強力インプロバイザー、それはトニー・マラビーだっ!
昨日まで茜ちゃんカワイイとか書いていたのに、今日はどうしちゃったの?
ムリしてない?とか思うでしょうね。イイんです!
今日は現代屈指のサックス・インプロバイザー、トニー・マラビーを紹介します。
まずは、ちょっと前に出た新譜『タマリンド』(2007年rec. clean feed)から。メンバーは、トニー・マラビー(ts,ss)、ウィリアム・パーカー(b)、ナシート・ウェイツ(ds)です。サックス・トリオですね。
ジャケットからして見るからに危険です(笑)。スピリチュアルな怪しさが漂った良いジャケットだと思いませんか?
このCDを最初に聴いたのは、3月末に行われたジャズ喫茶「いーぐる」の連続講演、益子博之さんによる「21世紀ジャズへのいくつかの補助線~第4回・即興について」の時です。私は、この講演の第1回から全てに参加したおかげで、現代ジャズをかなり楽しめるようになりました。この時のレポートはhttp://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_9bbd.html を参照して下さい。当時は当然日本では売っていませんでした。
それがやっと発売されたので、早速買いました。ポルトガルのクリーン・フィード・レーベルから発売され、ディスクユニオンで輸入販売しています。日本語解説は「いーぐる」ゆかりのジャズ批評誌元編集長の原田和典さんです。気合を入れて解説を書いていますね(笑)。
内容は、フリー・ジャズです。強力なベースとドラムのうねり粘るリズムにのって、益子さんの言う”グリッチ”と”触覚的音”で、テナー・サックスとソプラノ・サックスを、ブリブリ、ゾワゾワ、パフパフ、シュリシュリ、ギョヒギョヒとブローしまくります。ブローしまくるっていったって、ただ荒れ狂うのみじゃなく、ある局面では繊細なやりとりもなされています。これが結構気持ちエエのです。
clean feedレーベルは、フリー・ジャズの最重要レーベルのひとつで、ニューヨークのフリー・ジャズを積極的に録音しています。フリー・ジャズ好でこのレーベルを知らない人はモグリです(笑)。なお、このレーベルの作品をちゃんとフォローしているのは、日本ではディスクユニオンくらいだと思います。
ついでに後2枚トニー・マラビーのサックス・トリオを紹介しましょう。いづれも「21世紀ジャズへのいくつかの補助線~第4回・即興について」で紹介されました。
1枚目はマーク・アライアスのグループ:オープン・ルースの『ストレンジ・ユニゾン』(2007年rec. Radio Legs Music)です。メンバーは、マーク・アライアス(b)、トム・レイニー(ds)、トニー・マラビー(ts)です。
このジャケットは、メンバー3人の写真です。左レイニー、真中マラビー、右アライアスです。微妙にゆるさというかオトボケ風味がありますよね。
このアルバムは、ジャズ喫茶「いーぐる」の「上半期新譜特集」http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_4f47.html でも紹介されました。全曲アライアスが作曲してるので、フリー・インプロビゼーション全開の曲だけでなく、ちょっといなたいゆるめの曲もあるので、聴きやすいと思います。まあ、そういう曲でもマラビーは手抜きなしですが、アライアスとレイニーが一癖あるので、独特の味わいがあります。まさにジャケ写のとおりなんですよ。
2枚目はグループ:トーン・コレクターの『トーン・コレクター』(2004年rec.jazzaway)です。メンバーは、トニー・マラビー(ts)、アイヴィン・オプスヴィーク(b)、ジェフ・デイヴィス(ds)です。フリー・ジャズを担う若手3人ですね。
このジャケットは見るからに危ない!間違いなく難解ジャズです(笑)。
こちらは最初に紹介した『タマリンド』に近い感じで、フリー・インプロビゼーションをブリブリかましています。リズムはうねりよりキレと反応重視かなという感じがします。若さ溢れるストレートさがあります。
しかめっ面なさらずにこういうのも聴いてみてやって下さ~い。ヨロシク!
| 固定リンク
「ジャズ・アルバム紹介」カテゴリの記事
- 追悼、チック・コリア。(2021.02.14)
- このアルバムのこの曲が好き!(2021.02.07)
- こんなの聴いています。(2021.01.03)
- 新年明けましておめでとうございます。(2018.01.01)
- 懐かしい響きの原因が分かりました。(2016.03.06)
コメント