今日は納得!「高野雲の快楽ジャズ通信」
今日は高野 雲の快楽ジャス通信の11回目の放送でした。
「ポール・チェンバース特集」です。
放送の内容は雲さんのブログ:高野 雲の「快楽ジャズ通信」
をご覧下さい。より詳しく掲載されているうえに、
かかったCDも紹介されています。
雲さん、ポール・チェンバースは個人的な好みなんだとか。
それで、雲さんの好きなベーシストはポールと名のつくベーシストが多いんだとか。
さて、ポール・チェンバースはジャズ・ベーシストの中でも別格。
ミスター・ベース・マンと言われるのですが、なぜそう言われるのか?
今日はそこのところを解説していくそうです。
ブルーノートやプレステッジなど、ハード・バップものCDを持っている人は
その半分くらいはチェンバースが参加しているでしょうとのこと。
管やピアノはすぐに音を聴くが、ベースは一番最後に聴く楽器。
さて、チェンバースは歌心のあるベーシストと言われますが、その歌心とは?
後ほど詳しく説明があります。
まずは「ズンズン迫るフォービートを聴け。」ということで、
チェンバース最初のリーダー・アルバム『ファースト・ベース・マン』から《メロディー》。
(今回も私が曲を聴いた感想は緑字にします)
確かにズンズン来ます(笑)。雲さんの言っていることよ~くわかります。
今回は管楽器奏者や他のメンバーをしっかり紹介しています。
チェンバース的快感①:ズンズン感です。
次はレッド・ガーランドのピアノ・トリオ。
ガーランドが転がるようにピアノを弾き、隙間の開け方が良いんだとか。
そんなポロポロ弾くピアノの間から色気のあるベースが聴こえるのを聴きましょう。
ここでもズンズン感を聴いて下さいということで、
『オール・カインド・オブ・ウェザー』から《レイン》。
確かに雲さんのいうとおりです。
あらためてガーランドとチェンバースの良さを感じました。
ベースを聴いていると逆にピアノとのマッチングの良さに気付くんですね。
このミディアム・テンポの曲はイイです。ズンズン感出てます。
今度はまた別の魅力です。
バラードのズーンが良いとのことです。
高い音でカウンター的にメロディーをつけます。それも少ない音で効果的に。
そこから垂直に低い音でズーンを投下するのが良いとのことです。
雲さんはピアニストのフレディ・レッドが好きだということで、
レッドの結構泣けるアルバム『シェイズ・オブ・レッド』から
《ジャスト・ア・バラード・フォー・ベイビー》。
マクリーンやブルックスも良いがベースに耳を傾けてほしいとのことです。
う~ん、フロントの管に耳がいってしまうよ~(笑)。結構地味なベースですね。
言われないとベースの良さに耳がいかないです。
雲さんも「サックスに聴き惚れます。」と言ってました。
ここで今日の重要ポイント「歌心」についてです。
楽器での歌心は説明しづらいとのこと。ベーシスト雲さんでも難しいんですね~。
でも思うところはあるとのことで、歌心とは下記のとおりです。
ミュージシャンが心の中で出したい音と出てくる音が一致した一体化した状態。
ミュージシャンの心の中は読めないのですが、気持ちは感じられるということです。
私もそのニュアンスはなんとなくわかります。
時には心ここにあらずという状態もあってばれるとか。
歌心なしの状態です。
一流のミュージシャンにはそういうことはないだろうけれど、
アマチュアだとあるのだとか。
ここで、雲さんらしい喩えです。
ディレクター嬢に気のない語りかけと、気持ちを込めた語りかけをします。
ヘタな演技です(笑)。でも言いたいことはよ~くわかりましたよ。ご安心を(笑)!
チェンバースは元々は管楽器奏者なので、
メロディーが頭の中に浮かんでいたんだろうとのこと。
そして雲さんの体験談です。
ヤマハの音楽教室の弊害かも?なんて言いつつ、
ベースやピアノを弾くときは、階名で歌えないと弾けないんだとか。
そして、声に出して歌いながらベース弾きの実演をしてくれるのですが、
楽器ができない私には凄いなあと思いました。
ちなみに演奏する時は、頭の中で階名で歌っているんだそうです。
この出したい音と出た音の一体感が説得力につながるんです。
そんな歌心あふれるメロディーを弾いている例です。
『ポール・チェンバース・クインテット』から《朝日のように爽やかに》。
なるほど歌っていますね。これ、言われるとよくわかります。
チェンバースはガット弦を使っているそうですが、
あたたかい音が出る反面、弾き難く、音もモコモコしがちだとのこと。
だから弓弾きソロをするのではないかとのこと。
本の取材で林家正蔵師匠と話した時、
師匠は「アルコとなまこはいつまでたっても嫌い。」と言っていたとか(笑)。
アルコ:アルコ奏法、なまこ:食べ物、どちらも嫌いなものだそうです。
ある人が「雲ちゃん。チェンバースのアルコは良いオーディオで、
周りの空気感まで聴かないダメだよ。」と言われたとか。
ある人って「いーぐる」の後藤雅洋さんではないかと思うのですが?
ハズレでした。ある人とは雲さんのベースの師匠の池田達也さんだそうです。
話はちょっと変わりますが、昨日tommyさんと
「良いオーディオで聴かないと、ジャズの良さは半分程しか聴いてないことになる。」
なんていう話をしたのを思い出しました。
そのアルコ演奏。『ベース・オン・トップ』から《イエスタデイズ》。
PCM放送で聴いている皆さんはしっかり聴いて下さいとのこと。
このトラックを選ぶなんてさすがです。
これは前半はかなりクラシック的な響きが出ていて違和感が少ないと思います。
後半はギコギコ感が増しますがまあ良い感じです。
最後の短い無伴奏の部分とかも良いです。
雲さんも最初にアルコ奏法を聴いた時は辛気臭いと思ったとか。
ギコギコのこぎりみたいでダメだったと言ってます。これは誰でもそうだと思います。
このトラックではケニー・バレルのバックのギターも良いと言ってます。確かに。
最後、チェンバースがブルースを弾いている時が最高だとのことです。
おちゃめでいたずら心もあるとのことです。
そこでソニー・クラークの『クール・ストラッティン』からタイトル曲。
チェンバースのベースを聴くためあるようなアルバムだとか。
この曲の歩くような感じはチェンバースが出しているんじゃないかとのことです。
テーマ部での緩急の自在。音数の多い少ないのセンスの妙。
ここは、ディレクター嬢のキーボードと雲さんのベースのデュオで実演。
大変よくわかりました。
ファーマーのトランペット、マクリーンのアルト、クラークのピアノも素晴しいし、
アルコ・ソロまで楽しめますとのことです。
これは名演に違いないのですが、
正直、今までベースはあまり意識して聴いたことはありません。
なるほどそう言われれば、ベースは雲さんの言うとおりなのです。
今日の雲さんはちょっと落着いた感じでした。
チェンバースのベースの如く緩急自在なトークで説得力がありました。
これはいつものことなのですが、ユーモアを交えているのが良いですよね。
熱く語る鬱陶しい雲さん(笑)も良いのですが、
今日のトークは言いたいことが良く伝わってきましたよ。
ジャズ・ナビゲターの真価ここにありという感じでした。
内容的には初心者だけでなく、マニアも聴く価値は充分あると思いました。
良い番組だったと思います。
ミュージックバードで聴いている人の特権「アフター・アワーズ編」
今日はまだ言い足りなかったようです(笑)。
ポール・チェンバースとレッド・ガーランドの相性の良さ。
雲さんがチェンバースの良さに目覚めたレッド・ガーランドの『グルーヴィー』。
グイグイ引っぱるベース、強靭な牽引力に気付き、
あらためてベースに注目して聴くと良かったのだとか。
ここでいつものセッションです。
ディレクター嬢が初見で弾く《Cジャム・ブルース》。
今日はディレクター嬢のキーボードがなかなかグルーヴィーでした(笑)。
《ジャイアント・ステップス》より弾くのは簡単だったとか。
最初の「ダーダッ、ダーダッダーダッ、ダ~ダッ」の部分は一音でしたよね。
NHKの教育放送でやっていた国府弘子さん先生のジャズ・ピアノ講習番組で
一本指で弾いていたのを思い出しました。
楽譜本をディレクター嬢に貸して、
「宿題で弾けるようにしておいてくれ」なんて言ってます。
いづれレッド・ガーランドの曲でセッションをやるんだとか。
ディレクター嬢さん頑張って下さい。私、楽しみにしています。
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