Kofu Jazz Street2008!(その1)
「Kofu Jazz Street2008」は、「甲府まちなかミュージックフェスタ2008」
http://www.kofucci.or.jp/cci/syogyou/m-festa/20m-festa.htm
のメインイヴェントとして開催されています。
今年で3回目なんだそうです。
ずっと前からやっていたのかと思っていましたよ。
私は昨年も見に行きましたから、常連さんということでお願いします(笑)。
今年は「桜座」でのオープニングセレモニー(開会式)にも参加しました。
このイヴェントを主催する商工会の会長さんのお話もありました。ジャズで町興しの波に安易にのっかている感はありますが、イヴェント自体はジャズファンの私から見ても結構うまくいっているんじゃないかと思います。
その背景には、老舗「ジャズ・イン・アローン」のマスター、新宿ピット・インで活躍され今は「桜座」のライブを仕切っている怪物さん、仕切り上手な「コットンクラブ」のオーナーの存在があることは間違いありません。
昨年は「アローン」「コットンクラブ」「アルフィー」「桜座」の4箇所がライブ会場だったのですが、今年は「THE VAULT」「花国」の2箇所が加わって6箇所になりました。去年は各会場で立ち見が出るほどの混雑だったので、会場を2箇所増やしたんじゃないかなんて会話も耳にしました。
全部のライブを見ない人がいるだろうからと言うことで、オープニングでは全参加ミュージシャンの紹介がありました。各会場に出演するミュージシャンはパスポート写真を参照願います。
更に、参加ミュージシャンが交代で演奏する面白いセッションがありました。会場にはギター2本、ベース1本、ピアノ1台、ドラム1台しかないので演奏中に交代しながらやると言うのですから面白い。セッションの仕切りはクラリネットの谷口英治さんです。曲はチャリー・パーカーの《ナウズ・ザ・タイム》。
さて演奏やいかに。トロンボーンの片岡雄三さんは音が素晴しい、豪快ボントロここにありです。テナー・サックスの右近茂さんは普通に上手いです(笑)。クラリネットの谷口さんはスマートでカッコイいいフレージングが好きです(CD2枚持ってます)。ギターは小沼ようすけさん、近藤房之助さん、それぞれ上手い。最後のソロはDEEPCOUNTの三田村卓さんだろうか?ブルージーなギターがなかなか良かったです。
私はピアノに注目していました。最初は安井さち子さん。この人スマートで身長が高いんですね。そしてピアノの音が大きいんです。CDを聴いて感じていたんですが、おおらかな母性愛を感じます(笑)。それとあの高音から手を横に流してやる「ギャローーーン」もやっていました。これに象徴されるように、安井さんのピアノはジャズ・ピアノ・エンターテインメントなんだろうなと思います。
続いて川上さとみさん。同じピアノのなのに音が全然違うんです。同じピアノで弾く人が変わるのって初めて体験したんですが、変わるもんですね。ビックリ!川上さんの音は独特です。単なるきれいじゃなくて音に気持ちの良い濁りがあって濃厚なんですよ。「ジ~ン」って感じかな?「う~ん、ジャズなんだよな、ジャズ」。音の響き具合やフレージングにはやっぱりバド・パウエルを感じますね。女性なのに脚をがに股に開いちゃって弾く姿からは濃いジャズ・オーラが醸し出されていました(笑)。
その後は神塚淳さん。前の2人の女性が強烈だったので、神塚さんのピアノはほとんど印象薄いです。ゴメンナサイ!ドラムは大槻カルタ英宣さんのバスドラ・ドカドカのヘビーなノリと、大御所大隈寿男さんの安定したドラムが良かったですね。大隈さんの後にドラムを叩いた方は明らかに4ビート・ドラミングに慣れてなくてアイタタタッ!見かねた大隈さんが交代なんて一幕も(笑)。最後に詩の朗読までありました。楽しいセッションでした。
オープニングセレモニーが終わったので近くのイタリア料理店でカルボナーラ・スパゲッティを食べました。イヴェントのパスポートを首から下げたままで食べていたら、イヴェント便乗サービスでアイスクリームが出てきました。ちょっとしたことだけどこう言うのってうれしいサービスですよね。
いよいよライブを見に行くことに、最初は「アルフィー」で川上さとみさんのピアノ・トリオを見ることにしました。メンバーは、ベース:田鹿雅裕さん、ドラムス:佐藤正さんです。お店に入ると、川上さんがPAの音の調整をしていました。川上さんは背も低いし華奢な方なのです。腕だって細いのでどうやったら濃い濁り系の音が出てくるのだろうという感じです。
このお店は他店より飲み物や食べ物が高めです。お店の雰囲気は高級ジャズバーな雰囲気ですね。メインスピーカーはJBLの初代エベレストです。サブがボーズの901で天井近くにセットされています。なんという贅沢なスピーカー達なのだろう。このお店に来る人の半分もその価値を知らない人達なんだろうなあ~。
私はカウンターのステージから一番離れたところに案内されたのですが最悪でした。前に居る人が身を乗り出すし、後から来た客が1人なのにステージ前の4人がけテーブルに座って視界をさえぎるし、ステージがよく見えない。演奏中には脇をボーイさんがとおるから邪魔くさいし(涙)。演奏時間になってもお客さんがまばらだったのが、ちょっときになりましたが、お客の出足が悪かったようで、演奏終わり間近にはたくさん入ってきました。
さて演奏はと言うと、これはもうバップ・ピアノそのものなのです。こころなしが指をあまり立てずに伸ばし加減で弾くようにも見え、「オッ!パウエルばりじゃないですか?」なんて言いたくなりました。この弾き方が「ジ~ン」な音を出しているような感じもします。写真はフラッシュなしなのでブレブレですが雰囲気のみ感じて下さい(笑)。
新譜『イノセント・アイズ』からは寺島靖国さんお気に入りの《レジェンド》を弾いてくれました。《クレオパトラの夢》も演奏したのでパウエルばりのバップ・ピアノが楽しめましたよ。もちろんそれだけじゃなく、自作の美メロ曲《ティアラ》とか独特の陰影美のある《イノセント・アイズ》とかも演奏してくれました。
ただ私は川上さんのピアノはバップ演奏が気に入りました。パウエルばりのバップ・ピアノを現代に伝える王道ジャス・ピアニストって、いいじゃないですか?ご本人から醸し出される独特のジャズ・オーラにも惹かれました。こういう女性ジャズ・ピアニストもいるんですね。
ステージ後にサイン会&CD販売をしていたので、私はCDを買ってサインをもらってきました。決してミーハーじゃなくて演奏が気に入ったんですよ(笑)。握手したとき川上さんは極ソフトだったのに私はちょっと強く握りすぎたかなっ?握力が強いほうなので気をつけなきゃっいけないかも?でもあの細い手からよくあの音がだせるなあ~。
今日はここまで、続きをお楽しみに!
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コメント
いや〜、いっきさん。ライブ三昧でしたね。
みんなジャズが好きなのではなく、ライブが好きなんですよね(笑)。お祭り好き?
川上さとみさんは良さそうですね・・・いっきさんのレポートを読む限り(笑)。
今度、雲さんの番組に呼んで貰いましょう。パウエル特集で!
投稿: tommy | 2008年10月27日 (月) 00時46分
tommyさん。こんばんは。
音楽で町興し、難しいですね。
「甲府まちなかミュージックフェスタ」を1ヶ月やったって、お客さんの動員力はそれほどないと思います。
郊外への新たな超大型店舗の出店を巡っては、甲府中心部の商店街とひともめあったばかりなんですよ。
県知事が間に入って店舗面積の縮小でやっと折り合いがつきました。
「Kofu Jazz Street2008」だけは、結構人が集まってきます。でも、客層を見た限りでは普段ジャズを聴いている人は1/3もいないと思います。tommyさんがおっしゃるとおり、ほとんどがお祭りライブ好きな人達です(笑)。
そう言えば、ジャズ批評の日本人女性ジャズ・ピアニスト対談でtommyさんが出したクイズ、ケニー・ドリュー『イントロデューシング』、バリー・ハリス『マグニフィセント』と比較したのが、川上さとみさんだったんですね。『イノセント・アイズ』の過剰演出音に雲さんは酔っちゃったんですよね(笑)。
私は潔いバップ・ピアノがイイと思いましたけど、雲さんはどうなんでしょうね~。
「スコット・ラファロ」の存在が地元で着実に認められて、ライブも好評と、開店からまだ半年ちょっとなんですから、凄いですよね。応援します。
投稿: いっき | 2008年10月27日 (月) 21時10分
いっきさん、こんばんは。
今週末のライブも定員オーバーで頭がイタイす。「45人以上入れるな!」と指示してあったのですが、前売り完売後、ミュージシャンの奥さんだの、友だちだので50人は超えてしまいそう(泣)。
東京だと「もう入れません」って言えるけど、地方はそうも行かないみたいです。オイラはその日が儲かるより、雰囲気のいい店だと思われたいので、定員オーバーしたくないんですよ。ライブの時ってただでさえサービスが粗雑になるし。
んで、今日突然ライブの2部はシカゴの前衛ジャズ集団AACMに所属、アート・ブレイキーのバンドにもいたフランク・ゴードン(tp)さんが飛び入り参加することになったと云うし(笑)。
気合いが入っちゃって、ドラマーはドラマーで自分のドラムを持ち込みたいと云い出すし(笑)。録音、PAの安次富さんも管が入る事になって、またまたボルテージ・アップです。
まぁ、いいことなのですが・・・トラブルが起こりそうで頭がイタイ!(笑)
投稿: tommy | 2008年10月28日 (火) 01時14分
tommyさん。こんばんは。
最近自分のブログUPに追われて、tommyさんのブログにコメントを入られなくてごめんなさい。
前回の池田芳雄さん特別ライブも店員オーバーで椅子確保が大変だったんですよね。サービスの件でもtommyさん凄く心配してましたよね。なかなかうまくいきませんね。でも凄い集客力です。
フランク・ゴードンさんは知らなかったのですが、ジャズ・メッセンジャーズにいたっていうのは凄いじゃないですか。今度のライブも凄く盛り上がりそう出すね~。
みんな張り切るのはわかりますが、そういう時はトラブルがあったりしますよね~。でもユタカさんがきっと何とかしてくれると思いますよ。
投稿: いっき | 2008年10月28日 (火) 02時01分