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日本人ジャズを聴こう 超久々!

久々にこれいきま~す。日本人ジャズを聴こう!とは言っても、今日紹介するアルバムは「日本人ジャズ」という言葉のイメージからは離れたものだと思います。

P144 YAS-KAZ『兎に角』(2006年、POPGROUP recordings)です。これはちょっと異色です。フリー・ジャズのパーカッショニストYAS-KAZがエスニックかつ幻想的なバック・サウンドを作り、その上でトランペットやギターがソロをとるという趣向。ジャケットのイメージがそのままサウンドのイメージをあらわしていると言えなくもありません。

YAS-KAZさんのオフィシャルサイト:http://www.yas-kaz.com/ja.htm

このアルバム、ディスクユニオンの試聴機で聴いて気に入っていたのですが、\3,000出す気になれなくてず~っと買うのを保留していました。結局ディスクユニオンの中古を買うことに(笑)。

YAS-KAZはパーカッションを駆使するだけでなく、シンセや打ち込みも多用しています。非常に低く広がりをもって発せられる太鼓のような音が特に気持ち良いです。トラックによってはエレクトリック・シタールを使ったり、ガムランにつかわれるような打楽器も使ったりするので、東南アジア色が強いですね。そして「和」の響きというか祭りの太鼓をイメージさせるものもあります。

YAS-KAZの作るバック・サウンドだけでも気分はトランス状態に誘われる感じがします。浮遊感、倦怠感、和み感、包まれ感など、う~んなんか気持ちイイぞ!サウンドは北欧クラブ・アンビエント系に属するのでしょうが、テイストは東南アジアであり和なのです。そしてナチュラル自然志向。

《BABBULKUND or KOBAKU-KIBUN》は上記のとおりのバック・サウンドの上で、五十嵐一生のマイルス的な感じのトランペット・ソロが続き、サウンド全体は近藤和明のピアノも含めてハービー・ハンコックの『ディス・イズ・ダ・ドラム』にも通じるものがあります。

《EL ARCO Y LA LIRA》は、バック・サウンドの上でマンデイ満ちるが詩を朗読し、歌詞のない歌を歌います。幻想的な感じですね。琴のような音も聴こえたりします。《VERA》渡辺健のフレットレス・ベースとYAS-KAZのシンセのデュオで、深く美しい響きを持ったトラックです。今堀恒雄のちょっとアウト・フレーズのギターや坂田明のバスクラがフィーチャーされた曲もあります。

参加メンバーは他にも数名いますが、上記のメンバーを見ても一癖二癖あるのがわかりますよね。日本人ジャズと言っても今や一口では説明できないし、こういうユニークな活動をしている人達もたくさんいるのです。

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