オーディオ・テストCD
15年ほど前、私は真空管アンプの自作に嵌り、かなり熱中していた時期もありました。その熱も5年ほど前には冷めてしまい、今年は1台改造しただけでした。来年はもう何も作らないかもしれません。
15年ほど前は中国製真空管が多数輸入され始めたころで、信頼性に問題があるなんて言われていました。当時なぜ真空管アンプに嵌ったかというと、モノ・マガジンか何かに真空管アンプの特集があって、そこに秋葉原の三栄無線(ラジオ会館にあったが、数年前に店じまいして、今はネット通販のみ)の真空管アンプキットが掲載されていたからです。
それを見て、昔憧れていたことを思い出したのです。すぐに買いに行きましたよ。掲載されたのは6L6GCシングルの安いキットだったのですが、それが売り切れとかで、代わりに同じ値段の6V6GTシングルのキットを買ってきました。早速作って自前のオーディオにつないだらそこそこ良い音がしたのです。
そこからが大変です。数ヶ月後には同じ三栄無線のKT88(中国製)プッシュプルの高いキットを買ってきてしまいました。これは前のアンプと比較にならないくらい難しいキットだったのですが、一度で問題なく出来てしまいました。もっとも、半田付けは中学生の頃から趣味でやっていたし、大学時代は電子工学課で、就職してからも試作などで半田付けはやっていたので、このくらいのやつは出来て当たり前なのですが。
このKT88プッシュプルアンプは、今まで作った中で最大のアンプです。それ以降は、シャシーの穴開けも自分でするようになり、完全自作となっていったのでありました。作ったアンプは、別アンプへの組み換えも含めれば20台くらいになると思います。
その頃は秋葉原もまだ電気街でしたから、買いに行ってはいろいろなお店を回るのが楽しかったです。また当時、現在の「管球王国」誌につながるステレオサウンド社の別冊「真空管アンプ大研究」が発刊されました。そういう意味では真空管アンプ・ブームになる直前から真空管アンプ作りを始めたことになります。
今年14回目を迎えた真空管オーディオ・フェアも、始まってから3年目くらいの時に初めて行って、しばらくは毎年行っていました。ここでやっと今日のお話につながります。真空管オーディオフェアではパーツや真空管の即売会もやっているのですが、当然オーディオ・チェック用の高音質CDとかも売っているわけで、今日はそこで買ったCDを紹介します。「MJ無線と実験」オリジナル・テストCDです。
真空管300B、5種類の音質比較から始まって、リファレンス音楽ソースの他に、純粋なテスト信号なんかがたくさん入っています。はっきり言ってほとんどこのCDを使うことはありません(笑)。何かあった時のために備えて持っているだけです。
面白いのは、20Hz~20KHzまでのスイープ信号、これを再生すると同じ音量で鳴っているのに、周波数によって大きく聴こえるところと、小さく聴こえるところがあるのがわかります。これは部屋の影響で反射音などが干渉して、リスニング・ポイントの音量を変化させてしまうからです。部屋の周波数特性はかなり波打っているので、結構驚きますよ。
もう一つ、ショックなことがありました。リスニングルームチェック信号として、トーンバースト信号が20Hzから18KHzまで15ステップ入っているのですが、この18KHzの音が全く聴こえなかったのです。人間の耳は高域の可聴限界周波数が老化とともにどんどん低下するという話は聞いたことがあったのですが、まさか18KHzが聴こえないとは・・・。
前に雲さんのホームページのBBSで、tommyさんが聴力の衰えの書き込みをしたことがあったのですが、ネット上にもチェックするサイトがありました。このサイトでは20KHzが聴こえず、18KHzは聴こえたのですが、上記のCDでは聴こえません。
まあそんなわけで、20KHzがどうだこうだ言ってもしょうがないんだなあ、なんて思ったわけです。別に聴こえなくてもオーディオは楽しめるんですから、よしとしておきましょう(笑)。
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コメント
いっきさん、こんばんは。
オイラはね。もうオーディオもジャズ・アルバムも、来年は追求しないと思う(笑)。
最近、少しだけいろいろな事が分ってきたのですが・・・聴くだけのジャズに飽きてきたんだと思います。オイラ、両方ともマニアにはなれない事に気がつきました(笑)。〜何か違うなーって感じかな?オイラたちだけで遊んでいる分にはジャズは楽しいんですがね(笑)。
この頃、池ちゃん先生とジャズの現場の話をしているとスゴク新鮮なんだよね。「音楽を愛するってなんだろう」なんて事を考えさせられます。オイラはもっと近くにあるジャズなものを好きでいたいのかもね(笑)。
投稿: tommy | 2008年12月26日 (金) 02時36分
tommyさん。こんばんは。
今年はいろいろありましたよね。今やっていることを自分である程度納得できて、方向性が変化してきたのなら、来年はまた新しいところを目指すのが良いのではないかと思います。
tommyさんと何度かお会いしましたが、「ジャズ愛」を持っていると思います(笑)。いろいろな形で「ジャズ愛」を表現できれば良いのではないかなと思います。
投稿: いっき | 2008年12月26日 (金) 20時30分