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2008年12月

いよいよ今年も終わりです。

今年はブログとジャズに明け暮れた1年だったような気がします。

拙ブログを読んでいただいた皆様、ジャズ友の皆様、どうもありがとうございました。

おかげさまで充実した1年を過ごすことができました。

世の中未曾有の不況ではございますが、来年もそれなりに頑張りたいと思います(笑)。

はなはだ簡単ではございますが、これにて本年最後のブログ更新とさせていただきます。

それでは皆様、よいお年をお迎え下さい。

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日本レコード大賞に上原ひろみが・・・!

見ましたか?「第50回 輝く!日本レコード大賞」
たまたま最初から見たら、オープニングで見たことがあるような人が
ピアノを弾いているじゃありませんか・・・。そう、上原ひろみですよ。
オイオイ、マジですか?マジでした(笑)。

なぜ上原ひろみなの?と思っていたら、Perfumeや安室奈美恵に混じって、
上原ひろみの『ビヨンド・スタンダード』優秀アルバム賞
選ばれていたんですね~。ビックリ!

最初の挨拶では司会者陣後ろの中央に立っていました!
そして一言インタビューを受けたあと、CMをはさんで上原ひろみのソロピアノです。
《アイブ・ゴット・リズム》を、会場の手拍子が追いつけないほど速く弾いてました(笑)。
それにしてもこの人は楽しそうにピアノを弾きますよね。
ヤマハ音楽学校出身だけあって、今日もYAMAHAのピアノを弾いていました。

P54 ジャズ・ファンとしてちょっと複雑な心境です。
とうとうジャズも歌謡曲並みに扱われる時代がきたんですね~。
今までも企画賞のような賞でジャズ・アルバムが賞をもらったことはあったと思いますが、新譜ジャズ・アルバムでの受賞は初めてのことかも?
雲さんが前に言っていた、アジアン・カンフー・ジェネレーションのなせる業なんでしょうか?

まあ、私は上原ひろみの音楽性は好きだから、ジャズ・ファン以外の方に知ってもらえるのは良いと思います。
でも、これを初めて聴いて気に入ったからといって、
前アルバムの『タイム・コントロール』とかも楽しめるのかな~?
その前のピアノ・トリオ『スパイラル』はどうなのかな~?
他のジャズ・アルバムも聴きたくなるのかな~?
と余計な心配が頭を巡ります(笑)。
ジャズ・ファンが増えればうれしいのですが・・・。

さて、今日のもう一つの話題。
tommyさんリクエスト、私のCD、レコード収納状態をお見せしちゃいましょう。
雑誌に掲載されるような小奇麗な部屋とは無縁なので、
本当は見せたくないのですが、大サービスであります(笑)。
狭い部屋に押し込めているので雑然としています。
でも、整理整頓好きな私なので、ルールを決めて収納してあります。

P64 左のCDラックには、昔買ったCDを中心に、たくさん枚数を持っているミュージシャンのCDが入れてあります。上からピアノ、トランペト、サックス、ギター、・・・という具合で楽器毎に、同ミュージシャンのものは年代順に並べてあります。最下段にクラシックとロック・ポップス、その上段に日本人ジャズ・ミュージシャンとジャズ・ボーカル、その上段にフュージョンが収まっています。

右のCDラックには、比較的新しく買ったCDを中心に入れてあります。並べ方は大体上記のとおり、でもこちらは1枚しかCDを持っていないミュージシャンのものがたくさんあるので、それらはほぼ買った順に並べてあります。こちらは最下段が日本人ジャズ・ミュージシャンになっています。フュージョンは入っていません。

両CDラックには、それぞれ500枚くらいずつ入っています。結構きちんと並べているようで、細部はいい加減なところがあります。

P65 レコードラックの上には、小型CDラックが3個あり、寺島さんやユニオン推薦のピアノ・トリオを中心に、同じミュージシャンのものはまとめて年代順に、1枚ものはだいたい買った順に入れてあります。1段だけは、ジャズ・ボーカルとフュージョンが入っています。CDラックの上には、入りきらなくなったCDが山積み状態です。こちらの合計が500枚くらいです。雲さんから借りているローランド・カークのDVDがあるのがわかりますかね~(笑)。

レコードラックは安いA4カラーボックスなので、棚板がレコードの重さに耐えきれず反ってしまってます(笑)。ジャズは楽器ごとに、トランペット、サックス、トロンボーン、フルート、ピアノ、ヴァイブ、ギター、ベース、ドラム、ビックバンド、グループ・・・といった具合に右から左、上から下へと並んでいます。

同楽器の中は枚数の多いミュージシャンから順に並んでいます。トランペットならマイルス、アート・ファーマー、ケニー・ドーハム、クリフォード・ブラウン・・・、同ミュージシャンの中は年代順に並んでいます。1枚しかないミュージシャンのものは年代順に並んでいます。他にジャズ・ボーカル、日本人ジャズ・ミュージシャン、フュージョン、日本人フュージョンの区分があります。

こちらも既に満杯状態で、ラックの上に小型本棚を載せたりして、1500枚くらいを収納してあります。別の部屋にも日本人フュージョンとロック・ポップスとクラシックが合計で200枚くらいあります。そしてとうとうご覧のとおりラック手前に数枚立て掛けてある状態です。そろそろ本気で収納容量UPを考えなくては・・・。

これだけCDとレコードがあると聴く時間が足りません。よって、年に一度も聴かれないものがたくさんあります。聴かないものを極少数ですがピック・アップして、ディスクユニオンへ売り払ったりもしていますが、焼け石に水です(笑)。

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今年最後、お疲れ様です!「高野雲の快楽ジャズ通信」

今日は高野 雲の快楽ジャス通信13回目、今年最後の放送でした。
タワーレコード渋谷店の吉村健さんをゲストに迎えて「年間ベスト発表!」です。

放送の内容は雲さんのブログ高野 雲の「快楽ジャズ通信」をご覧下さい。
かかったCDも紹介されています。

雲さんは渋谷のタワレコに昔からお世話になっていたとか。
高校時代はおこづかいを握って買いに行っていたらしいです。
最初はジャズではなかったそうです。

ジャズを聴くようになってからは、
ジャズ喫茶「スウィング」(今はない)で映像を見たあと、
タワレコへ行ってレコードなどを買って帰ったとか。
当時は輸入盤ばかり扱っていて、なんとなく怖くて入りにくかったそうです。

土日はたいへん混雑しているそうです。
雲さんは平日がオススメだと言ってます。
広い売り場はさながら広場のようなんですって。
ちなみに私はまだ渋谷のタワレコに行ったことがありません。

さて、今日のお題。
厳密な意味でのベスト、売れた枚数より、渋谷店での注目盤を紹介します。

雲さんの「2008年の動き、傾向は?」の質問に、
吉村さんは「クロスオーバーを感じる。」とのことでした。

それは、
ベテランと若手の共演。
大御所が若い世代のものを取り入れる。
ポップス、ジャズの垣根を越えての融合。
などなど。
ミュージシャンもポップスなど色々聴いていて、そういうものを取り入れつつ、
表現はジャズに立脚してやる人が増えているとか。

まずはこの曲、
ハイファイブ(Gr)『ファイブ・フォー・ファンから《オホス・ロホ》

今時の感性で新主流派あたりの形態を使い、楽しく明るくやろうというものです。
やっている本人達もこういうジャズが好きで、やっていて楽しいんだと思います。
でもそこからの深みとか凄味はありません。
そのあたりが私には物足りないところではあります。
まあ、この人達にそれを期待してもしょうがないのでしょうが・・・。
と言いつつ、HMVの通販¥1,500(安っ!)を今日注文してしまいました(笑)。

(緑字は私の感想です。)

雲さんは「気持ちいいですね~。」と言います。
吉村さんはライブを見てカッコイイと思ったそうです。
ファブリツィオ・ボッソはハンサムで特にカッコイイらしいです。
クラブ・ジャズからも人気があるし、ボッソ自身のアルバムはド・ジャズからも
人気があるとのことです。

渋谷ならではのものということで、
熊谷ヤスマサ(p)『アイ・ニード・ア・チェンジ,トゥ』から《HFCC》
バークリーで上原ひろみと同期だったとか。

しなやかなピアノ・トリオですね。
微妙な陰影感が漂っています。
ほのかな美メロと感傷的なところは、女性に人気がありそうなのですが?
後半だんだん盛り上げていくあたりはなかなかの演出ですね。

雲さんは「凄く広がりがある。ピアノのパット・メセニー。気持ちイイ。」と言ってます。
お店でもプッシュしているとのことでした。

バークリーつながりで、
エスペランサ(vo,b)同アルバムから《ポンタ・ジ・アレイア》
至上最年少でバークリーの講師になったとか。
名だたるミュージシャンとも共演しているらしいです。

この曲といえば、私はウェイン・ショーターのネイティブ・ダンサーを思い出します。
ブラジルナンバーでこれまた気持ちの良い曲です。
ベースもなかなか気持ち良いのですが、ピアノも良い演奏でした。
まあ、個々を聴くよりは全体的なサウンドを聴くナンバーでしょうね。
パーカッションの扱いとかも良いと思います。

雲さんも『ネイティブ・ダンサー』のことを言ってました。
それから声も良いと言ってます。
ここで「アレイア」の発音は、巻き舌にするんだとかも言ってましたよ。

ボーカルものをもう1曲。
メロディー・ガルドー『ウォリサム・ハート』からタイトル曲
店頭ではノラ・ジョーンズ好きならオススメと紹介しているとか。
でも、もっとブルージーでビリー・ホリデイ、ニナ・シモンとかに近いかもとのこと。

私は最近のヴォーカルものを聴かないので、
みんな同じように聴こえてしまうのでした(笑)。
良いと思いますが、私は買わないかな~。
そういえば、
渋谷ジャズ・ミーティングで、これを雲さんに聴かせてもらいました。

雲さん、「なかなかイイですね。」と、
続けて「個人的にはブロッサム・ディアリからカマトトをとって成熟させた感じ。」
とか言ってました(笑)。
出だしはサマー・タイムに似ているとかも言ってました。確かにっ。
マデェリン・ペルーとかのアンニュイな感じがするとも言ってました。

これは雲さんによると、椎名林檎的だということで、
DJカム『リヴァース・オブ・クール』からタイトル曲
生ジャズ・バンドで演奏しているそうです。
DJカムが黄金時代のジャズとヒップホップに捧げると書いているらしいです。

ロニー・ジョーダン(g)を少しソフィストケイトした感じです。
黒人の泥臭さを抜いて都会的なメローさを入れた感じですね。
まあ、私に言わせればこれはフュージョンです。

ジャンル的にはジャジー・ヒップホップというそうです。
雲さんは、昔ヒップホップに夢中だったとか。
そのヒップホップのイメージは、スラム街、ゲットー、エネルギッシュだけれど、
かけた曲はメローでオシャレ。
否定はしないし、むしろ好きで、オシャレなバーでラムでも飲みながら聴きたいとか。
私もそのとおりだと思いました。

雲さん推薦。
マーク・アイザ『オファリング』からタイトル曲
スペインのドラマーで、ジミー・コッブ、ブライアン・ブレイドに師事したそうです。
雲さんは、冒頭のウッド・ベースが艶やかでセクシーで一発で気に入ったとか。
サウンド的にはジャジー・ヒップホップとのことです。

確かにベースが良いですね。
スポークン・ワードがオシャレです。
エレピの漂い具合とかも快適です。
これまたメローでオシャレです。
これも都会のバーが似合いそうです。

以上6枚が今年の注目盤でした。

若者がこんなのばかり聴いているとしたら、私に言わせれば「喝っ!」です(笑)。
聴くほうにもパワーを要求されるようなものは、あまり聴かれていないのかな~。
どうやら皆さんお疲れなのかもしれませんね。
ここでかかったのが全てではないでしょうが、今やジャズ=オシャレ!

このてのやつ(ハイファイブは除く)は、私に言わせれば皆フュージョンです。
その昔はジャズ・ファンからは無視されていました。
今やこれがジャズですから・・・、お堅いジャズ・ファンは嘆くのでしょうね(笑)。
ちなみに私はフュージョンが好きですので、今日かかったのも楽しめました。

<アフター・アワーズ編>

ディレクター嬢の「今年最後のアフター・アワーズ編です。」から始まりました。
これもファン・サービスでしょうか(笑)?
B.G.M.は雲さんお気に入り松本茜さんの《ハーフ・ブラッド》です。

ディレクター嬢によると、松本さんとの時は打合せ中からデレデレだったとか。
ディレクター嬢、「私にはあんな顔を見せてくれないのに。」と嫉妬してました(笑)。
そうです。声を聴いてアルバムを買いに走ったのは私です(笑)。
土濃塚さんの時は、椎名林檎話で雲さんと意気投合し,
番組を忘れ暴走しかけたので、ディレクター嬢がまったをかけたとか。
橋本一子さんの時は、一子ファンの雲さんが、フィーバー(懐かしい、笑)したとか。
収録中の楽しいエピソードを聞かせてくれました。

「来年の番組は?」ということで、
「物書きじゃない人が面白いので、アマチュアのジャズ・ファンを引っぱってきて、
どんどんしゃべらせます。」と言ってました。

ディレクター嬢から「雲さんの来年の抱負は?」と質問が出たのですが、
雲さんは「マイペースで・・・」と、松本茜さんばりのそっけない返事です(笑)。
ディレクター嬢は「番組の中でギャグを出して下さいよ。」と、
雲さんは「オヤジギャグだからな~」と、
いや~っ、お2人のかけあいは意外と良かったです。

是非一度、お2人のトークで番組をやって下さい。
私的には、ジャズ初心者のディレクター嬢が質問をして、
雲さんがオヤジギャグをまじえて曲をかけて答える、
というのが良いと思います(笑)。

雲さん。今年は本当にお疲れさまでした。
そして私は色々言いたい放題でした。ご勘弁下さいませ。m(__)m

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久々に「PCMジャズ喫茶」の緩~いレポートでも

今日は久々にミュージックバードの「PCMジャズ喫茶」をリアルタイムで聴きました。やっぱり、土曜日の午後2~4時ってなかなか聴いていられませんね。12月に入って週末3連続で東京のイベントがありましたしね。

安井さち子さんゲストの回は聴いて録音してそのまま。
オーディオ・ショウの回は最初の部分をちょろっと聴いて録音せず。
平賀マリカさんゲストの回は録音してまだ聴いていない状態。

といった具合でなかなかレポートできません。せっかくミュージックバードから番組レポートの許可をいただいたというのに、レポートできなくてごめんなさい。録音した回については、年末・年始に聴いてレポートをUPしようと思っています。ゲストが来る回は面白いんですけど、それ以外はどうも緩めの内容ですね。

今日もゲストなしということで、緩~いネタになっていました。私は途中で来客があったので残り30分は聴いていません。今日のレポートはかなり緩~い感じにします。

さて最初は、寺島レーベルから出るワンホーン・カルテットの新作を録音したという話題です。例によって、アルバム1曲目をどういう曲にするかとか、どういう風に演奏させたかったかとか、プロデューサー論をやっていました(笑)。いつもと同じネタなので特に説明するまでもないですね。アルバムから2曲かけましたが、残念ながら新作は私の好みではないようでした。

それにぶつけるかたちで、岩浪さんがジャンニ・バッソ&レナート・セラーニヴィーナスの新譜からバラードを1曲かけました。なかなか良かったですが、私は単に個人的にヴィーナスが苦手なので・・・(笑)。寺島さんもサブトーンの感じが気に入ったみたいです。長澤さんは音数が多くてだめだとか言っていましたが、岩浪さんは「これで多いの?」なんて驚きも。私は岩浪さんに賛同します。

途中から人妻Aさんが来ました。Aさんはテナー・サックスの低い音がダメらしいです。その音を聴いただけで拒絶反応が出るらしく、演奏を聴くまでに至らないんだとか。世の中いろいろな人がいるんですねー。寺島さん好みのサブ・トーン「ズズズッ」とかはもってのほかのようです(笑)。

で、かけたのがアイスランドのアルト・サックスの曲で、う~んB.G.M.的でした(笑)。悪くはないと思います。これはこれで良いと思いますよ。Aさんはアルトの音がきれいでソプラノ・サックスのようにも聴こえると言っていましたが、私にはどう聴いてもアルトの音でした。長澤さんはこれを聴いて、Aさんのポール・デスモンド好きを当てたとか、そして周りに人がいるのも忘れて聴き惚れたとか言ってました(笑)。

長澤さんはドラムのビリー・キルソンがお気に入りとかで、ハンク・ジョーンズGJTの新譜から1曲かけたのですが、寺島さんが収録曲に噛み付きました(笑)!いつものごとく、こんなよく知られた曲ばかりではダメだということになり、プロデューサーの希望だろうとか、ハンクが希望したんだろうとか、演奏の感想そっちのけで議論していました。お決まりのやつです(笑)。TOKUと嫌いなケイコ・リーが1曲ずつゲスト参加していることにも、寺島さんは文句を言っていましたよ(笑)。

岩浪さんがかけたヴォーカリスト東かおるさんの曲が良かったです。東さんはニューヨークにずっといて、今は日本にいるとか。セロニアス・モンクの《ベムシャ・スイング》に日本の歌詞を付けて歌っています。岩浪さんは「他の人が何と言おうと僕は良いと思う。」と言ってかけたのですが、私は肩の力が抜けた何ともジャジーな感じが気に入ってしまいました。

聴き終わったあと、寺島さんも意外と良いと言っていました。なんだかんだ言って寺島さんはちゃんとジャジーな感じはわかっているんだと思います。岩浪さんはどことなくユーモアのあるこの曲が生かされていると言っていましたが、寺島さんはモンクの小難しい曲が聴きやすくなっていると言っていました。寺島さん。相変わらずモンクに拒絶反応を示しています(笑)。私は岩浪さんの意見に賛成です。

その後寺島さんが、珍しくハンク・モブレーディジー・ガレスピー昔の録音のものをかけました。こういうのを最近なぜ聴いているのかについては「ジャズ批評」1月号の記事「ジャズはジャズだ」に書いてあります。ご一読を。

寺島さんもいよいよピアノ・トリオに飽きて、こういうところに手を出しているらしいです。あ~あ、寺島さんはピアノ・トリオに飽きて、自分のCD棚から過去のアルバムを取り出して再度聴きなおせるでしょうけど、単にピアノ・トリオから入った人は、まず過去のアルバムは聴かないでしょうね。誰かがきちんと手当てしないと、路頭に迷っちゃうかも・・・(笑)。

途中までですが、今日はこんな具合の緩いネタでした。ただ、いつものごとく「また言ってるよ。」とツッコミを入れつつ笑いながら聴きました。

そろそろ、ジャズのコアに迫る議論をするように、雲さんがゲストに出ないとまずいんじゃないでしょうか?ねえ皆さん!でも、雲さんは番組を持っちゃったからなあ・・・。

今日もなぜか途中まで書いたのが消失してしまい、書き直していたらもうこんな時間に・・・。おやすみなさ~い。

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久々に面白かったジャズ本!

先週のジャズ喫茶「いーぐる」の2008年ベスト盤大会&忘年会の時に買った、マスター後藤雅洋さんが書いた「ジャズ喫茶リアル・ヒストリー」は大変面白くて、私としては異例の、数日で読み終えてしまいました。

P63 この本では、ジャズ喫茶のルーツから始まって、21世紀のジャズ喫茶のあり方まで、ジャズ喫茶という空間で起きていた事が、「いーぐる」にとどまらず、他の象徴的なお店の例もまじえて、詳細に鋭い切り口で語られています。

ジャズ喫茶で起こっていた出来事は、日本のジャズを取り巻く環境の一部だとは思いますが、ここまでしっかり書かれた本は今までなかったと思いますので、読めばジャズ(受容)についての理解がいっそう深まるのではないかと思います。

単にジャズとお店のかかわりにだけでなく、ジャズ喫茶経営の苦労も語られていますので、もしこれからジャズ喫茶をやろうとする方は必読の書だと思います。

「DIG」と「ファンキー」という対照的なジャズ喫茶のあり方や、「メグ」に集う吉祥寺派と「いーぐる」に集う四谷派とは一体何なのか、「イントロ派」(「イントロ」は高田馬場の有名なジャズ喫茶)もあるらしいとか、フュージョンによってもたらされた営業形態の変化とか、とにかく興味深いことがたくさんつづられていました。

生粋のジャズ喫茶「DIG」が1983年に閉店したにもかかわらず、そのコアな部分を引き継ぎつつ、そこから25年もジャズ喫茶としての「いーぐる」を延命し、さらに21世紀を見つめる後藤さんは、さながらモダンジャズを延命したマイルスにも重なって見えてきてしまいました。少々大袈裟(笑)?

四谷派の末席になんとかかじりつかせてもらったと、勝手に思い込んでいる私としては、「いーぐる」の41年の歴史に触れられて感激しておりますです(笑)。

続いて毎度の告知+αです。

まずは「高野 雲の快楽ジャス通信」の番組ディレクターAさんがブログを始めましたので、ここにご紹介させていただきます。

「女子ディレクターの番組制作日記♪」http://musictokyo.seesaa.net/

ジャズ初心者でもあるディレクターさんから見た番組とは?興味津々ですね。
お忙しいようなのでなかなか更新はできないみたいなのですが、
どんな記事がUPされるのか私も楽しみにしています。

明日12/27明後日12/28「高野 雲の快楽ジャス通信」
ラジオ放送13回目。
タワーレコード渋谷店の吉村健さんをゲストに迎えて「年間ベスト発表!」です。

2008年はどんなCDが売れたのか?非常に興味が湧きます。

内容については高野 雲さんのブログ:高野 雲の「快楽ジャズ通信」
にもアップされますのでご覧下さい。

皆さん聴きましょう!

全国コミュニティーFM局では毎週土曜日20:00~20:55に放送。
ミュージックバードでは毎週日曜日22:00~23:00に放送。

そして来年初の放送は、私がゲスト出演して「パット・メセニー特集」です。
どんな放送になるのか?ドキドキ・ハラハラでございます(笑)。

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オーディオ・テストCD

15年ほど前、私は真空管アンプの自作に嵌り、かなり熱中していた時期もありました。その熱も5年ほど前には冷めてしまい、今年は1台改造しただけでした。来年はもう何も作らないかもしれません。

15年ほど前は中国製真空管が多数輸入され始めたころで、信頼性に問題があるなんて言われていました。当時なぜ真空管アンプに嵌ったかというと、モノ・マガジンか何かに真空管アンプの特集があって、そこに秋葉原の三栄無線(ラジオ会館にあったが、数年前に店じまいして、今はネット通販のみ)の真空管アンプキットが掲載されていたからです。

それを見て、昔憧れていたことを思い出したのです。すぐに買いに行きましたよ。掲載されたのは6L6GCシングルの安いキットだったのですが、それが売り切れとかで、代わりに同じ値段の6V6GTシングルのキットを買ってきました。早速作って自前のオーディオにつないだらそこそこ良い音がしたのです。

そこからが大変です。数ヶ月後には同じ三栄無線のKT88(中国製)プッシュプルの高いキットを買ってきてしまいました。これは前のアンプと比較にならないくらい難しいキットだったのですが、一度で問題なく出来てしまいました。もっとも、半田付けは中学生の頃から趣味でやっていたし、大学時代は電子工学課で、就職してからも試作などで半田付けはやっていたので、このくらいのやつは出来て当たり前なのですが。

このKT88プッシュプルアンプは、今まで作った中で最大のアンプです。それ以降は、シャシーの穴開けも自分でするようになり、完全自作となっていったのでありました。作ったアンプは、別アンプへの組み換えも含めれば20台くらいになると思います。

その頃は秋葉原もまだ電気街でしたから、買いに行ってはいろいろなお店を回るのが楽しかったです。また当時、現在の「管球王国」誌につながるステレオサウンド社の別冊「真空管アンプ大研究」が発刊されました。そういう意味では真空管アンプ・ブームになる直前から真空管アンプ作りを始めたことになります。

P61 今年14回目を迎えた真空管オーディオ・フェアも、始まってから3年目くらいの時に初めて行って、しばらくは毎年行っていました。ここでやっと今日のお話につながります。真空管オーディオフェアではパーツや真空管の即売会もやっているのですが、当然オーディオ・チェック用の高音質CDとかも売っているわけで、今日はそこで買ったCDを紹介します。「MJ無線と実験」オリジナル・テストCDです。

P62 真空管300B、5種類の音質比較から始まって、リファレンス音楽ソースの他に、純粋なテスト信号なんかがたくさん入っています。はっきり言ってほとんどこのCDを使うことはありません(笑)。何かあった時のために備えて持っているだけです。

面白いのは、20Hz~20KHzまでのスイープ信号、これを再生すると同じ音量で鳴っているのに、周波数によって大きく聴こえるところと、小さく聴こえるところがあるのがわかります。これは部屋の影響で反射音などが干渉して、リスニング・ポイントの音量を変化させてしまうからです。部屋の周波数特性はかなり波打っているので、結構驚きますよ。

もう一つ、ショックなことがありました。リスニングルームチェック信号として、トーンバースト信号が20Hzから18KHzまで15ステップ入っているのですが、この18KHzの音が全く聴こえなかったのです。人間の耳は高域の可聴限界周波数が老化とともにどんどん低下するという話は聞いたことがあったのですが、まさか18KHzが聴こえないとは・・・。

前に雲さんのホームページのBBSで、tommyさんが聴力の衰えの書き込みをしたことがあったのですが、ネット上にもチェックするサイトがありました。このサイトでは20KHzが聴こえず、18KHzは聴こえたのですが、上記のCDでは聴こえません。

まあそんなわけで、20KHzがどうだこうだ言ってもしょうがないんだなあ、なんて思ったわけです。別に聴こえなくてもオーディオは楽しめるんですから、よしとしておきましょう(笑)。

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最初に買ったCDプレーヤー

今日はクリスマス・イヴ。だからといって私の場合は特別な何かがあるわけでもなく・・・。まっ、いいか。いつもどおりです。

さて、懐かしい話でもしましょうか。私が最初に買ったCDプレーヤーの話です。当時はバリバリのオーディオ・ファンだったので、CDプレーヤーをいつ買うか悩んでいました。最初はCDそのものがあまりなかったので、当然買う気になりませんでした。また、デジタルは音が硬いなんていう、ネガティブ・キャンペーンもあったりしたので、とりあえず様子見を決め込んだのです。

そのうちCDのカタログが増えてきて、どうしようかと思っていると、SONYの第2世代のCDプレーヤーのシリーズが発売されたのです。ここでCDプレーヤー購入を決意しました。私は中間グレードのCDP-302EShttp://www.audio-heritage.jp/SONY-ESPRIT/player/cdp-302es.html を買いました。デザインもSONYらしくスマートなもので、音も良いと評判になったシリーズです。

これは結構長く使いました。10年近く使ったんじゃないかな。最後の頃はトレーがスムーズに動かなくなっていました。

P60 CDプレーヤー購入当時に買ったCDを1枚紹介しましょう。本多俊之『ドリーム』(1983年rec. 東芝EMI)です。メンバーは、本多俊之(ss,as)、チック・コリア(p)、ミロスラフ・ビトウス(b)、ロイ・ヘインズ(ds)です。これは凄い、本多のバックはあのチック・コリア・トリオなのです。

このCD、値段が¥3,800です。当時はCDが高かった。日本制作でデジタル・レコーディングということもあり、オーディオ誌の録音評が高得点だったこともこのCD購入の理由です。

当時このチックのトリオは、『ナウ・ヒー・シングス、ナウ・ヒー・ソブス』メンバーの再結成で、前年に『トリオ・ミュージック』(2枚組レコード)を出して、セロニアズ・モンクの作品をやったのが好評でした。私は『スリー・カルテッツ』『フレンズ』『ナウ・ヒー・シングス、ナウ・ヒー・ソブス』を聴いて、チック・コリアのファンになっていたので、このCDを買ったのです。

本多もなかなか若々しく逞しくて、チック・トリオの胸を借りて堂々と演奏しています。とはいってもちょっとバックに負けているんですよね。これはばっかりはしょうがないです。ソプラノ・サックスはデイヴ・リーブマンからの影響が色濃い感じです。

チックのピアノは瑞々しいですね~。クリアで粒立ち良くキラキラしていて、モーダルなんだけど凄くメロディアスでカッコイイんですよ。そこに技巧派ビトウスの強靭なベースがからみ、ヘインズがパンパンなスネアを中心に煽っていくという図は気持ち良いものです。

当時は《アイ・ヒア・ア・ラブソディ》《アリス・イン・ワンダー・ランドをよく聴いていました。良い曲ですからね。ジャズ初心者な私にはわかりやすかったのです。特に後者のワルツでの演奏は胸に迫るものがありました。ラストの曲《オド・トゥ・シダータ》はフリーですが、今聴くとこれが結構気持ち良い演奏だったりします。本多も健闘していますね。

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ジャズ喫茶「いーぐる」の忘年会へ行ったよっ!

四谷のジャズ喫茶「いーぐる」へ行くようになって約4年、とうとう12月20日の「いーぐる」忘年会へ参加してきました(笑)。ちなみに参加するのに条件とかあるわけではないので、希望すれば誰でも快く受け入れてもらえると思います。

P58 前にも書きましたが地方で生活していて、スイングジャーナル誌の記事やマスター後藤さん著「ジャズ・オブ・パラダイス」などの書物でしか「いーぐる」を知らなかった私にとっては、「いーぐる」は特別の憧れの存在でした。その辺りの事情は拙ブログのカテゴリーの「いーぐる」をクリックして、「いーぐるnote」にまつわる話を読んでいただければ、もう少し詳しく書いてあります。

そんなわけでやっぱり忘年会に参加することは、私の勝手な思いなのですがなかなか敷居が高かかったので、やっと忘年会に参加できた喜びはひとしおなのであります(笑)。今年は、ジャズ友の皆さんが参加したことや、連続講演後の打上げに何度か参加して知り合いが増えたことや、拙ブログを多少なりとも読んでいただいたりしたことなどが、後押しとなりました。

P59 忘年会前の「2008年ベスト盤大会」にも参加させていただいちゃいました。この大会は「いーぐる」で連続講演をされた方や常連の方が、今年発売されたアルバムを聴いた中でベストと思ったものを持ち寄り、解説した上でアルバムの中の1曲をかけようというものです。

後藤さんが選んだブライアン・ブレイド&ザ・フェッロー・シップ『シーズン・オブ・チェンジズ』から始まり、今年は19名参加した(例年になく多かったらしい)ので、すべて聴き終わるのに約4時間(予定を1時間ほどオーバー)の長丁場となりました。正直疲れました。でも、私は一番良い席で聴くことができたのでラッキーでした(笑)。

P35 私はワダダ・レオ・スミス・ゴールデン・カルテット『tabligh』から《ディジョネット》をかけました。このアルバムのレビューは拙ブログにも書きましたので興味のある方は読んでやって下さいな。

かけた曲は約13分の長尺です。この種の会では短い曲をかけるべきなのですが、このアルバムには長尺曲しか入っていなくて、やむなくお願いしました。相変わらず配慮が足りない私の失敗でした(汗)。

かかった曲は参加者の皆さんの個性が出たなかなか楽しいものでした。でも最近のジャズ・シーンを裏付けるように、皆さんがこれは良いと絶賛するようなアルバムはないのでした。う~ん。毎年期待はしているのですが、年々ヤバクなっていくような感じは否めません。だからといって現在進行形のジャズを見捨てる気持ちも今のところありません。

皆さんの解説も面白かったです。評論家や執筆者の方などは、今のジャズを取り巻く環境に言いたいことがあり、お話を聞いて頷けることも多々ありました。まっ、公にするとヤバイこともあるかもしれませんので、ここには書きません。愚痴の内容に興味がある方は来年の「ベスト盤大会」に参加してみて下さい(笑)。

なお、「2008年ベスト盤大会」でかかった曲は、「いーぐる」ホームページdiaryにアップされると思いますので、興味がある方はチェックしてみて下さい。

「ベスト盤大会」終了後に、後藤さんの新作本「ジャズ喫茶リアル・ヒストリー」を買いました。既に読み終わりましたが、とても面白い本でした。近いうちにブログへ感想をアップする予定です。

その後はお店を閉店にして「忘年会」とあいなりました。30名くらい参加したので、いくつかのテーブルにわかれてカレー鍋やキムチ鍋を囲み、お酒を飲みつつジャズ談義を交わして盛り上がったのであります。ここではもっとコアでヤバイ話も交わされたのでありました。って、ちょっと大袈裟です(笑)。

当日山梨に帰るつもりで最終の「かいじ」を予約していたのですが、話が面白いので、もう泊まっちゃおうか思いつつあったところ、ジャズ友からちゃんとフォローの電話をいただきました。感謝であります。最後の最後まで皆さんのお世話になってしまう私なのでありました。あははははっ!

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松本さんやっぱりカワイイ!「高野雲の快楽ジャズ通信」

今日は高野 雲の快楽ジャス通信12回目の放送でした。
ジャズ・ピアニストの松本茜さんをゲストに迎えて「バッハジャズ」です。

放送の内容は雲さんのブログ高野 雲の「快楽ジャズ通信」
をご覧下さい。より詳しく掲載されているうえに、
かかったCDも紹介されています。

雲さんは譜面集を買ってきてベースの運指の練習でバッハをよくやったとか。
教則本のお話で、バッハの曲は均等に音が並んで整然としていて無愛想だとか。
バックには教則本付属CDが流れて上記の感じをつかんでもらおうという趣向です。

続いて、グレン・グールドのおたまじゃくし(音符)に命が吹き込まれるような演奏と
ジョン・ルイスの流麗な演奏が流れつつ、
雲さんは演奏に命を吹き込むのがミュージシャンだと言っています。

番組開始から待つこと約5分、ここでやっと茜さんのカワイイ声が聴けました(笑)。

12月24日ニュー・ロマン・トリオ名義でアルバム『バッハ・ジャズ』が出るので、
茜さんがメンバー紹介をします。

その『バッハ・ジャズ』を聴いた雲さんは「とっても聴き易かった。」と言います。
そこから長~い雲さんのトークのあとで、
茜さんは「ありがとうございます。」と、サラッと返事(笑)。

雲さん続けて、「ドラムの松尾明さんがピアノの音をよく聴いていて良いですね。」
と、振ります。茜さんはそのドラムにのって楽しく演奏できたそうです。

『バッハ・ジャズ』から《トッカータとフーガ》をかけます。
そういえば受信機の表示「トッターカとフーガ」でしたよ(涙)。
アップ・テンポの演奏です。

テーマ後はコード進行によるアドリブで、楽しい4ビートジャズになっていますね。
確かにドラムが上手い具合にピアノをのせている感じです。
(緑字は私の感想です)

雲さん「カッコイイですね。」
茜さん「エヘヘヘッ。」 出ましたっ、ハニカミ笑!

雲さんが、出だしの「チャラリ~ン、鼻から牛乳~」のメロディーを
なぜ控えめに弾いたのかと質問します。
この嘉門達夫ネタ・オヤジ・ギャグは見事な空振りです(笑)。
茜さんは嘉門達夫を知らないようですね(涙)。
茜さんによるとイントロとテーマのギャップを出すためだそうです。

雲さんが「割とパーカー・フレーズが出てくるよね。」なんて言いながら、
キーボードで弾いたり、階名で歌います。ヤマハ音楽教室仕込でしたよね(笑)。
「パーカー・フレーズを演奏の中に潜り込ませるのがうまいですね。
(前CD『フィニアスに恋して』の)《スピーク・ロウ》にも入っていましたよね。」
なんて言ったら、
茜さんは「細かいですねー。エヘヘヘッ。」と、またまた出ました(笑)。
かなりマニアックな会話ですよね。

オイゲン・キケロ主よ人の望みよ喜びよ》をかけます。

最初のほうのテーマを弾いているところはポップス的なのですが、
途中からのアドリブはなかなかですね。
ジャズ的な中にクラシックの香が上手く入りつつ、
リズムのドライヴ感はいい感じだと思います。

茜さんに感想を聞きます。
「う~んと、同じ曲でも軽快な所と物静かな所が残されているのが良かった。」
と答えております。テーマ部とアドリブ部の対比を言っているんでしょうね。

雲さんは。バックにオルガンが薄く入っているのも気持ち良いと言ってます。
オイゲン・キケロが白人ということでノリは白いとも言っています。
確かにそのとおりだと思いました。

バド・パウエル《バド・オン・バッハ》をかけます。

キレが素晴しいですね。
途中微妙にリズムの乱れがあってそこがジャズなのです。

アドリブに入るともうパウエル以外の何者でもない世界です。

茜さんに感想を聞きます。
こっちのほうが好きな感じで、パウエルは大好きだそうです。

雲さん曰く、フィニアスは愛想・笑顔のないオスカー・ピーターソン。
それを病的、暗くしたのがパウエルだとか。
雲さんが「パウエルは前期が好き?」と聞きますが、
茜さんはパウエルは全部聴くとのことです。
パウエル好きの雲さんが「そんなに好きだったんですか。」とうれしそうに言うと、
茜さんはオスカー・ピーターソンを聴いたあとに、パウエルを聴いて勉強したとか。
パウエルは尊敬しているとのことです。
雲さんはパウエル特集に茜さんを呼びたいと言ってます(笑)。

あのジャコが必死に練習したという
ジャコ・パストリアス《クロマティック・ファンタジー》をかけます。

これは凄いとしか言いようがないのです。

茜さんに感想を聞きます。
「また別の世界があった感じです。」と、ここでもあっさり(笑)。

ヨーヨー・マボビー・マクファーリンのデュオ《ミュゼット》をかけます。

マクファーリンは七色の声を持つと言われ、胸を叩いて音を出したりする
超絶技巧のジャズ・ボーカリストです。一時期人気ありましたよね。

確かに面白い演奏ですが、私的には・・・。

茜さんに感想を聞きます。
「エヘヘヘッ、面白かったです。エンターテインメント性が高いですね。」と答えます。
雲さんはビデオで見るともっと楽しめると言ってます。
茜さんはヨーヨー・マはピアソラのイメージがあるので意外だったとか。

バッハへの思いについてということで、雲さんが「好きなバッハのアルバムは?」
と聞いて、いくつか例をあげます。
茜さんは幼稚園から音源は聴いていて、耳にしていたから慣れていたとか。
ただし、誰々の演奏とかこの曲とかそういう聴き方はしていないようですね。

続いて雲さんが、クラシックを弾く時とジャズを弾く時の気持ちの違いについて
質問します。
茜さんは、「クラシックを弾く時は肩に力が入るけど、
ジャズを弾く時は楽しくリラックスして弾けます。」と答えます。
『バッハ・ジャズ』ではジャズを弾く時の感じで弾けたようです。

雲さんはジャズを聴いていると演奏に自分の呼吸が同調する感じになるとか。
そこで、クラシックの演奏だけれど、のびのび自由奔放なピアノを聴いてほしい
ということで

ファジル・サイ《イタリアン・コンサート》をかけます。

雲さんが言ったとおりの演奏です。
ミディアム・テンポで弾むように弾いています。
気持ちいいですね。

雲さん「いや~気持ちいいな~。」と、
茜さん「同じく気持ちいいです。」とまたもあっさり(笑)。
雲さんここで、「高倉健さんみたいにコメント短いからな~。」と本音が(笑)。

続いて同時発売のニュー・ロマン・トリオ『バカラック・ジャズ』の話題へ。

雲さんは「《クロース・トゥ・ユー》が好きなんだけど入っていますか。」なんて聞き、
「他にはどんな曲が入っていますか。」と続けてたずねます。
茜さんたどたどしく曲名を上げていきます。

オススメの曲ということで、《雨にぬれても》をかけます。

テーマが原曲とちょっと違っても、3拍子の処理はなかなか良いと思いました。
アドリブに入ってからも、ワルツのリズムに乗って快調に弾いていますね。
茜さんも気持ち良く演奏しているだろうということが伝わってきました。

雲さんは違和感なくジャズ化されていて気持ち良かったそうです。
茜さんは「エヘヘヘッ。」と答えます(笑)。

ライブの告知です。1月10日西新井「カフェクレール」でやるそうです。

<アフターアワーズ編>

「こんばんは、松本茜です。」って、このサービス音源。
おじさんはうれしいです(笑)。
ありがとうございます。

さていつもの雲さんとのセッション。曲は《マイ・リトル・スェード・シューズ》

雲さんのベースは控えめにして、茜さんのキーボードを目立たせるミックスがニクイ。
雲さんが言うとおりのかわいい曲です。

アドリブでちょっとグチョグチョになったりするところとかイイ按配です。
前CDの曲のソロでもありましたが、どんどん上に上がっていくところがあり、
どこまで行くの?と、聴いていてハラハラします。
ベースソロのバッキングもイイ感じでした。

今日の放送は松本茜さんのファンには充分楽しめるものだったと思います。
収録時の苦労を聞いていましたが、大丈夫でしたよ。
ディレクターさんにも感謝です。
雲さんのツッコミが少々・・・。
「あんまりいじめないで下さいね。」茜さんの心の声です(笑)。

今日は作成中にフリーズしまくって更新に苦労しました。
放送を聴く前に気分がすぐれなかったから、パソコンもそれを察したのか?
書きながら本音はキレそうでしたがなんとか我慢、忍耐強くなったもんだ(笑)。
おかげでこんな時間に・・・。

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今日から2年目突入!やっぱマイルスからいきましょう。

私のブログも今日から2年目に突入です。
今日はどうしようかな~?と思いましたが、やっぱマイルスでしょっ!

P57 ということで紹介するのは『ウィ・ウォント・マイルス』(1981年rec. CBSソニー)です。復帰後2枚目のアルバムです。これは私がジャズを聴き始めた年(1982年)に出たアルバムなので、新譜をリアル・タイムで買いました。メンバーは、マイルス・デイビス(tp)、マーカス・ミラー(b)、ビル・エバンス(ss,ts)、マイク・スターン(g)、アル・フォスター(ds)、ミノ・シネル(per)です。

これを聴いてマイルスは凄いと思いましたよ。調子が悪かったという新宿西口広場でのライブから編集した《ジャン・ピエール》のミュート・ソロだって胸にグッと来るし、《バック・シート・ベティ》《ファースト・トラック》のオープン・ソロなんて強烈なインパクトですよ。

新宿西口広場のコンサートは当時NHKで放送されました。自動車事故の後遺症の傷みのためにじっと立っていられず、歩き続けるマイルスの存在感は強烈でした。うつむいてビビリながらソプラノを吹くビル・エバンスとパーカッション・ソロで舌を舐めながらコンガ?を「クゥ~クゥ~」鳴らすミノ・シネルが、未だに脳裏に焼きついています。

アルバムの話に戻りますが、マーカスのベースがまたふてぶてしいんですよね。《ジャン・ピエール》の出だしのベースなんてゾクゾクしますよ。マイルスのところ以外ではこんな演奏していません。アル・フォスターのドラムだって気合入りまくりです。《ファースト・トラック》でのオープン・ハイハット「シャンシャン」とミノ・シネルのソロのバックなんかモー最高です。マイルスがいるだけで間違いなく緊張感が数倍UPしていますね。

このアルバムで独特な鳴きのマイク・スターンのギターにも惚れて、その後ソロ・アルバムを出すようになって何枚か買いました。ビル・エバンスもソロ・アルバムを買ったりしましたが、やっぱりちょっとインパクトが弱いんですよね~(涙)。

《マイ・マンズ・ゴーン・ナウ》《キックス》は、レゲエのリズムと4ビートが交互に現れて長尺演奏であることを飽きさせない作りになっています。流れの中で随所に顔を出すマイルスのトランペットとメンバーのソロが上手い具合に配置され、グループのまとまりを強く感じさせます。マイルスがミュートとオープンを使い分けているところもミソです。

このアルバムも私をドップリジャズに嵌らせたアルバムの1枚です。今日久々に聴きましたが、やっぱり良いアルバムだと思います。

明日はジャズ喫茶「いーぐる」の年間ベスト盤大会&忘年会に行って参りま~す。

それではいつもの告知です(笑)。

明日12/20明後日12/21「高野 雲の快楽ジャス通信」のラジオ放送12回目。
ジャズ・ピアニストの松本茜さんをゲストに迎えて「バッハ・ジャズ」です。

前回ゲスト時の放送を聴いて、そのカワイイ声とハニカミしゃべりに
ノックアウトされた私。今回も期待はチョー高まっておりますです(笑)。
12月24日に松本さんが参加するニュー・ロマン・トリオのアルバム
『バッハ・ジャズ』『バカラック・ジャズ』が発売になりま~す。

内容については高野 雲さんのブログ:高野 雲の「快楽ジャズ通信」
にもアップされますのでご覧下さい。

皆さん聴きましょう!

全国コミュニティーFM局では毎週土曜日20:00~20:55に放送。
ミュージックバードでは毎週日曜日22:00~23:00に放送。

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祝!ブログを始めてから今日で1年です。

今年もあと2週間を切りましたが、実は私がブログを始めてから今日で1年経ちました。

まずは、こんな私のブログを読んで応援して下さった皆様に感謝申し上げます。

皆様どうもありがとうございます。

これを機にデザインも変更しました。ビックリしたでしょ?

ジャズとオーディオに関して自分が感じている楽しさを多くの人に伝えたいという思いで、ブログを始めました。
何かジャズに貢献したいという思いがあったのですが、自己満足に過ぎないと言われれば、それは否定しません。
最初はとにかく多くの人にブログを見てほしいということで、アクセス数を気にしていたのですが、なかなか増えないもんだなあ~と思いました。
でも最近はそこそこアクセス数もあり、この1年で40000弱となりました。
半年くらいたった頃に人気ブログランキングの存在を知り、面白そうなのでエントリーもしました。
こちらはおかげさまでなんとか上位にランキングされるまでになりました。私自身もここまで長くブログを続けられたのは意外です。

さて、ブログを始めて予想しなかった展開がありました。
それはブログを通して知り合った「ジャズ友」を通じての広がりです。
ここで、親しくさせていただいている「ジャズ友」お二人を、あらためて紹介しておこうと思います。

まずはtommyさん。沖縄のジャズ・カフェ「スコット・ラファロ」のオーナーです。
ブログ:http://ameblo.jp/jazzy-life/

ジャズ喫茶「いーぐる」のdiaryの記事を見て知り合いました。「いーぐる」のマスター後藤雅洋さんが書いた「ジャズ選曲指南」に掲載されているアルバムのコンプリート蒐集を目指してるという記事でした。実は私も同じことを目指していたので、その後「いーぐる」でお会いして意気投合することになりました。

またお互いにブログを持っていることを知り、ブログでの交流も始まり今に至ります。ジャズとオーディオなどについて色々情報交換させていただき、本当に充実した毎日となっています。そういえば「ジャズ友」の命名者はtommyさんでした(笑)。

次は高野 雲さん。企画・編集人、ジャズ・レビューアー、ラジオ番組パーソナリティー
ホームページ:http://cafemontmartre.jp/
ブログ:http://ameblo.jp/jazzy-life/

雲さんのホームページ「カフェ モンマルトル」のBBSへのtommyさんの書き込みを見て、私が書き込んだのがきっかけで知り合ったと思います。う~ん、ちょっと記憶が怪しい(笑)。直後に私が「ジャズ選曲指南」掲載アルバムのコンプリート蒐集を完了することになったため、そのお祝いをやろうという話から一挙に親しくなっていくのでした。

後藤雅洋さん、tommyさん、雲さん、本の編集者さんと、「いーぐる」でやっていただいたアルバム・コンプリート蒐集パーティーはとても楽しいものとなりました。その直前に見た「PCMジャズ喫茶」の公開録音からは、この番組への雲さんのゲスト出演や、雲さん自身の番組「高野 雲の快楽ジャズ通信」の開始と、矢継ぎ早に展開していくことになりました。それは更に私の番組レポートや「快楽ジャズ通信」へのゲスト出演にまで発展してしまいました。

雲さんから、ブログについてのアドバイスやブログというものの扱い方などを教えていただいたからこそ、今のブログ・ライフがあるのだと思っています。雲さんとtommyさんのブログで私のブログを紹介していただいたことが、人気ブログランキング上昇の足がかりになったことにも感謝しています。

お二人意外にも何人かの方と知り合いになり(ここでご紹介できずごめんなさい)、少しづつではありますが「ジャズ友」の輪は広がりを見せています。最近の「いーぐる」noteでは後藤雅洋さんも「ジャズ友」という言葉を使っていました。これを見てちょっと感動しましたよ(笑)。

そんなこんなでブログを始めてからこの1年はとにかく色々体験しました。

ジャズなどのアルバムもこの1年で300枚くらい紹介したんじゃないかな~。

ブログを書いているからネタのためにというのもあって、この1年間に10回もライブを見ました。過去にこれほどライブを見に行ったことはありません。おかげで聴くだけではわからない色々なことを体験できました。

ブログを書くこと事態は家で一人ネチネチやっているのですが(笑)、ブログ・ネタになる外の広がりは圧倒的に増加しました。これは大きなブログ効果ですね。
それからブログはこうあるべきだと決め付けてもしょうがないと思いますし、色々な可能性はブロガーの考え方次第だと思う今日この頃であります。

そんなわけで、これからもよろしくお願い致します。

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たまにはジャズ・ボーカルもねっ!

今日はこの冬初めての「ほうとう」でございます。

山梨に住んでいないと「ほうとう」とは何のことなのかわからない人もいるでしょう。簡単に言えば味噌煮込みうどんです。ただし麺が普通のうどんではありません。うどんを平らに潰したきし麺のような感じのものです。甲州(山梨)に住んでいる人にとっては、冬は「ほうとう」なのであります。それも「カボチャのほうとう」なんです。

P55 スーパーに麺(ほうとう)が売っているので、買ってきて具を入れて味噌を入れて、煮込むだけの簡単な家庭料理です。今日の具はカボチャ、にんじん、ジャガイモ、さやえんどう、豚肉(細切れ)です。好みによりますが、カボチャはとけるぐらいのほうがおいしいです。見た目はイマイチですが、味はなかなかだと思いますよ。麺より具が多いなあ。そこがイイ(笑)。

さて、本題のジャズ・ボーカルの話。サラ・ボーンです。この人を初めて聴いたのは、今から25年くらい前、NHK-FMのジャズ番組で聴いたアルバム『クレイジー・アンド・ミックスド・アップ(邦題:枯葉)』に収録の《枯葉》です。全編アドリブ・スキャット、それもかなりのアップ・テンポという、とんでもないシロモノです。

これ聴いてぶっ飛びましたよ。凄いドライヴ感、ジャズってカッコイイ!この時、「ジャズ聴いて良かった。」と思ったんですから、今考えると笑っちゃいます。この演奏はジョー・パスのギターも聴き所なのでお聴き逃しなきよう。

P56 今日紹介するのは、それじゃなくて『アイ・ラヴ・ブラジル』(1977年rec. PABLO)です。何冊かある私所有のジャズ・ガイド本に掲載されていてアルバムです。ジャズ・ボーカルは、CD・レコード・ハントの時にたまに買います。これは最近買った中古レコードで安かったです。

タイトルどおりブラジルの曲を歌ったもので、アントニオ・カルロス・ジョビンやミルトン・ナシメントなどの曲が入っています。中でも私はジョビンの《トリステ》、ナシメントの《ヴェラクルズ》、エウミール・デオダートの《ア・リトル・ティア》がお気に入りです。これらの曲におけるこってり・まったり感はかなり気持ち良いですよ(笑)。

サラ・ボーンの濃い目の暑苦しい系ボーカルが、情熱的なブラジル音楽やラテン・リズムと意外と良くマッチするんですよ。爽やかという感じではありませんね。これはやっぱり暑い夏の午後にビールでも飲みながら聴くほうが合っていると思います。

サラ・ボーンのような黒人女性ジャズ・ボーカルが苦手な人は、ここらあたりから入門するのが良いのかもしれません。曲の良さで聴けてしまうのではないでしょうか?

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ピアノ、ドラムのデュオ

自分から進んで買おうと思わないフォーマットの演奏ってありますよね。今日紹介するCDはピアノとドラムのデュオ・アルバムです。こういうのはなかな買う気にはならないもんです。

今回なぜ買ったかというと音楽専門・衛星デジタルラジオのミュージックバードの番組「MOONKSTYLE」で聴いて良いと思ったからです。この番組は、最近レア盤とか新定盤500とかで話題のジャズ観賞集団MOONKSの方達がやっているアルバム紹介番組です。

MOONKS推薦のレア盤とかには必ずしも賛同しかねますが、この番組を聴いていると、MOONKSの皆さんが非常に広範囲に渡ってJAZZを真剣に聴いているのが伝わってきて、とても参考になります。この番組で紹介しているアルバム、私の感想で言えばアタリ・ハズレはあります。

P54_2 今日紹介するのは聴いて良いと思ったアルバムで、アントネロ・サリスジョーイ・バロンのデュオ『キーズ・アンド・スキンズ』(2007年rec. CAMJAZZ)です。CAMJAZZレーベルは、芸術性のあるしっかりしたアルバムを作るレーベルとして知られていますよね。これもそんな1枚です。

アントネロ・サリスはピアノとプリペアード・ピアノを弾いています。プリペアード・ピアノというのは、特別な楽器があるわけではなく、ピアノの弦を直接掻き鳴らしたり、ピアノの弦に何か挟んで変な音を出したり、ボディーを打楽器のように叩いたりすることです。ジョーイ・バロンはドラムを演奏していますが、打楽器的な演奏もあります。

このアルバムで演奏しているのは、サリスとバロンの2人で作曲した曲です。多分何かモチーフがあって、その場でフリー・インプロビゼーションしています。これがなかなかメロディアスな旋律が出てきたりする曲で、バロンのドラムが歌っているような叩き方なので、聴いていても疲れません。

サリスのピアノは現代音楽的な響きもあるのですが、根っこはダウン・トゥ・アースなブルースを感じるものでJAZZとして聴こえます。時々唸ったり合いの手みたいな声を出すのも曲の流れの中で自然に溶け込んでいます。

バロンのドラムがフレキシブルでニュアンスに溢れていてますが、決してひ弱な感じは無く、躍動感とパワーがあるのが面白いところです。こんな2人の自然で開放感溢れる掛け合いはとても心を和ませてくれます。ハードなフリー・ジャズ的なものはないので誰にでも薦められるのではないかと思います。

録音が非常に良いところもポイント高いです。非常にクリアーで音に芯があり、帯域も上下に伸びているところはさすがだと思います。

フォーマットとか気にせずに、是非聴いてみほしい1枚です。

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私のオーディオ・チェックCD

オーディオを趣味としている方はわかると思うのですが、このCD・レコードがこう鳴ってほしいというものがあります。そのCD・レコードは1枚ではなく何枚かあって、できればそのどれもが良く鳴ってほしいのです。

でも、CD・レコードのそれぞれは録音された音質が違うわけで、こちらを立てればあちらが立たずといった具合で難しいものがあります。私の場合は、結局何枚か聴いてそれぞれがあるレベルにあれば良しとします。私はどれかだけを良く鳴らすというのは好きではありません。中庸的バランスを重視します。

P53 さて、今日はそのオーディオ・チェックに使うCDを1枚紹介します。マーク・イズベル『ジャズ・インフルーエンス』(2001年rec. SBE records)です。イズベルさんは今福岡に住んでいます。ホームページはこちら:http://www.markisbell.com/ma1/index.htm。残念ながら、CDはこの1枚しか出していません。

メンバーは、マーク・イズベル(as)、ペーター・スプラグ(g)、マイク・ウォフォード(p)、ボブ・マグヌッソン(b)、ジョン・ガーリン(ds)です。メンバーからわかると思いますが、ウエスト・コースト系の爽やかで軽やかでスウィンギーな演奏が満載の楽しいアルバムです。イズベルの吹くアルト・サックスの音が軽く柔らかい音で気持ち良いです。

このアルバムの録音はギターのペーター・スプラグがやっていて、ミキシングはスプラグとイズベルがやっています。

音のポイントは、アルトの軽く柔らかい音とスタジオの空気感が漂う微妙なエコー、左右に広がって定位するピアノとドラム、ピアノの粒立ち、シンバルの爽やかな鳴り、バスドラのかなり低くくて柔らかい音、ベースの太さ、低めの音で右真中寄りに定位するギターの粒立ち、などです。

エッジの強調感が少ない音をどうしっかりクリヤに鳴らすかと、ドラム・ソロで左右に広がって定位するシンバル、スネア、タム、バスドラを空間にはじけるように鳴らせるかがチェック・ポイントです。

よくチェックに使う曲は、ボサノヴァ・アーティストのカルロス・リラが作曲したタイトル曲《ジャズ・インフルーエンス》です。曲も良いし演奏も快適だしチェックが楽しくなること請け合いですよ。

先日訪問したtommyさんのところのオーディオでも、この曲をかけさせていただきました。いや~っ、気持ち良く聴けましたよ。私はニンマリしながら極楽気分でした(笑)。

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今日は納得!「高野雲の快楽ジャズ通信」

今日は高野 雲の快楽ジャス通信11回目の放送でした。
「ポール・チェンバース特集」です。

放送の内容は雲さんのブログ高野 雲の「快楽ジャズ通信」
をご覧下さい。より詳しく掲載されているうえに、
かかったCDも紹介されています。

雲さん、ポール・チェンバースは個人的な好みなんだとか。
それで、雲さんの好きなベーシストはポールと名のつくベーシストが多いんだとか。

さて、ポール・チェンバースはジャズ・ベーシストの中でも別格。
ミスター・ベース・マンと言われるのですが、なぜそう言われるのか?
今日はそこのところを解説していくそうです。

ブルーノートやプレステッジなど、ハード・バップものCDを持っている人は
その半分くらいはチェンバースが参加しているでしょうとのこと。
管やピアノはすぐに音を聴くが、ベースは一番最後に聴く楽器。

さて、チェンバースは歌心のあるベーシストと言われますが、その歌心とは?
後ほど詳しく説明があります。

まずは「ズンズン迫るフォービートを聴け。」ということで、
チェンバース最初のリーダー・アルバム『ファースト・ベース・マン』から《メロディー》

(今回も私が曲を聴いた感想は緑字にします)
確かにズンズン来ます(笑)。雲さんの言っていることよ~くわかります。

今回は管楽器奏者や他のメンバーをしっかり紹介しています。

チェンバース的快感①:ズンズン感です。

次はレッド・ガーランドのピアノ・トリオ。
ガーランドが転がるようにピアノを弾き、隙間の開け方が良いんだとか。
そんなポロポロ弾くピアノの間から色気のあるベースが聴こえるのを聴きましょう。
ここでもズンズン感を聴いて下さいということで、
『オール・カインド・オブ・ウェザー』から《レイン》

確かに雲さんのいうとおりです。
あらためてガーランドとチェンバースの良さを感じました。
ベースを聴いていると逆にピアノとのマッチングの良さに気付くんですね。

このミディアム・テンポの曲はイイです。ズンズン感出てます。

今度はまた別の魅力です。
バラードのズーンが良いとのことです。
高い音でカウンター的にメロディーをつけます。それも少ない音で効果的に。
そこから垂直に低い音でズーンを投下するのが良いとのことです。

雲さんはピアニストのフレディ・レッドが好きだということで、
レッドの結構泣けるアルバム『シェイズ・オブ・レッド』から
《ジャスト・ア・バラード・フォー・ベイビー》
マクリーンやブルックスも良いがベースに耳を傾けてほしいとのことです。

う~ん、フロントの管に耳がいってしまうよ~(笑)。結構地味なベースですね。
言われないとベースの良さに耳がいかないです。

雲さんも「サックスに聴き惚れます。」と言ってました。

ここで今日の重要ポイント「歌心」についてです。
楽器での歌心は説明しづらいとのこと。ベーシスト雲さんでも難しいんですね~
でも思うところはあるとのことで、歌心とは下記のとおりです。
ミュージシャンが心の中で出したい音と出てくる音が一致した一体化した状態。

ミュージシャンの心の中は読めないのですが、気持ちは感じられるということです。
私もそのニュアンスはなんとなくわかります。
時には心ここにあらずという状態もあってばれるとか。
歌心なしの状態です。
一流のミュージシャンにはそういうことはないだろうけれど、
アマチュアだとあるのだとか。

ここで、雲さんらしい喩えです。
ディレクター嬢に気のない語りかけと、気持ちを込めた語りかけをします。
ヘタな演技です(笑)。でも言いたいことはよ~くわかりましたよ。ご安心を(笑)!

チェンバースは元々は管楽器奏者なので、
メロディーが頭の中に浮かんでいたんだろうとのこと。

そして雲さんの体験談です。
ヤマハの音楽教室の弊害かも?なんて言いつつ、
ベースやピアノを弾くときは、階名で歌えないと弾けないんだとか。
そして、声に出して歌いながらベース弾きの実演をしてくれるのですが、
楽器ができない私には凄いなあと思いました。
ちなみに演奏する時は、頭の中で階名で歌っているんだそうです。

この出したい音と出た音の一体感が説得力につながるんです。

そんな歌心あふれるメロディーを弾いている例です。
『ポール・チェンバース・クインテット』から《朝日のように爽やかに》

なるほど歌っていますね。これ、言われるとよくわかります。

チェンバースはガット弦を使っているそうですが、
あたたかい音が出る反面、弾き難く、音もモコモコしがちだとのこと。
だから弓弾きソロをするのではないかとのこと。

本の取材で林家正蔵師匠と話した時、
師匠は「アルコとなまこはいつまでたっても嫌い。」と言っていたとか(笑)。
アルコ:アルコ奏法、なまこ:食べ物、どちらも嫌いなものだそうです。

ある人が「雲ちゃん。チェンバースのアルコは良いオーディオで、
周りの空気感まで聴かないダメだよ。」と言われたとか。
ある人って「いーぐる」の後藤雅洋さんではないかと思うのですが?
ハズレでした。ある人とは雲さんのベースの師匠の池田達也さんだそうです。

話はちょっと変わりますが、昨日tommyさんと
「良いオーディオで聴かないと、ジャズの良さは半分程しか聴いてないことになる。」
なんていう話をしたのを思い出しました。

そのアルコ演奏。『ベース・オン・トップ』から《イエスタデイズ》
PCM放送で聴いている皆さんはしっかり聴いて下さいとのこと。

このトラックを選ぶなんてさすがです。
これは前半はかなりクラシック的な響きが出ていて違和感が少ないと思います。
後半はギコギコ感が増しますがまあ良い感じです。
最後の短い無伴奏の部分とかも良いです。

雲さんも最初にアルコ奏法を聴いた時は辛気臭いと思ったとか。
ギコギコのこぎりみたいでダメだったと言ってます。これは誰でもそうだと思います。
このトラックではケニー・バレルのバックのギターも良いと言ってます。確かに。

最後、チェンバースがブルースを弾いている時が最高だとのことです。
おちゃめでいたずら心もあるとのことです。

そこでソニー・クラークの『クール・ストラッティン』からタイトル曲
チェンバースのベースを聴くためあるようなアルバムだとか。
この曲の歩くような感じはチェンバースが出しているんじゃないかとのことです。
テーマ部での緩急の自在。音数の多い少ないのセンスの妙。
ここは、ディレクター嬢のキーボードと雲さんのベースのデュオで実演。
大変よくわかりました。

ファーマーのトランペット、マクリーンのアルト、クラークのピアノも素晴しいし、
アルコ・ソロまで楽しめますとのことです。

これは名演に違いないのですが、
正直、今までベースはあまり意識して聴いたことはありません。
なるほどそう言われれば、ベースは雲さんの言うとおりなのです。

今日の雲さんはちょっと落着いた感じでした。
チェンバースのベースの如く緩急自在なトークで説得力がありました。
これはいつものことなのですが、ユーモアを交えているのが良いですよね。
熱く語る鬱陶しい雲さん(笑)も良いのですが、
今日のトークは言いたいことが良く伝わってきましたよ。
ジャズ・ナビゲターの真価ここにありという感じでした。
内容的には初心者だけでなく、マニアも聴く価値は充分あると思いました。
良い番組だったと思います。

ミュージックバードで聴いている人の特権「アフター・アワーズ編」

今日はまだ言い足りなかったようです(笑)。
ポール・チェンバースとレッド・ガーランドの相性の良さ。
雲さんがチェンバースの良さに目覚めたレッド・ガーランドの『グルーヴィー』。
グイグイ引っぱるベース、強靭な牽引力に気付き、
あらためてベースに注目して聴くと良かったのだとか。

ここでいつものセッションです。
ディレクター嬢が初見で弾く《Cジャム・ブルース》。
今日はディレクター嬢のキーボードがなかなかグルーヴィーでした(笑)。
《ジャイアント・ステップス》より弾くのは簡単だったとか。
最初の「ダーダッ、ダーダッダーダッ、ダ~ダッ」の部分は一音でしたよね。
NHKの教育放送でやっていた国府弘子さん先生のジャズ・ピアノ講習番組で
一本指で弾いていたのを思い出しました。
楽譜本をディレクター嬢に貸して、
「宿題で弾けるようにしておいてくれ」なんて言ってます。
いづれレッド・ガーランドの曲でセッションをやるんだとか。
ディレクター嬢さん頑張って下さい。私、楽しみにしています。

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渋谷ジャズ・ミーティング、オーディオ万歳!

今回の集まりはジャズ・ミーティングとは言ったものの、実際にはジャズ・オーディオ・ミーティングと言ったほうが良いでしょう。だって、tommyさん自慢のオーディオを聴きまくったんですから(笑)。

tommyさんのオーディオについては、tommyさんのブログ:http://ameblo.jp/tommy-tdo/ をご覧下さい。今回tommyさんは私達を招くにあたって、オーディオ・システムの再調整を施していました。音質の再調整ということですが、こういう場合どんな音源(CD)を使って音質を調整するかによって仕上がりがだいぶ違ってきます。

この辺りの事情はオーディオをやっている人にはよくわかることだと思いますが、やっていない人にとっては何を言っているのかわからないでしょう。今回はオーディオに興味があるか人にしかわからない記事になってしましますが、ご容赦下さい。

P158 さて、tommyさんが音質調整に使ったCDは何かというと富樫雅彦『スピリチュアル・ネイチャー』という名盤です。このCDは音質的にどこがポイントかというと、ベースのたくましい音とホール録音の空間感を意識したパーカッションの音だと思います。ちなみに私が持っているのはLPです。

tommyさんのオーディオルームに入ると、最初はサブシステムの方を鳴らしていました。サブシステムのスピーカーはビクターのSX-ⅢにJBLのウルトラバス・システムのウーファーを加えたもので、ラックスのSQ38Fを5極管に改造したアンプで鳴らしています。かなり気持ち良く鳴っていましたよ。これをB.G.M.に使ったり、DVDを観るときに使うなんて贅沢です(笑)。

ミーティング開始の乾杯をした後、いよいよメインシステムでの試聴です。最初はソニー・ロリンズ《モリタート》からです。これ、古い録音なのですが、ジャズ的にはいたってまっとうな音なのです。RVGの新マスタリングCDでした。いや~っ、気持ちイイ!そして、私が普段聴く音量より圧倒的に大きいものだから、その迫力には圧倒されました。

何でこんなに気持ち良かったのか?今日自分のオーディオを鳴らしてわかりました。音の傾向が似ていました(笑)。tommyさんに感想を求められて、「普通に良い」と言って、ちょっとがっかりさせてしまったのかもしれませんが、それは音のバランス感が私にとって普通に聴こえたからで、私には違和感のないとても良い音だったのです。

ちょっと細いことなのですが、私のオーディオはCD(新しい録音物)をもう少し固めの音で、LP(古い録音物)をもう少し柔らかめの音で鳴らします。あくまで感想なのであまりあてにはなりませんが(笑)。

tommyさんは惚れ込んだ古いJBLのスピーカー:バックロードホーン箱入りD130+LE175+075真空管アンプで鳴らしていて、私は比較的新しいタンノイのスピーカー:スターリングTWW+古いツイーターPT-7NECのA-10Ⅲで鳴らしていて、まったく違う音がしそうなのに、似ていたりするからオーディオは面白い。鳴らし方次第なのです。

P113 私が普段チェックに使っているCDを快くかけさせていただけたことにも感謝です。どれも気持ち良く聴けたのですが、特にアンリ・テキシェ『粘土の城壁』は凄い迫力の演奏なのに、さらに音量大きめでかけてくれたものだから堪らない。快感激増でございます(笑)。

他にもたくさん聴かせていただきましたが、どれも気持ち良く鳴っていました。バックロードホーンスピーカーということで、低音の特性にピークやディップがある音を想像していたのですがそんなことはなく、アコースティックベースもエレクトリックベースも私好みの適度なダンピングで鳴っていました。

私が思うにスピーカーがもう部屋になじんでしまっていて、部屋を上手く鳴らしてしまっているのだと思います。部屋の主と化したスピーカーは頼もしい限りでありました(笑)。そして、昔のジャズ喫茶の雰囲気が嫌いで、自宅でジャズ喫茶の音を目指したという基本コンセプトがあるだけに、へたなジャズ喫茶より良い音であることは間違いありません。

こんな良い音なのに、tommyさんはまだ先に展開させたいんだとか。私は現状をもう少しゆっくり楽しんでも良いかな~と思うのですが・・・、そうは言ってもご本人がやりたければやったほうが良いです。やらずにモヤモヤした気持ちでいるくらいなら、やりましょう(笑)!また、その結果を聴かせてもらいに行きますよ。

他にも、ローランド・カークやラリー・コリエル&ビレリ・ラグレーン&アラダー・ペゲのDVDを見ながら、ああでもないこうでもないと難癖をつけたり(笑)、雲さんが部屋に置いてあるベースでDVDやCDに合わせてベースを弾いたり、tommyさんと雲さんのベース・デュオがあったり、のうさんトウチャンが若かりし頃俳優として出演した映画のことが最近地方紙に出たことなどなど、楽しいこと満載でした。

皆さんどうもお疲れ様でした。また来年もジャズ・ミーティングを開催しましょう。

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渋谷ジャズ・ミーティング

先週は「快楽ジャズ通信」収録と「いーぐる」の「ローランド・カーク特集」があったので上京したのですが、本日は渋谷でジャズ・ミーティングがあったので、またまた上京しました。

今回はtommyさんの渋谷オフィースでオーディオを聴かせていただこうという趣向でした。集まったのは前回の吉祥寺ジャズ・ミーティングと同様、のうさんトウチャン、tommyさん、雲さん、私の4人のジャズ友です。

昼3時からtommyさんのオーディオ・ルームで、ビールを飲みつつCDをとっかえひっかえのオーディオ三昧です(笑)。いや~っ、音がデカイ!そして、音がイイ!というか私の好きな音なのでした。だから極楽極楽(笑)!

残念ながら今日はここまで、明日詳しく書きます。

上京したからには他に行くところがありますよね。ということで、ジャズ・ミーティングの前にディスクユニオンお茶の水JAZZ館へ行きました。本日は「US廃盤セール」の日。1時半くらいについたのですが、混雑がそろそろ一段落した感じでした。

コンディションの良いブルーノート盤が結構ありましたよ。まっ、当然のことながらお値段もそれなりに高いわけです。私には手が出せないものばかり、壁に飾ってあったソニー・クラークの『クール・ストラッティン』が¥500,000でした。わははははっ。

店員さんと常連客のお話が聞こえてきました。今日はここまでで、うん10万円売れたとか・・・、不景気とはいえお金があるところにはあるんもんですね~。ジャズ・オーディオ・オヤジ達は今日も元気です(笑)。

それで私としてはクラーク・テリーの『イン・オービット』がコンディションA/Bで、なんとか買えそうな値段だったのですが、悩んだあげく買わないことにしました。なかなか勇気ある決断だと思いませんか(笑)?

実は渋谷「discland JARO」の12月通販リストで、オリジナル盤を2枚買ってしまっていたのです。たくさん買えばいいってものではありません。少しずつ買うから楽しいのですよ(笑)。こういう買おうか買うまいか悩んだりすることも楽しみのうちですよね。

結局買ったのは安い中古盤4枚。ソニー・ロリンズの『ザ・サウンド・オブ・ソニー・ロリンズ』、『ハンク・モブレー』、ディジー・リースの『サウンディン・オフ』、サラ・ボーンの『アイ・ラブ・ブラジル』です。だいぶ安くあがりました(笑)。

ちょっとゆっくり買っていたために、ジャズ・ミーティングの集合時間に少し遅れてしまいました。

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ジャズ喫茶「マサコ」で聴いて惚れました。

下北沢のジャズ喫茶「マサコ」に行って、帰りの電車までの時間を潰す、なんて話を何度かブログに書きました。今日のお話はまだ東京に住んでいた頃「マサコ」に行った時の話です。

いつものように、ジャズ・アルバムの間に「これはジャズなの?」なやつがかかったのです。聴き進むうちに「これってなかなか心地良いんじゃないの?」から、だんだん「お~っ、イイよこれ。」となりました。

飾ってあるジャケットを見たのですが、真っ黒けでなんだかよくわかりません。しょうがないので、店員さんに「今かかっているのは誰のやつなんですか?」と質問して、ジャケットを見せてもらいました。見るとジャケットには「アメリカン・クラヴェ」とだけ書いてあります。

当時はまだこの手のやつに詳しくなかったので、単にアヴァンギャルドな雰囲気っていうだけで「ティム・バーンのやつですか?」と恥ずかしい質問をしてしまいました。店員さんは「違います。キップ・ハンラハンです。」と、ちょっと軽蔑視線も・・・。あははっ、知ったかぶりはいけません。

P52 それが今日紹介するアルバム、アメリカン・クラヴ『アンソロジー』(1993年、American Clave/east works entertainment)です。このアルバムは、キップ・ハンラハンが主宰するレーベル、アメリカン・クラヴェの1980年~1992年の名演集です。CD2枚組です。

キップ・ハンラハンと聴いて、ピンときました。当時蒐集を始めていた後藤雅洋さん著「ジャズ選曲指南」に掲載されていた『千夜一夜/シャドウ・ナイト1&2』の人ですよ。後藤さん著「新・ジャズの名演・名盤」にもこの人は取り上げられていました。そして、このアルバムは村井康司さん著「ジャズの明日へ」にも紹介されていました。

ここでちょっと喜んだというかささやかな優越感を感じたのは、このアルバムの音だけ聴いて良さがわかったことです(笑)。一応私的には、単に伝統的なジャズでないものも認めることを標榜しているだけに、これがつまらないと思ったとしたら、自分を情けないと思ったことでしょう(笑)。くだらないことなんですが・・・。

さて、このアルバムにはハンラハンのラテン・パーカッションが活躍する緩い曲、アストル・ピアソラのアコーディオンによるタンゴ、いかにもニューヨーク・アンダーグラウンドと言ったドロドロな曲などが、上手い具合に並べられています。有名ジャズ・ミュージシャンも多数参加しています。

その雰囲気は都会の場末の酒場が似つかわしく、倦怠感や鬱陶しさが漂い、聴いているうちにソファーにどんどん沈み込んでいってしまいそうな感じが麻薬的なのです。でもこういうのがカッコよく感じられることってありませんか?

「新・ジャズの名演・名盤」の中で、後藤さんが「ブルーノート東京」で見たハンラハンを「ウサン臭いままカッコよく、・・・この辺りの微妙な感じはCDからも確実に伝わってきて、・・・」と書いていることに納得なのでした。

無理にとは言いませんが、こんなやつもたまにはイイですよ!

いつもの告知です。

明日12/13明後日12/14「高野 雲の快楽ジャス通信」の11回目。
「ポール・チェンバース特集」
です。

ベーシスト雲さんはどんなアルバムを聴かせてくれるのでしょう?
楽しみです。

内容については高野 雲さんのブログ:高野 雲の「快楽ジャズ通信」
にもアップされますのでご覧下さい。

皆さん聴きましょう!

全国コミュニティーFM局では毎週土曜日20:00~20:55に放送。
ミュージックバードでは毎週日曜日22:00~23:00に放送。

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ジャズ喫茶「いーぐる」の「ローランド・カーク特集」(その2)

昨日の続きにいく前に、私のローランド・カーク歴についてちょっと書いておきます。

私が買った最初のアルバムは『リップ・リグ&パニック』です。なぜこれかというと私の好きなドラマー:エルビン・ジョーンズが叩いていたからです。確か20年近く前です。その後、あまりカークには興味もなかったのですが、後藤さんの著書を読み返すうちに5,6年前から興味が湧いて、推薦アルバムを揃える今日この頃です。当然カークに関する文献なども読んでいないわけで、カーク・マニアの皆さんからすれば、お前がカークを語るとは’けしからん’なやつだと思います(笑)。

では昨日の続きです。

<マンゼロ>
サクセロのことです。パソドブレの伴奏に使われた楽器です。ソプラノ・サックスの運指上の問題を解決するために開発されたとか。この楽器に対してカークが付けたあだ名「ムーン(月)・ゼラー」をリネームしたものらしいです。マンゼロが月のイメージだとすると、対照的な太陽のイメージはテナー・サックスになります。その理由は?

マンゼロはエッジの立った、アタックの強いリード楽器で、カークにとってはトランペットに代わるものを探して見つけたリード楽器だそうです。だから、月マンゼロ(トランペット)に対する太陽テナー・サックスなのだとか。カークにとってのトランペットに代わる楽器がマンゼロということなので、奏法もトランペット・スタイルだそうです。

ということで、一人でテナーとトランペット(マンゼロ)をやる擬似クインテット演奏の例。『ウィ・フリー・キングス+2』から《ブルース・フォー・アリス》です。曲をかける前に、林さんからサックスはどういう系譜の演奏なのか注目して聴いてみて下さいとの指摘がありました。私はすぐにロリンズが頭に浮かんだのですが、やはりオーソドックスなロリンズ系とのことでした。一人でテナー、トランペット・クインテットをやろうというカークの奇抜な発想には恐れ入りました。(緑字は私の感想)

ここでソプラノ・サックスに関する逸話を少々。
・カークはソプラノ・サックスを手にした最初のジャズマン?
・コルトレーンが最初に吹いたソプラノ・サックスはカークのものだった。

次に見せるはずだったDVDは昨日書いた理由により見られませんでした。このDVDはカークがマンゼロとストリッチを吹いていて、一人で、マンゼロ(トランペット):マイルスと、ストリッチ(アルト・サックス):キャノンボールを演じているのだとか。見たかったなあ~。

代替として、アルバム『ローランド・カーク・カルテット・ミーツ・ザ・ベニー・ゴルソン・オーケストラ』から《バークリー広場のナイチンゲール》をかけました。マンゼロをトランペットに見立てた演奏の例です。私はこの演奏が気に入りました。バックのオーケストラもなかなか洒落ていると思いました。

最後、こちらもマンゼロ&テナー・サックスですが、ここではコルトレーンの曲を取り上げています。コルトレーン・カルテット化した熱い演奏、アルバム『フライ・バイ・カーク』から《アフロ・ブルー~カズン・マリー》。ここでのマンゼロ演奏は、コルトレーンの《マイ・フェイバリット・シングス》に影響された、コーダル・モーダルな演奏です。マンゼロは『ドミノ』以降、ソプラノ・サックス化しているとのことです。

一方テナー・サックスはハード・バップ・スタイルで、音楽的にはコルトレーンに傾斜していないとのこと。なおコルトレーン・メドレーはコルトレーン没後すぐに演奏を始めているので、ジャズマンとしては尊敬していたのだろうということです。

<テナー・サックス>
前期は多くの伝統を引き継いでいて個性が掴みづらいが、ロリンズに傾斜したものが多く、ジョニー・グリフィン的なものもあるとか。後期はいろいろ飲み込んで特殊なスタイルになるそうです。先ほどテナー・サックスは太陽だと言っていましたが、それはなんでも演奏できるということでもあるそうです。

ここからは楽しい演奏ばかりでした。

林さんが逝ったときにはこれをかけてほしいという(笑)、『ヴォランティアード・スレイヴリー』から《アイ・セイ・ア・リトル・プレイヤー》林さん曰く、知と情のバランスが良い演奏。快楽の無間地獄です(笑)。俗に言うジャズではないかもしれませんが、最高のブラック・ミュージックです。この底抜けの陽気さとパワーは凄い!

次はビデオ『ザ・ワン・マン・ツインズ』からヴォランティアード・スレイヴリー》。こちらはいっちゃってるカークを映像で楽しめます。循環呼吸でテナーをブリブリ吹きまくるのですが、その音のパワーとキレとスピード感はすさまじく、音にやられました(笑)。あとで顔が意外とかわいいなんて話がありましたが、私は音楽に純粋なカークと子供の純粋さが重なってかわいく思いました。不思議と怪人には見えませんでしたよ。

マイクそっちのけで会場を練り歩いた後、イスを壊して終わるのですが、これに関して「いーぐるnote」tommyさんが「カークのお客さんを楽しませる姿勢にも嬉しくなってしまいました。」と書いていて、それを受けて林さん「「楽しませる姿勢」について、カークは黒人芸能の継承者でもありました。保守的で冷静で計算高い男なので、過激なパフォーマンスの多くは芸人魂(楽しませる姿勢)の産物です。」と返しています。お2人の意見にはなるほど納得なのでした。

次はアルバム『カーカトロン』から《ジス・マスカレード》。当時のワーナーのドル箱ジョージ・ベンソンへのあてこすりだろうということです。ジャズだとか何だとかはもうどうでもよろしい。イイッ! リチャード・ティーのトレモロがかかったローズなんか泣けます。
<雲さんからのコメント:さすがはベーシスト雲さん>
今回は、《ジス・マスカレード》が、すごく良かったです。
ゴードン・エドワーズのベースが良かった。演奏を引き締めてましたね。

クローザーは、季節柄ではなく演奏本位ということで『カーカトロン』から《クリスマス・ソング》きっちり締めてくれました。

最後にローランド・カークの肝は?「黒さ、ブルース・スピリット」です。

今回の特集、後藤さんが100点を付けています!

私もローランド・カークの魅力を再認識するとともに、大変楽しく聴かせていただきました。どうもありがとうございました。m(_ _)m

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ジャズ喫茶「いーぐる」の「ローランド・カーク特集」(その1)

12月6日は、「高野 雲の快楽ジャズ通信」のゲスト出演収録を終えたあと、雲さん親子と一緒に昼食をとり、四谷のジャズ喫茶「いーぐる」で行われた連続講演「ローランド・カーク特集」へ行きました。

今回の特集は、ローランド・カーク研究の第一人者である林建紀さんが、3年半ぶりにやる5度目のカーク特集ということでした。今回の特集は、「いーぐる」常連のKirkさん、miyaさん、そして雲さんJr.のリクエストだったのだとか。

テーマは「カーク楽器店 ~主要5楽器の意味~」です。私は、ユーモアを交えつつ情熱を込めて深い内容を紹介してくれる林さんの特集が大好きです。別にここでヨイショしておいて、これからレポートする内容を好意的に見てもらおうとかいう魂胆はありませので、念のため(笑)。

なお、この特集でかかった曲は後日いーぐる」のホームページにアップされますので、こちらhttp://www.02.246.ne.jp/~unamas/eagle.htmlをご覧下さい。

この講演中、収録を終えていた番組でしゃべったこと(言い方がまずかったかな?)などが時々頭の中に浮かんできて、決して万全な状況ではなかったことを先に弁解しておきます(笑)。では始めましょうか。

いきなり、12月6日はエジソンが初めて蝋管に音を吹き込んだ日ということで、「音の日」らしいです(笑)。

オープナーは明るく元気よくということで、アルバム『ブラックナス』から《ワッツ・ゴーイン・オン~マーシー・マーシー・ミー》です。メローな曲が完全にカーク・ミュージックになっているとのことです。そのとおりで、気分は上々の出だしであります。(緑字は私の感想)

いよいよ本題、今日のテーマ5楽器の意味へと入ります。

<フルート>
カークのフルート演奏には、アーシー(ディープ、ブルージー、ファンキー)なものと、ラジカルなものが多いとのことです。

まずは、ディープなブルース演奏例として、フルートだけで吹き込んだ唯一のアルバム『アイ・トーク・ウィズ・ザ・スピリッツ』から《やるべきはブルースっきゃない》。オーバー・ブロー、声を含めるなどの特徴が聴けます。

林さん曰く、カークは西洋的な楽器のフルートにアフリカの言葉を教え込もうとしているようだと。カークのフルートはユセフ・ラティーフからとっていて、それをワイルドに発展させ、キーをパーカッションのように使ったりもしているとのことです。

さて、次はDVDの映像を見せようとしたのですが、連絡ミスによりDVDプレーヤーが準備されておらず、他で見せようとしていたビデオ『ザ・ワン・マン・ツインズ』から代替映像《シーズンズ》をかけました。

ラジカルな演奏の例です。イントロでは縦笛とフルートの合奏をしていて、それはノーズ(鼻)・フルートだということです。ソロでは普通のフルートを吹いています。私はカークの演奏を初めて見ました。グロテスクとか言われているのですが、演奏に没頭するカークは意外にも素直に受取れましたよ。

カークのフルートは過激でコテコテ、アフリカン・アメリカンの思いのたけを吐き出す、のどに代わる楽器であるとのことです。フルートは過激に演奏しても耳にやさしい。つまり、やさしい音の楽器で過激な演奏をするところが、カークのバランス感覚の妙だということですね。

最後はポップ系スインガー。『ヴォランティアード・スレイヴリー』から《マイ・シェリー・アムール》。カーク後期の演奏です。この頃は他の楽器が過激なので、チェンジ・オブ・ペースで、フルートは軽やかに吹いています。

<クラリネット>
カークが最初に手にしたリード楽器です。最初はトランペットを吹いたのですが、医師の忠告でクラリネットに転向したのだとか。

まずは、『ライブ・イン・パリ1970 Vol.1』から《PETITE FLEUR part2》です。ニューオリンズ・スタイルの演奏です。

カークは、クラリネットをシドニー・ベシェ風には吹いていないそうです。音のエッジがたっていないので合わないとか。では誰風に吹いたかというと、クラリネット奏者の多くに影響を与えたジミー・ヌーンの系譜とのことです。3大クラリネット奏者のもう一人ジョニー・ドッズはアフリカン・スタイルなのですが、エドモンド・ホールに影響を与えたとか。

スタジオ録音では、組曲のプリミティヴなパートでよく使われたとのことです。その中で、一番異様で売れなかったアルバム『ナチュラル・ブラック・インベンションズ』から《ハーダー&ハーダー・スピリチュアル》。辻音楽師としてのカークです。素朴な味わいの演奏です。う~ん、これは売れなかったのも納得という感じでした。

最後はビデオザ・ワン・マン・ツインズ』からBALM IN GILEAD》。エリントン系の演奏です。エンディングはジャングル・サウンドになっています。

カークにとってクラリネット=ブラック・スティックはブラック・クラシカル・ミュージックを蘇らせる魔法の杖なのだとか。

<ストリッチ>
ブッシャー社のストレート・アルト・サックスのことです。アンサンブルだけでなく、ソロ楽器としても使っています。最初は2管アンサンブルだったのを、ストリッチを加えて3管アンサンブルにしたらしいです。この楽器はパーカーの感じを出すために使われます。

『ウィ・フリー・キングス+2』から《スプリング・ウィル・ビー・ア・リトル・レイト・ディス・イヤー》。演奏の中にはドルフィーのいななきもあり、これぞパーカーの継承と言わずして何というのか?とのことでした。聴いていて正にそのとおりなのです。まったく異論を挟む余地はありません。ストリッチの音はソフト・メロー・ライトとのことです。

次は後藤さんが喜ぶだろうパーカー系演奏の名演。『ライブ・イン・パリ1970 Vol.2』から《チャーリー・パーカー・メドレー、マイ・リトル・スウェード・シューズ~グルービン・ハイ》です。なんなんでしょう?この気持ち良さは?これ聴いてつまらんとか言うやつはジャズを聴く意味なしです(笑)。

今日はここまでと致します。明日は残り2つの楽器マンゼロとテナー・サックスについて書きます。

林さんから一部アドバイスをいただいたので修正しました。12/10

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番組収録ってこんな感じなの?

12月6日土曜日はちょっと疲れました~。

というのは昨日報告したとおり、
「高野 雲の快楽ジャズ通信」にゲスト出演するので番組収録を行ったからで、
更にその後、
四谷のジャズ喫茶「いーぐる」で「ローランド・カーク特集」も聴いたからです。

「ローランド・カーク特集」のレポートを書かなきゃいけないのですが、
ある理由から、このレポートを期待している方も多いのだろうけれど、
今日は書きませ~ん(笑)。

「ローランド・カーク特集」のレポートを私が書くということは、
関係者の方々にも注目されているのでしょう。
ある意味勝負なのかも(笑)?
いやいや、それは冗談でございます。

とか書いてもほとんどの方には意味がわからないでしょうね。
って今日は一体何を書いているのでしょう?
こんなことを書いているとそろそろ怒る方も出てきそうだからやめます(笑)。

と言いつつ、こんな風に今考えていることをダラダラっと書くのは、
たまには気分転換に良いかも?

えっ、今日は一体なにが言いたいかですって?
う~ん、自分にもよくわかりませ~ん。
こんな風に書いていくのも結構楽しいですね~(笑)。

そうそう、ラジオの番組収録なんてのは生まれて初めてなわけでして、
かなりドキドキ、ワクワクで浮き足立っちゃうはずなのですが、
なぜか意外と冷静なのでした。
どうしてなのでしょう?わかりません。

JR四谷の駅を降り、甲州街道(20号線)を皇居の方へ歩きます。
15分ほどで、半蔵門にあるTFMビルへ到着です。
休日なので表のシャッターが下りていました。
入口を探してビルの周りをしばしうろうろ。

裏口で面会票に記入していざ中へ、
エレベーターで上に上がって、
降りたところのテーブルで雲さんと待ち合わせです。
お久しぶりですね。
会うのは10月の吉祥寺ジャズ・ミーティング以来です。

雲さんJr.も一緒に来ていました。
Jr.と会うのは、8月の「いーぐる」の納涼持込盤大会以来です。
相変わらす飄々としておりました(笑)。
クールでカッコイイのです!

後でわかったのですが、Jr.と私はふたご座のAB型なのであります。
(雲さんJr.はB型でした。私の聞き間違えです。すみませんでした。)
恐怖の二重人格と言われておりますが(笑)。
どこか似たもの同士なのかもしれません。(←撤回します。)
ふたご座AB型はマイルスや菊地成孔さんなのだとか。
結構ヤバイかも?ですね(笑)。

お~っ、番組のディレクター嬢です。
「アフターアワーズ編」などでお声だけはちょろっと聴いていたのですが、
お初にお目にかかります。
私のイメージとはちょっと違いました。
どう違ったのかは秘密です(笑)。

雲さんとほんとに軽く打ち合わせをしてスタジオへ。
「いいんですか?こんなんで。」
狭いスタジオは機材などでいっぱいです。
Jr.も収録を見守ってくれました。

ディレクター嬢が収録準備をサクサクこなし、いざ収録。
あれっ、思ったより緊張しませんよ。
雲さんとディレクター嬢のおかげだと感謝しております。

おかげでお気楽にペラペラしゃべってしまったのです(笑)。
ずうずうしいやつです。
ごめんなさい。

頭の番組コールのところで雲さん、いがいが声になってしまいました(笑)。
ということで本日唯一の録り直しでございます。
その後は、放送するとおりの順でトークと曲を録音していきます。
ディレクター嬢の手際は素晴しかったです。

時間を見ながら、トークの長さとか次に何をかけるのかとかを決めていきます。
曲がかかっている(録音している)間にそれをやっちゃうのです。
おまけに曲についてとかミュージシャンについて雑談したりもします。

途中私が曲名を忘れたり、説明不足の言い方になったりしたところは
雲さんがナイスなフォローをしてくれました。
凄いです。
雲さんありがとうございます。

私は流れにうまくのせられて、ペラペラと・・・まあちょっとかんだり(笑)。
普段言わないようなことを勢いで言っちゃったり。
あれよあれよと言う間に収録が終わってしまった感じです。
ほんとうに大丈夫なんでしょうか?

言い足りないこともあるわけですが、また、余分なことも言ったでしょうが、
致命的なミスがあれば録り直しせざるを得ないわけで、
そうならずO.K.になったということは、
よしとしましょう。

あとはディレクター嬢の仕上げの編集にかかっているわけです。
お仕事ぶりからいって、素晴しいものにしてくれることでしょう。
う~ん、素材が素材なだけに限界はあるとは思いますが・・・。

ざっとこれが番組収録体験記であります。
とても楽しかったです。
どうもありがとうございました。

もし雲さんの番組のゲストに呼ばれたら、参考にしていただけると幸いです。
んっ!こんな書き方では参考になりませんか?
あははっ!

今日のお気楽ブログ、いかがでしたか?

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魅惑のフリューゲル・ホーン!「高野雲の快楽ジャズ通信」

今日は高野 雲の快楽ジャス通信10回目の放送でした。
フリューゲルホーン奏者の土濃塚隆一郎さんをゲストに招いて、
「フリューゲル・ホーン特集」です。

放送の内容は雲さんのブログ高野 雲の「快楽ジャズ通信」
をご覧下さい。より詳しく掲載されているうえに、
かかったCDも紹介されています。

お~っ!懐かしい声です。
この声この声、昔土濃塚さんの番組で聴いていた声です。

土濃塚さん、フリューゲル・ホーンの演奏は10年だそうです。
トランペットを吹いていて持ち替える楽器がほしくなり、
フリューゲル・ホーンになったとか。

雲さんはトランペットとフリューゲル・ホーンが
同じように聴こえちゃう場合があるとか。
土濃塚さんもそういうことがあると言います。
これは楽器の音を録音時に加工していたりするのでやむを得ないとのことです。
私も当然どっちだかわからないことはあります。

チャック・マンジョーネ『フィル・ソー・グッド』がバックに流れています。
どうしてかというと、土濃塚さんはチャック・マンジョーネが好きなんだそうです。

実は私、今日新宿ディスクユニオンジャズ館で『フィル・ソー・グッド』のレコードを
いつものフュージョンコレクションということで買ってきました。¥315、トホホ!
なんという偶然じゃ~っ。

フリューゲル・ホーンといえばバラードや落着いた感じの曲に使われるイメージ。
雲さんはアート・ファーマーの吹くイメージからそう感じていたということです。

土濃塚さんは、フリューゲル・ホーンも演奏者によって違って、
バラードに使うだけじゃないと言ってます。
土濃塚さんは美しい音色が好きだけど、フリューゲル・ホーン一本で勝負するので、
バリバリ吹いたりするとのことです。

いきなりアート・ファーマーの柔らかい演奏と
土濃塚さんのバリバリ演奏との比較です。

まずは、アート・ファーマー《朝日の如くさわやかに》

(今回も私が曲を聴いた感想は緑字にします)
ファーマーらしいリリカルな演奏。趣味の良いトランペッターの面目躍如ですね。

続けて、土濃塚さんの『トップ・ギアー』から《ブラック・バタフライ》

出だしからバリバリ吹いていますね。同じ楽器とは思えません。
ちゃんとフリューゲルのまろやかな感じもあります。
今時のモード曲ですね。カッコイイ曲だと思います。
ドラムの音がファットになっているところが、クラブ方面を意識してい感じです。

極端な違いの例ですね。
土濃塚さんによると、この曲はライブで盛り上がり、ぶっ壊れる感じだそうです。

ベース弾き雲さん、トランペットとか管楽器は音一発で演奏の良いところを
持って行っちゃうとか諸々、羨ましいとか言ってます(笑)。
まあ、ベース奏者にも良いところはあるとも言ってますが。
やっている楽器によって、それぞれ似たような人間性があるとかないとかも。

雲さんは土濃塚さんのCDをたくさん聴いて、
「この人は歌いたかったんじゃないか?」と思ったそうです。
前のアルバムに入っている《チェンジ・ザ・ワールド》《クロース・トゥー・ユー》
とかを聴いてそう感じたとか。
土濃塚さんは、いいメロディーがすっと入ってくる曲が好きらしいです。

その流れで、『トップ・ギア』では椎名林檎の曲をやっています。
《丸の内サディスティック》です。
この曲、椎名林檎好きな雲さんが1、2位を争うくらい好きな曲なんだとか。
雲さんはこの曲にジャズを感じたとも言っていて、土濃塚さんも同意しています。

いきなり土濃塚さんのフリューゲル・ホーンと雲さんのベースで
合わせて演奏しています。
カッコイイなあ~。お2人とも楽しそうです(笑)。

土濃塚さんの『トップ・ギアー』から《丸の内サディスティック》

エレピのイントロからフリューゲルが入って曲を吹くのですが、
メロー・レイジーな感じがイイですね。
お~っ!これって、意外や意外、チェンジ・ザ・ワールドに似てますよ!

雲さん「いいですね~。」と、この演奏の感じ、気に入ったみたいです。
土濃塚さんは、歌うかの如く、こういう持ち味の曲も吹くんです。

お次は、ケニー・ホイーラー『ヌー・ハイ』から《スマッター》
バックのメンバーもピアノのキース・ジャレットをはじめ素晴しいんですよ。

ECMレーベルらしいクールで爽やかなサウンドですね。
キースのピアノも最高です。このアルバムは私も好きです。

次はマイルスの曲ということで、土濃塚さんとのマイルス話です。
土濃塚さんは『オン・ザ・コーナー』の壊れてる感じが好きだそうです。
このアルバムを上げるとは、かなりマニアックですね。

マイルス『マイルス・アヘッド』から《ニュー・ルンバ》

私はこれを始めて聴いたのですが、
ギルの中間色的な柔らかい包み込むアンサンブルの上で、
マイルスがなんともフワッと心地良いソロをとっています。
マイルスはフリューゲル・ホーンのまろやかな音を上手く使いますね~。
こういう当たり前のことをキチッとやるところがマイルスの凄さだと思います。

雲さん「素晴しい、この辺がトランペットと間違えちゃう。」と、
出てくる音色はやっぱりマイルスのものだということです。

「アート・ファーマーもチャック・マンジョーネも、もともとはトランペット奏者で、
フリューゲル・ホーンを吹いても同じ持ち味は出ている。」と、土濃塚さん。
「ファーマーはフランペットも使ったりと、楽器は変わってもパーソナリティは
変わらない。」と、続けます。

ここで土濃塚さんから、
フリューゲル・ホーンとトランペットの楽器としての違いのお話です。

フリューゲル・ホーンは、サックスを作ったアルフレッド・サックスが作った楽器で
まだ時代が浅いとのことです。
木管で言えばサックス、バスクラは同じような指使いで似たような音域だけれど
違うというのに似ているとか。
雲さんはサメとシャチに喩えていました(笑)。

土濃塚さんによると、
フリューゲル・ホーンはボソボソの中抜けの音になっちゃう傾向があるんだとか。
柔らかいけど芯のつまった音にするために、奏法も変わったらしいです。

雲さんからの「なぜフリューゲルに専念したの?」という問いに、
土濃塚さんは「単純にこの楽器が好きだから。」と答えています。

もうラストの曲です。《ジブラルタル》。
スタンリー・タレンタインの『シュガー』に収録とのことですが、
あれ、レコードには入っていないようなのですが?CDには追加収録?
(輸入盤CDのボーナストラックに入っているそうです。)
フレディ・ハバードのアルバムにはいくつか入っている彼の代表曲とのことです。

土濃塚さんの『トップ・ギアー』から《ジブラルタル》

これは勇壮なカッコイイ曲ですね。
バックにオルガンの音が薄く入っているのがイイ味を出しています。
後半のドラム・パーカッションのソロも良いアクセントです。

時間の都合で途中フェード・アウトです。

雲さん、「音の洪水が気持ち良いですね~。」と、楽しそうです。
パーカッションも色々入っていて、鍵盤も4回かぶせているとか。

今回はフリューゲル・ホーンという楽器の魅力が
良くわかったのではないかと思います。
それに土濃塚さんの演奏の魅力も伝わってきました。
かなり内容が濃かったですね~。

最後に、来週は松本茜さんと言っていましたが、
放送順番が変わっているんですよね。

ミュージックバードで聴いている人の特権「アフター・アワーズ編」

今回は、土濃塚さんのフリューゲル・ホーン、雲さんのベース、
ディレクター嬢のキーボードも加わって、《星に願いを》のセッションです。
ジャズに慣れないディレクター嬢参加ということで、テンポを落としています。
なのでちょっと眠くなってしまうような・・・(笑)。
フリューゲル・ホーンのソロは良い感じでした。

最後に重大な告知をさせていただきます(笑)。

この度、私は雲さんのご厚意に甘えて、ナナナナナントッ!

「快楽ジャズ通信」にゲスト出演することになりました! (⌒0⌒)ノ

それも、おめでたい!年明け一発目(1/3と1/4)の放送ですよ。

「パット・メセニー特集」であります。

実は昨日、番組収録をしてきてしまったのです。

雲さんの番組なのに、私かなりお気楽にペラペラしゃべってしまったような・・・(汗)。

雲さん、どうもありがとうございました。

どんな番組になってしまうのか? 怖いよ~っ!

「いっき」とは一体どんなアホなのか?

知りたい方は番組を聴いてやって下さいませ~っ!

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新ジャズサイト立ち上がる!

おめでたいじゃありませんか!

ジャズ喫茶「いーぐる」に集うジャズ評論をされる皆さんが中心になって、
ジャズサイト「com-post」:http://com-post.jp/ を立ち上げました。

まず、立ち上げた皆さんについてちょっと紹介したいと思います。
このメンバーを見れば、どういうサイトなのかだいたい想像がつくと思うからです(笑)。

編集長格:益子博之さん、技術責任者:須藤克治さん
書き手として、後藤雅洋さん、村井康司さん、原田和典さん、八田真行さん

サイトの目的や方針などについては、
「いーぐる」のホームページhttp://www.02.246.ne.jp/~unamas/eagle.html
「diary」をクリックしてみてください。後藤さんが詳しく書いています。

きっと正統、骨太、頑固、怖い、危険なジャズ評論が展開されることでしょう。
というのは半分冗談もありますが(笑)、
これまでのジャズジャーナリズムのあり方に疑問を感じている方にとっては、
読み応えのある評論が展開されることは間違いないと思います。

まだ、コンテンツの不足や一部機能の不備はあるそうですが、
順次解消されていくことでしょう。

これからは、このサイトをチェックしていないと、
時代から取り残されてしまうんじゃないかと思いますよ(笑)。

私も応援していきたいと思っています。皆さん是非見ましょう!

もう一つお知らせがあります。こちらは毎度のことです!

明日12/6明後日12/7「高野 雲の快楽ジャス通信」の10回目。
フリューゲルホーン奏者の土濃塚隆一郎さんをゲストに招いて、
「フリューゲル・ホーン特集」
です。

だいぶ前になりますが、
土濃塚さんがミュージックバードに番組を持っていたことがあり、
私はよく聴いていました。
その番組にもゲストが来て、相手の方が話すと土塚さんがよく
「なるほど、なるほど」と相槌を打っていたのを覚えています。
番組を聴いて気に入ったので、土塚さんの『ラッシュ・トーン』『フォー・ラバーズ』
持っています。

内容については高野 雲さんのブログ:高野 雲の「快楽ジャズ通信」
にもアップされますのでご覧下さい。

皆さん聴きましょう!

全国コミュニティーFM局では毎週土曜日20:00~20:55に放送。
ミュージックバードでは毎週日曜日22:00~23:00に放送。

さて、明日は大事な用事があるので、今日は早く寝なきゃっ!

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歪み捩ればかりじゃなくて、こういうのも聴きます!

歪み捩れも良いのですが、そればかりじゃ疲れますから、こんなやつも聴いています。それから、私は別にジャズ喫茶「メグ」のマスター寺島さんが推薦したものがダメだとも思っていません。寺島さん推薦アルバムで気に入ったものもたくさんあります。

P51 そんな1枚、ヤン・ラングレン『スウェディッシュ・スタンダーズ』(1997年rec. SITTEL)です。メンバーは、ヤン・ラングレン(p)、マティアス・スヴェンソン(b)、ラスムス・キールベルグ(ds)のピアノ・トリオです。

寺島さん著「JAZZはこの一曲から聴け!」に掲載されていたアルバムで、見出しが「1000枚に1枚あるかどうかのアルバムだ」です(笑)。どうして?「全曲未知の曲で全曲いいなどというアルバムは1000枚に1枚あるかなしか。」との理由です。私もこれに惹かれて買っちゃったっのです(笑)。

アルバム・タイトルどおりスウェーデンの曲ばかりを収めたアルバムで、寺島さんが言うとおり美旋律がいっぱい詰まっています。私は4曲目の《Uti var hage(牧草地の真中で)》や7曲目の《Waltz-a-nova》がお気に入りです。

奇を衒うこともなく、スウィンギーに美旋律を生かして素直に弾くラングレンのピアノ演奏は、なかなか素敵だと思います。クリアで力強いピアノのタッチも良いです。ベース、ドラムもピアノに負けず、対等に付き添っています。

9曲目《Min Blekingsbygd》はワルツ曲で、どこかで聴いたことがあるようなメロディーです。あれっ?ピアノ・ソロ部分がマッコイ・タイナーの弾く《マイ・フェイバリット・シングス》に聴こえるんですけど、気のせいかしら(笑)?

ちょっとやっつけ記事ですが、ご容赦願います(笑)。

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歪み捩れサウンドってどうよ!

高野 雲さんが前回のラジオ「快楽ジャズ通信」で放送したバド・パウエルのピアノの音色について、ブログ:http://ameblo.jp/jazzy-life/ の”放送第9回 「絶頂期のバド・パウエル」(4)”記事の中で書いていました。

その記事の中で、雲さんが書いた10年ほど前のパウエル評についてもふれられており、パウエルの音色や醸し出されるサウンドについて「歪み空間、捩れサウンド」といった表現をしていました。なるほど上手いことを言うなあと思いました。

そういうサウンドということでジミ・ヘンドリックスのギターも引き合いに出していました。この人達の音楽を聴いたことがある人には、頷いていただけるのではないかと思います。私の中での「歪み捩れ」初体験はというと、マイルス・デイビスの『パンゲア』を聴いた時だと思います。

最初は不快感もありましたよ。でも何か心を捉えて離さない感覚が残ったのです。それで何度か聴くうちにこれが快感になってしまったのだから不思議です。こういう強烈な体験をしてしまうと一生消えないのでしょう。いろいろなものを聴いても、もう一度聴くと、やっぱり『パンゲア』は凄いということになってしまうのです。

私の場合は、パウエルのピアノのそういう魅力に気付くのには時間がかかりました。というのは、あまりパウエルを真面目に聴かなかったからです。今となってはパウエルのピアノはやっぱり凄いと思うようになりました。

私はジャズを長く聴くため、いや、ドップリ浸かるためには、一度はこういう体験をする必要があるように思います。きれいごとだけでは決して済まされない、こういう体験をしたことがない人は、ジャズという音楽の大切な何かを知らずにいるように思うのです。

さて、歪み捩れの快感みたいな体験があれば、きっと良さや面白さがわかってもらえるだろう1枚を紹介します。7月に行われたジャズ喫茶「いーぐる」の2008年上半期の新譜特集:http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_cc2c.html で取り上げられたアルバムです。ところで下半期の新譜特集はあるのかな~?

P50 インゲブリクト・ホーケル・フラーテン・クインテット『ザ・イヤー・オブ・ザ・ボアー』(2007年rec. JAZZLAND)です。メンバーは、デイヴ・レンピス(as,ts,bs)、ジェフ・パーカー(g,effect pedals)、オラ・クヴァーンバーグ(vl)、インゲブリクト・ホーケル・フラーテン(b,electronics)、フランク・ロサリー(ds,electronics)です。

楽器編成からわかると思いますが、フリー系の尖がったサウンドです。バリトン・サックスの咆哮あり、ヴィオリンの耳障りな感じのソロあり、エフェクターを使ったギターのノイズ系サウンドありと、これだけで嫌になってしまう人もいるでしょう(笑)。

でもどれも強靭な表現であり、やっぱり気持ち良いのです。ベースとドラムは定型のリズムを刻んでいるので全くのフリーでもなく、ハードコアなバップと言ったほうが合っているのかもしれません。

《90/94》は、最初はジェフ・パーカーのエフェクト・ギターがソロをとり、途中で合奏するヴァイオリンの音の感じや、4ビートが『アウト・ゼアー』を連想させます。バイオリンのソロになると、リズムがテンポ・アップしてエキサイトするんですよ(新譜特集の評にはちょっと誤解がありました)。続くデイヴ・レンピスのアルト・サックスがまたイイですね。ベースとドラムをバックにフリーキーな音を交えつつファナテックなアルト・ソロを展開しています。この演奏、なかなかの出来だと思います。

他の曲もリキ入ってますよ。聴いてみて下さいな。

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祝い!300件目の記事。

あと2週間少々でブログを始めてから1年が経とうとしています。
その前に今日はブログ記事の300件目です。
いや~、よくもまあこんなにブログを書いたもんです(笑)。
今日は記念すべき回なのにあんまり書く気が沸きません。

P49 ということで、適当に今飲んでいるウィスキーのことでも書いて、お茶を濁すことにします。

いつものごとくシングルモルト・ウィスキーで、グレンキンチー12年」です。ボトルに刷り込んである金色のGKのロゴがカッコイイですね~。ポット・スチールのようなボトルネック周辺の曲線もカワイイですよね。お値段も安いほうです。

お味のほうはフルーティーでハチミツのような後味も感じます。これはまた飲みやすいです。飲みやすいとどんどん飲めちゃうから困りものです。週末の夜にジャズを聴きながら飲むのが楽しいんですよね~。夏はオン・ザ・ロックで飲むのですが、冬は寒いのでお湯割りにしています。

まだ未成年の頃、ヒノテルがサントリーウィスキーのCMでお湯割りのウィスキーを飲んでいたのを覚えています。当時はフュージョン路線まっしぐらで人気の頃ですね。サントリー・ホワイトだったかな~?サミー・デイヴィスJrがやっていたときもあったっけ。

そうだ、今日渋谷のレコード店「discland JARO」から、通販リストが郵送されていました。さて、面白そうなものはあるかな~。とにかくたくさんあるのでリストをチェックするのが大変なのであります。

おしまい!

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『ゲット・アップ・ウィズ・イット』の邪悪な《レイテッド・X》

どうも最近は本を読み散らかしていて、読みかけの本や読み始めていない本など数冊がたまっています。

最近出た「白熱MILES鼎談」もそんな本の1冊です。やっと半分まで読み終わりました。この本の前半部分は2001年初版の「マイルス・デイビス没後10年」からの再掲載です。

その2001年の鼎談の内容はというと、後藤雅洋さん、中山康樹さん、村井康司さんの3人がそれぞれマイルスのアルバムの中からベスト10を選び、3人で徹底討議のうえ絞りこんで、最終的に決定版マイルス・デイビスの10枚を選ぼうというものです。この決定版の10枚は、マイルス・ファンの私ですから当然のごとく所有しています。

P48 さて、その10枚を選び出す過程の討議の中で『ゲット・アップ・ウィズ・イット』が俎上に上がります。村井さんは「でも中山さんが何かに書いていらっしゃったけど、マイルスのすべてが好きかどうかが、これが好きどうかでわかるってことはあるね。」なんて言ってます。なるほどそうかもしれません。

私が注目したのは、後藤さんの「《マイシャ》からグチョグチョ度の極致みたいな地獄の《レイテッドX》に突入していくというか落ち込んでいくあの辺は結構好きなんだ。」という発言です。実は私もこのアルバムを買った今から約25年前、それらの曲が収録されているレコード1枚目のB面をよく聴いていたからです。

後藤さんの好みは、どうも私と近いところがあるようなのです。それは後藤さん著「ジャズ選曲指南」の中に記載されていた、マイルスの『ソーサラー』《プリンス・オブ・ダークネス》が時々頭の中で鳴り出すというところからも言えると思います(笑)。

曲の話に戻りますが、《マイシャ》はトロピカルなイメージの曲が好きなんですよ。ここでのレジー・ルーカスのカッティング・ギターとムトゥメのパーカッションは最高に気分が良いのです。マイルスのワウワウ・トランペット、デイブ・リーブマンのフルートも南国の楽園気分。一転終盤のマイルスのオルガンとピート・コージーのギュインギュイン・ギターには煽られます。

続く《ホンキー・トンク》は、ちょっとかわったアクセントのリズム部分とブルース部分が交互に出てくるロックですね。マイルスのオープン・トランペットがよく歌っていて気持ちイイです。ブルース部分でのマイルスのソロを聴くと、引退復帰後の《スター・ピープル》につながるものであることがわかります。ギターなんかまるでジミ・ヘンドリックスです。

最後は地獄の《レイテッド・X》です(笑)。私はこのタブラが入ったせわしいリズムが大好きです。ブラック・ファンクを過剰にした感じは麻薬的。編集によるものと思われる途中のブレイクがまた違和感を掻き立てるんですよ。マイルスがオルガンで始終持続音を弾いていて邪悪な響きを発し続けます。レジー・ルーカスのカッティング・ギターもこの演奏の肝だと思います。

この3曲の流れは久しぶりに聴いたけど、やっぱりイイなあ~っ!

当時は《カリプソ・プレリモ》も結構聴きました。でも、エリントン追悼曲《ヒー・ラブド・ヒム・マッドリー》は、辛気臭くてダメでしたね(笑)。

レコードは、岩浪洋三さん鍵谷幸信さんがメインでライナーノーツを書いています。この組み合わせって今考えると結構笑えませんか?

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暑苦しさ控えめ?「高野雲の快楽ジャズ通信」

まずは人気ブログランキング2位にしていただいたお礼です。
1位のブログは別格なので、2位は凄いですよね!

応援して下さっている皆様、どうもありがとうございます!

とてもうれしいです。
ランキング2位にしていただいたことを励みに、
これからも私なりの情報発信をしていけるよう、
心がけていきたいと思います。

さて、今日は高野 雲の快楽ジャス通信回目の放送でした。
「絶頂期のバド・パウエル」です。

放送の内容は雲さんのブログ高野 雲の「快楽ジャズ通信」
をご覧下さい。より詳しく掲載されているうえに、
かかったCDも紹介されています。

パウエル大好きの雲さん。今日はどんな出だしでしょう。
「絶頂期のバド・パウエルです。覚悟しておいて下さい。」ですって、お~怖っ!(笑)
「やりたかったんだなあ~。」とかも言ってます。どれだけパウエル好きなんでしょ!
その上ですよ!
銃を突きつけられ「好きなジャズ・ピアニストを一人選べ」って言われたら、
「パウエル」と答えるって、そんな質問されませんからーっ(笑)。
出だしは今日も暑苦しいです(笑)。

雲さん、パウエルの魅力については、未だに結論が出ていないとか、
そこがまた惹き付けられるところなのでしょうね。

いきなり、アクが強い演奏ということで、
『ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル』から《ティー・フォー・トゥ》テイク5。

<以降、緑字は曲を聴いた私の感想など>
出だしですぐにパウエル・ワールドに引き込まれます。
そこから怒涛のアドリブが展開されます。
これだけのスピードで心にくる美フレーズばかりを繰り出しまくるパウエルって
一体どんなやつなのでしょう・・・、天才!

雲さんは朝これをリピートして聴いて気合を入れているらしいです。
「朝これを聴いて気合を入れている高野雲です。皆さんいかがおすごしでしょうか?」
とか言ってます(笑)。←ここツボですよね?

ピアノを伴奏からホーンと渡り合える楽器にしたパウエル。
そういうピアノに憧れたパウエル派はそれこそたくさんいます。
でもフォロワー(従者)は、決定的に何かが似ていないのです。
イノベーター(革新者)とエピゴーネン(模倣者)の差が厳然とあるのです。
でもけしてエピゴーネンが悪いというわけではありません。
微妙なオーラの違いがあります。

管楽器に拮抗するピアノの音の例として、
ソニー・スティットのテナー・サックス・ソロを強引に奪うパウエルということで、
『スティット・パウエル・JJ』から《ファイン・アンド・ダンディ》テイク。

確かにスティットが吹いている途中から「ビロビロビロン」と割って入ります。
スティットもこの気合には完全に呑まれてます(笑)。
テナーと対等に渡り合うパウエルはやっぱり凄いです。

犬猿の仲のファッツ・ナバロとの共演。
ナバロのソロに続いて、素晴しいソロをとるパウエル。
ソロが終わったあとの合奏の出を忘れるナバロ。
ナバロが出だしを忘れるほどのソロをとったパウエルを聴いて下さい。
ということで、『ジ・アメイジング・バド・パウエル vol.1』から《ウェイル》別テイク。

骨太ソロなソロを展開してますね。
遅れはほんの一瞬です。
言われないと気付かないと思います。

パウエルのピアノの音は、立っていて芯があります。
某番組にゲスト出演した時にそう言ったら、その番組の方から
「オーディオによって違う」と言われました(笑)。
そういう違いではありません。
詳しく知りたい方は私のブログの某番組のレポートを読んで下さいね(笑)。

芯の強さとはどういうことなのか?ということで、秋吉敏子と比較します。
リズムに乗り遅れたり、ミス・タッチもあるとのこと。
決して秋吉のピアノがダメということではなく、秋吉も良いのだが、
それを越えるパウエルの凄さを聴いてほしいのです。
秋吉敏子『リメンバリング・バド』から《テンパス・フュージット》テーマ部のみ。
時間の関係上やむなくです。

やっぱりタッチが柔らかいですね。

続けて『ジャズ・ジャイアント』から《テンパス・フュージット》。

パウエルの音は骨太で芯があるというか、音が「ジン、ギン」という感じで、
どこかに濁り成分みたいなものが入っているんですよ。
そこがポイントではないかと・・・?

ここまで、速い熱い演奏が多かったので、バラード演奏をということで、
『ジャズ・ジャイアント』から《アイル・キープ・ラビング・ユー》。

後藤さんが「ジャズ・レーベル完全入門」の中で「底なしのロマンチシズム」と
書いていますが、まさにその通りです。
平均して強い演奏なのにそこからさらに盛り上げるところ。
劇的なフレーズと和音を恥ずかしげもなく繰り出すパウエル。
これぞ「快っ感んっ!」

雲さんは「泣ける演奏なんですよ~。」なんて言ってこの演奏に浸ってます(笑)。
大甘な演奏です。

今度は甘さ控えめのバラード演奏。
ここで「シュガーカット」とか言ってますが、これを知っている人はオジサンです(笑)。
『ジ・アメイジング・バド・パウエル vol.2』から《ニューヨークの秋》。

曲は甘いです。
ほとんどテーマしか弾いていませんね。その繰り返しです。
だけど胸にグッと来ます。
私はこれも結構甘いと思うのですが?

クラシックを小さい頃から習っていたパウエルのクラシックの香漂う曲です。
サティー的なものやドビュッシーの香が感じられるとか。
『ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル』から《ダスク・イン・サンディ》。

モノクロームな佇まいの演奏です。
テーマ部の和音の響きにクラシックを感じます。

曲が終わったあと、曲名を《サルバンド》と言い間違えたらしいのですが、
私はあえて似てるという意味で、ふざけてそう言ったのかと思いました。
だって、次の流れにうまくつながっていましたよ。
サティの《サルバンド》の1番に似ているという話になって、ディレクター嬢に確認。
O.K.出ました(笑)。

トリオ演奏とソロ演奏が入った変なアルバム『ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル』
のピアノ・ソロの良さを再発見して、i-podでヘビー・ローテーションなんだとか。
『ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル』から《オフリビアン》。
「オブリビアン」は「忘却」という意味らしいです。

これもロマンティックな曲調です。
忘却ね~。そういわれてみれば、この哀愁。
忘れ去った恋なのかな~と、勝手に想像が膨らみますね。
これも甘い演奏のうちに入ると思います。
ロマンチシズム。いいなあ~。

ノリノリの演奏の陰に埋もれた良い演奏ということで、重く沈むダークな佇まいの曲。
絶頂期と後期の区分として、精神病などの影響が言われます。
その影響で後期は指が動かなくなるのです。
和音がズシンと響く青黒い演奏。
絶頂期でも後期の特徴が感じられつつある演奏ということで、
『バド・パウエルの芸術』から《ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ》。

これはダークですね。ハイ。気分が沈み込みます。
落ち込みたい時に良いかも(笑)。

最後は重苦しい、ミドルテンポの曲です。
『バド・パウエルの芸術』から《インディアナ》。
このテンポにブラシでついていけるのは当時マックス・ローチだけだったとか。

これは軽快で比較的ライトな気分のほうの演奏ですね。
ローチのブラシは良いですね。
短いブラシのソロがまた歌っていて良い。
気持ち良い演奏でした。

今回も確かに暑苦しいところもありましが、
前回のコルトレーンに比べれば、解説することが多かったからなのか、
意外と落着きも感じられました。
しっとりとした曲が真中あたりに続いたせいなのかな~。
今回の放送を聴いて、やっぱりパウエルは良いと思いましたよ。

ミュージックバードで聴いている人の特権「アフター・アワーズ編」

いつになくムーディーな曲で始まりました。
タワレコ渋谷店のジャズ・バイヤー吉村さんオススメの曲だったんですね。
雲さんは「出だしのベースがセクシー」なんて言ってました。
お酒が似合いそうな曲ということで、ディレクター嬢と「ラムが合うね。」とか
盛り上がってました。私もこういう曲は好きです。
もう一枚のオススメ・ピアノ・トリオは、バックの音が薄すぎでよく聴こえませんでした。
詳しくはブログ高野 雲の「快楽ジャズ通信」を見て下さい。

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