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「いーぐる」2008年下半期新譜特集(その1)

今日は土曜日に行ってきたジャズ喫茶「いーぐる」「NYダウンタウンを中心とした2008年下半期の新譜特集」のレポートです。

一昨日は「70年代の黒いジャズ」、昨日は「ホーク&レスター」、そして今日は「2008年新譜」と時代を行ったり来たり、内容にも差がありますが全部ジャズなのです(当たり前!)。私はジャズに自分の枠をはめず、なんでも楽しんじゃおうという、節操の無さが身上です(笑)。ただし、楽しむためにはそれぞれの楽しみ方を押さえる必要があります。ココ重要で~す!

P93 おや、入口の所にセットメニューの看板が出ていますね~。
誰が字を書いているんでしょう。
なかなかカワイイ字です。
お店の硬~いイメージ(失礼)を和らげるのに
一役かっているんじゃないでしょうか(笑)。

階段を降りて行くと、講演者の益子さんが突然出てきました。
ビックリ!「こんにちは、今日もよろしくお願いします。」

P94 今日の特集、ニューヨークの今のジャズと言えばこの人、益子博之さんによる講演です。ゲストは元「ジャズ批評」編集長の原田和典さんです。原田さんは今年の1月にニューヨークに行ってきたばかりだとか。う~ん。羨ましいです。

この特集、上記の皆さん他で立ち上げたサイト
”com-post”http://com-post.jp/
と連動していますので、このサイトも是非チェックして下さい。

この講演でかけた曲の詳細は、「いーぐる」のホームページ:http://www.02.246.ne.jp/~unamas/eagle.html「diary」に掲載されています。

それでは参りましょうか。

①Mauger(グループ名)のアルバム『The Beautiful Enabler』から《Acuppa》
ルドレシュ・マハンサッパ(as)、マーク・ドレッサー(b)、ジェリー・ヘミングウェイ(ds)
*なお、カタカナ表記は不正確ですのでご容赦下さい。

昨年の2008年上半期新譜特集の時と同様に今回もサックス・トリオから。注目アルト、マハンサッパがじいさん2人(ドレッサーとヘミングウェイ)をバックにした比較的オーソドックスな演奏。マハンサッパはインド系です。原田さんによると、最近のミュージシャンは名前が覚えられない人が多いけれど、今のシーンはそういう人が面白く、名前を覚えられた感動とそういう人の音楽と出合った感動の2重の感動があるとのことです。上手い事を言うなあと思いました。マハンサッパのアルトの音は独特、ダブル・リードによる民族楽器ぽいペラペラな音です。

演奏はフリー~ハード・バップですね。私はマハンサッパの良さが今一わかりません。この人、どうも考えすぎな感じがするのですが・・・。この演奏を聴いていたら、なぜかドルフィーを聴きたくなってしまいました(笑)。

②Seamus Blake Quartetのアルバム『Live in Italy』から《Fear of Roaming》
P95_2 シーマス・ブレイク(ts)、デヴィッド・キコスキ(p)、ダントン・ボラー(b)、ロドニー・グリーン(ds)

益子さんによると、ブレイクのテナーの生音はCDのように音が細くなくてもっと太いとか。CDではそれが伝わらないので、もったいないと言っていました。原田さんによるとブレイクは体が大きいそうで、テナーが似合うとか。これ以降も体のでかさの話題はたくさんあって面白かったのですが、ここには書きませんのでご了承下さい。益子さんはグリーンのドラムを見直したと言っています。かけませんでしたが、テナーの音にエフェクターをかけた演奏もあります。

益子さんがこれを選曲したのは意外でした。比較的オーソドックスな演奏だからです。打上げの時にわかったのですが、益子さんは最初の方は難解なものを避けてわかりやすいものをかけようと意図したそうです。この曲では、キコスキはキレがありますし、グリーンの煽りは強烈です。私はこのアルバムを気に入っています。この手の最近の演奏の中では結構気合が入っていると思いますよ。ちなみに、このCDは2枚組みですが値段は1枚ものと同じくらいです。

③Bruno Rabergのアルバム『Lifelines』から《April Suite》
P96クリス・チーク(ts)、ベン・モンダー(el-g)、ブルーノ・ラバーグ(b)、テッド・プア(ds)

チークのテナーも、ブレイク同様生音にくらべCDは音が細く感じるそうです。リーダーのラバーグは北欧の人ですが、今はニューヨークに住んでいるとのことです。「いーぐる」の壁にジャケットが飾られています。

これは現代性の感じられる演奏ですね。チークがクールでソフトに淡々とメロディーを吹いていて、そこにモンダーが空間性を感じさせるセンスの良い音を重ねていきます。プアの繊細なドラミングとラバーグのブリブリなベースが繊細なグルーヴを生み出しています。私はこれも良い演奏だと思っています。このCDも2枚組みですが安いです。

④Simon Jermyn's Trot A Mouseの同アルバムから《Otabur》
ローレン・スティルマン(as)、クリス・スピード(ts)、サイモン・ジャーミン(el-b)、シーン・カーピオ(ds)

③とヨーロッパ人ベーシストつながりです。ジャーミンはアイルランド人で、地元ではロックをやっているそうです。リフ一発のロックっぽい曲。ジム・ブラックの作品にも似ていて、益子さんの個人的お気に入りとのことです。

テーマのメロディーがメランコリックで、私には演歌的にも聴こえます。そのテーマが終わると一転して、複雑なリズムの上でサックスが朗々と泣きのメロディーを吹き、またテーマに戻るという曲想です。真中のサックス・ソロ部は60年代フリー・ジャズの様にも聴こえます。私はこの手のメロディーがちょっと苦手なんですよね~。この1曲を聴いただけではちょっと評価しかねます。

今日はここまでです。
1日4曲ずつ紹介していきますので、全部で13曲を3回に分けてレポートします。

実際の講演では、かけたアルバム以外にもたくさんの推薦アルバムや注目のミュージシャンを紹介しています。それについてはレポートしませんのでご了承下さい。

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