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パーカー愛!「高野雲の快楽ジャズ通信」

今日は高野 雲の快楽ジャス通信16回目、「チャーリー・パーカー入門」です。
ゲストはパーカー研究家鈴木よういちさんです。

放送の内容は雲さんのブログ:快楽ジャズ通信をご覧下さい。
かかったCDも紹介されています。

今回はお二人のパーカーへの熱い思いがたくさん語られていたので、
トークを書き出すのが大変でしたよ!

雲さんもよういちさんも同じ頃にホームページを立ち上げたんだとか。
よういちさんのホームページ「チェイシン・ザ・バード」は以下。
http://www.chasinthebird.com/

本日は早速1曲目。
ギル・エバンス指揮するビック・バンドから浮き出るパーカーの音を聴きましょう。

『ビッグ・バンド』から《イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト》

かなり聴きやすい曲ですね~。
確かにパーカーの存在感があります。
この太くて抜けた明るい音がパーカーの魅力です。
気持ちよく聴けました。
バックのアレンジも気持ち良い。
(以下、緑字は私の感想です。)

雲さん、最初のコーラスの後パーカーが吹いた瞬間世界が変わると言います。
よういちさんによると、ファースト・テークは速すぎて、
コーラスがついてこられなかったとか。
テークを重ねて、コーラスに合わせてテンポを落としたものが
マスター・テークらしいです。

クリント・イーストウッド監督映画「バード」があるという話から、
あだな「バード」の由来の話しへ、これには色々な説があるんだとか。
よういちさんは、演奏が鳥がはばたくようだという説をとりたいとか。

飛翔感があるということで、
鳥が羽ばたいている感じが出ている演奏。

『チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス』から《ジャズト・フレンズ》

この滑らかにして優雅なフレージング(節回し)はパーカーならでは。
言い切っている良さでしょう。

パーカー入門に最適なアルバムとしてこれを挙げる人も多いとか。
ストリングスは少々やぼたさもあります。
雲さん、「最初乙女チックで、天空から舞い降りてくる感じ。」と上手いこと言ってます。
もちろんよういちさんも同じことを言ってます。

ここで生い立ちについて、パーカーはカンザスシティー生まれです。
歓楽街が栄えていた街で、ジャム・セッションが一晩中続けられていて
そこでパーカーは鍛えられたとか。
ここでブルース・ナンバーをということで、

『スエディッシュ・シュナップス』から《カンザス・シティー・ブルース

これも気持ちよい演奏ですね。
ミディアム・テンポでスルスルと進みます。
明快なフレージングが気持ち良いのです。

雲さん、ほのぼののんびりした感じ、風呂に浸かっても良い感じと言います。
マイルスのソロは2、3回聴けばメロディーを覚えられそうとも言ってます。

ここでトランペットを演奏していたのがマイルスということで、
次はマイルスつながりで雲さん選曲。
パーカーの演奏の中でも3本指に入る演奏とのこと。

よういちさんは初心者向けに優しい演奏を選曲したので、
ヴァーブ・レーベル時代のものが多かったとか。
雲さんはサボイ・レーベル時代に行ってほしいと言い、
パーカーはサボイ時代を聴き込めば良いと言います。
良い演奏がたくさんあるということで、
よういちさんはサボイ時代は宝石箱だと言っています。

雲さんは、パーカーがサボイ時代の時点では詰め込めなかったものを
マイルスがやって、それがジャズの歴史なんだとも言っています(笑)。

スピード感を聴いてほしいということで、340という速いテンポの演奏。
若き日のマイルスが頑張ってついて行っているのも聴き所です。

『ザ・サボイ・レコーディングス(マスター・テイクス)』から
《バード・ゲッツ・ザ・ワーム》

このスピードにおいても余裕が感じられるのが凄さです。
マイルス頑張ってますね。ミュート・ソロがなかなか良いです。

ディレクター嬢も含めスタジオがノリノリだということで、
スピード感のある演奏を続けます。

『ナウズ・ザ・タイム』から《キム》

明快な演奏であるがゆえに、こちらとしてはいろいろ詮索する必要はありません。
こちらの思い入れの入る余地はないのだと思います。
そのまま聴いて楽しめば良いのです。

お二人は「これこそパーカー。このスリルがたまらない。」と言います。
よういちさんが「スタジオで起こっているアクシデントに聴こえる。」と言ってます。
なるほど言っている事はわかります。

マニア向けの音源として、ディーン・ベネディッティが隠し録りしたものがある
という話しも出ます。
テーマーや他の人のソロは録らず、パーカーのソロだけを録ったものもあるとか。

ハイな感じが続いたので、次はダウナーなものということで、バラード演奏。

前述サボイ・レーベルの録音の他にダイアル・レーベルの録音もありますが、
よういちさんはダイアル派だとか。
ここで、ダイアル・レーベルの「ラバーマン・セッション」の話しが出ます。
お酒を飲んで酩酊状態で周りをスタッフから支えられて録音したとか。

『チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアルVol.2』から
《バード・オブ・パラダイス》

《オールザ・シングス・ユーアー》のコード進行を借りた曲とのこと。

これはさっきの演奏に比べて落着いてパーカーを聴く曲ですね。

次は音色が好きだという話し。
よういちさんは「圧倒的な音色。」と言います。
「清く澄んでいて、野性味があって野太い。それが圧倒的。」と続けます。
雲さんも「澄んでいるけどぶ厚い、ぶ厚いけどスピード感がある。」と言います。
そのとおりなのであります。

パーカーが使うリードの話。リコの5番なんだとか。
番号はリードの厚さを示し、番号が大きいほど厚いのです。
普通の人なら2番か3番の薄いのを使うのだとか、5番は厚くて重たいとのこと。
これを鳴らすにはそうとうな技術が必要だとか。
こんなリードを使っているのに重たさが感じられず、
軽やか、明というか、朗というか、これがパーカーの凄さなのです。

よういちさんはこの音色を称して、
「慣性の法則」「横Gがある」「重いものが速く動く感じ」などと言っています。
重いものが速く動くと運動エネルギーが大きいので、
そういうものが聴くものに大きいインパクトを与えるという感じでしょうか?
パーカーの音色を伝えたいという熱さが感じられる場面でした。

パーカーの演奏についてよういちさんは、
「イントネーションが多彩。当たり前に聴こえる。」と言います。
雲さんはジャッキー・マクリーンを聴いてから、パーカーに戻って凄さを実感したとか。

よういちさんは「マクリーンは人間味を聴くんだけど、
パーカーはそういう聴き方ができない。」とも言います。
よういちさんは「体で受け止めると、快感が湧き上がって来る。」とも言います。
雲さんは「快楽。これぞまさに快楽ジャズ通信だ。」と言っています(笑)。

これって前に雲さんが「PCMジャズ喫茶」にゲスト出演して、
パーカーをかけた時に、長澤祥さんがそれを聴いて
「まるでシンセサイザーが演奏しているようだ」と言っていたのにつながりますよね。
受け取り方のレベルの違いはありますが、言いたいことは同じだと思います。
ちなみに私も上記の感想で同じようなことを書いています。
聴きながら書いたので、後でこんな話が出るとは思いませんでした。

朗らかな雰囲気がラテンにも合うということで、

『サウス・オブ・ザ・ボーダー』から《ママ・イネズ》

これまた気持ち良いですね。
チャカポコ・パーカッションの上でパーカーが軽やかに舞ます。

最後は『ナウズ・ザ・タイム』から《コンファメーション》

この部分はちょっと編集がうまくいかなかったのでしょうか?
お二人のトークがオーバーラップしてごちゃごちゃしていましたよ。

この録音時のエピソード。
スタジオが3時間とられていたのに、パーカーは2時間15分遅刻して、
残りの時間で慌てて録音したんだとか。

私はこの曲が大好きです。
エンディングがこの曲だというのがうれしかったです。

<アフターアワーズ編>

ディレクター嬢に「チャーリー・パーカー・オムニブック」を見せて、
《コンファーメーション》のセッションです。
ディレクター嬢によると辛い感じの楽譜だそうです。
いつものように初見で弾かせてしまいます。
「つべこべ言わずに弾く」とか言ってました(笑)。
8小節で終了。後はよく見ないとダメだそうです。
サビの部分は、楽器をやらない私でも難しそうな感じがしますからね。
雲さんはピアノの鍵盤の低い方でベースを弾いていました。

よういちさんがサイトで10年実施している「パーカー曲ベストアンケート投票」で、
この曲がぶっちぎりの1位だとか。
なんだ、私だけじゃなくて皆好きなんじゃないですか、この曲。
私の場合、マンハッタン・ジャズ・クインテットのアルバム『枯葉』の中のこの曲を
聴いて好きになったところがトホホなのですが・・・。
今日久しぶりに聴いたのですがダメでした(笑)。

コメントもいただいているらしく、プレーヤーの人に人気なんだとか。
そのコメント。「死ぬまでにこの曲をカッコよく演奏したい。」なんてのがあるとか。
雲さんは、よく見る「セレブレイティング・バード」のエンディングで流れる
この曲を聴いて好きになったとも言ってました。

ちなみに雲さんが大好きな《バード・ゲッツ・ザ・ワーム》は17位だとか。

今回の放送、「パーカー愛」のお二人による熱のこもった入門編で楽しかったです。

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