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「快楽ジャズ通信」パット・メセニー特集(その1)

今日は「快楽ジャズ通信」パット・メセニー特集でかけた曲について、紹介しましょう。

最初に、パット・メセニー・グループはジャズじゃない、フュージョンだという方もいらっしゃるでしょうが、私は別にどうでも良いと思っています。またまた戯言を言ってしまいました(笑)。

放送では、雲さんが私のパット・メセニー好きを知った経緯から始まって、雲さんも私も最初はパット・メセニーには、’ピン’とこなかったなんて話をして、私とメセニーの出会いの話になります。以下放送で言っていないことも追加して書いています。

私は大学に入った頃(1982年)からジャズを聴いています。その頃はパット・メセニーは単なるフュージョンだと思っていたので聴こうとも思いませんでした。だってその年に出たアルバムが『愛のカフェオーレ』ですからね。このタイトルでは聴く気がおきませんよ(笑)。

当時私はウェザー・リポートとマイルスに入れ込んでいました。大学の図書館の雑誌コーナーにあったスイングジャーナル誌を毎月ただで読んでいたのですが、ある時、マイルスとメセニーのダブルビル・コンサートの記事があり、マイルスがメセニーのコンサート時の楽器機材の多さを見て、「あんなに機材を持ち込んで何をやるんだ。」みたいなことが書かれていたので、私はちょっとメセニーを低く見てしまったのです。

また、私はジャズ・ギタリストとしてはマイルスのグループにいたマイク・スターンとかジョン・スコフィールドなどしか聴いていなかったんです。ウェス・モンゴメリーとか正統派ジャズ・ギタリストはほとんど聴いていませんでした。だからジャズ・ギターには変則的なところから入ったわけです。

それから大学を卒業して就職するのですが、就職して配属された部にジャズ好きな2年上の先輩(この先輩とは仲良くしていただいて、ライブ・アンダー・ザ・スカイとかにも何回か一緒に行きました)がいました。この先輩はラリー・カールトンなんかのフュージョン・ギターが好きだったので、レコードとかCDを貸してくれて、その中にメセニーのアルバムもあったわけです。

これが私とメセニーの出会いとなります。貸してもらったのは『ブライト・サイズ・ライフ』『オフランプ』『ファースト・サークル』だったと思います。

この中では『ブライト・サイズ・ライフ』が気に入りました。なぜかと言えば私の大好きなベーシスト:ジャコ・パストリアスと共演していましたからね。ということで最初にかけたのが、このアルバムから1曲目のタイトル曲です。

この曲については雲さんも最初にかけたいと思っていたそうなので、意見が一致しました。これははずせませんよね。だって、ここにあるサウンドこそがパット・メセニーであり、これ以降はこのサウンドに新しいことを取り入れ加えていくことになるのですから。説明するまでもないとは思いますが、このアルバムはメセニーのファースト・リーダー・アルバムです。

このアルバムのメセニー・サウンドとは、カントリーを基本にした爽やかで開放的なもので、郷愁と哀愁を感じさせ、アメリカの長閑な風景や自然を歌ったものです。そしてこのアルバムでは、既にオーネット・コールマンの曲もとりあげ、4ビートのジャズをやっていたり、《ジェームス》に通じる美メロ曲《オマハ・セレブレイションズ》もあります。

曲が終わったあとに、「ジャコのカリット締まったベースの低音に、メセニーの丸く太いっていうか、甘~く丸い音が非常にイイ具合にブレンドされていて、気持ち良かったですよね。」と、雲さんがまさにツボなコメントをします。私は「ビート感とかもジャコとメセニーが結構あっているような感じもしますよね。」と、一応わかったようなことを言います(笑)。

そして雲さんが、若くしてゲイリー・バートンに見出され、18歳でバークリー音楽学校の教師になった話や、メセニーはグラミー賞をたくさんとっていて、ジャズ界ばかりでなく多くの有名ミュージシャンとの共演があり、1時間では語れない多彩な活動があるという話をします。

そんな多彩なメセニーの音楽の中で、パット・メセニー・グループ(以下略してPMG)が最高であるという私が今日は選曲して紹介するというふりがあります。さて、PMGなんですが、1978年に最初のアルバムを出したのでもう30年の活動歴があり、未だに活動していてこれだけ成功したグループはジャズ界にあまり思い浮びません。

PMGのアルバムも10数枚に及び、どのアルバムを選ぶか悩んだのですが、初期のほうでPMGサウンドは出来上がっていて、そこにいろいろな要素を付け加えて現在に至るので、その初期に出来上がったPMGサウンドを紹介することにしました。

最初は『オフランプ』です。邦題は『愛のカフェオーレ』で、前述したようにこのタイトルを見て、最初は聴こうとは思いませんでした。このアルバムの中に《オーレ》という曲があり、当時流行のカフェオーレがついたんだと思うと言って、《オーレ》という曲がフリー・ジャズの曲だと言ってしまいましたが、これも誤りでした。フリー・ジャズの曲は原題タイトル曲《オフランプ》のほうでした。ごめんなさい。

これ以前のPMGのアルバム『パット・メセニー・グループ(邦題:思い出のサン・ロレンツォ)』『アメリカン・ガレージ』は、『ブライト・サイズ・ライフ』の世界をPMGとしてやっていたと思うので省略。

この『オフランプ』からは、R&B風、サウンドトラック風、フリー・ジャズもやっていて、メセニーの売りであるギターシンセも初めて使ったり、パーカッショニストのナナ・バスコンセロスを迎えヴォイスを取り入れてブラジル色も出したりと、盛りだくさんになっています。なのでこのアルバムを選びました。言い忘れたのですが、メセニー屈指の美メロ曲《ジェームス》も入っています。この曲はこのアルバムを初めて聴いた時から気に入りました。

ベーシストも、それまでのフレットレス・ベースを弾くジャコの流れに属するマーク・イーガンから、アコースティック・ベースを弾くスティーブ・ロドビーに変わっています。このロドビーの起用は、『80/81』で共演したチャーリー・ヘイデンの影響からだと思います。ちなみにロドビーは曲によっては、エレクトリック・ベースも弾きます。

このアルバムから、メセニーのギターシンセをフィーチュアした『アー・ユー・ゴーイング・ウィズ・ミー』をかけます。

この曲では最初に、ハモニカのような音でライル・メイズのシンセサイザー・ソロがあります。その後伸びのある音でメセニーのギターシンセの登場となるわけです。ギターシンセはヴァイオリンのようにも聴こえます。このギターシンセのソロはドラマティックでスケールが大きい展開になり、導入により表現の幅が広がっていると思います。よく聴くと結構メセニーの中にある過激な部分も見え隠れして、高揚感にもつながっていると思うのですが、いかがでしょう?

曲が終わったあと、私がここでのメイズのシンセ・ソロは、1997年のアルバム『イマジナリー・デイ』タイトル曲で、メイズがこの曲ではシンセ・ソロをるしかないと言って、やるまでないという話をします。それはメイズがメセニーの描くバック・サウンドをシンセサイザーでやることに徹していたからじゃないかとも思います。ただしアコースティック・ピアノでソロをとる曲はあります。

メイズのシンセ・ソロ、雲さんはよれたフュージョン・バンドのようで好きじゃなく、冗長な感じでベンダーで遊んで、あんまりクルものがないと言ってます(笑)。確かにその通りだと思いました。私はその後に出てくるメセニーのギターシンセのお膳立てなんじゃないかとも言いました。

ここはPMGにおけるライル・メイズのポジション分析として、面白い話しだったのではないでしょうか。

そしてギターシンセの音について、「いーぐる」マスター後藤さんの書いていた例を挙げて私が言うのですが、これは昨日書いたとおり誤りがありました。

続きはまた明日!

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コメント

もう少し時間があったら、クエスチョン・アンド・アンサーもかけたかったなー、というのが唯一の心残りでした。
「メセニーの4ビート」もあったほうがバランスとれたのかも。
でも、またやればいっか!(笑)

投稿: | 2009年1月 6日 (火) 18時55分

雲さん。こんばんは。

やっぱり私がしゃべり過ぎですね(笑)。
確かに4ビートもあったほうが良かったかも。

『クエスチョンズ・アンド・アンサー』も良いですよね。
ヘインズの例のパンパンなスネアの煽りやホランドのスピード感溢れるベースが気持ち良いし、バラッドでみせるメセニーの甘いフレーズとかも好きです。

第2回メセニー特集も是非やってほしいです。

投稿: いっき | 2009年1月 6日 (火) 20時55分

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