今日も松本茜!
今日も松本茜でいきま~す。これってストーカーですか?(笑)
雲さんのラジオ版「快楽ジャズ通信」に松本さんがゲスト出演した時の声がかわいかったからということで、ついにCD『フィニアスに恋して』を買っちゃいました。
「快楽ジャズ通信」でかかった曲《シュガー・レイ》と、「PCMジャズ喫茶」でかかった《オール・ザ・シングス・ユー・アー》の演奏のギャップが気になったので、アルバム全部を聴いてから私なりの位置づけをしたかったのです。
それから、雲さんオススメの《ハーフ・ブラッド》という松本さんのオリジナル曲も是非聴いてみたかったのです。
CDホルダー部の下にはご覧のような写真も、松本さんは声だけじゃなく今時のかわいい女子大生なのでした。今回はオレンジがイメージ・カラーのようで、ほんわか柔らかい感じを演出しているようですね。
早速演奏を聴いてみましょう。
1曲目《スピーク・ロウ》。UPテンポで演奏されるこの曲、アドリブ・フレーズも淀みなく、なんとも軽快なスイング感が気持ちの良い曲です。1曲目に持って来るだけあって、なんともキャッチーな感じの今時のバップ演奏です。
2曲目《ストーリー》。松本さんオリジナル曲です。なんとも懐かしげで、かすかに寂しさが漂う曲ですね。聴いているとしんみりしてきます。ライナーノーツで岩浪さんが「彼女の中のふるさとの原風景ではないか」と書いていますが、そんな感じです。
3曲目《ブロードウェイ》。これも1曲目のようなUPテンポのスインギーな演奏です。バップ・スタイルのピアノをスマートにこなします。こういうUPテンポにおける軽快感は、技術が確かであることをうかがわせますね。アドリブの中で、どんどん低い音に下がっていって、おいおい大丈夫かいなと思っていると、ぎりぎりのところで高い方へ上がってくるところなんかスリリングでした(笑)。
4曲目《スーン》。ミディアム・テンポで演奏されます。こういうテンポだとノリにネバリが出てきますね。こういう演奏が岩浪さん言うところのハンプトン・ホーズ的な部分だと思います。こういう感じが出せるというのは、松本さんがフィニアスとかバップ・ピアノを良く聴いているからなんでしょうね。
5曲目《シュガー・レイ》。これはフィニアズ・ニューボーンJr.の演奏からの影響を感じさせる演奏です。これもミディアム・テンポで演奏されます。これもネバリがあるノリ、つまりアフター・ビートで乗っているわけです。そりゃそうでしょう。「フィニアスに恋して」の演奏ですからね(笑)。今時の20歳の娘がこういうのをやるのは異色だと、ライナーノーツに書いてあります。
6曲目《オール・ザ・シングス・ユー・アー》。この曲については一昨日の「PCMジャス喫茶」のところに書いたとおりです。
7曲目《ハーフ・ブラッド》。松本さんのオリジナル曲です。曲の感じは《ストーリー》と同じでこれも良い曲です。こっちの曲のほうが寂しさUPかな?(笑)故郷鳥取県米子市を離れ東京で一人暮らしをする松本さん。夜一人部屋に戻りベランダから月を見上げて涙する(あれ、どこかから引用してる?)。そんな心境を感じさせる曲です。ちょっとロマンチックすぎますか?(笑)
最後に、ピアノの弾き方は右手の単音に左手の和音を重ねるオーソドックスなバップ・ピアノですね。右手のタッチはまろやかですが、繰り出される音にはしっかりした芯がとおっているのも特徴です。これがかなり粒立ちの良い音で、聴いていると気持ちが良いです。
とまあ全曲について解説したのは、松本さんの色んな面が詰まったアルバムだからです。このアルバムはつまり「イントロデューシング松本茜」なのです。タイトルの「フィニアスに恋して」はマーケットでのウケ狙いですね。
ベースとドラムが松本さんのピアノのバック・アップに徹しているのも、今回のアルバムが松本さんのピアノを聴かせることに主眼を置いたデビュー・アルバムだからだと思われます。勘ぐると松本さんがベースとドラムとのインタープレイを重視する演奏に慣れていないのかなとも思います。
松本さんの今後の方向性として、フィニアスのようなバップ・ピアノ路線なのか、オリジナルをやるときのような繊細、叙情路線なのかというのが気になりますよね?
雲さんもそのことが気になったので、「快楽ジャズ通信」ではフィニアスをテーマにして、このアルバムからは《シュガー・レイ》をかけて、松本さんに質問していたのです。その結果は前に書いたとおりです。今後を見守っていきましょう。
でっ、次回のアルバムは12月に発売されます。それも2枚『バッハ・ジャズ』と『バカラック・ジャズ』だそうです。クラシック界とポップス界から2大作曲家を選び、それぞれの曲を演奏するコンセプト・アルバムのようですね。どうやらフィニアス路線は本人の意向に反して封印されているみたいです。どんな演奏をしているか楽しみです。
余談をちょっと。
このアルバムのライナーノーツは岩浪洋三さんがメインで、寺島靖国さんと杉田宏樹さんも書いています。杉田さんのライナーは「スイングジャーナル6月号」のレビューとほぼ同じですが、問題は寺島さんです(笑)。
ライナーでは「《スーン》と《オール・ザ・シングス・ユー・アー》が好きで、今後長く聞いてゆくことになるだろう。」と書いていて、特に後者はお気に入りのようでした。雲さんだってこれを読んだから、「PCMジャス喫茶」でこの曲をかけて感想を聞いたんだと思いますよ。それがどうでしょう?私がレポートしているとおりのありさまです(笑)。ジャズ・ジャーナリズムって何?
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コメント
いっきさん、おはようございます。
おじぃさんは物覚えが悪いので、許してやってください。昨日の事でも忘れます(笑)。
オレンジの写真を見ると・・・本人よりも「お姉さん系」に見えますが、実際はもっと子供っぽいですよ。左顔のせいでしょうか?
オイラが思うに『バッハ・ジャズ』と『バカラック・ジャズ』は危険だな。分かるけど、微妙な選択だな〜ぁ。オイラは十代のころから、バカラック好きなだけに・・・ジャズとは違う評価をしちゃうだろうな〜(笑)。フィニアス路線でいいのに(泣)。
投稿: tommy | 2008年10月23日 (木) 10時43分
「寺島発言」には、私ものけぞりました(笑)。
オフレコでは、もっと凄いこと言ってましたが、とてもここには書けません(涙)。
投稿: 雲 | 2008年10月23日 (木) 12時14分
こんばんは。tommyさん。雲さん。
寺島発言には苦笑するしかあません。
オフレコでどんなことを言ったのかも興味津々です。
雲さん、次にお会いするときに教えて下さい(笑)。
あの写真より子供っぽいんでしょうね。
写真と声のギャップが大きすぎますもん。
『バッハ・ジャズ』と『バカラック・ジャズ』はどうなるんでしょうね?まだ若いから、もしダメなら軌道修正すれば良いと思います。
私もバカラックが好きなので、期待してはいるのですが・・・。
投稿: いっき | 2008年10月23日 (木) 22時03分