて歌って
ヒットした有名なナンバー。
《イパネマの娘》は後で別バージョンをかけるとのことで、ここでは《ジンジ》。
聴いた後、まなさんは、
「上手いですね。才能があったんですよ。主婦になる前からずっと。」
と、やっぱり楽しそうです。

アナ・カラン『サン・フラワー・タイム(邦題:おいしい水)』から《おいしい水》
打ち込みリズムのボサノバで、単調リズムが気だるさを出しています。
インコグニートのリーダーがプロデュース。
ヒップホップ・ミーツ・ボサノバな感じです。
さすが、雲さんならではの選曲です。
(以降、緑字は曲を聴いての私の感想などです。)

「いいでしょう。」と雲さん。
「こういう音楽番組、勉強になるのでまた呼んで下さい。」とまなさん。
「ベーシストとしてやとって下さい。」と雲さん。
「いいですよ。」とまなさん。商談成立?
まなさんはあまり打ち込みは聴かないそうですが、
「家で聴きたい。素敵な一枚と出合いました。」と喜んでいました。

ガブリエラ・アンダース『ウォンティング』から《イパネマの娘》
このアルバムのジャケ写のアンダースからまなさんの脚の話題へ。
「ジャケット写真とは違って、脚が細すぎてポッキーみたいだね。」と雲さん。
まなさんは「ウフフフッ。」と楽しそうでした。
この《イパネマの娘》、雲さんがメロディーの一部が省略されていると解説。
確かにそうなっていました。かなりアンニュイな感じの歌で、私も結構好き。
聴いた後、まなさんは、
「今まで聴いていたイパネマを忘れる良いアレンジ。だるさがいいですね。」
と、これもかなり気に入ったようです。
そして、打ち込みにも興味が湧いたそうです。
雲さんの「古くさ系の打ち込みのほうがあうかもしれない。」にまなさんも同意。

そして、上野まなさんの『3Hearts』から《空のキヲク》
タイトルが「記憶」ではく「キヲク」なのは、自分のイメージなんだとか。
作った曲に対していくつかのタイトルを並べ、その中からイメージで選ぶそう。
最初に「雲」という歌詞があるので、雲さんは「自分の為に歌われているよう。」
なんて言ってました(笑)。そこから面白トークへ。
お互いに着ているTシャツの話に始まり、
まなさんは見た目が高校生で喋っても高校生だとか、
学校で放課後にしゃべっているみたいだとか。
まなさんは初めて会った人にも地でしゃべっちゃうそうなのでそうなってしまうとか。
「でも歌はアダルトなので、そのギャップをお楽しみ下さい。」とのことでした。
歌は確かにアダルト。直向な大人の女性の雰囲気です。
ギター2本をバックに落着いて歌い上げていて、ギャップがかなりありますね~。

爽やかさがボサノバのイメージにあうということでこの曲を選曲。なるほど。
この曲のみギターで伴奏しているとのことです。

ソット・ボッセというユニットの『エッセンス・オブ・ライフ』から《エブリシング》
親しみ安く聴きやすいアルバム。ミーシャの《エブリシング》のボサノバ化です。
他にザ・ブーム、オリジナル・ラヴ、サザン、スピッツ、ドリカムなどの歌をカバー。
これ良いですね。最高!
私が好きなタック&パティ、ジェナイ、フライド&プライド(消えた)とかに通じます。

聴いた後、まなさんは、「私はめざせこのくらい爽やか。」と言います。
「私はスロー・テンポではまったりした感じだから。」とのこと。
雲さんは「まなさんはもう少しクールな感じ。」と、
まなさんは「初めて言われました。人に評価されたことがないから。」と。
確かに媚びないところがクールかも?

最後はまなさんが好きな小野リサ『ナナン』から《星の散歩》
私も昔はカーオーディオで小野リサをよく聴いていました。
久しぶりに聴きましたが良いです。

まなさんは「なんかこういうジャズ番組に出演してよかったかな?」なんて言います。
雲さんは「今回は収録している雰囲気がなかった。」とのこと。
ハッハッハッ、そういえばそんな感じの放送でした。
カジュアルな感じですね。

<アフターアワーズ編>
まなさんによる雲さんへのラヴ・ソング作詞教室(笑)!
面白かったです。

今日は上野まなさんが番組アシスタント状態?
雲さんとのかけあいが楽しかったです。
雲さん1人の回には、時々上野まなさんをアシスタント・ゲストとして呼んでほしい!
もっと無茶苦茶言うと、「雲&まな」で音楽トーク番組をしてほしい。
ミュージックバードさんcross cultureチャンネルで是非!
雲さん、どうでしょう?無茶ですか(笑)?
もちろん、まなさんの意向もあるのでしょうが・・・。

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ジャズ三昧な1日!

昨日はジャズ三昧でした(笑)。
ジャズ喫茶「いーぐる」の連続講演「2009年上半期 NYダウンタウンを中心とした新譜特集」へ行ってきました。講演者は益子博之さん、ゲストは原田和典さんでした。この「新譜特集」の模様は後日報告します。

今日の話題は「いーぐる新譜特集」前後のことです。

昨日はディスクユニオン新宿ジャズ館で「BLUE NOTE&US廃盤・大放出セール」があったのですが、それには行かずに渋谷のレコード店 「discland JARO」 へ行きました。先月、6月の通販リストが来ていたのにまだ注文していなかったのと、店主の柴崎さんと話がしたくなったからです。先日ブログに書いた「ジャズ解体新書」で、後藤さんと柴崎さんの対談を読んだからというのもあります。

P69 新宿に13:00頃に着いたので、途中銀行に寄ってお金をおろしてから渋谷へと向かいました。JAROは12:30~13:30まではお昼休み。ゆっくり行けばお昼休み終了後くらいのタイミングです。緑色の入口がお洒落です。入口を入るとすぐに階段があり、その階段にも商品が陳列されているという狭いお店なのですが、そこはジャズ・レコード・ファンにとっての桃源郷なのです。

店主はレコードを整理していました。「こんにちは。」「いらっしゃい。」の挨拶の後、お忙しそうだったので、早速お店のエサ箱(レコードを入れてある箱)を漁る私。通販リストを見ただけではピンと来ないのですが、エサ箱を見るとほしくなるようなレコードがゴロゴロしているのであります。これを桃源郷と言わずして何と言うのだろう(笑)。ここの在庫は非常にたくさんあるので端から見始めると、それこそきりがありません。ある程度絞り込んでエサ箱を漁ります。

エサ箱に『サヒブズ・ジャズ・パーティ』が入っていて、値段が安くてコンディション表記がなかったので、「どうしてこんなに安いんですか?」と店主に尋ねると「それ定価ですよ。新品。」との答えが返ってきました。そうか、私はてっきり中古盤だと思っていたら、これはこの間発売された再発レコードでした。思い込みが激しい私(笑)。「今度出たのは音質が良いと言ってますよね。」と私が言うと、「ジャズ喫茶みたいな大音量で聴くとそうでもないけれど、普通の音量で聴くと良いようになっているね。」とのお答え。さすがは聴くポイントが違います。

P67 さて、収穫を披露しましょう。まずは『ジョージ・コールマン・’ライブ’』。ジャズ喫茶「ジニアス」で聴いて一目惚れ、探していました。これは「ジャズ知られざる名盤ベスト1000」の中で後藤雅洋さんも推薦しています。前にJAROの通販リストにあったのに買いそびれたので、今度こそゲットです。店主によれば「これは良いですよ。この頃(1979年)はアメリカのジャズマンがヨーロッパで良い演奏をしているよね。」とのこと。

P68 次はウォルト・ディッカーソン『リレイティヴィティ』。最近はブルーノートよりは、プレスティッジやニュー・ジャズのオリジナル盤に興味があるので、これなのです。紫レーベル溝ありで安めなのがポイント。ウォルト・ディッカーソンは『トゥー・マイ・クイーン』(ブログにUP済)を聴いて気に入ったんですが、これはどんな感じですか?」と尋ねたら、「『トゥー・マイ・クイーン』が気に入ったなら大丈夫ですよ。この人は録音が少ないからね。」とのお答え。では買いましょう!店主が「『トゥー・マイ・クイーン』のオリジナル盤もあるよ。音いいですよ~。」と、私は「知っていますよ。でも高いから。」と返事。いつの日か買いたいな~。

他にも何枚か買いたかったのですが、きりがないので以上2枚にて本日は終了。
我ながら激渋な2枚だと悦に入っております(笑)。

色々話しをしてきました。まずは私のブログを「ジャズ批評」誌にのせてもらっている件、宣伝しちゃいました(笑)。店主は「後でネットを見させてもらうよ。」と言ってました(汗)。そこから「ジャズ解体新書」の話へ。例の東芝EMIがブルーノート1500番台を1番から出したのは、柴崎さんの進言によるものだったという話になり、あの時のどれが売れるかというデーターが今につながっているという話がありました。マーケティングに基づくデーターベースの元になっているということなんですよ。なるほどです。

そして、今進言したいことがあるとのこと。それは「ブルーノートの未発表盤(多分LTシリーズ)を番号順にレコードで再発したら反響があるはず。」とのことでした。お店に来るお客さんに聴いたら、「もし出れば買いたい。」と言った方が多かったそうです。最近レコードでの再発が盛んになっているので、その線は意外とアリなんじゃないかと私も思います。でもEMIの方にその話を伝えたら、それは難しいとの返事だったとか。「レコード会社の人も採算性をきちんと考えて上司を説得するような人材はいないんでしょうかね?」なんて話をして盛り上がりました。

お客さんが2名ほどいらしたので、狭い店内に4人はきついなということで退散。1時間ほどですが、レコードに囲まれての店主とのジャズ談義は楽しいものでした。いや~、久しぶりにJAROへ行って良かったです。

P70 せっかく渋谷に来たんだから、
今回は岡本太郎の「明日の神話」をしっかり見てきました。
渋谷駅とマークシティの連絡通路にあるのですが、
これまでここを通っても絵をちゃんと見たことがなかったのです。
岡本太郎の絵はストレートにパワーを感じるから好き!

続きまして「いーぐる新譜特集」の後に行った渋谷の「JBS」

本当は「いーぐる」の打上げに参加したいのですが、帰りの電車の時間が気になるので参加できないのです(涙)。その「JBS」ですが、ジャズ・ブルース・ソウルのはずなのですが、行くといつもジャズがかかっています。これではジャズ喫茶「JBS」と言っても良いかもしれませんね。

実はジャズ友tommyさんを急遽お誘いしたのですが体調不良とのことでした。残念。お店に入ると店主マルカム(ジャズ友間での愛称)は、いつものごとく愛想なく黙々とお仕事をしていました(笑)。今日はカウンターの8割くらいにレコードが積んであります。カウンターにはお客さんが2人いてそれ以上座れません。しかたなく右側のテーブル席へ座り、アイスコーヒーを注文。丁寧に淹れてくれるそれはとても美味しい!

P71_3最初にかかっていたのは左側のザ・デトロイト・フォー『キャディラック・アンド・マック』。バリー・ハリスがピアノのトロンボーン・ワンホーン・カルテット。こんなのがスティープルチェイスにあったのか~。知りませんでした。B級ジャズがお店とオーディオにベスト・マッチです。

次にかかったのが、右側のアブドゥーラ・イブラヒム(ダラー・ブランド)『ジャーニー』。これはジャケットからいってヤバイです(笑)。ドン・チェリーを始めとして、ブラック・ジャズな人たち10名ほどが参加したツイン・ドラム編成のスピリチュアル・ジャズ・ライブ。アフロなリズムにのって、合奏とソロが続く片面1曲。この黒さが堪りません。激渋!

P72 3枚目は、ジョニー・ダイアニ・カルテット『ソング・フォー・ビコ』。これもスティープル・チェイス。こんなの知りませんよ~(笑)。前のレコードとはドン・チェリーつながり?何とお読みしたら良いのかわからないアフリカンな人が参加しています。トランペットとサックスのカルテット。tommyさん言うところの「渋谷系シカゴ派」な1枚。

最後は泣く子も黙る(笑)?クリフォード・ジョーダン『イン・ザ・ワールド』。ストラタイーストのレア盤です。市場ではかなりの高値が付いているらしいですね。内容については説明不要のブラックな1枚。私は再発CDを持っています。電車の時間があるため、曲の途中で失礼することとあいなりました。

あ~あっ、今回もマルカムにはやられっぱなしです。
参りました。許して下さい(笑)!

マルカム・チョイス対決勃発!

tommyさんが先週木曜日に「JBS」へ行った時のマルカム・チョイスを
ブログに掲載しています。
http://ameblo.jp/tommy-tdo/entry-10298435711.html
tommyさん曰く「スウィートな黒さ」「ジャンキーなミュージシャンたち」の4枚。
こちらもなかなかだと思いますよ。
ジャズと黒さを知り尽くしたマルカムならではのチョイスです。

私の方は「ドス黒い」4枚。黒さでは私の方が勝っているようですね(笑)。
きっとサタデー・ナイト・フィーバー(古っ!)ってことで、リキが入っていたのかも?

「JBS」はまた行きたくなるお店です。

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「快楽ジャズ通信」に上野まなさんがゲスト出演!

明日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」上野まなさんがゲスト出演します。
上野まなさんって知っていますか?
俳優上野樹里さんのお姉さんで、シンガーソング・ライターなんです。

番組出演時のかわいい笑顔はコチラから。
上野まなさんのオフィシャルブログです。
http://www.musicbird.jp/podcast/kairaku_jazz.xml

そして声を聴きたい方はコチラから。
快楽ジャズ通信ポッドキャスト
見た目どおりで、トークもかわいいです(笑)。

いつもは雲さんとディレクター嬢のトークなのですが、
今回、雲さんはスタジオの外に追い出されたそうです(笑)。
上野まなさんとディレクター嬢のノリノリなガールズトーク。
是非聴いてみて下さい。

番組は、全国コミュニティーFM7月11日(土)20:00から、
ミュージックバードのTHE JAZZチャンネル7月12日(日)22:00から
ミュージックバードのcross clutureチャンネル7月16日(木)23:00から
放送されます。
番組テーマは「ボサノバ特集」。
私も楽しみにしています。

マニアックなジャズばかりではなく、たまには気分をリフレッシュ!

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ジャズ喫茶の閉鎖性?

ジャズ友tommyさんのブログに高野 雲さんが興味深いコメントを寄せていました。
tommyさんの沖縄のお店ジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」のコンセプトを考える
という記事に、雲さんから長~いコメントがあり、それを転載しています。
「ジャズ喫茶の閉塞性を考えるコメントだゾ!」という記事タイトル。
面白いですね!
コチラ↓を参照。
http://ameblo.jp/tommy-tdo/entry-10296461582.html#cbox

最初はジャズ喫茶の閉塞性のようなものは結構好きだというお話。
これについては私も同じような感じで好きです(笑)。
雲さんおっしゃる「今の若い人からすると「アフォくさ!」な世界かもしれません。」
が笑えると同時に、私も歳をとったことを痛感(笑)。

上記に続けて、「ジャズファンの閉塞性」を雲さんの番組「快楽ジャズ通信」
照らしてのご意見があるのですが、これがまた興味深いご意見。
番組ヘヴィー・リスナーの私としては、納得できるものです。
要はジャズ・マニアだけを見ているわけではないということなのですが、
これはアリだと思います。
その効果は今期から「快楽ジャズ通信」がミュージックバードの
THE JAZZチャンネルだけでなく、closs cultureチャンネルで再放送されるように
なったことに表れていますよね。

THE JAZZチャンネルの番組は、「PCMジャズ喫茶」「MOONKSTYLE」
「All About Riverside」「ターンテーブルの夜」
などマニア向けが多いので、
「快楽ジャズ通信」のようにジャズをメインにしつつも、カルチャーとしての
音楽番組はあっても良いと思っています。
「快楽ジャズ通信」はジャズ以外にも明るい雲さんに相応しい番組だと、
私は思いますよ。これからも微力ながら応援していきます。

さて、話はガラリと変わりまして、
ジャズ喫茶「いーぐる」の連続講演ウェブマガジンcom-postについてです。

今度の土曜日7/11にジャズ喫茶「いーぐる」で連続講演
「2009年上半期 NYダウンタウンを中心とした新譜特集」があります。
久々のこの企画。私も参加しようと思います。
講演者の益子博之さんは6月にニューヨークに行ってきたそうで、
その報告も兼ねての講演となるそうです。

益子さんのNY訪問については、com-postのコラムをご覧下さい。
とても楽しい記事になっていますよ。
NYの街角の写真もたくさんあって、観光気分で読めます。

現地のライブをちゃんと見たうえでの紹介。貴重だと思います。

com-postの特集記事にはビル・フリゼールへのインタビューもあります。

今日は情報関係諸々でした。

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今日は軽くいっときましょう。

昨日はちょっとお堅いことも書いたので、今日は軽くいきます。
この前の吉祥寺ジャズ・ミーティングの時にプレゼントされたレコードの話です。

P65ウェス・モンゴメリー『ストレッチング・アウト・ライブ・イン65』(1965年rec. 海賊盤)です。このレコードは後藤雅洋さん著「ジャズ選曲指南」に掲載されていた1枚。私がこの本掲載アルバムの完全蒐集をした際には、入手に苦労しました。ただし私が入手したのは同内容のCD。実はレコードがほしかったんですよね~。

当時 tommyさん も完全蒐集を目指していたので、当然これを入手していたのですが、さすがはtommyさん、きっちりレコードを探していました。私が完全蒐集した時、tommyさんにはレコードを聴く環境がなかったので(今はレコードプレーヤーが5台もあり、それらをどう整理するか悩んでいるようです。笑)、そのうちレコード好きな私にプレゼントしてくれるということになっていました。

そして、先月のジャズ・ミーティングの時にいただきました。ほんと、嬉しいですね~、プレゼントされるのって。ジャケット、盤ともにピカピカなんで余計感激しています。tommyさんどうもありがとうございました。やっぱりレコードで聴くと格別なものがあります。ムフフッ!

「ジャズ選曲指南」によると、このアルバムはマニア編ということになります。ウェスのアルバムは数あれど、ジャズ喫茶ならではの”ヒネリ玉”として、これをかけるんだとか。耳の良いファンは「いつもとちょっと違うぞ」と、飾ってあるジャケットを確かめに近寄ってくるらしいです。きっとこの瞬間がジャズ喫茶のオヤジにとっての喜びの瞬間なんでしょうね(笑)。

P66 こちらは同内容のCD。『ザ・インクレディブル・ジャズ・ギター・オブ・ウェス・モンゴメリー』です。このCDが同内容だということは「いーぐる」常連の八田真行さんから教えていただいたという経緯があります。ただしこちらには1965年のドイツ・ハンブルグでのライブも入っています。

私としてはそのドイツ・ライブが不満でした。演奏内容のことではありません。これを買った時に既に持っていたGAMBITレーベルの『ライブ・イン・ベルギー1965』にもそのドイツ・ライブが収録されているたからです。重複した内容のものを持つのって、私としては何か気分が悪いんですよね(笑)。

今回『ストレッチング・アウト~』をいただいたので、こちらのCDは売り払おうかと思っていたのですが、そうせずに、今度は私がこれを誰かにプレゼントしたいと思います。ほしい方いますか?ジャズ友の皆さん、メール下されば次回会う時にでもプレゼント致します。

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「ジャズ解体新書」から17年!

ジャズ喫茶「いーぐる」のマスター後藤雅洋さん著「ジャズ喫茶リアルヒストリー」に
登場していた「ジャズ解体新書」を、雲さんからお借りして読んでみました。
なるほどなるほど。

P64 後藤雅洋さんが7人の方を相手に当時のジャズを斬った対談集です。帯には過激な言葉が並んでいますが、今となってはそれほど刺激があるわけではありません。最近の私にはジャズを巡る表や裏の情報が色々入ってきている状況なので、刺激が足りないのかもしれませんが・・・?

最初はジャズ喫茶「メグ」の初代レコード係だった村上寛さんとの対談。
ジャズ喫茶に集うジャズ・マニアの会話です。「これいいよね。あれいいよね。」な会話&現状に対するグチです(笑)。最初は軽くジャブの打ち合い。

次はジャズ評論家の故油井正一さん。戦前戦後の日本のジャズ事情がよくわかります。さすがは油井さん!
そしてマイルス論が面白い。ドイツのジャズ評論家ヨアヒム・ベーレントに『ビッチェズ・ブリュー』の凄さを解説したなんて凄すぎます。当時この問題作をちゃんと理解していた油井さん、恐るべし。
あと、油井さんは『オン・ザ・コーナー』辺りからマイルスは麻薬をまた始めちゃったんじゃないかと言っています。死因も麻薬だろうと。中山康樹さんも1973年あたりから1975年の『アガルタ』『パンゲア』に向かって病的なものが増していくと言っていると思いますが、あれって麻薬なんでしょうね、きっと。じゃなきゃあんな音楽できませんよ。
そしてここでのマイルス論は後藤さんのマイルスがジャズを延命したという話につながっていくのだと思います。
最後に、ジャズの未来について油井さんが予言めいたことを言っています。
「俺と一緒に死んじゃうんじゃないか(笑)。もうジャズとは言えない音楽に変わっていくような気がしますね。僕は。それはそれでいいんじゃないかと思います。もうジャズという名でやることは残っていないんじゃないか、だからウィントン出てきたわけでしょうし。」
意味深です。皆さんどう思いますか?
私は油井さんとともにジャズ批評も死んでしまたのではないかと思う今日この頃です(笑)。

次は音楽評論家細川周平さん。細川さん著「レコードの美学」から、ジャズとポピュラーについて語っていますが、あまり印象が残りません。なぜか?細川さんと後藤さんの間に勃発した「コルトレーン好き嫌い論争」が内容の半分くらいを占めていて、その印象が強烈すぎるからです(笑)。私はどっちもどっちだと思いました(笑)。

次はピーター・バラカンさん。ジャズのブラックネスについてのお2人の意見が非常に近いことがよくわかります。そしてお2人はジャズの「黒さ」が好きなのです。
当時の新人ジャズマンの「黒さ」不足の問題が出てくるのですが、その後、この傾向は更に助長されるわけで、今のジョシュア・レッドマン『コンパス』へとつながってくるわけです。あと、バラカンさんのコマーシャルなもの拒否&倫理観を持て発言は意外でした。

次は渋谷のレコード店「discland JARO」の店主柴崎研二さん。レコードを漁りにくるお客さんの習性が語られていて面白いです。
LPからCDになって、音に対峠しなくなりBGM的になるという話があります。それは例えば『サキソフォン・コロッサス』という名盤のジャケットや曲順などを含めたイメージからの乖離を起こし、結果「名盤」という概念がなくなると言っています。これって携帯音楽プレーヤーの登場で更に助長されて今に至っていますよね。
これに対する提案の1つが雲さんの「ジャズは紙に書け!」ですよね。他に誰もこういう大事なことを言わないんだから、そりゃジャズも廃れますよ。
レコード会社に対する厳しいご意見もあります。ブルーノートの販売権利がキングから東芝EMIに移った時、1500番台を順番に出したんですが、柴崎さんはそれに1枚噛んでいたらしいです。私がジャズを聴き始めてしばらくしてのことなので、当時の業界に与えたインパクトをよく憶えています。

次はジャズ・ピアニストの佐藤允彦さん。後藤さんがミュージシャンの心理に迫っています。佐藤さんが言う「第3の眼」のコントロールの話は凄く面白かったです。インプロビゼーションとは何か?色々な方に是非読んでほしいです。

最後は脳科学者の加藤総夫さん。ここに後藤さんが言いたかったことが一番入っている気がします。だからこそ最後にもってきたんじゃないでしょうか?
一番言いたいことを簡単に言うと、なぜジャズが面白いのか?どういう姿勢で聴取すればその面白さがわかるのか?ということです。ここでの話は「いーぐる」ホームページ「Think」、ウェブ・マガジンcom-postでの「往復書簡」につながります。
既にここには、
「人間は身体のゲシュタルトによる対象の認知作用(身分け)、言葉による文節作用(言分け)の両方によって、世界の”意味”を把握しているわけです。」
という話が出てきます。
これって、つい最近もcom-postで議論していませんでしたっけ?
加藤さんと後藤さんは17年前にこの辺のことについて、既にかなり突っ込んだ議論をしていますよ。今また同じことが議論されているようですが、この対談は一度読んでおいたほうが良いのではないでしょうか?う~ん、この本絶版でした。
加藤さんは、後藤さんの主張が若い人にはなかなか分かり難いんではないかというようなことも言っています。これって今はもっと難しい状況になっていると思うんですよね~。

この「ジャズ解体新書」が出てから既に17年経っています。
結局ここで議論されていたことはどれほど身を結んだのかな~。
読んでいて複雑な心境になりました。
とは言いつつも、あれから17年、未だに同じようなことを言っているんだから、
意外と放っておけば良いのかもしれません(笑)。
と言うのは、ジャズ批評界では今も同じような議論がいくつかあるけれど、
結局は議論に反してそれなりのところに落着くんじゃないかと言う事です。
あんまり悲観的に議論する必要はないんじゃないかと・・・。
ケ・セラ・セラ、成るように成るってことで(笑)。

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妹尾美里さんは美人だなぁ~。

昨日のオーディオ・ネタによってアクセス数、来訪者ともに普段の3倍!
回路を拝借した先のサイトの掲示板へ書き込んだ効果が大なのでしょう。
オーディオ・ネタ恐るべし!

さて、昨日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「ミシェル・ペトルチアーニ特集」
ゲストはジャズ・ピアニストの妹尾美里(せのお みさと)さん。

妹尾さんははっきり言って美人です。
レッドソックスの松坂選手の奥さん元日テレ柴田アナ似です。
ちょっと憂いを帯びた感じなのですが、喋りも見た目どおりでした。

妹尾さんを見たい方は「快楽ジャズ通信」Tommy's Jazz Caf'eをご覧下さい。

妹尾さんはペトルチアーニが好きなんだそうです。
ずっと音大でクラシックを勉強しつつ色々な音楽を聴いていた妹尾さん。
ペトルチアーニに嵌るきっかけとなったのは『プレイ・グラウンド』というCD。
中でも《セプテンバー・セカンド》という曲が好きだとか。
ラテンが好きで、情熱的な演奏が好きなんだそうです。
番組でかけたのはアルバム『トリオ・イン・トーキョー』から。

続いては雲さんにとってのペトルチアーニと言えばこれ。
『ミシェル・ペトルチアーニ』から
《オマージュ・ア・オマージュ・ア・エネルラム・アトセニグ》

この曲は私も好きな曲ですね。
確かにペトルチアーニと言えばこれでしょう。
(以降、緑字は私が曲を聴いての感想などです。)

次は雲さんが聴いてペトルチアーニと同じような熱量を感じたという
妹尾さんのアルバム『ローズ・バッド』から《バタフライ》
雲さん曰く、ペトルチアーニが硬水「ヴォルビック」なら、
妹尾さんは軟水「六甲のおいしい水」。
いつものことながら上手いこと言います。

クラシックの匂いは残っていますね。ヨーロッパ系のピアノです。
でもそのメロディーはどこか和テイストが香ります。
アキコ・グレースさんにも通じる色合いがあると思います。
しなやかで癖がない感じかな~。この味ってまさに「六甲のおいしい水」?

ピアノ・トリオが続いたので趣向を変えて、
ステファン・グラッペリのバイオリンが参加した曲。
『フラミンゴ』から《ゼア・ウィル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユー》

久しぶりにグラッペリを聴きましたけど良いですね。
私はバイオリンと言えば寺井尚子になってしまうのですが、
(最近は金鳥のCMが頭に浮かんできます、笑)
グラッペリのほうが優しい音ですね。
ソフトなバイオリンとピアノの硬質なタッチが好対照。

雲さんは聴いたあとに「ワインを飲みたくなっちゃう。」とか言ってました(笑)。

次は妹尾さんのラテン・テイスト好きな選曲。
『ミシェル・プレイズ・ペトルチアーニ』から《ブラジリアン組曲》
妹尾さんが好きなところは、メロディーとコード進行。爽やかで翳りがある曲調。

今回はお2人の持ち寄ったアルバムが重ならなかったそうです。
雲さんは低音域をシングル・トーンで弾くときの凄味なんかが好きで、
『ノーツン・ノーツ』『パワー・オブ・スリー』など、
ストレートアヘッドでジャズ色の強いものを持ってきたのに対し、
妹尾さんはラテン・フレーバー色が強いものを持ってきたとか。

そんなお2人ですが、一致して良いというのが『デュオ・イン・パリ』、曲は《枯葉》
ペトルチアーニの特徴であるメロディアスなソロの魅力。
お2人はソロ終盤のフレーズを繰り返すところが良く、
パッと終わるタイミングが良いなんて言ってます。
エディ・ルイスとの掛け合いも良いし、
ルイスのオルガンがホワッとして、フランスの香がするところが良いとも。

またこの曲ですか~(笑)。
《枯葉》特集でもかけていましたよね~。
まっ、いいものはいいんだからしょうがありません(笑)。

雲さんからご指摘が。
この曲は《枯葉》特集でかけたのではなくて、
「PCMジャズ喫茶」に雲さんがゲスト出演した時にかけたのでした。
雲さんは色々考慮しながら選曲しているので、重複するはずないですよね。
私の思い違いでした。ごめんなさい。

長い曲なので途中フェード・アウト。
妹尾さんから、ペトルチアーニの共演者が多彩なことは、
ペトルチアーニの女性との付き合い方に通じるなんて話や、
色んな演奏をやっていても芯が立った音なのですぐにペトルチアーニとわかる
なんて話がありました。

<アフター・アワーズ編>

本編でかけられなかった雲さんセレクト曲をかけつつトーク。
「人によって魅力を感じるポイントが違うという多面性を持ちつつ、
弾いているとこの人とわかるものを持っている。」なんて話がありました。

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プリアンプ改造終了!

先週だったっかな?オーディオの虫がうずいてしょうがないって書いたのは。
それでず~っと前から懸案だったプリアンプを改造したいと書きました。
ハハハッ、改造してしまいました(笑)!
今回はかなり満足がいく結果になり、気を良くしています。

そのプリアンプの改造内容とは?

一時期はオペアンプを使ってしまおうかとも思っていました。それでもなお色々ネット検索していたのですが、最近の自作記事は真空管を使ったものばかり、これはダメかな~と、一時はあきらめかけていました。そうしたら、ありましたよ。ぺるけさんという方が運営している 情熱の真空管 という知る人ぞ知るサイトです。

ここにある 「FET式差動ライン・プリ・アンプ」 を作ることにしました。

何が良いかって?回路が簡単なことです。私はあまり複雑な回路は好みません。だからFET2個の1段増幅というシンプルな回路に惚れたのです。”ビビッ”ときましたよ!問題はFETを選別してペアを作らなければならないことです。

Pre0 問題はあっさり解決。ぺるけさんが選別ペアFETを頒布して下さっているのです。早速メールして注文しました。丁寧かつ簡潔な対応をしていただき気持ち良かったです。ご覧のとおりの気配りもさすがです。上が選別ペアFETで下が定電流用FET。私は念のため2組分注文しました。何しろ半導体を使った工作はかなり久しぶりなので、FETをうっかりあの世に送ってしまう可能性があったからです(笑)。

Pre1 回路基板は2枚自作しました。まずは電源基板。コンデンサと抵抗だけの簡単な回路です。コンデンサは真空管アンプを作った時のものを流用。セラファインとブラックゲートのノンポーラ。抵抗は秋葉原千石通商で売っている金属皮膜抵抗1/2W誤差1%です。電圧を分割するので正確な値の抵抗がほしかったのです。部品の足で配線することを基本として、足りないところは錫メッキ銅線を使っています。一応左右分離しました。

Pre2_2 こちらはアンプ基板。電解コンデンサはミューズ。音声信号が通るので高級なものを使いました。フィルム・コンデンサはERO。抵抗は秋葉原海神無線で売っている音響用金属皮膜抵抗1/2W誤差1%。この抵抗は製造中止なんだとか、売り切れの値のところにはKOAの金皮抵抗が置いてありました。私お気に入りのデールの金皮抵抗も同様に製造中止だとか。自作派にとっては年々厳しい状況になっている気がします。こちらも基本は部品の足で配線して、足りないところは錫メッキ銅線を使っています。

基板作りは大変でした。最近老眼なので、ランドが光ってどこがどこだかよくわからないのです。大体の感覚で半田付けして、接触の有無と半田ののり具合をいちいち虫メガネで確認しながら作業する始末です(笑)。ここはきっちりしておかないと後々のトラブルになるので手は抜けません。ご覧のとおりの簡単な回路ですので、それほど時間はかかりませんでした。それでも付近のランドに余分な半田が付いたりして、半田吸い取りでとったりしたのでちょっとお恥ずかしい仕上がり具合です(涙)。

Pre3_2 ケース、入力セレクタ、ボリュームは元のプリアンプのものを使用。ケースはタカチ製、セレクタはセイデン製、ボリュームは東京光音電波の受注生産アッテネータです。取り付け穴も出来るだけ前のものを生かして、必要最小限の穴開けをしました。

今回電源の仕様が全く変わってしまったので、電源トランスと安定化電源を新規購入しました。電源トランスは必要容量より大き目のものをセレクト。ただしこの手の小型のやつはシールドとかはないので、アルミ板で静電シールドくらいは取り付けました。安定化電源は秋葉原千石電商で売っている組立て済みのものです。

もともと余裕ある大きめのケースに入れていたので、中はご覧のとおりのスカスカ。入力コネクタからセレクタまではシールド線を使っていないので、トランスが近くにあるとノイズを拾う可能性大。なのでこのくらいが丁度良い大きさだと思います。

最初に電源部のみ取り付けて電圧を確認し、その後アンプ基板を取り付けて再度電圧を確認しました。と言っても確認するのは数箇所のみなので超簡単。さて、ここで一応アンプの特性を調べておくことにしましょう。

特性を調べると言っても、正弦波と矩形波を入れてその出力波形を確認するだけのことです。今まで真空管アンプをたくさん作ったので、これだけ確認しておけば特に問題はありません。発信器は日本オーディオの計測器RC-1Sを使っています。この計測器は歪み率の測定もできます。オシロスコープは秋葉原計測器ランドで買った韓国製の一番安いものです。オーディオ信号ならこの程度のオシロで十分。アンプを自作するならこの程度の測定器は揃えておきたいものです。

Pre4_2正弦波の方は見ても面白くないので、矩形波の結果だけのせておきます。左から100Hz、1KHz、10KHzです。100Hzにサグはないので低域特性は充分です。1KHzは全く問題なし。10KHzは少しなまっていますが、この程度ならオーディオ帯域は充分確保されています。オーバーシュート、アンダーシュート、リンギングがないので高域は素直に減衰しているはずです。

いよいよ音出しとなります。今使っているのはプリメインアンプA-10Ⅲ。プリとメインを分離してパワーアンプとして使います。このアンプの入力インピーダンスが低いので、以前のプリアンプでは難儀したのですが、今回はいかに?ちょうど良いくらいのゲイン(利得)でした。私が希望する程度のボリューム角度で適度な音量を確保できます。ノイズはいかに?スピーカーに耳を近づけてやっと残留ノイズが聴こえるかどうかくらい。なかなか良好です。

さて、肝心の音。まあ、こんな簡単な回路なので特筆するようなものはないのですが、いたって素直でクリヤな音です。セパレーションも良好。これで良いのです。パーツも少ないので音響用の部品を使えばまっとうな音が出るのは当たり前ですね。まだエージングが足りないのでちょっと粗さがありますが、エージングが進めば良い結果が得られそうです。ムフフッ、私好み!

* その後順調にエージングは進み、素直でクリヤな音質にほのかな艶が乗って良い感じになりました。メインシステムのプリアンプとして愛用しています。

今回のプリアンプ改造は大成功!
簡単にしてシンプルなオーディオを楽しむ。
それでいいじゃありませんか?
私にはハイエンドオーディオは無用なのです。

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ボブ・バーグいってみよう!

ボブ・バーグって知ってますか?
復帰後マイルス・バンドの2代目サックス奏者です。
マイルス・バンド加入&脱退後は結構人気がありました。
マイケル・ブレッカーと人気を2分していた観もあります。
でも、2002年に51歳の若さで交通事故死。
惜しい人を亡くしました。

P63 さてそんなボブ・バーグのリーダー作を紹介します。『ショート・ストーリー(邦題:ボブ・バーグ短編集)』(1987年rec. DENON)です。メンバーは、ボブ・バーグ(ts,ss)、ドン・グロルニック(org,syn,p)、ピーター・アースキン(ds,per)、ウィル・リー(b,per)、マイク・スターン(g)、ボビー・キルゴア(programming、key)、ジェフ・アンドリュース(b)1曲のみ、デヴィッド・サンボーン(as)1曲のみ、です。

このCD、当時のDENON(デンオン)のPCM録音シリーズの1枚で、¥3,300です。当時のCDは高かったけど、新録音はCDしか出ていなかったので買うしかありませんでした。今やHQCDですらこんな値段はしませんから良い時代だと思います。なのにレンタル&i-podですからね~。CDを売る方にとっては厳しい世の中です。

マイルス・バンド脱退後に初めて出しました。それまでに2枚のリーダー作があるのですが、知る人ぞ知るというレベルだと思います。この人遅咲きです。一方で最初のレコーディングはホレス・シルバー・バンドの1974年ですから、サイドマンとしてのレコーディングはたくさんあります。

シダー・ウォルトンのリーダー作にもたくさん参加していて、ジャズ喫茶に行くようになってわかったのですが、結構色々なジャズ喫茶で、バーグ参加のウォルトンのヨーロッパ盤をかけています。ジャズ喫茶ではマイルス・バンドに参加するより前にその名は知られていたみたいです。

バーグはマイケル・ブレッカーと同じで、コルトレーン影響下のサックス奏者です。この2人、結構似たようなフレージングですよね。ブレッカーの初リーダー作が同年に出たので余計比較されることになってしまいました。でも、ブレッカーよりバーグのほうがバップ寄りなのは皆さんご存知のとおり。ブレッカーが早くからフュージョン路線だったのに対し、バーグはその頃ウォルトのところでバップやっていましたからね。

さて、このアルバムのお話。1曲目『フライデイ・ナイト・アット・ザ・キャデラック・クラブ』(バーグ作)からノリノリです。グロルニックの弾くオルガンが結構ファンキーです。バーグのソロはブレッカーにも通じるメカニカルなフレージングなのですが、この人の場合は温度感がブレッカーより断然高いのがグッド。そしてアースキン&リーのシャッフル・リズムが心地良いです。

2曲目のバラード『ワーズ』(スターン作)は、バーグがいい味出してます。この人、アップ・テンポでのハードな演奏のイメージがありますが、バラードもなかなかいけてるんですよ。3曲目『スネークス』(バーグ作)では、やっとマイキー(マイク・スターン)のソロが出てきます。イエ~イッ(笑)!バーグとマイキーはその後双頭バンドをやることになりますから相性は良いのです。

『カリンバ』(バーグ作)には、サンボーンも参加していますので泣きのアルトも楽しめます。2人のサックス対決、なかなか好勝負ですね~。この曲はで出しが小節の途中から入っているので、バーグが吹き出してやっと正しい小節の区切り目がわかります。でっ、私が一番好きなのは『ザ・サーチ』(スターン作)。スケールが大きい感じが良いのです。バーグが朗々と吹くテナーを聴いていると、イメージが遥か大空へ広がる感じです。タイトル「探求」ですからね~。何となく「スタートレック」な感じも(笑)?

バーグの熱くて鬱陶しいテナー、これからの暑い夏にいかがですか(笑)?

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この双子は只者じゃない!

昨日ちょっと出ていたやつらのアルバムを紹介しておきましょう。

P61 まずは、ムタン・リユニオン・カルテット『レッド・ムーン』(2003年rec. nocturne)です。メンバーはフランソワ・ムタン(b)、ルイ・ムタン(ds)、バティスト・トロティニョン(p)、リック・マーギッツア(ts)です。フランソワ&ルイのムタン兄弟は双子です。

兄弟でベースとドラムをやるって、なんかカッコ良いと思いませんか?1人がピアノとかホーンをやるならありがちだと思うのですが、2人そろって裏方リズムっていうのが粋です(笑)。

こいつらかなりヤバイです。まずフランソワのベースが強靭の一言に尽きます。ヨーロッパのベーシストだけあってテクニックは凄いのですが、テクニックに走らずに”ブリンブリン”とベースを掻きむしります。真中にドンと居座るベース音を聴いていると惚れ惚れします。

ルイのドラムはレスポンスとフレキシビリティ重視。リスムを細分化しつつ強靭なベースに柔軟にからんでいきます。どちらかと言えば軽いかもしれませんが、しっかり地に足がついたリズムで安定感は抜群です。

この2人のコンビネーションが作り出すリズムは、重くも軽くもなく丁度いい按配でドライブ感に溢れています。そんなリズムにからむピアノがトロティニョン。この人のアルバム『FRUID』はピアノ・トリオ・ファンの間で結構人気がありますよね。ヨーロッパ系のクラシックも心得たうえでの、現代的なハーモニー・センスでスマートなピアノを弾く人です。結構熱く弾いてくれます。

テナーのマーギッツアは、マイケル・ブレッカーに通じる現代コルトレーン系サックス奏者です。ゴリゴリはないので物足りないかもしれませんが、スマートなフレージングでの落着いたプレーはこのバンドにとてもよくマッチしています。

このアルバムはほぼムタン兄弟が作曲しています。トロティニョンやマーギッツアだって良い曲を作るのにここでは一切なし。そのムタン兄弟の曲がかなりカッコイイのです。コンテンポラリー・ジャズの理想系かも?甘い美メロでもなく、難解なアブストラクトでもなく、ブルージーでもなく、都会的でフランスのエスプリ(また出た、笑)に溢れた曲だと思います。私は好きだな~、こういうの。特に《テイキング・オフ》でのリズムが変化したところのメロディーなんかは、く~うっ、たまらん!です(笑)。

このアルバム、一言でいうなら新主流派の温度感をもう少し高くして甘さをまぶした感じです。私はお気に入りです。

アルバム名:『RED MOON』
メンバー:
Francois Moutin(b)
Louis Moutin(ds)
Baptiste Trotignon(p)
Rick Margitza(sax)

P62 ついでにもう1枚。同じくムタン・リユニオン・カルテットの『サムシング・ライク・ナウ』(2005年rec. nocturne)です。メンバーは、フランソワ・ムタン(b)、ルイ・ムタン(ds)、ピエール・ド・ベスマン(p,rhodes)、リック・マーギッツア(ts)です。ピアノがベスマンにチェンジしましたが、内容的には上記アルバムとほとんど同じです。んっ、でも温度感は更に上昇。

このアルバムも1曲を除いてムタン兄弟が作曲していて、相変わらず私好みの曲満載です(笑)。除いた1曲はなんとチャーリー・パーカーの曲で、《コンファーメーション》から始まる《バーズ・メドレー》。それもムタン兄弟のベース&ドラムのデュオ。このデュオがまたユニークな演奏なのです。なかなかのセンスだと思います。

最後に、ジャケット写真を見て下さい。パリの街?を並んで歩いているのがムタン兄弟。ハンサムぅ~&不良してます。この2人がやっているんだからカッコイイに決まっているじゃないですか、えっ皆さん?ムタン兄弟恐るべし(笑)!

アルバム名:『something like now』
メンバー:
Francois Moutin(b)
Louis Moutin(ds)
Pierre de Bethmann(p, fender rhodes)
Rick Margitza(sax)

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FSNTの一発屋?

昨日はココログniftyのシステム障害が発生したので、昨夜は書き込みができませんでした。もしシステム障害でブログの内容が消去されてしまったら復活できるのでしょうかね~。ログをとっているわけではないので、それっきりになります。まあ、ブログは書く行為に意味があるので、書いたものにそれほど執着心はありません(笑)。とは言ったものの、もし消えてしまったらやっぱり寂しい。

さて、今日はフレッシュ・サウンド・ニュー・タレント(FSNT)のお話。このレーベルはとにかくたくさんの人にレコーディングの機会を与える素晴しいレーベルなのですが、それゆえ1発屋も少なくないのです。実際のところ、現地で他のレーベルにアルバムを録音しているかもしれないのですが、それは往々にして弱小レーベルだったりするので、日本に輸入されるかどうかは未知です。となると、日本ではFSNTの一発屋となってしまうわけです(笑)。

P60 これもそんな1枚?ミシェル・フェルバーバウム『スウィート・ソルト』(2005年rec. FSNT)です。タイトル「甘い塩」って何?Amazonで購入できます。私はいつものディスクユニオン・アウトレット買い(笑)。メンバーは、ミシェル・フェルバーバウム(g)、ピエール・ド・ベスマン(p,rhodes)、ダリル・ホール(b)、カール・ジャヌスカ(ds)です。

フェルバーバウムは1990年からパリで活躍するさ才人ギタリストだそうです。この人のギターは色々なギタリストからの影響を感じさせます。メセニー、ジョンスコ、マイク・スターンなどなど、コンテンポラリー・ギタリストの種々の要素が混じってこの人のサウンドになっているのです。ついでに言うと、カート・ローゼンウィンケルから灰汁味を除いた感じとでもいいましょうか?

このアルバムではフェルバーバウムが全曲作曲しています。都会的な洗練と適度な哀愁があり、お洒落でクールな曲想になっています。この感じが「甘い塩」なのかも?考えすぎかもしれませんが、フランスのエスプリが漂うのです。こういう曲にピッタリなのが、ベスマンのピアノですね。

ベスマンは「プリズム」というお洒落で硬派なピアノ・トリオを組んでいたんですよ。このピアノ・トリオ、凄く瑞々しくて新感覚。ベース、ドラムが一体となっての疾走感はカッコイイので是非聴いて見て下さい。アルバムを4枚出したようですが、1作目は入手困難?それから「ムタン・リユニオン・カルテット」の2代目ピアニストでもありますね。

この2人、フェルバーバウムとベスマンが組めば、硬派なコンテンポラリー・ジャズの一丁上がりです。難解なところはありませんのでご心配なく。どちらかと言えばポップです。ポップなんだけど、安易なフュージョンとは一線を画しているところが、こいつらフランス人のエスプリのなせる技なのではないかと思います。

同じ時期に、フェルバーバウムが参加したベスマンの『Oui』という兄弟盤?がありますので、よろしければどうぞ(笑)。ちなみに私は未聴です。

アルバム名:『SWEET SALT』
メンバー:
Michael Felberbaum(g)
Pierre de Bethmann(p, fender rhodes)
Darryl Hall(b)
Karl Jannuska(ds)

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