今更ですが追悼フレディ・ハバード
フレディ・ハバードが亡くなってからだいぶ経ちますが、明日は四谷のジャズ喫茶「いーぐる」でハバード追悼の持込盤大会があるので、私も追悼の意を込めてアルバムを紹介します。私は明日の特集には残念ながら参加できません。なにせ先週行ったばかりなので、毎週東京へ行くこともできません(笑)。
私のフレディ・ハバード歴は、ジャズを聴き始めてすぐの頃から始まります。V.S.O.Pクインテットの中のハバードです。V.S.O.Pクインテットのアルバムはダイレクト・カット盤の『ファイヴ・スターズ』から始まり、『ライブ・アンダー・ザ・スカイ』(デジタル・レコーディング)『熱狂のコロシアム』と買って、よく聴いていました。当時はオーディオ・ファンの方が強かったので、CBSソニーのマスター・サウンド・シリーズとして買ったというのが大きな理由です。
聴くうちに演奏のほうに惹かれていくことになるわけですが、特に印象に残っているのは、『ファイブ・スターズ』の中の《スケイグリー》と『熱狂のコロシアム』の《レッド・クレイ》です。この2曲は8ビートに乗ってトニー・ウィリアムスのバス・ドラムが炸裂しているからです。このことについては1年くらい前にブログに書いています。
後者《レッド・クレイ》はハバード作の曲で、同タイトルのアルバムの演奏も良いのですが、私はやっぱりV.S.O.P.の方が好きです。ウェイン・ショターの怪しさなんか最高ですよ(笑)。当時はハバードもフュージョンをやっていました。確か『スプラッシュ』とかいうアルバムが出ていたと思うのですが、全然面白くなかったのを覚えています。
さて、今日紹介するアルバムはというと『ジ・アーティストリー・オブ・フレディ・ハバード』(1962年rec. Impulse)です。後藤雅洋さん著「ジャズ・レーベル完全入門」を読んで、このアルバムの存在を知りました。こういうアルバムを知っているのがジャズ喫茶のオヤジの凄さですね。
私は少しではありますがオリジナル盤も蒐集していて、当時インパルスのオリジナル盤は1枚も持っていませんでした。これは渋谷の「discland JARO」で見つけたもので、私のインパルスのオリジナル盤第1号です。プロモ白レーベルのモノラル盤。コンディションはかなり良く、香ばしいヴァンゲルダー・サウンドが堪能できます。
メンバーは、フレディ・ハバード(tp)、カーティス・フラー(tb)、トミー・フラナガン(p)、ジョン・ギルモア(ts)、アート・デイヴィス(b)、ルイス・ヘイズ(ds)です。なかなか凄いメンバーですよね。「ジャズ・レーベル完全入門」にも書いてあるとおり、内容はブルーノートの所作と比較しても遜色ありません。ハバード、フラー、ギルモアの3管編成で、それぞれが気合の入った演奏をしています。
B面の《サマー・タイム》と《ザ・セブンス・デイ》は、ラテン・タッチのワルツ・リズムで、エキゾチックでちょっと憂いを帯びた演奏がなんとも胸に迫ります。フラナガン、デイヴィス、ヘイズのリズム陣が熱気をじわじわと送り込んでくるのも良いです。フラーなんかはともすると緩い時があるのですが、ここでは緩さがありません。ギルモアのテナーもハード・ボイルドに迫ってきます。もちろんハバードも快調そのものですよ。
ハバードはフリー・フォームでもやっていて、オーネット・コールマンの『フリー・ジャズ』での演奏も良いと思いますし、フリーまでは行きませんがエリック・ドルフィーの『アウト・トゥ・ランチ』での鋭い演奏なんかも好きです。
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明日1/31と明後日2/1は「高野 雲の快楽ジャス通信」の放送18回目。
「セロニアス・モンク特集」です。
モンクはクセがありますからね~。
どんな選曲になるか凄く楽しみです。
聴きましょう!
内容については高野 雲さんのブログ:快楽ジャズ通信
にもアップされますのでご覧下さい。
全国コミュニティーFM局では、毎週土曜日20:00~20:55に放送。
ミュージックバードでは、毎週日曜日22:00~23:00に放送。
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