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「いーぐる」連続講演com-postプレゼンツ「80年代の100枚」②

昨日の続きです。今日は後半3人が紹介したアルバム。

<益子博之さん>
ポール・モチアン・トリオの『イット・シュッド・ハプンド・ア・ロング・ア・ゴー』
から《イン・ザ・イヤー・オブ・ザ・ドラゴン》
デイヴ・ホランド・カルテットの『イクステンション』から《ネメシス》

これはもう益子さんならでは、21世紀のジャズにつながる2枚です。ポール・モチアンは間の取り方とサウンドの響かせ方で、デイヴ・ホランドはリズム(変拍子)で、今につながると益子さんは言っていました。益子さんは80年代にはロックを聴いていたようなので、現在の視点で80年代のジャズを選出しています。私もこの2枚は当時ノー・チェックでした。

ポール・モチアン・トリオについては、サックスのジョー・ロバーノの話題で盛り上がりました。特に原田さんの熱い思いは聞いていて胸に来るものがありました。私はまだポール・モチアン・トリオのCDは持っていないので、入手したいと思いました。

P169 デイヴ・ホランド・カルテットは数年前に入手しました。
ギターのケビン・ユーバンクスが好演しています。
私はドラムのマービン・スミスが好きなのです。
この2人最近はどうしているのかな?なんて話題も出ましたよ。

<原田和典さん>
スタン・ゲッツの『ヴォヤジ』から《アイ・ソート・アバウト・ユー》
デューク・ジョーダンの『ジェラシー』から《ナイト・トレイン・フロム・スネッカースティン》

原田さんは「80年代は新しい人達が出てくる一方で、ジャズ界の重鎮も生きていた良い時代だった。」と言ってました。確かにそのとおりだと思いました。原田さんは、過去の偉大なジャズメンをきちんと聴いていて、かつ、今の人達も聴いているところが凄いと思います。だからここで選曲した2人は原田さんならではだと思いました。

P170 スタン・ゲッツについては、私は当時のFM-NHK「ゴールデン・ジャズ・フラッシュ」のゲッツ特集で聴いたのが多分最初です。そこでかかったコンコード・レーベルの『ザ・ドルフィン』は気に入った記憶があります。でも最初に買ったアルバムは『キャプテン・マーヴェル』。共演メンバー買いです(笑)。『ヴォヤジ』は、後藤さんの「ジャズ・オブ・パラダイス」で推薦されていたので、CDが再発される少し前にディスクユニオンで中古LPを入手。ゲッツも良いがピアノのケニー・バロンが素晴しいということで、原田さんはこの曲をかけました。

デューク・ジョーダンは当時の『ブルー・デューク』が記憶に残っています。その後ずっと放っておき、90年代末になってからやっと中古LPを買いました。『ジェラシー』は全く知りませんでした。このCDは村井さんも言っていましたが、私も録音が良いと思いました。原田さんが強調していたジョーダンの力強いタッチを堪能できました。これはCDを入手したいと思います。
*その後「discland JARO」の通販リストにこのアルバムを見つけ入手済。

<八田真行さん>
ウディ・ショウの『ユナイテッド』からタイトル曲
ウィントン・マルサリス・カルテットの『ライブ・アット・ブルース・アレイ』
から《ノーズ・モーキング》

80年代はまだ子供だった八田さん、当時のジャズを知るはずもなく、ジャス史として80年代を見た時の対照的な2人のトランペッターということでの選曲です。リアル・タイムで知っていると、当時自分が感じていたことと、ジャズ史となって語られていることの微妙なギャップがあったりして、選考に迷いが生じたりするのではないかと思うのですが、知らないと潔く選考できるんだなあと感じました。

P171 私はだいぶ後になってからウディ・ショウの悲劇的な人生を知ることになります。当時私は、フレディー・ハバードと吹き込んだ『クリフォード賛歌(タイム・スピークス)』で初めてショウを聴いたのですが、ハバードに比べると地味なトランペッターだという印象しかありませんでした。『ユナイテッド』は油井さん著「ベスト・レコード・コレクション・ジャズ」でチェックして、数年前に中古LPを買いました。CD化されていないようです。後藤さんはミューズ在籍時からかけていたそうで、ショウのメロディー・ラインが独特でわかりにくいとも言っていました。

P166 ウィントンについてはやっぱり衝撃的。私はジャズ・メッセンジャーズ『キーストン3』で初めて聴いて凄いトランペッターだと思いました。当時テレビでV.S.O.Pクインテットのウィントン、ブランフォード版も見ました。《りんご追分》を演奏したのが妙に印象に残っています。ジャズにしても良い曲だなあと思いました。その後『ハービー・ハンコック・カルテット』を聴き、ソロ・アルバムで最初に買ったのは『Jムード』。演奏の肌触りについてはスイングジャーナル誌でもかなり話題になっていて、私も気になっていました。それについて納得することになったのは、数年後に後藤さんの「ジャズ・オブ・パラダイス」を読んだ時でした。『ライブ・アット・ブルース・アレイ』はやっぱり凄い演奏ですね。これも入手しづらかったようです。持っていなかったのですが、帰りに立ち寄ったタワーレコードで見つけたので即買いました。

というわけで、
6人の皆さんが選んだ曲を聴きながら、当時を懐かしく思い出しました。
今回の講演、とても面白かったのであります。

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