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ジャズ喫茶「いーぐる」の「ローランド・カーク特集」(その1)

12月6日は、「高野 雲の快楽ジャズ通信」のゲスト出演収録を終えたあと、雲さん親子と一緒に昼食をとり、四谷のジャズ喫茶「いーぐる」で行われた連続講演「ローランド・カーク特集」へ行きました。

今回の特集は、ローランド・カーク研究の第一人者である林建紀さんが、3年半ぶりにやる5度目のカーク特集ということでした。今回の特集は、「いーぐる」常連のKirkさん、miyaさん、そして雲さんJr.のリクエストだったのだとか。

テーマは「カーク楽器店 ~主要5楽器の意味~」です。私は、ユーモアを交えつつ情熱を込めて深い内容を紹介してくれる林さんの特集が大好きです。別にここでヨイショしておいて、これからレポートする内容を好意的に見てもらおうとかいう魂胆はありませので、念のため(笑)。

なお、この特集でかかった曲は後日いーぐる」のホームページにアップされますので、こちらhttp://www.02.246.ne.jp/~unamas/eagle.htmlをご覧下さい。

この講演中、収録を終えていた番組でしゃべったこと(言い方がまずかったかな?)などが時々頭の中に浮かんできて、決して万全な状況ではなかったことを先に弁解しておきます(笑)。では始めましょうか。

いきなり、12月6日はエジソンが初めて蝋管に音を吹き込んだ日ということで、「音の日」らしいです(笑)。

オープナーは明るく元気よくということで、アルバム『ブラックナス』から《ワッツ・ゴーイン・オン~マーシー・マーシー・ミー》です。メローな曲が完全にカーク・ミュージックになっているとのことです。そのとおりで、気分は上々の出だしであります。(緑字は私の感想)

いよいよ本題、今日のテーマ5楽器の意味へと入ります。

<フルート>
カークのフルート演奏には、アーシー(ディープ、ブルージー、ファンキー)なものと、ラジカルなものが多いとのことです。

まずは、ディープなブルース演奏例として、フルートだけで吹き込んだ唯一のアルバム『アイ・トーク・ウィズ・ザ・スピリッツ』から《やるべきはブルースっきゃない》。オーバー・ブロー、声を含めるなどの特徴が聴けます。

林さん曰く、カークは西洋的な楽器のフルートにアフリカの言葉を教え込もうとしているようだと。カークのフルートはユセフ・ラティーフからとっていて、それをワイルドに発展させ、キーをパーカッションのように使ったりもしているとのことです。

さて、次はDVDの映像を見せようとしたのですが、連絡ミスによりDVDプレーヤーが準備されておらず、他で見せようとしていたビデオ『ザ・ワン・マン・ツインズ』から代替映像《シーズンズ》をかけました。

ラジカルな演奏の例です。イントロでは縦笛とフルートの合奏をしていて、それはノーズ(鼻)・フルートだということです。ソロでは普通のフルートを吹いています。私はカークの演奏を初めて見ました。グロテスクとか言われているのですが、演奏に没頭するカークは意外にも素直に受取れましたよ。

カークのフルートは過激でコテコテ、アフリカン・アメリカンの思いのたけを吐き出す、のどに代わる楽器であるとのことです。フルートは過激に演奏しても耳にやさしい。つまり、やさしい音の楽器で過激な演奏をするところが、カークのバランス感覚の妙だということですね。

最後はポップ系スインガー。『ヴォランティアード・スレイヴリー』から《マイ・シェリー・アムール》。カーク後期の演奏です。この頃は他の楽器が過激なので、チェンジ・オブ・ペースで、フルートは軽やかに吹いています。

<クラリネット>
カークが最初に手にしたリード楽器です。最初はトランペットを吹いたのですが、医師の忠告でクラリネットに転向したのだとか。

まずは、『ライブ・イン・パリ1970 Vol.1』から《PETITE FLEUR part2》です。ニューオリンズ・スタイルの演奏です。

カークは、クラリネットをシドニー・ベシェ風には吹いていないそうです。音のエッジがたっていないので合わないとか。では誰風に吹いたかというと、クラリネット奏者の多くに影響を与えたジミー・ヌーンの系譜とのことです。3大クラリネット奏者のもう一人ジョニー・ドッズはアフリカン・スタイルなのですが、エドモンド・ホールに影響を与えたとか。

スタジオ録音では、組曲のプリミティヴなパートでよく使われたとのことです。その中で、一番異様で売れなかったアルバム『ナチュラル・ブラック・インベンションズ』から《ハーダー&ハーダー・スピリチュアル》。辻音楽師としてのカークです。素朴な味わいの演奏です。う~ん、これは売れなかったのも納得という感じでした。

最後はビデオザ・ワン・マン・ツインズ』からBALM IN GILEAD》。エリントン系の演奏です。エンディングはジャングル・サウンドになっています。

カークにとってクラリネット=ブラック・スティックはブラック・クラシカル・ミュージックを蘇らせる魔法の杖なのだとか。

<ストリッチ>
ブッシャー社のストレート・アルト・サックスのことです。アンサンブルだけでなく、ソロ楽器としても使っています。最初は2管アンサンブルだったのを、ストリッチを加えて3管アンサンブルにしたらしいです。この楽器はパーカーの感じを出すために使われます。

『ウィ・フリー・キングス+2』から《スプリング・ウィル・ビー・ア・リトル・レイト・ディス・イヤー》。演奏の中にはドルフィーのいななきもあり、これぞパーカーの継承と言わずして何というのか?とのことでした。聴いていて正にそのとおりなのです。まったく異論を挟む余地はありません。ストリッチの音はソフト・メロー・ライトとのことです。

次は後藤さんが喜ぶだろうパーカー系演奏の名演。『ライブ・イン・パリ1970 Vol.2』から《チャーリー・パーカー・メドレー、マイ・リトル・スウェード・シューズ~グルービン・ハイ》です。なんなんでしょう?この気持ち良さは?これ聴いてつまらんとか言うやつはジャズを聴く意味なしです(笑)。

今日はここまでと致します。明日は残り2つの楽器マンゼロとテナー・サックスについて書きます。

林さんから一部アドバイスをいただいたので修正しました。12/10

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