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ピアノ、ドラムのデュオ

自分から進んで買おうと思わないフォーマットの演奏ってありますよね。今日紹介するCDはピアノとドラムのデュオ・アルバムです。こういうのはなかな買う気にはならないもんです。

今回なぜ買ったかというと音楽専門・衛星デジタルラジオのミュージックバードの番組「MOONKSTYLE」で聴いて良いと思ったからです。この番組は、最近レア盤とか新定盤500とかで話題のジャズ観賞集団MOONKSの方達がやっているアルバム紹介番組です。

MOONKS推薦のレア盤とかには必ずしも賛同しかねますが、この番組を聴いていると、MOONKSの皆さんが非常に広範囲に渡ってJAZZを真剣に聴いているのが伝わってきて、とても参考になります。この番組で紹介しているアルバム、私の感想で言えばアタリ・ハズレはあります。

P54_2 今日紹介するのは聴いて良いと思ったアルバムで、アントネロ・サリスジョーイ・バロンのデュオ『キーズ・アンド・スキンズ』(2007年rec. CAMJAZZ)です。CAMJAZZレーベルは、芸術性のあるしっかりしたアルバムを作るレーベルとして知られていますよね。これもそんな1枚です。

アントネロ・サリスはピアノとプリペアード・ピアノを弾いています。プリペアード・ピアノというのは、特別な楽器があるわけではなく、ピアノの弦を直接掻き鳴らしたり、ピアノの弦に何か挟んで変な音を出したり、ボディーを打楽器のように叩いたりすることです。ジョーイ・バロンはドラムを演奏していますが、打楽器的な演奏もあります。

このアルバムで演奏しているのは、サリスとバロンの2人で作曲した曲です。多分何かモチーフがあって、その場でフリー・インプロビゼーションしています。これがなかなかメロディアスな旋律が出てきたりする曲で、バロンのドラムが歌っているような叩き方なので、聴いていても疲れません。

サリスのピアノは現代音楽的な響きもあるのですが、根っこはダウン・トゥ・アースなブルースを感じるものでJAZZとして聴こえます。時々唸ったり合いの手みたいな声を出すのも曲の流れの中で自然に溶け込んでいます。

バロンのドラムがフレキシブルでニュアンスに溢れていてますが、決してひ弱な感じは無く、躍動感とパワーがあるのが面白いところです。こんな2人の自然で開放感溢れる掛け合いはとても心を和ませてくれます。ハードなフリー・ジャズ的なものはないので誰にでも薦められるのではないかと思います。

録音が非常に良いところもポイント高いです。非常にクリアーで音に芯があり、帯域も上下に伸びているところはさすがだと思います。

フォーマットとか気にせずに、是非聴いてみほしい1枚です。

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