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2009年5月

長澤祥さんが引退しちゃった!

今日のミュージックバードの「PCMジャズ喫茶」、何かいつもと違うと思ったら。
レギュラーゲストの長澤祥さんが番組に出演していなかったのです。
ミュージックバードの受信器には文字情報が表示されるのですが、
そこには「レギュラーゲストの長澤祥さんは番組を引退しました」と。
なっなに~っ!「PCMジャズ喫茶」といえば店主寺島靖国さんと
レギュラーゲストの岩浪洋三さんと長澤祥さんの「210歳トリオ」あっての番組。

そう言えば前回、前々回は長澤さん宅での番組収録でした。
長澤さん最後の出演は、長澤さん宅でということだったのでしょうか?
それにしても、中途半端なタイミングな気がします。
長澤さんの健康上の理由なのかな~。ちょっと心配です。

長澤さんからコメントをいただきました。2009/6/22
新たな生きがいを求めて元気にお過ごしとのことで安心しました。

長澤さんはオーディオの話題において寺島さんの良きパートナーでした。
時々長澤さんの?な話があり、寺島さんがそれを必死に解説するところが
番組の面白さにもつながっていました(笑)。
岩浪さんはジャズについては凄いのだけれど、オーディオ面ではちょっとな~。
3人あっての絶妙なバランスが番組の肝だったのに。

当分は寺島さんと岩浪さんにゲストという形で進行するのでしょう。
今日はこころなしか寺島さんの過激言い切り発言が控えめに思えたのですが、
気のせいかな~。
今後の番組をどうして行くのか?見守りたいです。

さて、今日の番組ゲストはミューザック福井亮司さんでした。
最近色々なところに出演していますね~。
私が公開録音を見た田中伊佐資さんの番組にはHQCDで出演していました。
今日は宣伝控えめで、6月にミューザックから出るアルバムの紹介くらいに
とどまりました。
それで福井さんのジャズ聴きのルーツ話をメインにしていました。

その中で福井さんがプロデューサーをしたことがあるという話が出ました。
そのアルバムとは、何とピアニスト橋本一子さんの『マイルス・アウェイ』
雲さんの「快楽ジャズ通信」に橋本さんがゲスト出演した時、
そのアルバムを聴いてほしくなったのですが、現在廃盤で入手困難なのです。

プロデュースは難しいなんて話をしていました。
なんでも福井さんの希望でゾンビーズの《マイルス・アウェイ》を収録したが、
橋本さんはどうもそれがお気に召さなかったらしいとのことです。
そのことはレコーディングの時ではなく、後になって聞いただとか。
マイルスへのトリビュート・アルバムなのに、この1曲だけゾンビーズは
やっぱりまずかったかなとの福井さんの後悔の弁もありました。
このアルバムはそれなりに売れたそうです。

福井さんは第2段の『マイルス・ブレンド』もプロデュースしたそうです。
このアルバムはコーヒー・カップのジャケット写真が先に決まっていて、
このジャケット写真に合わせるようにタイトルを決めたのだとか。

寺島さんはこれらのアルバムのことを、いいジャケットだと言ってました。
そして、歴史に埋もれず残っていく何かがあると言っていました。
私にはちょっと意外な感じでしたが、
福井さんの前でお世辞を言ったということでもなさそうに思えました。

寺島さんは、「その後彼女の名前は聞かないですね。あれが全盛期。」とか言い、
福井さんは、「彼女はジャズ意外もやっていて、全盛期はもう少し前。」とか
言っていました。
う~ん、今、橋本さんがやっている「Ub-X」を知らないのかな~。
私は「Ub-X」が好きなんですよね。

ここで一言!『マイルス・アウェイ』の再発を是非お願いします!

番組では他に、岩浪さんのワン・ホーン・カルテットのコーナーと、
寺島さんのピアノ・トリオでのラテン・ナンバーのコーナーがありました。
気のせいなのかもしれませんが、何かやっつけ仕事的な匂いが・・・。
今日の番組を聴いて、実は長澤さんが抜けた穴は大きいのではないかと
思いました。
どうする?「PCMジャズ喫茶」。

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何か嬉しい私です!

今日は何か嬉しいな~。

一昨日私が「ジャパン」というイギリスのロックバンドが好きだと書きました。

そしたら今度は雲さんが、ブログ「快楽ジャズ通信」に「ジャパン」が好きだと

書いていました。

雲さんが「ジャパン」を好きだということは前に聞いていましたが、

改めて同じバンドが好きだと言われると、やっぱり嬉しくなるのがファン心理。

「そうですよね。いいですよね~。」と言い合って、酒でも飲めればもっと最高!

これが一般に認知度が高い人のファンだと言うのならそれほどでもないのですが、

「アレッ、ちょっとマニアック?」な場合は違うんですよ。喜びが(笑)。

まっ、今回はロックの話になってしまいましたが、

ジャズの場合でも同様なことはあるわけでして、

音楽ファンの友達はやっぱり必要なのだと思いますよ。

「快楽ジャズ通信」には「ジャパン」のアルバムだけでなく、

ベースのミック・カーンやボーカル&リーダーのデヴィッド・シルビアンの

雲さんライクなアルバムが何枚か紹介されていまして、

雲さんがお気に入りと言うのなら、私も「聴いてみたい!」となるのです。

あ~っ、音楽ファンの友達は必要!

音楽ライフが豊かになります。

そう言えば、昨年の5月30日に雲さんとお会いしたのでした。

そこで少し前に知り合ったtommyさんと合流して

というか、tommyさんの編集ルームでカレー・パーティをして、

一緒にミュージックバードの「快楽ジャズ通信」の公開録音を見て、

その後ジャス喫茶「いーぐる」で後藤さん著「ジャズ選曲指南」掲載アルバムの

コンプリート蒐集ミニ・パーティをしていただいたのでした。

やっと1年経ちました。

この1年、ジャズに関してやけに色々なことが勃発しました(笑)。

ジャズ友効果であり、「幸せを呼ぶ毎日ブログ」効果でもあり、

関係者の皆様に感謝、感謝なのであります!

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日本人ジャズを聴こう。久々!

昨日のジャパンの続きをちょっと。
ジャパンが私のジャズ聴きにつながるということを書きました。それをもう少し具体的に書くと、『孤独な影』を聴いていたから、その後聴くマイルスやウェザー・リポートにあまり違和感を感じなかったのではないかと思うということです。もちろん影響(直接的にはないと思う)の方向は、マイルス&ウェザー⇒ジャパン。なので、ジャパンの中に認められる私が面白いと感じるもののルーツがマイルスやウェザーにあるように思うのです。

さて、今日のお題の日本人ジャズは、

P28 sim+otomo『Monte alto Estate』(2009年rec. doubt music)です。メンバーは、ユニットsim:大島輝之(guitar, composition)、大谷能生(computer, electronics, etc.)、植村昌弘(drums)と、大友良英(turntables, self-made symthesizer)です。「東京大学のアルバート・アイラー」を菊地成孔さんと一緒に書いた大谷さんと、現フリー・ジャズ界の最重要人物大友さんの共演です。面白そうでしょ。

doubt musicと言えば、元ディスクユニオンの社員でジャズ批評誌にも投稿しジャズ喫茶「いーぐる」にも縁が深い沼田順さんが主催するレーベルです。その昔ジャズ批評誌上で勃発した沼田さんと寺島靖国さんとの論争には呆れました(笑)。そう言えば昨年末の「いーぐる」ベスト盤大会の打上げで、後藤さんから沼田さんを紹介していただいたのに挨拶を交わしただけでした。

今日なぜこのアルバムを取り上げたかと言えば、もちろんこういうサウンドも好きだからですが、実は「いーぐる」note(掲示板)への以下の書き込みが気になったからです。

ジョシュア・レッドマンのアルバム『コンパス』についての、「こんぱちゅ」様の書き込みです。その最初の部分を抜粋しました。

いきなりテクノの話です。サクッと言えばテクノのミュージシャンは別に
1様々なリズムを組み合わせて細分化させている だけではなく、
2それによって生み出された空間に
3サンプリングによって抽出した様々な音価(楽器じゃなくとも構わない)を散りばめているんですね。

私は思いましたよ。『sim+otomo』にそのまま当てはめたいと。

まずリズムの主体はドラムですが、そのリズムはとても複雑です。タイミングが微妙にコントロールされています。このリズム、doubt musicの新譜解説によると大島さんが作曲した緻密なものらしいです。凄いです。それを叩くドラマーの植村さんもまた凄い。

雲さんから聞いた話によれば、こういうリズム感覚はピアニスト橋本一子さんのグループUb-Xのポリ・グルーヴを支えるドラマー藤本さんにもあるらしいです。正確なリズムと言えばジョン・ホレンベックにもそういうことは言えますね。こういう人達って、テクノにおける機械が生み出すリズムを消化した現代の新感覚派ドラマーなんだと思います。

リズムで面白いのは大島さんのギター、これって現代版リズム・ギター。私がすぐに思い浮かべたのは、その昔で言えばカウント・ベイシー楽団のフレディ・グリーンであり、もう少し後では、70年代のエレクトリック・マイルス・バンドのレジー・ルーカスであり、ヘッド・ハンターズのワー・ワー・ワトソンとレイ・パーカーJr.です。皆さんカッティング・ギターの名手であります。なんで今リスム・ギターなのか?興味深いです。

ベース奏者はいなくて、そのかわりにシンセのベース単音が小説の区切りに入っている曲が多いのも面白いところです。以上のような手法で作られるリズムの全体像としては、腰にくるファンク・グルーヴという感じです。乗りにくそうで乗れちゃうリズム。その空間の上に大谷さんと大友さんのエレクトロニクス音(様々な音価)が散りばめられています。

もう1つ面白いことがあります。オルガンの持続音を被せた曲があるのですが、聴いてピンときました。マイルスのアルバム『ゲット・アップ・ウィズ・イット』に収録されていた《レイテッドX》。後藤雅洋さんが「地獄の」と言い、村井康司さんが「邪悪なサウンド」と言う曲です(笑)。雰囲気が似ています。まあ、こっちの演奏は現代らしく、地獄と邪悪はかなり薄れています。こういうのを聴くとマイルスってとんでもない人だったと思います。今から35年も前にラジカルにやっていたんですから。

というわけで、このアルバムのサウンドは上記テクノの特徴そのものじゃないかと思いました。テクノの雄Y.M.O.が生まれた日本ならではのサウンドここにありです。現代の日本ジャズには面白い人達がいるんですよ。スイングジャーナル誌には間違っても紹介されませんが、こういうのが面白いのです。興味を持った方は是非聴いて下さい。

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今日も青春の1枚!

最近ジャズに食傷ぎみのようです。
そんな時はジャズ以外を聴いてリフレッシュ!
昨日に続いて今日も青春の1枚。

P27 ジャパン『クワイエット・ライフ』(1979年、ビクター)です。セックス・ピストルズなどパンク・ロックを聴いている友達から教えてもらって聴くようになりました。セックス・ピストルズのカセットも貸してもらって聴いたのですが、こちらはちょっとダメでしたね。この年はYMOとテクノ・ポップがブレイクした年。プラスティックス、ヒカシュー、Pモデルがテレビに出まくっていました。

で、ジャパン。ジャケットはヴォーカルでリーダーのデヴィッド・シルビアン。お化粧しています(笑)。そう、イギリスの元祖ビジュアル系ロック・バンドなのです。そのうえグループ名が「ジャパン」ときたもんだ、胡散臭い色物バンドな感じがプンプンなのですが、さにあらず。音楽性はかなり高いものを持っていました。化粧についても実は反社会的な意味づけを持っているんですがここでは省略。

私は友達から1作目『果てしなき反抗』、2作目『苦悩の旋律』のカセットを貸してもらって聴いていたら、3作目のこのアルバムが出たので買いました。話がちょっとそれますが、アルバムの邦題はなんか凄いことになってますよね。原題は『アドレセント・セックス(青春期のセックス)』と『アブスキュア・オルタナティブ(あいまいな二者択一)』で、もともと変なタイトル。それを更にいかにもロック的かつ青少年向け(セックスはNGね)タイトルに変えています。ジャズにもこういう遊び心があれば面白いのにね。

さてアルバムの話に戻ります。ライナーノーツによればグラム・ロック・リバイバル、ロキシー・ミュージックからの影響と書かれています。ま、ジャズファンにこんな話をしてもわからないのでしょうが、一応参考までに書いておきます。まず最初に言っておかなければならないのはデヴィッド・シルビアンの歌。何とも甘く色気のある声で、ネットリ感を持ちつつ退廃的に歌うのが個性的。ちょっと危ない世界かも(笑)?社会批判を含んだ男女の愛を歌っています。

バンド・サウンドは、ベースのミック・カーン(アルト・サックスも吹きます)とドラムのスティーブ・ジャンセンが作り出す、粘っこくてドライブ感のあるグルーヴが基本となっています。特にカーンのベース(フレットレス)はブニョブニョしていて変な感触なのですが、嵌るとこれが最高の心地良さに変わります。ギターとキーボード奏者がいますが、こちらはサウンドの構築に使われていて、ギンギンのソロはありません。むしろ目立つのは数曲でのカーンのアルト・サックス・ソロ。そして本作はパンクからの流れにあった前2作とはかなりサウンドが変化しているのです。

全体を通しての雰囲気は重厚で落着いたもので、イギリス特有の湿度と曇り空のような感じがします(イギリスに行ったことはないのであくまで私のイメージ)。はじけてカラットしたロックとは全く反対のサウンド。で、ジャジーなものを感じるということです。ここに展開されるサウンドはロックよりジャズに親和性を感じます。バンド解散後には、キーメンバーだったシルビアン、カーン、ジャンセンは、当然の如くジャズへの接近もみられるのでした。

このアルバム、私にとっては8曲全てが良いのだから困ったものです。ジャパンについては、次作『ジェントルマン・テイク・ポラロイズ(邦題:孤独な影)』まで聴いておしまい。翌年は私が受験勉強に追われ音楽どころではなかったし、その後はジャズを聴くようになってしまったからです。実はこの『孤独な影』には1曲だけYMOの坂本龍一が参加しています。当時私はYMOも好きで聴いていたので驚きつつ納得するものがありました。

ジャパンはその次の『ブリキの太鼓(ティン・ドラム)』で更に高みに上るわけですが、実は私がこれを聴いたのは一昨年なのです。急にジャパンが聴きたくなってレコードを買ったのです。ジャパン最後のアルバム『オイル・オン・キャンバス』(ライブ録音2枚組)も買いましたが、今聴いてもジャパンの音楽はカッコイイと思いますし、私の好きなサウンドです。

少々こじつけですが、昨日のビリー・ジョエルと言い今日のジャパンと言い、私のジャズへの接近は徐々に進行していたのではないかと思います。

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今日は青春の1枚!

今日は青春時代のお気に入りの1枚。
ジャズではありませんよ!

P26 ビリー・ジョエル『ニューヨーク52番外』(1978年、CBS)です。当時はイージー・リスニングのポール・モーリアを卒業して、ABBA(アバ)とかを聴いていたのですが、このビリー・ジョエルもかなりのお気に入りでした。30年前の話です。今持っているのは社会人になってから買ったCD。

当時、友達はロック派とフォーク派に完全に2分していました。ロック派はプログレのクリムゾンやイエスやツェッペリンを聴くやつもいれば、フリート・ウッドマックやチープ・トリックを聴くやつもいるという具合で、そいつらはロッキンオンとかミュージックマガジンを学校へ持ってきていました(笑)。

一方フォーク派はかぐやひめなんかを聴きながら、フォーク・ギターを弾いて歌を歌っていました(笑)。友達からはクリムゾンもかぐやひめもレコードを貸してもらいましたよ。で私はというと、上記のようにABBAなんかのポップスを聴いていたのです(笑)。

今日の話はビリー・ジョエルでした。私はレコードは買わず、ラジカセでFM放送をエアチェックしたカセットテープを持っていました。今日は死語のオン・パレードですね(笑)。当時はお小遣いをせっせと貯めてはオーディオにまわそうとしていたので、レコードを買うお金はあまりありませんでした。なので、気に入った曲はエアチェック&カセット。

当時はアルバム1枚を流すFM番組が結構あったのです。NHK-FMの「軽音楽をあなたに」とかね。この番組のテーマ曲がスタッフいとしの貴女(マイ・スウィートネス)》だったのですが、そのことに気付いたのは社会人になってからだったというとぼけたお話しは、かなり前にブログに書きましたよね。

今日は話が横道にそれまくってますね。『ニューヨーク52番外』の中では《マイ・ライフ》が一番好きでした。ラジオでよく流れていたからかもしれません。《オネスティ》もヒットしたのですが、当時はバラード調よりアップテンポの曲が好きでした。他に好きな曲は《ビッグ・ショット》《ザンジバル》などのパンチが効いた曲。そして、ちょっと翳りがあるセツネー曲《ロザリンダの瞳》。セツネーは私の好きなメロディーの基本らしいです(笑)。

今聴くとかなりジャズ的な要素がちりばめられていることがわかります。これを聴くとこの4年後にジャズが好きになることにも納得してしまうのです。こういう要素は当時から憧れたというか何か心にくるものがあったんです。私が今ニューヨーク・ダウンタウンのジャズに惹かれるているのは、ブログを読んで下さっている皆さんがご存知のとおりです。あ~ニューヨーク!一体何が私を魅了し続けているのだろう?

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マイルスのミュートってやっぱりいいよね。

昨日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」「マイルス・デイヴィスのミュート特集」
ゲストはプリズム出版編集部・齋藤實(みのる)さんでした。
番組内容については雲さんのブログ「快楽ジャズ通信」をご覧下さい。

齋藤さんはラテン・バンドでトランペットを吹いているとのことで、
番組中、トランペットに色々なミュートを付けて実演してくれました。
色々あるんですね~。とてもわかりやすかったです。

かかった曲はマイルスなのですから、いちいち説明不要の名演。

マイルスと言えばハーマン・ミュートということになるのですが、
アルバム『ウォーキン』《ソーラー》では、カップ・ミュートを使っていたんです。
そう言われて聴いてみれば、いつものマイルスのミュートと違いました。
なるほどなのです。

マイルスのハーマン・ミュート演奏と言えばやっぱりこれ。
アルバム『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』から《ラウンド・ミッドナイト》
黙って聴け(笑)!金属的なミュートの音ですね。

アルバム『死刑代のエレベーター』から《ドライヴウェイのスリル》では、
ハーマン・ミュートでのアップ・テンポ演奏を聴いたのですが、
スピード、キレのあるカッコイイ演奏が楽しめました。

ちょっとミュート・プレイの話。
ミュートを付けると、付けない時に比べて音程が高くなったり低くなったりするとか。
息を強く吹くきこまなくてはいけないとかもあり、
タンギングをしっかりしないと音がモゴモゴしちゃうそうです。
そして、バラードでハーマン・ミュートを使う時は非常に気を使うそうです。
最後も息をしっかり吹いていないと、音が尻切れトンボになってしまうとか。

マイルスが最後まで使い続けたハーマン・ミュート。
晩年ではアルバム『ドゥー・バップ』から《ミスティー》がオススメとのことでした。
雲さんは《ザ・ドゥー・バップ・ソング》が好きだとか。
私も『ドゥー・バップ』は好きなアルバムです。
最後まで歩を止めなかったマイルスの姿がここにあります。
私が好きな曲はミュートではありませんが《ファンタジー》。

ここでちょっとフランジャー・ミュート。
エリントンのジャングル・サウンドなんかに使われるやつです。
巻き舌で吹くんだとか。
これをやらせたら右に出るものがいないウィントン・マルサリスの演奏。
『スウィンギン・ウィズ・ザ・デューク』から《ハッピー・ゴー・ラッキー・ローカル》

最後はマイルスのミュート・プレイの歌心を聴く1曲。
アルバム『ユア・アンダー・アレスト』から《タイム・アフター・タイム》
このアルバムが出た当時、あまりにポップだったので驚きました。
マイルスもとうとうこうなっちゃったのかと(笑)。
マイルスという人はその時代に流行っていたものをたえず取り入れないと
気がすまない人だったのだと私は思っています。
マイルスならではのリリシズムが素晴しいと演奏。
齋藤さんと雲さんは、「マイルスのミュート効果によって元歌を越えている。
マイルスのハーマン・ミュートにはインテリジェンスがある。」
と言っていましたが、私もそのとおりだと思いました。

P25_2こちらはその元歌が入っているシンディー・ローパー『シーズ・ソー・アンユージュアル(邦題:ハイスクールはダンステリア)』(1983年、CBS)です。これが出た当時、かなりヒットしました。《ガールズ・ジャスト・ウォント・トゥ・ハブ・ファン》《タイム・アフター・タイム》はラジオやテレビで頻繁にかかっていました。《タイム・アフター・タイム》なんか耳タコ状態です(笑)。

シンディー・ローパーはあのキャラクターも人気で、来日時なんかは当時はまだまだ隆盛を極めていた歌番組にはじから出演していました。懐かしい思い出です。今聴くと《アイル・キス・ユー》のファンキーなヘビー・ビートが結構ツボだったりします。

で、私が今持っているレコードは、一昨年下北沢のレコード屋「フラッシュディスクランチ」で3枚¥1,000で売っていたのを買いました。これが意外とノイズが気にならない盤なんです。普通に聴くにはこれで充分。時にはハズレもありますが1枚¥333なら文句はないでしょう(笑)。

「フラッシュディスクランチ」は面白いお店で、1980年代に流行ったポップ/ロックのレコードが、現状で3枚¥1,000や¥2,000で大量に売っています。なので、私は何度かお店に行って結構たくさん買ってしまいました(笑)。店主も独特のキャラで私は気に入っています。

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ちょっと青ざめました。

昨日外出から帰ってきてパソコンを立ち上げてビックリ!
最初に何か聞いてきたのに内容を確認せずにクリック。
すると壁紙が初期のものになるし、ディスクトップのアイコンが減るはで、
いや~な予感が・・・。
マイドキュメントを開けたら、なっないっ!いろいろなフォルダーがないっ!
しかもバック・アップしていない。
ガーン・・・、しばし放心状態。
う~ん、インターネット接続はどうだ?できる。
メールは・・・、初期化されたみたいで設定を聞いてくるよ~。
設定の方法がわからない・・・、あれ~、メール・サーバーってなんだったっけ?
プロバイダーから送付された書類をひっぱりだして・・・、上手くいかないよ~。
途中からは「まっ、いいかっ。」の適当モードに突入(笑)。
これも人生、こういうこともあるさっ。
数年間にとった写真も皆消えちゃったのか~。
あ~あっ、記憶に残っているだけになっちゃった~、それはそれでイイか?
メールをやっと立ち上げてログを見たら、やっぱないよねっ。
そうでしょうそうでしょう。
諦めモードになりました。今日はもうやめて寝ましょう。

ということで今朝を向かえ、と言うかお昼間近、パソコンを立ち上げたら・・・。
アレッ、いつものとおり立ち上がるではありませんか?
昨日の出来事は一体何なの?
一時的に管理モードのようなものが立ち上がったんでしょうか?
まあいいやっ、普通に立ち上がったんだし。
データーも消えていませんでした。
ホッと一安心。でもなんかモヤモヤするんですよね。
昨日の私の諦め感は一体どうしてくれるの?
ジャズ友の皆さんには昨日緊急事態メールを送っちゃったんでした、
早速ご心配お掛けしましたメールを送付。
ジャズ友の皆さん、心配をおかけして申し訳ありませんでした。
あ~っ、何やっているんだろう。

パソコンは正常に起動して当たり前と思っていた私。
それは妄信だとわかりました。
こういう事態になると、パソコン依存症の自分に改めて気付かされるとともに、
でも諦めがつけられる自分もいることがわかりました。
めでたしめでたし(笑)。

それからもう1つ。
先週の「PCMジャズ喫茶」を聴いて、
寺島靖国さんの発言にツッコミを入れようと、
昨日のリピート放送を録音するはずでした。
なのに・・・、こちらもちょっとした手違いから録音ミス。
これも天の思し召し。
ツッコミを入れるなということなのでしょう。
期待していらした方、ごめんなさい。
m(u_u)m

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リリー・マルレーンがお気に入り。

今日の1枚はなぜ買ったのか記憶にない1枚です。数年前、ヨーロッパのジャズCDが注目されているということに気付いた私が慌てて色々買ったなかの1枚です。当時はたいして考えずに買っていたので購入時の記憶はほとんどありません。たぶんディスクユニオンのポップを読んで買ったのではないかと思います。

P24 ラーシュ・デュップラー『パリンドローム』(1999年rec. JazzHouseMusic)です。メンバーは、ラーシュ・デュップラー(p)、フランク・サッケンハイム(ts,ss)、ダニエル・スピール(b)、ベノ・グリューセンカンプ(ds)です。カタカナ読みは不正確です。ジャケットの色合いが結構好きです。

ドイツのワンホーン・カルテットもので、正統派なジャズが演奏されています。私にはドイツのイメージとして”お堅い”というのがあるのですが、そのイメージの演奏だと思います。メンバー全員の技術や音楽性は高いもので、オリジナル曲を手抜きなくきっちりと聴かせてくれます。中にはフリーな演奏に突入する場面もありますがそれは極わずかで、全体としては難解なイメージはありません。

デュップラーがほとんどの曲を作曲していて、1曲のみサッケンハイムが作曲しています。どの曲も適度な甘さを持った良い曲だと思いますが、演奏のほうは曲の甘さには流されないものです。そしてオリジナル曲以外にただ1曲《リリー・マルレーン》が入っているのです。

この曲のメロディーはとても切なくて美しいのですが、それを生かしつつ逞しい演奏となっています。最初の入りはスローでピアノが美しいです。途中からミディアム・テンポに変わって、テナー・サックスのカルテット演奏になります。そしてテナーソロはこの美メロを力強くスケール大きく吹いていきます。続くピアノ・ソロとベース・ソロも力強いです。

私ってどうやら切なく美しい曲を逞しく演奏するのが好きなようです。聴いているうちに明日への希望が湧くというか、励まされる感じがするんですよ(笑)。

もう1つ気付いたことがあります。ヨーロッパのジャズにおけるイタリア・ジャズについてです。最近雑誌とかではやたらとイタリア・ジャズが取り上げられて持てはやされるのですが、私的にはどうもピンと来ないんですよね。そんなに良いのかな?って感じです。どうも胸には響いて来ないのです。私はフランスや北欧に魅力を感じています。

イタリアのジャズメンで良いと思う人は、エンリコ・ピエラヌンツィとエンリコ・ラヴァは別格として、あとは最近話題のファブリツィオ・ボッソと最近話題にならないアントニオ・ファラオくらいかな~。イディア6も保守的な手堅さが良いのでしょうがそれだけ。その若者版がハイ・ファイブ。まあ、あくまで個人的な感想です。

アルバム名:『PALINDROME』
メンバー:
Lars Duppler(p)
Frank Sackenheim(ts)
Daniel Speer(b)
Benno Glusenkamp(ds)

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こんなメンバーでやっていたのね。

今日もまたジャズサイト com-post「80年代のジャズ100CD」の1枚を紹介しましょう。う~ん、最近このネタばっかり(苦笑)。

P23 アリルド・アンデルセン『モルデ・コンサート』(1981年rec. ECM)です。メンバーは、アリルド・アンデルセン(b)、ビル・フリゼール(g)、ジョン・テイラー(p)、アルフォンス・ムザーン(ds)です。私は80年代のアンデルセンなんてノー・チェックだったので、興味が湧いて買いました。

このメンバーが顔を揃えているのってちょっと異色ですよね。ノルウェーのアンデルセン、イギリスのテイラー、アメリカのビルフリとムザーン。ECMならではとも言えるのでしょう。サウンドは当時の硬派フュージョン路線。ステップスとかに近いです。ライブ録音です。

ビルフリがギンギンのロック・ギターを弾いているのが良いところです。もちろんこの人ならではの空間系、浮遊系もありますが、ここではストレートなロック系の演奏が多いです。アンデルセンのベースはピックアップでのブヨブヨな音なので好き嫌いはわかれるところでしょう。でも高速4ビートでのドライヴ感はかなりの迫力です。そして強烈な弓弾きのソロもかましてくれます(笑)。

ムザーンは細かいシンバルワークを駆使して容赦なくガンガン叩いていますね。気持ち良いです。テイラーも強力なリズムに煽られてかなりガンガン弾いていますが、この人の弾くフレーズはいつでも美しさを持っています。最近の静謐系からはちょっと想像できないくらいのはじけぶりが楽しいです。

このCDは再発盤なので、4曲追加収録されています。収録時間はかなり長いものになっていますが、そこまでやる必要があるのかはちょっと疑問。でもまあ、ガッツのある演奏が多いので、聴いていてスカッとすることは間違いないでしょう。

このCD、メンバーの誰かに引っかかるのなら買いだと思います。

アルバム名:『Molde Concert』
メンバー:
John Taylor(p)
Bill Frisell(g)
Arild Andersen(b)
Alphonse Mouzon(ds)

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特に意味もなくウェザー・リポート!

ジャズを聴き始めた頃のアイドル、ウェザー・リポートの1枚を紹介します。
どうしてウェザーなのか?特に意味はありません(笑)。

P22 私の好きなウェザーのアルバムの上位にいます。『テール・スピニン(邦題:幻祭夜話)』(1975年rec. CBSソニー)。メンバーは,ジョー・ザビヌル(p,key)、ウェイン・ショーター(ts,ss)、アルフォンソ・ジョンソン(b)、レオン・チャンクラー(ds)、アリリオ・リマ(per)です。

人気盤『ミステリアス・トラベラー』と『ブラック・マーケット』に挟まれて、このアルバムはあまり人気がないのだとか。《バディアの楼閣》が入っているんですけどね。なぜ私が好きかというと、レコードA面の華やかで楽しい3曲が好きなのです。

A面1曲目ザビヌル作《緑衣の老人の舞踊》はかなりキャッチーだと思います。ここまでのアルバムの中で1番キャッチーでポップな曲だと思います。『スイート・ナイター』から始まったリズミックなアプローチも洗練されてきた感じです。そこにはレオン・チャンクラーのマシンガンの如き歯切れの良いドラミングがものを言っていることは間違いありません。濃さ控えめのアルフォンソ・ジョンソンのファンク・ベースもグッド・マッチ。そんな曲でウェインのソプラノ・サックスが華麗に舞い踊るのが素敵なのです。

実はこのアルバムのA面はウェザーのアルバムの中では珍しく、ショター全開なのです。ウェザーのショーターを聴きたいなら、特にソプラノ・サックスを聴きたいなら絶対このアルバムを聴かないといけません。A面3曲目ザビヌル作《股間からの光景》も1曲目と同様にソプラノ・サックスが最高。こちらのほうがよりリズミックで、次々とリズムやメロディーが展開していく様は痛快です。

真中に挟まれた2曲目ショーター作《ルシタノスの賑わい》は、ミステリアスで「セツネー」の良い曲だと思います。そして、ショーターの泣きのテナーが聴けるところが最大のポイントですね。泣きのテナーと言ってもこの人のは豪快。例の低音一発「ヴォーッ」も入っています(笑)。このスケールの大きいテナーを聴けばショーターってやっぱスゲーと思うはずです。ショーターに負けじと弾くザビヌルのアコースティック・ピアノが聴けるのも高ポイントなのです。

どうです。ウェザー通ならわかる上記の数々はかなりポイント高いでしょ?A面に関して言えば、大ヒットした自作『ブラック・マーケット』よりポップだと思います。お~っ、何かかなり力が入っている自分にビックリ(笑)!

B面1曲目《バディアの楼閣》はザビヌルが生涯に渡って愛し再演する曲です。この初演。実はショーターが入っていないという事実を知っていました?そしてザビヌルといえばコレのボコーダーを使わずに歌っていることを知っていました?実は今日久々に聴いてそれを知った自分も驚いています(笑)。

B面2曲目《凍りついた炎》はこれまたリズミックな曲。ザビヌルがシンセサイザー・ショーをこれだけやっているのも珍しいのでは?ハービー・ハンコック並です(笑)。後半にやっとショーターが登場。ここでもソプラノ・サックスをかなり吹いてくれます。このアルバム、ザビヌルとショーターのソロが満載だったんですね。まあ、ここにはビトウスもジャコもいないんだからこの2人が頑張るしかないわけで、そこがこのアルバムのポイントでもあるわけです。

ラスト《5つの短い物語》はザビヌルとショーター(ts)のデュオです!スタジオ録音でのデュオってこの曲だけじゃなかったでしたっけ?
(注)『ミステリアス・トラヴェラー』の《ブラックソーン・ローズ》もザビヌル、ショーターのデュオでした。

どうです。聴きたくなったでしょ?そう思ったあなた、迷わず聴いて下さい!

アルバム名:『TALE SPINNIN』
メンバー:
WEATHER REPORT

Joe Zawinul(el-p, melodica, TONTO, org synth, p, per, vo)
Wayne Shoter(ss, ts)
Al Johnson(el-b)
Alyrio Lima(per)
Ndugu Chancler(ds)

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ちょっと冒険してみました。

ディスクユニオンのアウトレットを時々利用します。買いたかったものが格安で入手できる場合があるからです。そして安いのを良いことに、参加メンバーと曲目を見て、ちょっと冒険して中身不明なものを買うことがあります。

P21 今日の1枚はそんな1枚です。ヨハネス・エンダース『ドーム』(2007年rec. Intuition)です。メンバーは、ヨハネス・エンダース(ts,b-cl,alto-fl,electoronics,phillicord Organ)、ニルス・ペッター・モルヴェル(tp)、ユリ・ワンゲンハイム(b-cl)、ラルフ・シュミッド(church org)、サム・シュラミンガー(dohol,tombak,electoronics)、ジョン・ホレンベック(ds,per)です。リーダーは知らない人だったのですが、ニルス・ペッター・モルヴェルとジョン・ホレンベックがいたので買いました。この2人がいるとなると何かやってくれそうでしょ?

さて、どんなアルバムなのかと思って聴き始めると、いきなり何やら荘厳な響きの曲が始まったのでビックリ。モルヴェルの切なく広がるトランペット・ソロが気持ち良いです。後で調べたら、エンダースがヨーロッパの宗教音楽にインスパイアされて作ったのだとか。なるほど荘厳な響きはそういう流れなのかと納得です。

バシリカ風教会でチャーチ・オルガンを使って録音しています。曲はヨーロッパの宗教音楽の雰囲気を基調にしつつ、モルヴェルが参加しているせいか、ジャズランド・レーベル的北欧の匂いも濃厚です。映画のサウンド・トラックのような想像力を掻き立てる音楽が次々と流れていきます。

面白いのはトラックによっては、プログレ~ミニマル・ミュージック的なものがあり、これはあきらかにホレンベックのやっている音楽からの影響が感じられます。そして中には打ち込みリズムを使ったもろモルヴェルな曲もあります(笑)。そういうものが一連の荘厳な響きに違和感なく混入されているのがなかなか素敵です。

どちらかというとモルヴェルのトランペットが目立つのですが、リーダーのエンダースはリード奏者で、クラシカルな響きやサブ・トーンを生かしたテナーをしっとり吹いています。バス・クラリネットも吹きますが、ここでも荘厳な感じを引き出していて、こういう使い方もあるのかという感じです。このアルバムでエンダースはリード奏者よりはコンポジションに力を入れています。

ホレンベックのやっていることも相変わらず凄いですね。例によってグロッケン・シュピールを効果的に使ったり、行進の時の大太鼓のような効果を出したり、打ち込みリスムにニュアンスを加えたりと、荘厳な雰囲気に力強い躍動感をさりげなく混入させるセンスはこの人ならではだと思います。

このアルバム、いわゆるジャズからは外れているのですが、こういうものもジャズに許容してしまうところにジャズの面白さを感じています。是非聴いてもらいたい1枚です。

それからもうひとつ、Intuition(インチュイション)というドイツのレーベルはなかなかコアな作品が多いので要注目だと思います。近いところではジム・ベアードの『レヴォリューションズ』、アーサー・ブライスがまるでデヴィッド・サンボーンなジョーイ・バロンの『ダウン・ホーム』、ロルフ・キューンのアルバムなんかがあります。

アルバム名:『dome』
メンバー:
Johannes Enders(ts, b-cl, a-fl, electronics, phillicorda org)
Nils Petter Molvoer(tp)
Uli Wangenheim(b-cl)
Ralf Schmidt(church org)
Saam Schlamminger(dohol, tombak, electronics)
John Hollenbeck(ds, per)

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ピアノレス・トリオ!

今日の「高野雲の快楽ジャズ通信」ピアノレス・トリオ特集」
詳細はブログ:「快楽ジャズ通信」 をご覧下さい。

最初にピアノレス・トリオの説明からです。
私のブログを読む人には説明不要でしょう。

やっぱりこれからですよね。
ソニー・ロリンズ『ヴィレッジ・バンガードの夜』から《チュニジアの夜》

エキサイティングなライブ、ロリンズの豪快さと歌心が素晴しい。
エルビンのうねるドラムが最高。
(緑字は曲を聴いての私の感想などです)

それに先駆けて録音した『ウェイ・アウト・ウェスト』もちょっと紹介。
私が最初に買ったサックス・トリオです。
やっぱり初心者にはこのフォーマットってちょっと敬遠したくなっちゃうので、
ジャズを聴くようになってしばらくたってから買いました。

ミルト・ヒントンのベースを聴け。
ブランフォード・マルサリス『トリオ・ジー・ピー』から
ブルース曲《ガットバケット・スティーピー》

初めて聴いたのですが,じっくりゆったりのブランフォードが良い味です。
ヒントンのベースも素晴しいです。

ここでピアノレス・トリオ聴き方の極意。

ピアノレス・トリオを聴くのは、音楽を聴くより演奏に立ち会うという感覚。
長い演奏が多いので、ちゃんと最初から聴くようにしましょう。
でないとたいくつしてしまいます。

そこで、「腕を組んで目をつぶって聴く」、これが極意。なるほど(笑)。
視界をシャット・アウトすると耳の感度が上がるのです。
そして旋律を追いかけるようにします。
サックスのフレーズを追いかけ、できればベースもからませて聴きましょう。
演奏に参加する気持ちでねっ。

ドン・チェリーの軽やかなトランペットと対比するヘイデンの重低音のベースを聴け。
チャーリー・ヘイデン『ザ・モントリオール・テープス』から《ザ・ブレッシング》

初めて聴いたのですが凄く気に入りました。
このCDは買いたくなりましたよ。
雲さんが言うとおり聴きやすい演奏でした。

ピアノレス・トリオではベースの役割が増えます。
ピアノの役割も担い、演奏をリードしてナビゲートもします。
そして演奏を鼓舞する役目もあります。
漢(オトコ)北川潔のベースを聴け。
ケニー・ギャレット『トリオロジー』から《ジャイアント・ステップス》

ケニー・ギャレットは軽やかなんですけど、「漢」ではないんですよ(笑)。
雲さんの言うとおり北川は「漢」なんですけどね。
ブライアン・ブレイドのドラムはやっぱり良いですね。

最後はジョン・コルトレーン。やっぱりね(笑)。
『ライブ・アット・ザ・ヴィレッジ・バンガード』から《チェイシン・ザ・トレーン》
16分弱の曲なので、途中からフェード・イン。

説明の必要はないでしょう。コルトレーンは凄い。

雲さんらしい終わり方でした。

<アフター・アワーズ編>
ディレクター嬢初見弾きのコーナー。
右手だけでキーボードを弾いて、ピアノレス・トリオの雰囲気を出そうという趣向。
ドラムはいないので雲さんとのベースとのデュオですが、雰囲気はということね。
曲は《ウェーブ》でした。
ディレクター嬢はノリが所々ジャズじゃないのはご愛嬌。
右手だけで弾いてもらったのは、この曲の美しいメロディーを
味わってほしいという趣向だたようです。
それについては美メロ派の私(いつからそうなったの?)も、保証します(笑)。
雲さんはボサノバの中で1、2を争う好きな曲なんだそうです。
もちろん私も好きです。

<おまけ>
ピアノレス・トリオと言えば、ジョシュア・レッドマンの『コンパス』を巡って、「いーぐる」noteが盛り上がっていますね。楽しく拝見しています。
しょうがないから『コンパス』を買うことにしましたよ(笑)。ついでに、すずっくさまから教えてもらったトニー・マラビーの『パロマ・レシオ』(予約)とエスペランザ参加ジョー・ロバーノの『フォーク・アート』もね。もちろんいつものHMV3枚以上まとめて30%OFF!

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今日もいきます。これは良いでしょ?

本題の前にちょっと一言。
ミュージックバードの寺島靖国さんの番組「PCMジャズ喫茶」の本日放送。
いや~っ、ふいを突かれました。
今日もまたいつもの緩ネタ&トークかと思っていたら、
なんと番組収録前にテーマを決めてトークしろとお達しがあったようで、
ジャズの聴き方に関するトークがありました。
これって一部の人(含む私)が最近緩いんじゃないと言っているのが届いたの(笑)?
「う~ん、寺島さんそれは違うでしょ。」なトークが交わされていましたよ。
まあそれも最初30分程度だけ、途中からは結局ジャズ・オーディオネタ。
ピアノ・トリオの録音にブライアン・ブロンバーグのベース・ソロ。どうでもいい(笑)。
なので久々にツッコミネタがありました。でも今日は録音していません。
これは来週のリピート放送を録音して、ツッコミを入れなければならないか?
超久々の「PCMジャズ喫茶」へのツッコミ復活か?乞うご期待(笑)!

本題に入ります。
今日も快適!このテナーも素敵でしょ!

P20 ジョー・ヘンダーソン『ダブル・レインボー ザ・ミュージック・オブ・アントニオ・カルロス・ジョビン』(1994年rec. Verve)です。2つのサイトに分かれていて、メンバーはサイト1がイリアーヌ・イリアス(p)、オスカー・カストロ-ネベス(g,per)、Nico Assumpcao(b)、パウロ・ブラガ(ds)、サイト2がハービー・ハンコック(p)、クリスチャン・マクブライド(b)、ジャック・ディジョネット(ds)、両サイトでジョー・ヘンダーソン(ts)です。

これもまた後藤雅洋さん推薦。こればっかり、「ど~も、すいません。」(笑)
ジョーヘンにしては珍しいと思われるボサノバ。

サイト1はサブタイトルがジョー/ブラジル/ジョビン。メンバーからもわかるとおりで、ブラジリアンなボサノバをゆったり快適に吹いています。ジョーヘンのちょっと擦れたスモーキーな音が上手く録音されていて超気持ち良いのです。昨日のゲッツのやつもそうだったのですが、ここでのジョーヘンも難しいことをやっていないのに、その存在感は一聴してわかります。やっぱりそこらのテナー吹きとは違うのですよ。サイト1ラストのギター伴奏によるテナーなんか聴いているうちに夢見心地になります。そしてイリアーヌはブラジルの曲を弾くと何とも言えない色気を出しますよね。

サイト2はサブサブタイトルがジョー/ジャズ/ジョビン。タイトルとメンバーからわかるとおりジャズ度がグッと増します。こちらはジョーヘンのワンホーン・カルテットを楽しむジャズとなっています。ジョビンの曲が題材なのだからこれまた快適。嵌ると癖になるウネウネなジョーヘン節も満喫できます(笑)。先輩に混じってマクブライドも好演していますね。ラストのベース伴奏のテナーがまた渋いんですよ。

「サイト1とサイト2.どっちが良いか?」と問われれば、甲乙付けがたいところですが、サイト1と言っておきましょう。だって、ボサノバとジョーヘンがよくマッチしているですもん。極楽極楽(笑)。

今流行りのマイナー・テナーを聴いて「このテナーの音が良いよね~。ジャズ喫茶で聴くと良さがわかるんだよね~。」とか言う前に、「ジョーヘンのこのテナーを聴け!」と言いたくなる1枚です(笑)。ジャズ初心者にはこういうテナーを是非聴いてもらいたいなあ。

さて、今日の1枚は「90年代のジャズ100CD」の中にランクインできるのか?
多分無理でしょうね。
『ラッシュ・ライフ ザ・ミュージック・オブ・ビリー・ストレイホーン』と
『ソー・ニア,ソー・ファー ミュージック・フォー・マイルス』がありますから。
でもどうなるか楽しみですね。

アルバム名:『Double Rainbow』
メンバー:
Joe Henderson(ts)
Eliane Elias(p)
Oscar Castro-Neves(g)
Nico Assumpcao(b)
Paulo Braga(ds)
Herbie Hancock(p)
Christian McBride(b)
Jack DeJohnette(ds)

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今日もまた皆さんに問う、これってどう?

今日の本題に入る前に先週の話題の続きをちょこっと。

ミュージックバードの公開録音を見た番組の続きが放送されました。
「田中伊佐資のジャズ・サウンド大爆発!オレのはらわたをエグっておくれ」
「ミューザック音源で聴く、迫力のHQCDサウンド!」

HQCDのアルバム2枚をかけました。
1枚目はロブスター企画からダイレクト・カッティング・レコードが出ていた
アン・バート『ヒーズ・ファニー・ザット・ウェイ』
ダイレクト・カット時にテープ録音(76cm,2ch)もしていたそうで、
そのマスターをもとにマスタリングしたそうです。
2枚目は新録音のキャロル・ウェルスマンのアルバム。
ウェルスマンはカナダの女性シンガーでダイアナ・クラールの先輩格。
興味がある方はどうぞ。私はあまり興味なしです(笑)。

そしていよいよクリスタルCDの登場!
ガラス製のCDで反射膜は銀。1枚20万円!
これまでクラシックのCDしかなかったそうですが、今回はジャズのデモ盤。
アキコ・グレース《デランシー・ストリート・ブルース》をかけました。
アルバム『グレースフル・ビジョン』のボーナス・トラックですね。
最初に従来CDを1分くらいかけて比較。
ラジオではほとんど違いがわかりません!(涙)
まあ、公開録音の時にもビックリするほどの差はありませんでした。
私にはまったく興味外(笑)。

公開録音時は矢野沙織の曲もかけたのですが、番組では流れませんでした。
公開録音の残りの部分は番組半分の30分。
番組の残り30分はブルースペックCD
マイルスとウィントンをかけました。特に言うことはありません(笑)。
まっ、趣味の世界、色々あるということで、おしまい!

やっと本題に入ります。

今日もまたジャズサイト com-post「80年代のジャズ100CD」の中の1枚。

P18 スタン・ゲッツ『アパッショナード』(1989年rec. A&M)です。
HMVで\1,000以下だったので買いました。
これは後藤雅洋さんの推薦盤でもあります。
フュージョンだとは聞いていましたが、
ゲッツもこんなのを作っちゃったんですね~。
プロデュースはかのハーブ・アルパートですよ。
ホーン陣ありのボサノバ風フュージョン・サウンドをバックにして
ゲッツがなんとも気持ち良さそうにスラスラと吹きまくります。
私はこれ、良いと思います。ゲッツのテナー・サックスの魅力満載です。

バックにはFM音源系シンセの”チャラリ~ン”も満載(笑)。
当時のフュージョンにはかかせないあの音。
エレピの音をチャイム風にかわいらしくした音。あ~、恥ずかしい(笑)!
ケニー・バロンもアコースティックピアノで参加。
私的にはジェフ・ポーカロがドラムを叩いているのが最高!
この人のドラムってどうしてこんなにカッコイイのだろう。

さて、これを聴いた私には思い浮かぶ人が・・・。
MALTA(マルタ)です。80年代のフュージョン・シーンを象徴する人です。
P19 この『ハイ・プレッシャー』(1987年rec. JVC)はMALTAの5作目。
ドン・グルーシンをはじめとするLAのミュージシャンが
バックを固めています。
MALTAのアルト・サックスの音が気持ち良いことこのうえなし。
明るく艶のあるハイトーンの音だけで満足!
なんでレコードを持っているかって?
それはいつも言っているように、肩身の狭いフュージョンをコレクションしていて、
ディスクユニオンで中古盤が安かったからですよ(笑)。

ゲッツとMALTAを一緒にするなという声が聞こえてきますが、
まあ、いいじゃありませんか!
私にとってはどちらも気持ち良いのですから(笑)。

アルバム名:『APASIONADO』
メンバー:
Stan Getz(ts)他

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やっと買いまいた。コレ!

ず~っと、心にひっかかっていたのに買わなかったアルバム。
とうとう買ってしまいましたよ。

P17 そのアルバムとは? クラウス・オガーマン/マイケル・ブレッカー『シティスケープ』(1982年rec. Warner Bros)です。メンバーは、マイケル・ブレッカー(ts)、ウォーレン・バーンハート(key)、スティーブ・ガッド(ds)、エディ・ゴメス/マーカス・ミラー(b)、ジョン・トロペイ/バジー・フェイトン(g)、ポーリーニョ・ダ・コスタ(per)、ストリングス・オーケストラです。

後藤雅洋さん著「ジャズ・オブ・パラダイス」で見てから、もう21年が経ってしまいました。 なぜ今回買う気になったのかと言えば、ジャズ・サイト com-post「80年代のジャズ100CD」の1位がこのアルバムだったからです。
コレが1位? イイんです

ここまで言われちゃ買うしかないでしょう。
それでどうだったのかと言えば?◎でした。

「ジャズ・オブ・パラダイス」に以下のことが書かれています。
そのまま引用させていただきます。

「思うに、マイケル・ブレッカーはコルトレーンの音楽を研究したが、彼の過剰な精神性には少々へきえきしたのではなかろうか。だから、ブレッカーは自分の演奏に心情を移入することには少し用心深くなったのだろう。あるいは単に彼の美意識がむき出しの自己主張を嫌っただけなのかもしれないが、ともかく表れた音楽はよく言えばクール、悪く言えば無機的だった。しかしおもしろいことに、そういった突っぱりが時々ポロッと外れて、彼の意外な情緒性が顔を出すことがある。このアルバムなどはクラウス・オガーマンの都会的なリリシズムがブレッカーの資質にあったのか、思いのほかロマンチックな面を見せている。」

そのとおりだと思いました。

曲はまさに都会的なお洒落なもので、バックのサウンドもクールなフュージョンになっています。その上でソロをとるブレッカーはと言えば、ホットな思いがヒシヒシと感じられます。もちろんいつものメカニカルなブレッカー節も炸裂していてファンは喜ぶのですが、いや~っ、ブレッカーさん聴かせてくれます。 ここでのソロは間違いなくブレッカーのアルバムの中でも上位に入ります

《ナイトウィングス》の後半はあの『スリー・カルテッツ』を彷彿とさせる場面も登場。だって、ピアノがチックからバーンハートに変わっただけですから。ガッドのブラシが良いのです。バーンハートは後にステップス・アヘッドに参加することになります。

このアルバムが80年代の1位ですか? それで良いのです。

今更ながら、ブレッカーが亡くなってしまったことが残念でなりません。

今日は絵文字をたくさん使ってみました。 いかがでしょう?

アルバム名:『CITYSCAPE』
メンバー:
Claus Ogerman(com)
Michael Brecker(ts)

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これも普通は買わないでしょうね?

これも普通は買わないでしょうね~。でも私は買いました(笑)。

P16 ノア・プレミンガー・グループ『ドライ・ブリッジ・ロード』(2007年rec. NOWT RECORDS)。メンバーはノア・プレミンガー(ts)、ラス・ジョンソン(tp)、ベン・モンダー(g)、フランク・キンブロー(p)、ジョン・エイベア(b)、テッド・プア(ds)です。ディスクユニオンジャズ館のホームページをチェックして買った1枚。

リーダーのプレミンガーはNYブルックリンで活躍中のサックス奏者だということですが、全然知らない人です。じゃあなぜ買ったのかと言えば、ますNYブルックリンで活躍というところとです。ジャズ喫茶「いーぐる」で最近のNYダウンタウンのジャズを知ってから、私がこの方面のジャズに嵌っているのはご存知のとおり。次にテッド・プア&ベン・モンダーという名前があったからです。私は2人のプレーに惚れてしまっているのです。

内容は私の予想どおりの感じでした。括りで言えばまさにNYダウンタウンの最近のジャズです。聴いたことがある人にはそれで分かってもらえると思うのですが、聴いたことがない人に説明するのはなかなか難しいですね。

メロディー的にはちょっとアブストラクトな感じでユダヤの哀愁が薫り浮遊感があると言えば良いでしょうか?ほとんどプレミンガーが作曲しています。デイヴ・ダグラスの曲が1曲、リー・コニッツ/ウォーン・マーシュの曲も1曲ありますが、これら2曲から想像できるイメージと言ったほうがわかりやすいかも?曲は構成がしっかりしていて、アドリブ一発を回すだけというのとは異なります。あくまで全体の構成があってその中にアドリブが納まっている感じです。そして「寸止め感」、行きそうで行かない感じもあります。

プレミンガーのテナーサックスの音はちょっと擦れた感じでモブレイ系と言ったら良いのでしょうか?音だけで言ったら結構好きな人がいると思います。フレージングは派手さはなく落着いていて地に足がついたもの。熱い曲でもブリブリは吹かず熱さを秘めつつ抑制されたソロをとります。オーソドックスなバラード演奏も入っていますが、これがかなりホロッとさせてくれたりします。この人なかなかの実力だと思います。

でも私が一番気に入ったのは、プアのドラミング。プアはシンプルなドラム・セットからフレキシブルなリズムを作り出します。これまでの4ビート、8ビートのドラミングには納まりきらない叩き方で、複雑と言えば複雑ですが決してテクニカルという感じにはなりません。フレキシブルなのです。演奏のグルーヴを自在にコントロールして、ジワジワと遠赤外の如く熱気を送り込みます。プアのドラムには要注目!

ベン・モンダーの弾くギターは今時のサウンドです。カート・ローゼンウィンケルにも近いですが、より柔軟な感じですね。このアルバムにはオーソドックスな4ビートの曲があり、そこでモンダーがオーソドックスなジャズ・ギターを弾いているのが興味深いです。ラストの曲ではギンギン泣きのロック・ギターを弾いていて、珍しいように思うのですがこれがカッコイイ。

トランペットのラス・ジョンソンは数曲参加していて、メランコリックで熱いソロをとります。アヴィ」シャイ・コーエンに近い雰囲気を持っています。私は良いトランペッターだと思いました。そしてピアノとベースもきちんとプレーをしていますのでご安心下さい。

このアルバムに参加している全然知らない人達も結構やってくれますね~。
NYダウンタウンはやっぱり層が厚いです。

アルバム名:『Dry Bridge Road』
メンバー:
Noah Preminger(sax)
Russ Johnson(tp)
Ben Monder(g)
Frank Kimbrough(p)
John Heber(b)
Ted Poor(ds)

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これカッコイイので是非!

中身が分からなければまず買わないだろうという1枚を紹介します。

P15 ロス・ドラドス&クォン・ヴー『インセンディオ』(2008年、Intolerancia)です。メンバーは、ロス・ドラドス:デミアン・ガルヴェス(g,electronics,effector)、カルロス・マルドナド(b,electronics,effector)、ダニエル・ズロニク(ts,effector)、ロドリゴ・バーボサ(ds)、DJラヨ(turntable)&クォン・ヴー(tp)です。カタカナ表記は参考程度とお考え下さい。

私はこのアルバムをジャズ喫茶「いーぐる」の「2008年下半期新譜特集」で知りました。普通こんなアルバムは気付かないと思います。メディアにのるようなものではありませんからね。ディスクユニオンではクォン・ヴーの仕切りのところにあります。タワーレコードにもありました。値段は安いです。

ロス・ドラドスはメキシコのジャム・バンドだそうですが誰も知りませんよね?でもヴーとやっているだけのことはあって、こいつらなかなかやってくれます。サウンドはヴーのアルバムと共通したところがあります。だからいつものヴーの「ズリュズリュー」なトランペットが全開で、ヴーのファンはこれ必聴ねっ!

全編メランコリックなメロディーとジャム・バンド系の荒いサウンドが融合したホットな演奏を繰り広げます。DJなんかにちょっとレトロ感が漂うのも良い味付け。私が思うメキシコという国や気候のイメージにピッタリのサウンド。ジャケットはマッチをイメージしているのですが、ここにある音もマッチのように熱いです。

私、こういうちょっとやばくて熱いジャズが結構好きなんですよね(笑)。

アルバム名:『INCENDIO』
メンバー:
LOS DPRADOS:
Demian Galves(g, electronics, effector)
Carlos Maldonado(b, bajo, electronics, effector)
Daniel Zlotnik(ts, effector)
Rodrigo Barbosa(ds)
DJ Rayo(turntable)
Cuong Vu(tp)

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快楽ジャズ通信、恐るべし!

今日の高野雲さんの「快楽ジャズ通信」「ウェイン・ショーター特集」
ゲストはBOZOのリーダーでアルト・サックスの津上研太さんでした。

私もショターが大好きなので、どんな放送になるか期待していました。
拙ブログでも以前ショターについて雲さんとtommyさんを交えて
コメント欄で「いいよね~。」トークをしました(笑)。

今日の放送、結果から先に言うと、凄く良かったです!
ニヤニヤしながら「そうだよね。」とうなずきつつ聴いていました。

ますは、雲さんのショターの聴き方から入りました。
「美術館で巨大な油絵を見るが如く、3,4m下がって絵全体を俯瞰する。」
というものです。
これについては津上さんも「正しい。」と言っていました。
「そういう人が1万人いると良い。」なんて面白いことも言っていましたよ。

雲さんは、「津上さんはショーターに似ていると思う。」と言ってました。
津上さんも「ショーターにはそうとう影響を受けている。」と言っていました。
意見は一致したようですね。(緑字は私の意見などです)

雲さんからウェインの良さをたずねられて津上さんは、
「曲が変わっている。コピーしても無駄。
やっていることが全体のバランスの上に立っている。
吹かない行為も演奏しているようにみえる。」
と言っていました。
なるほどと思いました。雲さんのショーターの聴き方と共通です。

津上さんとショーターの出会いのアルバムは『セカンド・ジェネシス』。
くぐもった変な音だと思ったとか。
次に聴いたのが『ネイティブ・ダンサー』で目から鱗が落ちたとか。

『セカンド・ジェネシス』から《ルビーと真珠》
『ネイティブ・ダンサー』から《ポンタ・ジ・アレイア》
2曲続けてかかりました。

雲さんから「上記2枚のアルバムの聴き所は?」と聞かれた津上さんは、
「初期のショターは曲の構造がしっかりしている。時代を経ておかしくなってくる。」
と言い。《ポンタ・ジ・アレイア》については、
「最初にショーターが出ずに歌が出てきて、この歌がジャズじゃない。
でもジャズじゃなくても良いじゃん音楽であればと思った。
歌の後に入ってくるショーターのカデンツァが素晴しい。」と言っていました。
これにもなるほど納得なのでありました。

津上さんは、
「ジャズ・メッセンジャーズ時代はバンドの色もあって編曲に力を入れた音楽監督。
マイルス・バンドに入って曲の構造がとろけた。」と言っていました。

ここでそのマイルス時代の曲。
『ネフェルティティ』からタイトル曲

これはジャズ喫茶「いーぐる」の益子さんの特集
「21世紀へのジャズ、いくつかの補助線」でもかけました。
フロントはソロなしでサウンド・テクスチャー重視。バックはドラムが複雑に叩く。
この辺りの感覚が現代性につながるという話でした。
ショターの『フット・プリンツ・ライブ!』から《マスクァレロ》もかけて、
ショターが何かの雰囲気を作り出そうとソロをとっているようだなんて話があり、
これも現代性なのではないかとのことでした。

曲終了後、
津上さんは「アドリブしないのは当時の新しい考え方。」と言い、
雲さんは「遠近感、絵を見ている感じ。」と言い、
津上さんが続けて「マイルスを聴くとピカソを感じる。」と言っていました。
これもまた納得。今日はこればっかり(笑)。

ここで一旦ショーターを離れBOZOの曲。
『デュエンデ』から《いまだ見ぬ山》

私は出だしを聴いた瞬間これを気に入りましたよ。
くぐもったスモーキーな感じを醸し出たサウンドが良いのです。
ちょっと気だるいテンポもいい感じです。
これって、私が最近はまっているニューヨーク・ダウンタウン系サウンドにも
通じるものがあります。

曲終了後、
雲さんは「ネフェルティティに、空気、ムード、雰囲気が通じるものがあると思う。
それは理論、メロディーではない。」と言います。
それを受けて津上さんは「匂い」だと言います。
これもその通りだと思いました。

雲さんがショターの『ジュジュ』《ハウス・オブ・ジェイド》にも通じるものがある
のではないかということで曲をかけます。

気だるい感じが近いですね。テンポも同じくらい?
サックスの雰囲気が確かに近い感じがします。

曲終了後、
雲さんは「やっぱりショーターはショーター、津上さんは津上さん」と言ったら、
津上さんは「ショーターのこの頃の曲は音域が高く、
アルト・サックスの音域を使っている。」と言っていました。
続けて「だから僕もこの頃の曲をやらせてもらっている。
《ハウス・オブ・ジェイド》もやりたい曲です。」と言っていました。
この辺りのお2人のやりとりは「なるほど、そういうことなのね。」と納得。

最後は津上さんの新譜『ボゥゾ・アンド・フォノライト・アンサンブル』から
《マーズ・ラッシュ》

バックにホーン・アンサンブルが入って、ギル・エバンス的な淡い色彩の
ハーモニーをつけます。その上で津上さんが自由なソロをとっています。
私はこれも良いと思いました。

BOZOは最近ノー・チェックでしたが、ヤバイです。聴かなきゃなりません。

実は私、『BOZO1st』を持っているのですが、あまり好印象ではなかったのです。
なので全然聴いていませんでした。
今『BOZO1st』を書きながら聴いているのですが、全然好印象。
多分これはニューヨーク・ダウンタウンの最近のものを聴くようになって、
この手のサウンドに馴染んできたせいではないかと思っています。
で、この手のサウンドを昔からやっていたショターってとんでもない人だと実感。
私が馴染んだ根っこにはショター好きな私ありだったのです。
そしてそれはマイルスにもつながるようなのです。
今日の放送を聴いて、私の中で色々なことがつながってきました。

私1人で勝手に盛り上がっていますが、ご容赦下さいませ(笑)。

雲さんがブログでこういうサウンドのことを上手く表現していますので、
「快楽ジャズ通信」 を是非お読み下さい。

<アフター・アワーズ編>

《黒いオルフェ》のセッション。

いや~っ、このアルト・サックスの音かなり良いですよね。
わかりました。何も加工していないので素直な音なんですよ。生々しいんです。
私はなんとなくアート・ペッパーを感じました。

雲さんのベース演奏については・・・。
「快楽ジャス通信」をお読み下さい。

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オレのはらわたをエグっておくれ!

昨日は、秋葉原で公開録音を見たミュージック・バードの「Brand-new CD 田中伊佐資のジャズ・サウンド大爆発!オレのはらわたをエグっておくれ」の放送日でした。公開録音のタイトルは「~ハイスペックCDの魅力~ミューザック音源で聴く、迫力のHQCDサウンド!」です。

実のところ私はこの時間にあまりラジオを聴いていないのです。この放送のことはすっかり忘れていて、昨日はたまたまラジオのスイッチを入れたら、この放送じゃありませんか。どうにか聴き逃さずにすみました。

公開録音の模様は、拙ブログの
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/cat15843551/index.html
を参照願います。

オーディオをやっている人はわかると思いますが、ミュージック・バードがどんなに高音質の放送だと言っても、CDやレコードで直に聴くのと比べると鮮度が落ちるんですよね。なので、ラジオでは音の良さの全てを伝えきれません。

P14 最初は再発されたサヒブ・シハブ『サヒブズ・ジャズ・パーティ』と旧CDとの聴き比べです。聴き比べといっても最初の1分程度。基本的には再発CDを聴かせるものです。まあ確かに変化はあるのですが、私にとってはどうでも良いレベルの差でした。ちなみに私は最近オーディオ的に音を突き詰めていないので、そういう感想になっちゃうのです。

私が持っているのは徳間ジャパンから出たCD。このアルバムは例の後藤さん著「ジャズ選曲指南」の中の1枚で、手頃な価格で入手するのに苦労しました。ジャケットがヤニで薄汚れているCDなのでそれほど高価ではありませんでした。私的にはこれで十分です。ただこれ、曲順がちょっと違うんですよね。

次は高音質のマスター・テープがみつかったアイリーン・クラール『エンジェル・アイズ~ライヴ・イン・トーキョー完全版』。これも旧CDと聴き比べです。これはマスターが違っているためかかなり差がありました。私は音質うんぬんより、クラール(ダイアナではありませんアイリーンね)の軽快でドライブ感のある歌が気に入っているので、これは買いたいと思いました。21曲入り。

アイリーンはこのライブの翌年に乳がんでなくなったのだとか、このライブの時も控え室では辛そうだったらしいのですが、一旦ステージに立てばそんな姿は見せなかったとのこと。う~ん、プロ根性。なかなか感動的なお話です。

続いて田中さんがこのCDを聴いて、昔のCDはすぐに売ってしまったという1枚(笑)。ウォルター・ビショップJr.『スピーク・ロウ』。ここから聴き比べはなしです。ミューザックの方によると、この盤をマスタリングする前に非常にコンディションの良いオリジナル盤を聴くことができたそうで、マスタリング・エンジニアにも聴いてもらってその音にできるだけ近づけたとのことでした。オリジナル盤は非常に素直な音だったそうです。

私が持っているのは、ジャズを聴き始めて数年後の25年くらい前に買った徳間ジャパンのレコードです。放送とレコードを聴き比べたら、CDのほうがベースはよく出ていました。レコードの場合はプレーヤー、カートリッジ、フォノイコライザーなど音を左右する要素がたくさんあるので、一概には言えないのですが・・・。私はレコードから買い換えるつもりはありません。レコードの温もりが良いのです(笑)。ちなみに私は同じ曲が2曲づつ続くのが苦手です。

最後はデイブ・ベイリー『バッシュ!』。これは人気盤という声もあるらしいのですが、私はかかった1曲を聴く限りでは普通の出来だと思いました。田中さんによればジャズの空気感が凄く良く録れているとのことでした。私には残念ながらラジオではそこまで聴き取れませんでした。

途中HQCDを開発したメモリーテックの方が技術的な説明をしましたがここでは割愛。ちなみにこれまでかけた音源は全てミューザックから出たHQCD。公開録音では総額1,000万円越えの超高級オーディオで試聴しました。

放送はここまで、次回5月15日に後半の分を放送するそうです。

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坂田明カルテットのライブ

昨日の甲府桜座での坂田明カルテットのライブのレポートです。

P11 今回のライブ、坂田さんのライブだからというだけではなく、ジム・オルークが来るというので見たかったのです。ジム・オルークって90年代アバンギャルド、「音響派」の重要人物ですからね。

オルークのアルバム『ユリイカ』の中の曲は、ジャズ喫茶「いーぐる」の特集でも聴いたことはあったのですが、今一どういうミュージシャンなのかわかっていません。今回せっかくライブがあるので、見てわかっちゃおうという趣向です。坂田明については今更説明の必要はないと思います。

P12 今回のメンバー、坂田明(as,cl)、ジム・オルーク(g)、ダーリン・グレイ(b)、ルイス・コルサーノ(ds)については、桜座の情報紙からのコピーを載せますのでご覧下さい。なかなか凄いメンバーだと思います。

今回のライブはかなり盛況でした。70人くらい入りましたよ。若い人も結構いました。若い人は多分ジム・オルーク目当てです。団塊世代少し前の人達も結構いて、この人達は明らかに坂田さん見たさ、ある意味昔懐かしさです。そして、私の世代に近い人達はマニアックなジャズ・ファンという感じです。女性も結構来ていました。若い人達は彼女連れだったり、女友達どうしだったり、年配の方は奥さん連れだったりという感じでした。こういうアバンギャルド、フリー・インプロ系は広い世代にファン層があって良い感じだと思います。

P13 今年に入ってからか、会場に「撮影禁止」の紙が貼られました。前はミュージシャンに確認をとってもらってから演奏中の写真を撮ったのですが、面倒なので演奏中の写真はなしです。演奏前の写真を撮りましたので雰囲気を感じて下さい。

いきなりですが、今回のライブはとても充実した内容で文句なしに面白かったです。

ファースト・セット。いきなりアップ・テンポで坂田さんがアルトでブリブリ咆哮する幕開けです。今回はエレキギターの大音響ありということで、アコースティック・ベースはもちろんアンプ増幅し、サックスとドラムにもPAがありました。PAで増幅されているとはいえ、坂田さんのアルトはとてもパワフルにしてキレも抜群でしたよ。

アルトはブリブリ、ベースはかきむしり、ドラムはガンガン叩いているところへ、しばらく聴いていたオルークがおもむろにノイジーなギターで切り込んでくるという展開。こういう音楽は大音量あっての良さというのも実感しました。とは言え耳が痛くなるほどの大音量ではありませんでした。途中から坂田さんが抜けてギター・トリオになると、オルークはより奔放なソロを展開しました。また最後は坂田さんが入って演奏終了。

2曲目は坂田さんのオドロオドロしいうなり声から始まりました。私思わずニンマリ。坂田さんならではと思ったのです。声を音響として使うのってなかなか良いのです。バックもオドロオドロしい雰囲気をうまく演出していました。このオドロオドロしさが和テイスト。バンド名「恐山」に通じますね。

ベースがハウリング(フィードバック)を使った重低音を出したり、ドラマーがホースのようなものを循環呼吸で吹いたりと、各人が曲のイメージをそれぞれの個性で奔放にやりつつ表現するのが魅力的でした。坂田さんがクラリネットを吹きオルークが低音でフレーズを弾く静かなデュオの部分にも引き込まれました。

ファースト・セットは2曲で1時間弱。全編フリー・インプロビゼーションなのですが、聴所だけでなく見所も満載でした。でもセカンド・セットは更に凄かったのです。

休憩を挟んでセカンド・セット開始。ドラムのソロから入りました。坂田さんは鈴を鳴らしながらステージを1周してあとはしばらく見守る感じ。途中から入ったオルークが凄かったです。ドライバー(日常雑貨店にある柄が透明と赤の樹脂のやつ)の柄の部分でギターを狂ったように掻きむしったのです(笑)。途中からはアンプにつながるコードのプラグをギターから抜いて、その金属部分を握ったり離したりしてのノイズ演奏。酔っ払いの如くフラフラ踊りながらやるものだから若い観客には大ウケでした(笑)。

それを見た坂田さんが両手を上げたり下げたりして観客を煽りつつ、オルークのノイズ演奏はしばらく続きました。そして坂田さんは分けのわからないトークから入り、壇ノ浦の合戦を叫ぶようにリーディング。オルークはプラグをピックアップに接続してそれを使ってのハモニカ演奏。これらの展開がなんとも面白かったです。その後オルークはベースの弦一本をはずしたり、ピックアップをベースのボディーにくっ付けて音を拾ったり、シンバルの振動を拾ったりとやりたい放題(笑)。

オルークは途中でギター弦の張りを緩めたり強めたりしながらも演奏していましたので、チューニングはめちゃくちゃに狂ってしまったんでしょうね(笑)。ベースのソロでは弓弾きだけでなく、棒で弦を叩いたりフィードバックを使ったりと、あらゆる方法で音響を作っていました。坂田さんはクラリネットとアルトも吹きました。

こう書いてくると、なんか適当めちゃくちゃに演奏していると思われるかもしれませんがさにあらず。オルークは色々なエフェクターを微妙に操作しながら音響を作り出しているのですし、4人がそれぞれの音を聴きながら、次にどんな音を出したら面白くなるのかはちゃんと考えながら演奏していました。グループとしてのまとまりも凄く良いと思いました。

セカンド・セットは上記のような感じで、ありとあらゆる音響を使いながら、ソロありデュオありトリオありカルテットありで、切れ目無しのフリー・インプロビゼーションを1時間強。これぞサウンド・スペクタクル。いや~っ、面白かったです。こういう演奏はパフォーマンスも含めてのものなので、聴くだけではその良さはわからないでしょうね。

アンコールは全員で怒涛のフリー・インプロビゼーションの短い曲。セカンド・セットでやりつくしていますから、これはあくまでオマケですね。

今回のライブはとても充実した内容で文句なしに面白かったです。

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連休明けにライブ!

今日は坂田明さんのライブに行ってきました。

P10 毎度おなじみ、甲府 桜座 でのライブです。
坂田さんのライブは今回初めて見ました。
ギターのジム・オルーク以下のメンバーも初めて見ました。
なかなかの強力メンバーでしょ。
これぞフリー・インプロビゼーションというライブでした。
ジム・オルークがかなりキレていましたよ(笑)。
坂田さんのパワーにもビックリ!

明日レポートを書きます。

話は変わりまして。

P9_2育てているミニバラが咲き始めました。
真冬の間は短くカットしてしまいます。
春になると新芽が出てご覧ように育ちます。
ピンクのほうは育てるようになって4年目。
赤のほうは昨年から育てています。
赤のほうはうどん粉病がひどかったので、
冬に土を入れ替えたのにまだ治りません。
ピンクのほうも今年は少々うどん粉病なのです。

花を育てるのも良いものですよ。
気持ちが和みます。

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スティングってやっぱりイイねっ!

私の連休イベントは結局初日のレコード・ハントだけになってしまいました(涙)。

久しぶりにスティングが聴いてみたくなりました。なぜか?
ジャズ・サイト”com-post”の「80年代のジャズ100CD」の20位に
スティング『ブリング・オン・ザ・ナイト』がランク・インしていたからです。
いざ聴こうと思ったのですが、昔カセットに録音したものしか持っておらず、
私のカセット・デッキが故障中なのでオーディオでは聴けません。
こうなったらCDを買いましょう!
ということで、毎度お世話になりますのHMVマルチバイ特価を利用。
今ならホームページ・リニューアル・キャンペーン中でポイント10倍です。

何を買ったかというと『ブルー・タートルの夢『ナッシング・ライク・ザ・サン』
当時ジャズミュージシャンが参加したことで話題になりました。
私はそれほど興味がなかったのですが、会社の先輩に薦められて聴きました。
この先輩のことは私のブログにも何回か書きましたが、
ジャズ好きで、私にパット・メセニードナルド・フェーゲンを教えてくれました。
スティングもそんな流れで薦められたんです。
どれもカッコイイ大人の音楽ですよね。
ファッションにも拘りを持っていたカッコイイ先輩ならではのセレクトだと思います。

P7 『ブルー・タートルの夢』はスティングの初ソロ作です。スティングについては説明するまでもないと思いますが、イギリスの人気ロック・グループ「ポリス」のリーダーです。最初のヒット曲?《白いレガッタ》はラジオでは毎日かかっていたような記憶があります。レゲーのリズムを取り入れたシンプルなロックは新鮮でした。

このアルバムには、ジャズ界からブランフォード・マルサリス(ts,ss)、ケニー・カークランド(key)、ダリル・ジョーンズ(b)、オマー・ハキム(ds)が参加しています。マイルス・バンドのベースとウェザー・リポートのドラマーを起用したのが凄い!弟ウィントンがジャズの伝統回帰を叫んでいた頃、兄のブランフォードがポップ/ロックのアルバムに参加したというのも意外でした。タイトル曲はスティング抜きの短いインストルメンタル曲だったのですね。久しぶりに聴いたのですが、やっぱりカッコイイです!

P8 『ナッシング・ライク・ザ・サン』は2年後のアルバム。こちらにはブランフォード(ts,ss)、カークランド(key)、ヌマ・カッチェ(ds)、ミノ・シネル(per)の他、1曲のみギル・エバンス・オーケストラまで参加しています。昨年ECMからアルバムを出したヌマ・カッチェがドラムだったんですね~。

こちらはよりポップで洗練され豪華な仕上がりとなっています。大ヒット曲《イングリッシュマン・イン・ニューヨーク》をはじめとして名曲目白押しですね。う~ん、このアルバムがヒットしたのも頷ける内容でした。こちらもイイです!

今はどっちが好きかと問われれば?難しいところですが『ブルー・タートルの夢』かなっ。ちょっとラフでジャジーなところが良いです。オマー・ハキムとダリル・ジョーンズのリズムが好きというのが本音かな(笑)?

それにしてもブランフォード・マルサリスが良いプレーをしていますね。さりげないバッキングにしてもソロにしても、なんと伸び伸びと歌っているのだろう。けして目立とうとしているわけではないのですが、強い存在感を示しています。最近どうも堅苦しい演奏をしてる感じがするのですが、こういう伸び伸びとしたプレーにこそ彼の良さがあると思うのは私だけなのでしょうか?

スティングでもうひとつ思い出すのが、俳優として出た映画「砂の惑星(原題:デューン)」。私の好きなSF映画です。主演はカイル・マクラクラ。マクラクランはその後デヴィッド・リンチ制作の大ヒットドラマ「ツイン・ピークス」でも主演しています。「砂の惑星」でのスティングは、マクラクランと敵対する勢力の一族の子息。映画の中の2人の対決シーンも話題となりました。そして、マクラクランが率いることになる反乱軍(解放軍)の武器が、人の声を増幅して破壊力を得るというのがイイ。

私と同世代の人には懐かしいネタだと思いますが、
若い方には何を言っているのかわからないでしょうね。
スティングって私の青春の思い出。
ところで最近はどうしているんでしたっけ(笑)?

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ジャズ喫茶「ジニアス」にて〆

私のレコード・ハントについてもう一言。
ハントの基本はガイド本をチェックしたものです。今やレコードはかなりの枚数なので、むやみに枚数を増加させずに良いものを聴きたいという思いからです。いくつかガイド本はありますが、その中では後藤雅洋さんのものを重視しています。だって、私の好みにかなり合っているんですもん。だから「ジャズ選曲指南」掲載アルバムをコンプリート蒐集したんですよ。

レコード・ハントの〆は中野新橋のジャズ喫茶「ジニアス」
tommyさん の希望もありましたからね。
神田神保町から都営新宿線~丸の内線と乗り継いで「ジニアス」へと向かいました。

Photo_2

P6 お店に入るとスピーカー前の常連席?に若い女性客がいました。それにお店に置いてある村井康司さん著「ジャズ喫茶に花束を」を読んでいるではありませんか。お~っ、こんな方にジャズを聴いてもらえるなんて、私なんだかうれしいです(笑)!その後マスターとも親しげにお話していました。いや~っ、うれしい!女性ジャズ・ファンが増えるのは良いことです。ジニアスではお茶している近所の奥様方もよくお見かけするのですが、ジャス・ファンではなさそうですからね。この日は他にも若い女性客がいましたよ。

お店に流れていたのは、ピム・ヤコブ・トリオ『カム・フライ・ウィズ・ミー』。いつもの感じですね。CDではありませんよ、レコードです。まずはtommyさんとレコード・ハントを祝してビールで乾杯!その後はディープなジャズ談義とあいなりました。

その時間はマスターが1人だったので忙しそうでした。次にかかったのはジョン・コルトレーン『ソウルトレーン』。オリジナル盤なのにプチパチなしのコンディションが羨ましい!今日は女性客を意識してあまり激しいものはかからないのかも?なんて思っていたら。ある程度お客さんが帰った頃合いにキターッ!見たこともないレコードがかかりました。

トーマス・スタンコ『パープル・サン』。ジャケットを見に行ったら、マスターが「マイルスみたいな感じの演奏をしているんだよ。」っと一言。出だしはちょっと感じが違ったのですが、しばらくするとマイルスのような演奏に、カッコイイじゃありませんか。私の好きなところを突いてきましたよ。

1973年、マイルスがエレクトリック・ファンク路線真っ只中の頃、ヨーロッパではこの人も似たような路線をやっていたんですね~。後半はフリー・ジャス的な熱い演奏もありました。tommyさんが「当時は新宿ピット・インでも日本人ジャズメンがこのような演奏をしていたんだよ。」と言っておりました。見たかったな~。

マスターによると渋谷時代に流行ったやつらしいのです。当時渋谷で凌ぎを削っていたジャズ喫茶の話もちょっと聞かせていただきました。どこかの店でこういうのがかかると他の店でも早速入手してかけたのだとか。入手難な盤はトレードしたこともあると言っていました。熱い時代だったんですね~。私はそういう時代にちょっと憧れもあります。多分このレコードをかけるのは渋谷時代以来なのだと思います。

次はミハエル・ナウラ・クインテット『セント・ルイス・ブルース』。盤裏のパーソネルをみたのですが、その時は酔いも回っていて読み方がわかりませんでした(涙)。ビブラホーンが独特な色を醸し出す硬派でヨーロピアンなジャズ。

翌日tommyさんがブログに掲載したアルバムのタイトルを見てビックリ!ミハエル・ナウラって書いてあるじゃありませんか?澤野工房からレア盤『ヨーロピアン・ジャズ・サウンド』(CD持てます)が出たあのミハエル・ナウラ。あ~っ、ジャズ談義に夢中で演奏をあまり聴いていなかったよ~。よしっ、こうなったら次回行った時にリクエストしてもう一度聴かせてもらおう(笑)!

次はジョージ・コールマン『プレイング・チェンジズ』。これも見たことはないですね。前にジニアスでかかった『ジョージ・コールマン・ライブ』も良かったけど、こちらもなかなか良い感じでした。この日はこの辺でお開きということになりお店をあとにしました。

行く度に未知のジャズ喫茶名盤をかけてくれる「ジニアス」。
素敵なお店です!

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レコード・ハントその2

昨日と今日は買ってきたレコードを聴いたり、家事をしたりとのんびりモードです。
連休前の天気予報では連休中は良い天気だと言っていたような気がしますが、どうやら明日から天気は崩れるみたいですね。

さて、ジャズ友 tommyさん と連れだってのレコード・ハントの続きを書きましょう。

P198 新宿からいきなり川崎へと向かいます。山手線~京浜東北線と乗り継いで30分くらいで着きます。tommyさんにディープなレコード屋さんを紹介したくてお連れしたのが 中古レコード/CD TOPS です。私のブログには何度か登場していますよね。

TOPSは雑居ビルの3階にあるのですが、2階はクリニックというのが凄い(笑)。入口にはマリリン・モンローの水着等身大看板があり、吹き出しには「レコードはお好き?」と書いてあります(笑)。

P199 今回はお店の中の写真も撮らせてもらいました。ご覧のとおりレコードがぎっしり。天井から下がった数々の装飾品がディープです。お店にあるレコードを端からチェックしようとしたら、とんでもなく時間がかかることは間違いありません。私はいつもホームページの在庫リストをチェックしてからポイントを絞って探してきます。

P200 まずはチェックしていった1枚。ハル・シンガー『ブルー・ストンピン』。寺島靖国さん著「聴かずに死ねるか!JAZZこの一曲」に掲載されていたものです。私は寺島さんを全否定してはいませんので、念のため(笑)。ジャケットにSTATUSのシールが貼ってあるのに中身はスィングビル、溝ナシ、RVG刻印でした。帰って聴いたらA面はちょっとプチパチが気になる部分もありましたが、ジャケ裏に文字が書かれていたせいて安めの価格なのでよしとしましょう。演奏はオーソドックスなもので中間派?ピアノのレイ・ブライアントも良い感じです。

P201 私が新着コーナーを漁っていたら、tommyさんがこんなものをみつけてきてくれました。tommyさんが「高野雲の快楽ジャズ通信」「スコット・ラファロ特集」でかけたマニアックな1枚。ラファロ、ジム・ホール、ドルフィーがフリー・ジャズをやっている『ジョン・ルイス・プレゼンツ・コンテンポラリー・ミュージック ジャズ・アブストラクション』です。CDもありますが他のアルバムとのカップリング2in1CDです。tommyさんがせっかくみつけてきてくれたんですし、レコード自体見かけないので購入することにしました。オリジナル盤モノ赤/紫ラベルで値段も安め。帰って聴いたらコンディションは程々でしたが、演奏は興味深いものでした。

P202 続いてtommyさんが何やら熱心に漁っていたので近づいてみると、紙ジャケCDが手頃な価格で売っていました。ここでも「こんなのどう?」とセレクトしてくれました(笑)。シャノン・ジャクソン『ホワット・スピリット・セイ』です。tommyさんには私の好みを見抜かれています(笑)。ジャクソンのヘヴィー・グルーヴは好きですし、ジェフ・リー・ジョンソンのギターとジェームズ・カーターのサックスは買いでしょうということになりました。このお店でCDを買うのは初めてです。今まではチェックすらしたこともありませんが、tommyさんに言われて、これからはCDもチェックする気になりました(笑)。これは期待通りの内容でした。

今回はtommyさんオススメの2枚を買うことになりましたが、中古盤は一期一会、こういう買い方も良いのです。tommyさんはここでもベーシストの1枚を購入。他に紙ジャケCDを何枚か買って、息子さんなどにプレゼントするとのことでした。プレゼントするCDを買うtommyさんは素敵だと思いました。会計後、店主とtommyさんのお店「スコット・ラファロ」や店舗賃貸料の話などで盛り上がってしまいました(笑)。このお店、tommyさんにも気に入っていただけたようなので良かったです。

P1 スターバックスで一服&休憩後、今度は京浜東北線~山手線~半蔵門線と乗り継いで神田神保町へ、目指すはジャズ&レア・グルーヴ&ソウルetc.の EAST RECORD です。こちらは雑居ビルの4階。3階にはリラクゼーション・マッサージ?か何かのお店が・・・(笑)。

tommyさんが好きなカフェ渋谷JBSでかかるようなレコードがたくさんあるお店ということでお連れしました。このお店のことも前にブログに書いています。私もかなり久々の訪問です。

P2 ここにもたくさんレコードがありますが、チェックするのはジャズとジャズ・グルーヴの棚。以前tommyさんと話題になった「ブラック・ジャズ」レーベルのオリジナル盤がたくさんありました。でもどれも万越え!この手のファンには人気が高いレーベルなのです。私はCDでO.K.改めてこのお店のブラック・スピリチュアルなジャズの在庫量に驚かされることになりました。

P3 最初にセレクトした1枚はゲイリー・バーツ『ライブラ』。後藤雅洋さん著「ジャズ・レーベル完全入門」に掲載の1枚。CDもありますがレコードがほしかったのです。コンディション良好で値段も高くなかったので買い。これは意外、ブラック・スピリチュアルというよりは王道ハード・バップ路線でした。もちろん演奏内容は保証付、後藤さん推薦盤の良さはこういう手堅さにあります。

P4 私やっちゃいました。ああ恥ずかしい!のエロ・ジャケです(笑)。某レーベルのエロ・ジャケをけなしている私がこういうのを買って良いのでしょうか?いいんです!ヒューストン・パーソン『ワイルド・フラワー』。何を言ってもしょうがないジャケ買いなのですが、ビル・ハードマンのトランペットがなかなか良いです。一応VAN GERDER刻印オリジナル盤。ウィスキー片手にジャケットをボケ~ッと眺めながら、甘~い演奏を聴くのも悪くないのです(笑)。

もう1枚、グローバー・ワシントンJr.『ミスター・マジックを買うかどうか悩んだのですが、買いませんでした。でも、昨日tommyさんに渋谷ユニオンの安い日本盤をゲットしてもらっちゃいました。店主に教えてもらった渋谷ユニオンの「レア・グルーヴ・セール」に行ったtommyさんがこのレコードを見つけ、私に情報をくれて翌日ゲットしたという顛末です。さてtommyさんはといえば、3枚ほどセレクトしてその中から1枚渋いやつを買っていました(笑)。

P5 会計後に店主と話している時、棚の下の方に¥100コーナーがあるのを見つけました。日本のフュージョンが入っていました。買取盤の中にこういう売れないのが混じっているんでしょうね。ほとんど捨て値です。日本のフュージョン・レコードはトホホであります。こんなのありました。パラシュート『6カインズ・6サイジーズ』。昔聴いた記憶がちょっと残っていました。ひょっとしたら今聴けば良いかも?う~ん・・・、¥100なら許す!

さてもう1軒、高田馬場の「タイム」へ行きましょうかという話もしていたのですが、時間も押してきていましたし歩き疲れたということで、レコード・ハントはこれにておしまい。中野新橋のジャズ喫茶「ジニアス」へ直行して本日の〆とすることになりました。

私のレコード・ハントはこんな具合、色々なタイプのジャズを硬軟取り混ぜて、その時の気分で適当に買うのがモットーです(笑)。

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渋い曲を選びますね。

今日の「快楽ジャズ通信」の放送は、スタンダード曲《ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド》の特集でした。私、この曲はあまり記憶していません。さてさて、どんな演奏が聴けるのか楽しみです。

詳細は書きませんが雲さんの曲説明はいつもわかりやすいんですよ。
コード進行が良い曲と言っていましたが、なるほどです。
キーボードで弾いて説明してくれた雲さんが個人的にグッとくる曲の「ツボ」は、
私もグッとくるところでした。

最初はケニー・ヘイグウッドの男性ボーカルで曲を掴んでもらおうという趣向。
なるほどこういう曲なのね。

次はアート・ペッパーのアルトサックス。
サラッと淡々と吹いているのに切々と心に訴えかけてくるペッパー。
こういうペッパーは良いですよね。日本人好みだと思います。

次はリー・コニッツのアルトサックス。
雲さんはリー・コニッツのバージョンがお好きらしいです。
雲さんは「冥王星のラブ・ソング」と言っていました。
この演奏の寂寥感、浮遊感を表しているみたいです。
説明どおりの感じです。飄々としつつ独特のアクがある演奏。
マニアックな選曲だと思います。これイイ!

次は一筋縄ではいかないスタン・ケントン楽団の演奏。
サスペンス映画のバックに流れるが如きのホーン・アンサンブルをバックに
トロンボーンのソロ。こりゃ確かに一筋縄ではいきませんね。
このアバンギャルド感はなかなかです。
この選曲は雲さんならでは、面白いじゃありませんか?

今日も出ました!バド・パウエルの演奏。
パウエル者の雲さん、最高と言っています。そうでしょうそうでしょう(笑)。
甘さを排したロマンティシズム。
私も全く異論はございませんです、ハイッ(笑)!
曲終了後、「これが一番好き。」と言っています。
雲さんはパウエルが弾いたのを聴いたからこの曲が好きになったと。
ハイハイわかりました(笑)。

次はスタン・ゲッツのテナーサックス。ルースト・セッションから。
いつものスムーズ軽やかな演奏。これもイイですね。
雲さん曰く、個人的にはクール時代のゲッツが最高。

最後はボーカルもの2曲。白人と黒人の対比も面白いです。
カマトトぶったビヴァリー・ケニーと、ノリノリなダイナ・ワシントン
ビヴァリーはカマトトだってイイ。カワイイじゃありませんか?
ダイナの楽しい歌唱で〆。ブラウニーのトランペットも最高!

ダイナのこの曲、最近ラジオで聴いたことがあるような?
思い出しました「PCMジャス喫茶」にゲスト出演した「東京JAZZ」の
女性プロデュサーが「朝聴くと頭がシャキッとする。」と言ってかけた曲でした。
その時の記事はコチラ↓
http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-d702.html

<アフターアワーズ編>
ディレクター嬢はパウエルとペッパーが良かったとのこと。
もうジャズ中級と言って良いのかな~?
そして、久々のディレクター嬢初見弾きのコーナーとなりました。
ディレクター嬢はこの「調」が好きなのだとか。
楽器をやらない私には「調」が好きという感覚が?なのですが、
その発言が気になります。

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レコード・ハントその1

ゴールデンウィークということで昨日はレコード・ハントに行ってきました。今回は最近アナログを再開したジャズ友 tommyさん と一緒にお店を回ってきました。tommyさんが私のレコード・ハントに同行したいとのことだったので、ここはひとつアナログにドップリはまってもらいましょうということで、喜んでお受けしました(笑)。

まずはディスクユニオン新宿ジャズ館から開始です。ついでに不要になったCDを20枚ほど持って行って買取もしてもらいました。買取金を今回のレコード・ハントの予算に回すことは言うまでもありません。この日はいつも混雑する「ブルーノート廃盤セール」でした。毎度この日を待ちわびたレコード・マニアがたくさん集まって、目をギラギラ輝かせながら獲物を虎視眈々と狙う光景が展開されています。普通の人がこの場に入ったら結構怖いものがあると思いますよ(笑)。

さて今回は如何に?アレッ、何かいつもと違うぞ、お客さんが少なめではありませんか。それに売り場のテンションが全然低い。拍子抜けとはこのことです。まあ、私としてはこのくらいのほうが気分は良いのです。tommyさんとはここで待ち合わせることにしていました。後からやってくるtommyさんには、その異様な光景を見ての反応を期待していたのに、これじゃあね~。思惑がハズレてしまいました。5連休の初日ということもあるとは思いますが、やっぱりここにも不景気の影響が出ているのでしょう。

早速一通り見たのですが、私が買いたくなるようなコンディションほどほどで安めなものはほぼなし。壁に飾られた高額盤がいつにも増して眩しい。実はあまり期待もしていなかったので、4月29日に行われたUS廃盤セールの残りを漁ることにしました。

P194_2 そして見つけたのがこれ、ブッカー・アービン『フリーダム・ブック』。後藤雅洋さん著「ジャズ・オブ・パラダイス」で推薦している1枚。ず~っとこのレコードを探していたのですが、なかなか出ない盤なのです。コンディション「B」、イエロー・レーベル、NJ、片溝、VAN GERDER刻印で、値段も4桁なので良いかなと。最近はブルーノートよりプレスティッジを買いたい気分なのです。

P195 メインが決まったので、新着レコードの棚を見ることに。これ持っていなかったなぁ、サド・ジョーン『ザ・マグニフィセントVOL.3』。コンデションAの日本盤適価です。せっかくブルーノート廃盤セールに来たのですから、これを買っときましょう(笑)。

更に探していると、

P197 こんなのもありました。前の記事に書いたフューズ・ワンの1作目『フューズ』。私は2作目『シルク』と3作目『アイス』は持っていたのですが、これは持っていなかったのです。フュージョン・コレクターでもある私としては押さえておきたい1枚。トホホの315円(笑)。ディスクユニオンのフュージョン中古レコードは安いから堪りません。

P196 買う3枚が決まったので、『フリーダム・ブック』を試聴させてもらおうとしたら順番待ちでした。なので別な新着レコード棚も見ることに、こういうことをすると必ずまた買いたいレコードが見つかってしまうものです。やっぱり!アネット・ピーコックの『孔雀(ザ・コレクション)』。この人は前から聴いてみたかったのです。630円なら買っときましょう。

そこへtommyさん登場。なかなかグッド・タイミング。間もなく試聴の順番が回ってきて、試聴したらO.K.上記4枚をお買いあげとなりました。tommyさんもベースの棚から面白そうな1枚を見つけてきてゲット。始めはこんなところでしょう。ゴールデン・ウィークのアクセサリー・プレゼントがあるというので、「エコバッグ」をもらいました。レコードを入れられるサイズだったので早速買ったレコードを入れ、エコバッグはこの日大活躍となりました。

続きはまた明日。

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ゴールドCD~川島重行プロデューサー

ちょっと前にゴールドCDのことを書きました。今日はその話題。

まずゴールドCDとは、CDの反射面に通常のアルミニウムではなく金(24K)を蒸着したCDのことです。なんとウィキペディアにも出ています。ウィキによると「読み込みの乱反射を低減させ、やわらかい音が出ると言われているが、科学的には根拠は無い。」なんて書かれています(笑)。今のHQ(ハイ・クオリティー)CDのはしりと思っていただければと思います。

P192 私は3枚のゴールドCDを持っています。2枚はキング、1枚はダイレクト・カット盤で有名なシェフィールド・ラボのものです。キングの2枚は、アート・ブレイキー&ジャス・メッセンジャーズ『ライブ・アット・スイート・ベイジル』ディジー・ガレスピー『クローサー・トゥ・ザ・ソース』、シェフィールド・ラボは『ジェームス・ニュートン・ハワード&フレンズ』です。

シェフィールド・ラボのCDは「真空管オーディオ・フェア」で高音質CDとして売っていたのを買ったもので、「ザ・オーディオファイル・リファレンス・シリーズ」の1枚です。

キングのほうは発売当時1984,5年に購入しました。アート・ブレイキーの方はスイングジャーナル誌のジャズ・ディスク大賞1985年金賞受賞アルバムです。当時かなり話題になりました。その年の銀賞はアウト・オブ・ザ・ブルー『OTB』。スイングジャーナル誌編集長中山康樹さんが「新伝承派」を声高らかに主張していた頃です。「新伝承派」、今この言葉を聞くとなぜか恥ずかしい(笑)。

P193 ディジー・ガレスピー『クローサー・トゥ・ザ・ソース』(1984年rec. ERECTRIC BIRD)は、キングのフージョン系レーベルERECTRIC BIRDから出ていることからもわかるとおり、ガレスピー(tp)のフュージョン・アルバムです。スペシャル・ゲストがマーカス・ミラー(b)、スティービー・ワンダー(harm,syn)、ブランフォード・マルサリス(ts)なんですから笑えます。

他のメンバーも当時のフュージョン/ジャズ界から多数参加。ハイラム・ブロック(g)、ソニー・フォーチュン(as)、ケニー・カークランド(key)、トム・バーニー(b)、バディ・ウィリアムス(ds)、ミノ・シネル(per)他。ライナーノーツを書いているのがこれまた驚きの油井正一さん。

油井さんがこんなことを書いています。
「このレコードもまた「としよりのひや水」と評されるかもしれない。時代がかわればジャズもかわり、プレイヤーのフィーリングも変化する---ガレスピーのこのレコードに対する評価も、やはり時が決めることとなることであろう。」

今や完全に忘れ去られた色物アルバムとなってしまいました(笑)。

誰がこんなアルバムをプロデュースしたのかと見てみたら、川島重行さんでした。こんなアルバムを作っちゃった川島さんに拍手。このアルバムはガレスピーの唯一の汚点(笑)?まあ、私はB.G.M.として楽しんでいますけどね。

ここで川島さんについてネットを調べていたら色々なことがわかってきました。川島さんは日本のクロスオーバー/フュージョン界の先陣をきったプロデューサーなのだそうです。

さて、当時CTIフューズ・ワンというプロジェクトがあったのですが覚えていますか?このプロジェクトはジャズ・フュージョン界からそうそうたるメンツを集めてフュージョン・アルバムを作るという企画で、キングとTDKも共同制作でした。1作目『フューズに収録された《ダブル・スティール》はTDKのCMに使われた曲です。3作目の『アイス』は当時話題のフージョン・アルバムだったので、私も買ったのですが、今日見てビックリ、このアルバムはデヴィッド・マシューズリード・テイラーとキングの川島さんがプロデューサーです。

マシューズと川島さんと言えば?そう、マンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)ですよ。ネットで調べたら驚きの事実が・・・ってほどでもないのですが(笑)、MJQは中山康樹さんの発案なんですね~。なるほど。

そのMJQについては、コチラ↓を見て下さい。
http://wavemusic.jp/cgi-bin/WebObjects/11ba0d8f688.woa/wa/read/11e2f73025a/

まあ、上記の流れや人脈からも、私がジャズ批評誌の「いーぐる」後藤雅洋さんとの対談で言っている「フォーマットはジャズだけれど発想はフュージョン」というのがどういうことなのか、なんとなく分かってもらえるのではないかと思います。

当時、ジャズとフュージョンは一緒にするなと、多くのジャズ・ファンが声高に言っていたんですよ。フュージョンを聴く人を軽蔑するような風潮もありました。私はジャズもフュージョンも楽しんでいたので、なんか気分が悪かったです。

私は、このMJQの登場でジャズとフュージョンの精神的な垣根が取り払われたと思っています。私は当時、フュージョンがダメという人達は、売るために作った音楽がダメだと言っているのかと思っていたのです。そういう硬派な人達は尊敬すべきだとも(笑)。ところがそういう人達が売るために作ったMJQは素晴しいと言い出すではありませんか。

なるほどと思いましたね。実はフュージョン・ダメ派の多数は、単にエレクトリックと8ビートがダメだと言っているのだという事が分かったからです。要は音楽性なんて気にしていないんですよ。はっきり言ってアホらしくなりましたね。音楽をフォーマットで良い悪いという人達の言うことは「もう信じないぞ」と思いましたよ。一方で、MJQはダメだと見抜く人達もいて、そういう人達は信頼できると思ったものです。

あ~っ、何を熱く語っているんだろう(笑)。それも今は昔、こんなことを言うこと自体、今の若い人達には「鬱陶しい」と思われるでしょうね。でもね~、MJQというのは私のジャズ感に大きくのしかかる問題なんですよ、トホホッ(涙)。

話は川島さんに戻ります。川島さんはギルエバンス&ザ・マンディー・ナイト・オーケストラ・ライブ・アット・スイート・ベイジル『バド&バード』(SJ誌1987年銅賞)でグラミー賞を受賞しているそうですね。素晴しい!

今日はとりとめもない話になってしまいました。
お酒を飲んで書いているので、明日起きてからもう一度読むと青ざめるかも?

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「高野雲の快楽ジャズ通信」のポッドキャスト

高野雲さんの「快楽ジャズ通信」のラジオ放送のポッドキャスト編が始まりました。

↓ココからダウンロードして聴くことができます。
http://www.musicbird.jp/podcast/kairaku_jazz.xml

5分弱の短いものながら番組のプログラムに沿った内容で、番組パーソナリティー高野雲さんと番組を制作しているディレクター嬢(Y.A.さん)がコンビ・トークをしています。

ボケ・ツッコミもなかなかですよ。とは言ってもお笑いコンビではありませんので、念のため(笑)。ジャズメン・ウィメンの聴き所やエピソードをもとに男女ネタにしているところが面白いですね。

ネット上の文字だけでは、高野雲さんのキャラクターの全貌はなかなか知ることができないと思います。でも、声とトークを聴けばそれが一聴瞭然とまでは言いませんが、かなりよくわかると思います。基本は気さくでゆるめなのですが、ジャズの話になるとついつい熱くなる雲さんです(笑)。

ディレクター嬢はラジオでナレーションもしています。ナレーションのしゃべりは落着いてしっとり系。アニメ好きにも絶対受ける女性キャラだと思いうのですがいかがでしょう?ところが、トークになるとハキハキでオキャンな感じになっちゃうのです。このギャップが堪りません(笑)。

ポッドキャスト編も面白いので是非聴いて見て下さい。

P191_2 今日はポッドキャスト編にちなんで、チェット・ベイカーエンリコ・ピエラヌンツィ『ソフト・ジャーニー』(1979,80年rec. EGEA)を紹介します。メンバーは、チェット・ベイカー(tp.vo)、エンリコ・ピエラヌンツィ(p)、マウリツィオ・ジャンマルコ(ts)、リカルド・デル・フラ(b)、ロベルト・ガット(ds)です。しばらく前に再発されたので買いました。チェットとピエラヌンツィの組み合わせで買い。

ポッドキャストでも話題になっていましたが、薬漬けのせいでジャケ写のとおりのやつれ具合。この時50か51歳です。隣のピエラヌンツィはこの時30か31歳、この人もその歳にしては老けて見えますよね(笑)

チェットはそのアンニュイなボーカルと優男な感じから、トランペットもたよりない感じだと思われているかもしれません。でも、若い頃はフワット包み込む音ではありますが、結構力強く吹いているのです。その音の説得力は大したものですよ。そして小細工を弄しないストレートな奏法によって、その音が生かされているとも思います。

このアルバムは晩年に近いですから、若い頃の勢いこそありませんがチェットのトランペットの魅力はよく出ています。そしてチェットのもう1つの魅力、アンニュイにして退廃的なボーカルも聴けます。特にピエラヌンツィとのデュオで歌う《マイ・ファニー・バレンタインが最高です。ボーカルに続くミュートも甘さを抑えてストレートに迫ってきます。バックのピエラヌンツィのピアノの歌心とスケールの大きさがまた良いですね。

マウリツィオ・ジャンマルコがテナーで負けずに好演しています。この人は初めて聴いたのですがなかなか良いテナーだと思いました。ピエラヌンツィはこの頃からしっかりした表現力を持っていて、だからこそ今や押しも押されもせぬピアニストなのでしょう。デル・フラのベースとガットのドラムだって安定したものです。

チェットの魅力満載の安心して聴けるアルバムだと思います。

アルバム名:『SOFT JOURNEY』
メンバー:
Chet Baker(tp, vo)
Enrico Pieranunzi(ts)
Maurizio Giammaco(b)
Riccardo Del Fra(b)
Roberto Gatto(ds)

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