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最初に買ったCDプレーヤー

今日はクリスマス・イヴ。だからといって私の場合は特別な何かがあるわけでもなく・・・。まっ、いいか。いつもどおりです。

さて、懐かしい話でもしましょうか。私が最初に買ったCDプレーヤーの話です。当時はバリバリのオーディオ・ファンだったので、CDプレーヤーをいつ買うか悩んでいました。最初はCDそのものがあまりなかったので、当然買う気になりませんでした。また、デジタルは音が硬いなんていう、ネガティブ・キャンペーンもあったりしたので、とりあえず様子見を決め込んだのです。

そのうちCDのカタログが増えてきて、どうしようかと思っていると、SONYの第2世代のCDプレーヤーのシリーズが発売されたのです。ここでCDプレーヤー購入を決意しました。私は中間グレードのCDP-302EShttp://www.audio-heritage.jp/SONY-ESPRIT/player/cdp-302es.html を買いました。デザインもSONYらしくスマートなもので、音も良いと評判になったシリーズです。

これは結構長く使いました。10年近く使ったんじゃないかな。最後の頃はトレーがスムーズに動かなくなっていました。

P60 CDプレーヤー購入当時に買ったCDを1枚紹介しましょう。本多俊之『ドリーム』(1983年rec. 東芝EMI)です。メンバーは、本多俊之(ss,as)、チック・コリア(p)、ミロスラフ・ビトウス(b)、ロイ・ヘインズ(ds)です。これは凄い、本多のバックはあのチック・コリア・トリオなのです。

このCD、値段が¥3,800です。当時はCDが高かった。日本制作でデジタル・レコーディングということもあり、オーディオ誌の録音評が高得点だったこともこのCD購入の理由です。

当時このチックのトリオは、『ナウ・ヒー・シングス、ナウ・ヒー・ソブス』メンバーの再結成で、前年に『トリオ・ミュージック』(2枚組レコード)を出して、セロニアズ・モンクの作品をやったのが好評でした。私は『スリー・カルテッツ』『フレンズ』『ナウ・ヒー・シングス、ナウ・ヒー・ソブス』を聴いて、チック・コリアのファンになっていたので、このCDを買ったのです。

本多もなかなか若々しく逞しくて、チック・トリオの胸を借りて堂々と演奏しています。とはいってもちょっとバックに負けているんですよね。これはばっかりはしょうがないです。ソプラノ・サックスはデイヴ・リーブマンからの影響が色濃い感じです。

チックのピアノは瑞々しいですね~。クリアで粒立ち良くキラキラしていて、モーダルなんだけど凄くメロディアスでカッコイイんですよ。そこに技巧派ビトウスの強靭なベースがからみ、ヘインズがパンパンなスネアを中心に煽っていくという図は気持ち良いものです。

当時は《アイ・ヒア・ア・ラブソディ》《アリス・イン・ワンダー・ランドをよく聴いていました。良い曲ですからね。ジャズ初心者な私にはわかりやすかったのです。特に後者のワルツでの演奏は胸に迫るものがありました。ラストの曲《オド・トゥ・シダータ》はフリーですが、今聴くとこれが結構気持ち良い演奏だったりします。本多も健闘していますね。

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コメント

いっきさん、メリークリスマス。
本多俊之ツーと映画『マルサの女』(1987年)の音楽か、ジャズ評論家、故本多俊夫さんの息子という印象が強いです。特に俊夫さんは'70年代にFM東京でジャズ番組のパーソナリティをしていたのとジャズ・ベーシストでもあったので、お父さんの方が馴染みが深い気がします。本多俊之は「バーニング・ウェイブ」=フュージョン・サックス奏者としての印象が強く、彼のアルバムを買った記憶はないですね。'80年代にピットインでライブは何度か見たと思います。因みに本田ではなく本多です。
クリスマス・イブの夜はミロスラフ・ビトウスのアルバム「Journey's End」を聴きながら筒井康隆の「ジャズ小説」を読んでいます。この頃、作家と評論家の文字のスピード感の違いがスゴク気になる(笑)。

投稿: tommy | 2008年12月25日 (木) 05時14分

あ、それは私も気になるかも
>作家と評論家の文字のスピード感

本多さんの作る曲は、私結構好き。キャッチーなくせにどこか醒めてる部分がある。
ミンボーの女のようなスイート&快楽的な旋律でも、どこかキュッと締まったところがありますね。

だからサックス吹かないでも、「ガンヘッド」のようなデジタルなサウンドも私は大好き。バックトラックのいま聞くとちょっとチープなデジタル・ガムランは教授の『エスペラント』が俗っぽくなった感じでなかなかグーよ(笑)。

ちなみに本多さんの弟子の野々田万照さん(熱帯ジャズ楽団所属)は、昔、私の先生とThe Gift というバンドを組んでいました。

サックスの艶も曲作りも、本多さん直伝って感じで、とてもよく似ています。
ただ、曲作りのほうは、本多さんの本質的な「辛み」の部分よりも、スイートな部分が際立って受け継がれているような気がしますね。

パウエル派のピアニストにもいえますが、表層的なものはともかく、その人の表現の「芯」の部分ってなかなか伝承されないものなんですかね~、なんて思ってます。

投稿: | 2008年12月25日 (木) 11時27分

メリークリスマス!

tommyさん。
まずは誤字のご指摘ありがとうございます。
私もお父さんの本多俊夫さんは、NHK-FMの「ゴールデン・ジャズ・フラッシュ」のパーソナリティーとして聴いていました。でもベーシストだったのは知りませんでした。俊之さんは私もフュージョンの人だと思っていたので、このアルバムが出た時は意外でした。さすがはtommyさん。ライブも見ていましたか。
イブの夜もジャズを聴きながらジャズ小説とは・・・かなりのジャズ度ですね(笑)。私は小説を読まない人なのでわかりませんが、スピード感の違いとはどういうことなのか興味は湧きます。

雲さん。
そういえば、本多俊之さんの曲についてブログに書いていましたよね。映画音楽についてはあまり意識したことがなかったので、今度映画を見るようなことがあれば、少し意識して聴いてみようと思います。
一応フュージョン・コレクションの一環として、本多さんの『バーニング・ウェーヴ』1978年と『サムシン・カミン・オン』1988年を持っているのですが、前者は典型的なフュージョンで、後者はテクノの他を経由した10年後の音になっています。後者には野々田万照さんも入っていますが、弟子だったとは知りませんでした。「マルサの女」のテーマ曲に似たメロディーのソプラノ・サックスの部分があったりして、なるほどなという音になっています。
少し前の「いーぐる掲示板」でも話題になりましたが、伝承といってもいろいろな問題があるんでしょうね。

投稿: いっき | 2008年12月25日 (木) 21時05分

こんにちは。ここでははじめまして。

>CDP-302ES

私も実はCDプレイヤーの最初がこれだったように思います。偶然ですね。こういう薄型のCDプレイヤーは当時珍しかったような記憶もあります。けっこう使いましたけど、最後の方はCD面にピックアップが傷をつけるようになり、平成4年にTEACのVRDS-10にバトンタッチ、その後平成16年だったかな、同じTEACのVRDS-15(CD専用機の最後の世代)を購入しています。

ひとつを長く使う性格で、しかも中級機ばかりですが、割と満足しています。

投稿: 910 | 2008年12月28日 (日) 19時16分

910さん。こんばんは。

それは奇遇ですね。確かに当時ここまでの薄型は無かったと思います。デザインが気に入ったのを覚えています。
私はその後、SONYのCDP-XA7ES、今のTEACのVRDS-25xsです。SONYからTEACへの流れも同じですね(笑)。
私もひとつを長く使うほうです。
今年はいろいろお世話になりました。来年もよろしくお願い致します。

投稿: いっき | 2008年12月28日 (日) 21時59分

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