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ちょっと冒険してみました。

ディスクユニオンのアウトレットを時々利用します。買いたかったものが格安で入手できる場合があるからです。そして安いのを良いことに、参加メンバーと曲目を見て、ちょっと冒険して中身不明なものを買うことがあります。

P21 今日の1枚はそんな1枚です。ヨハネス・エンダース『ドーム』(2007年rec. Intuition)です。メンバーは、ヨハネス・エンダース(ts,b-cl,alto-fl,electoronics,phillicord Organ)、ニルス・ペッター・モルヴェル(tp)、ユリ・ワンゲンハイム(b-cl)、ラルフ・シュミッド(church org)、サム・シュラミンガー(dohol,tombak,electoronics)、ジョン・ホレンベック(ds,per)です。リーダーは知らない人だったのですが、ニルス・ペッター・モルヴェルとジョン・ホレンベックがいたので買いました。この2人がいるとなると何かやってくれそうでしょ?

さて、どんなアルバムなのかと思って聴き始めると、いきなり何やら荘厳な響きの曲が始まったのでビックリ。モルヴェルの切なく広がるトランペット・ソロが気持ち良いです。後で調べたら、エンダースがヨーロッパの宗教音楽にインスパイアされて作ったのだとか。なるほど荘厳な響きはそういう流れなのかと納得です。

バシリカ風教会でチャーチ・オルガンを使って録音しています。曲はヨーロッパの宗教音楽の雰囲気を基調にしつつ、モルヴェルが参加しているせいか、ジャズランド・レーベル的北欧の匂いも濃厚です。映画のサウンド・トラックのような想像力を掻き立てる音楽が次々と流れていきます。

面白いのはトラックによっては、プログレ~ミニマル・ミュージック的なものがあり、これはあきらかにホレンベックのやっている音楽からの影響が感じられます。そして中には打ち込みリズムを使ったもろモルヴェルな曲もあります(笑)。そういうものが一連の荘厳な響きに違和感なく混入されているのがなかなか素敵です。

どちらかというとモルヴェルのトランペットが目立つのですが、リーダーのエンダースはリード奏者で、クラシカルな響きやサブ・トーンを生かしたテナーをしっとり吹いています。バス・クラリネットも吹きますが、ここでも荘厳な感じを引き出していて、こういう使い方もあるのかという感じです。このアルバムでエンダースはリード奏者よりはコンポジションに力を入れています。

ホレンベックのやっていることも相変わらず凄いですね。例によってグロッケン・シュピールを効果的に使ったり、行進の時の大太鼓のような効果を出したり、打ち込みリスムにニュアンスを加えたりと、荘厳な雰囲気に力強い躍動感をさりげなく混入させるセンスはこの人ならではだと思います。

このアルバム、いわゆるジャズからは外れているのですが、こういうものもジャズに許容してしまうところにジャズの面白さを感じています。是非聴いてもらいたい1枚です。

それからもうひとつ、Intuition(インチュイション)というドイツのレーベルはなかなかコアな作品が多いので要注目だと思います。近いところではジム・ベアードの『レヴォリューションズ』、アーサー・ブライスがまるでデヴィッド・サンボーンなジョーイ・バロンの『ダウン・ホーム』、ロルフ・キューンのアルバムなんかがあります。

アルバム名:『dome』
メンバー:
Johannes Enders(ts, b-cl, a-fl, electronics, phillicorda org)
Nils Petter Molvoer(tp)
Uli Wangenheim(b-cl)
Ralf Schmidt(church org)
Saam Schlamminger(dohol, tombak, electronics)
John Hollenbeck(ds, per)

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