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これは渋い1枚です。

3月ということで、渋谷の「disclandJARO」http://music.geocities.jp/disclandjaro/ から通販リストが送られてきました。この通販リスト、かなりの枚数が記載されています。ただし、このリストにはリーダー名、アルバム名、レーベル名、品番、コンディション、金額しか書いてありませんので、初心者には向かないでしょうね。もちろんジャケット写真もありませんから、記載されたデーターからアルバムがわからないとまずいわけです。

さて、そのリストにはオリジナル盤だけでなくヨーロッパ盤や日本盤や再発盤も載っています。実は日本盤なんかは安めに価格設定されているのです。私は結構この日本盤を買っています。今日紹介するのはその中の1枚です。

P118 ウォルト・ディッカーソン『トゥ・マイ・クイーン』(1962年rec. Prestige)です。メンバーは、ウォルト・ディッカーソン(vib)、アンドリュー・ヒル(p)、ジョージ・タッカー(b)、アンドリュー・シリル(ds)です。これなかなか渋いメンバーだと思いませんか?

このアルバムは油井正一さんの「ベスト・レコード・コレクション・ジャズ」でチェックしていたアルバムです。この本には大変お世話になっております(笑)。1986年に出た文庫本で、もうかなり傷んでいるのですが未だに参考にしています。

いつもJAROには電話で在庫確認をするのですが、店主にこのアルバムを言ったら、「これは良いアルバムなんだけど人気がないんだよね。」と返事が返ってきました。実はオリジナル盤もリストに載っていて店主に薦められたのですが、私は聴いたことがなかったので、とりあえず日本盤を入手することにしました。

ここで紹介するとオリジナル盤の方を買われてしまうかも?まあ、それはそれで良しとしましょう。お金がある方はオリジナル盤をどうぞ(笑)。

内容について。

ライナーノーツによると、当時のディッカーソンはコルトレーンの”シーツ・オブ・サウンド”をヴァイブを通して表現しようとしていて、硬質なトーンによる音の奔流を思わせる斬新な奏法は”メタリック・コルトレーン”と呼ばれていたとか。なんか小難しそうですよね?A面は長尺のタイトル曲のみ、ますます不安になってきます(笑)。

早速A面タイトル曲に針を落とすと、ヴァイブとベースの幻想的な語らいから始まります。この部分からその独特な世界にグット引き込まれていってしまいました。それがしばらく続くとドラムのブラシとピアノが入ってきて、ドラムのドロドロとした連打から少しテンポ・アップして演奏が熱を帯びてきます。ここで”メタリック・コルトレーン”を感じさせるソロとなります。全体の感じは新主流派なんですけど、クールさ控えめで少し湿気と甘さをはらんだメロディーがなんとも心地良いです。

ヒルのピアノがこのイメージにまたピッタリなんですよね。クールなんですが微妙な甘さがあり音がキラキラとしています。ソロなんかビューティフル!の一言に尽きます。名演だと思います。タッカーのベースが無駄を排した音数と力強いトーンで作り上げるサウンドの骨格がまた良いんですよね。ベース・ソロも惚れ惚れするものです。それからシリルが繰り出すブラシの爆ぜ具合や、タムのロールを上手く使って演奏を盛り上げる様も渋すぎです。

4人が一体となって作り上げる美しくも切ない愛の世界。聴いて下さい!
ちなみにこの曲はディカーソンの最愛の妻エリザベスに捧げられたものです。

B面《ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン》はA面の独特な世界よりは馴染み安い演奏になっています。B面のもう1曲《ゴット・プレス・ザ・チャイルド》は、ベースのアルコとヴァイブのデュオで、これも独特の深みのある演奏になっていますね。私にはヨーロッパのジャズが持つ独特の憂い感みたいなものが、このアルバムからもなぜか感じられます。

ライナーによるとこのアルバムがディッカーソンの最高傑作らしいのですが、頷けます。JAROの店主が言っていたとおり、良いアルバムです。さすがわかっていらっしゃる!

アルバム名:『To My Queen』
メンバー:
Walt Dickerson(vib)
Andrew Hill(p)
George Tucker(b)
Andrew Cyrille(ds)

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