今日の「高野 雲の快楽ジャズ通信」は「スコット・ラファロ特集」。
ゲストは沖縄コザのジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」のオーナー
我らがtommyさんです。
tommyさん、スタジオにCD20~30枚を持ち込んだらしいです。
さすがです(笑)。
雲さんとtommyさんのコンビ。
話がテンポよく進んで行くので気持ち良かったです。
最初はベタな選曲。
雲さんがビル・エバンス・トリオの特徴を説明します。
『サンディ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード』から《グロリアズ・ステップ》。
これラファロの曲だったんですね~。イイ曲ですよね。
何度聞いてもやっぱりラファロのベースは素晴しい。
もちろんエバンスは最高!
(以降、緑字は私が曲を聴いた感想などです。)
雲さんとtommyさん、「きれいでしたね~。」と言います。
雲さんは漂う感じのベースが良いと言います。
次はラファロの4ビート。歌伴もうまいんだよというこの曲。
『ジス・イズ・パットモラン』から《ラバー・カムバック・トゥ・ミー》。
これ、アップ・テンポの演奏で、ラファロの4ビートが最高!
これだけ歯切れよく力強いベースを弾けるって凄いですよね。
雲さんも素晴しいと言ってます。
プロ2年目だそうです。
雲さん曰く、ステディーに刻んで存在感ある音。
そくそく進みます(笑)。次の曲。
ハーブ・ゲラー&ヒズ・オールスターズの『ジプシー』から《カウ・ソング》。
これはラファロの歌心をきく曲なんでしょうね。
ほとんど全編ラファロのベース・ソロで、これが秀逸です。
さっきの4ビートとこの歌心がエバンス・トリオにつながるということなのでしょう。
tommyさんの鋭い選曲に脱帽です。
雲さん、出だしはカワイイけど、ソロになるとエバンス・トリオの3連、6連が出て、
せりあがる感じの特徴が出ていると言ってます。
tommyさんから、ラファロのスタジオ・ミュージシャンとしての資質の話があります。
そんなラファロのショー・ビジネス的な仕事。
『スタン・ゲッツ・ウィズ・カル・T・ジェイダー』の《LIZ-ANNE》。
これは特徴があるわけではないですが、
ワルツでのラファロのステディなベースを聴く曲だと思いました。
ゲッツのテナーが良いですね。
このアルバム、オーネットと共演したビリー・ヒギンズがドラマーなんだとか。
ステディーに刻むドラムです。
tommyさんによれば、ラファロの感覚はデザイナーっぽいとのことです。
それは、コマーシャルな部分をこなしなから、
アーティストな部分も生かしているところだとか。
tommyさんらしい感想ですね~。納得するものがあります。
4年間の活動歴でリーダー作は1枚もないですが、参加アルバムは多いです。
ジャケットは西海岸特有のおちゃらけだけど、中身はしっかりしている1枚。
『ジ・アライバル・オブ・ビクター・フェルド・マン』から《マイナー・ラメント》。
この曲を選曲するあたりは、tommyさんの「せつね~」好きだと思います(笑)。
ラファロの自由なベースが良いです。
曲の最後では珍しい弓弾き。
西海岸はクラシックの教養があるピアニスト多く、
そういう人達とやったラファロはアンサンブルに興味があり、
そこで学んだもの(美味しいところ)をエバンス・トリオに生かしたのではないか。
というtommyさんの分析があります。
次はオーネット・コールマンとやった1枚。
雲さんの「尖がったベースを聴きたい」というリクエストに応えて、
フリー系の演奏など。
ジョン・ルイスがプロデュースした『ジャズ・アブストラクション』から《ジャンゴ》。
この演奏はフリーではありません。
ここでもエバンス・トリオに通じる演奏をしています。
こんな演奏があったんですね。
実験的な臭いも漂いますが、これは確固とした表現だと思います。
ベースは2名、伴奏のジョージ・ディビビエとソロのラファロです。
ギターはジム・ホール。
続けて今度はフリーな曲。
同アルバムから《クリス・クロス》。
メンバーは曲をかけてから教えるということで、雲さんへのブラインド。
アハハッ、なるほどドルフィーのバスクラリネットがフロントですね。
これも良い演奏だと思います。この選曲は渋いですね~。
フリーとは言っても、それほど難解ではありません。
これは良いアルバムですね。ほしくなりました。
雲さんは今日の中でこれが一番良いと言ってます(笑)。
tommyさんによれば、コマーシャルなこともやって、フリーもやって
エバンス・トリオがあると。なるほどと思いました。
最後に、知的なピアニストと相性が良いという話や、
音色に特色があるという話もありました。
今日の放送はスコット・ラファロの魅力がよくわかりました。
<アフター・アワーズ編>
リスナーにプレゼントのお知らせ。
今回のラファロの特集にあわせて、
tommyさんがスコット・ラファロのディスコ・グラフィー(pdfファイル)を
50名様にプレゼント。
そして、
ベースつながりで、国仲勝男さんのベース・ソロを持ってきて聴かせてくれました。
録音は沖縄「音無館」の安次富さん。
曲は『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』。
強靭なベースは聴き応えがありました。
5月14日(木)にジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」で
林栄一さんと国仲勝男さんのライブがあります。
私はお2人のライブを甲府「桜座」で見ましたが良かったです。
その時国仲さんはサイレント・ギターだけを弾いていました。
ところがスコット・ラファロのライブでは国仲さんのベースが聴けそうだ
というんだから羨ましい。
*
昨日はtommyさんのアナログ導入計画のお手伝いをしてきました。
やっぱりアナログは手間がかかりますね~。
tommyさんが集めたプレーヤーで遊ばせていただたうえに、
ご馳走までしていただいちゃいました。
楽しかったです。そしていろいろな発見もありました。
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