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ジャズ喫茶のオヤジならではのアルバム

ジャズのアルバムをたくさん聴いてきたんですが、未知の良いアルバムはまだまだたくさんありますね。70年代から80年代にはなかなか注目されることはなかったのですが、今聴いてみると、巷に溢れるバップ・アルバムを越えるものはたくさんあります。

それだけ今巷に溢れるジャズのレベルが落ちたと言えばそれまでなのですが、当時のアルバムも知らずに今のやつが凄いんだというような風潮があるのがちょっと虚しく思えてきます。最近のジャズを応援したいのですが、70年代中頃から80年代にさんざんやりつくされたフォーマットの新盤を聴くのも何か違う感じがして、結局私は当時のものを探し出して聴くほうに興味が湧いてしまいます。でもレア盤とかではないですよ。

P115 今日紹介するのはサム・ノート『エントランス!』(1975年rec. XANADU)です。メンバーは、サム・ノート(tp)、バリー・ハリス(p)、ルロイ・ヴィネガー(b)、レニー・マクブラウン(ds)です。ザナドゥ・レーベルってっこの手の渋いアルバムがいっぱいありますよね。

このアルバムはジャズ喫茶「いーぐる」マスター後藤さん著「ジャズ・レーベル完全入門」で知りました。この手のアルバムはジャズ喫茶マスターでないと選べないと思います。当時はフュージョン・ブームの真っ只中。こういうバップ・アルバムは正統派ジャズ喫茶という空間でしか注目されなかったのではないかと思います。

サム・ノートのファースト・アルバムとのことです。トランペットのワンホーン・アルバムでしっかりした内容です。A面1曲目《ファッツ・フラッツ》。ノートはアップ・テンポで快調にバリバリ飛ばし、ハイ・ノートもストレスはなく、陽性で元気なソロは快適そのものです。ヴィネガーのちょっと緩めの音のウォーキング・ベースもブンブン・ブンブンとドライヴ感抜群。ハリスのピアノがマニアの心をくすぐります(笑)。

続く《ラバー・マン》。バラードにおいてもしかっり説得力のあるソロをとってくれます。ハリスのピアノはさすがの貫禄を持って哀愁感満点のソロをとっていますね。この演奏においてはマクブラウンのブラシによるサポートが上手い具合に嵌っています。

B面1曲目《ノスタルジア》。ミドル・テンポで街を闊歩するかの如くの演奏が気持ち良いです。よく晴れた日にこれを聴きながら郊外の街並みをウォーキングしたら最高なんじゃないかな。衒いのないシンプルにして言い切っているトランペットのソロに、気分はウキウキしてきます。こういう曲でのハリスはまさに水を得た魚の如く生き生きとソロをとりますね。そしてそして、ヴィネガーのウォーキング・ベースは文句のつけようがありません(笑)。

別に世間で話題になったわけではありませんしレア盤というわけでもありません。でも聴くとその良さが滲み出てくるようなスルメ的アルバム。実はこういうアルバムに出会うことが一番楽しかったりするから困ったものです(笑)。

アルバム名:『ENTRANCE!』
メンバー:
Sam Noto(tp)
Barry Harris(p)
Leroy Vinnegar(b)
Lenny McBrowne(ds)

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