ジョンスコと言うとコレ。
先ほど福田首相が辞任しましたね。無責任安部さんのあとを受けて、こんなところでもう限界なのでしょうね。あとは解散総選挙へと進むんでしょう。
さて今日は私が好きなギタリストの一人ジョン・スコフィールドのアルバムを紹介しましょう。ジョンスコと略して呼ぶことにします。ジョンスコを初めて聴いたのは、日野皓正のアルバム『メイ・ダンス』です。このアルバムは前にブログで紹介 http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_079a.html していますので参照して下さい。その時の印象はクセの強いギターだなあというものでしたが、私は好きになりました。
その後マイルス・バンドに起用された時は、私の見る目も捨てたものじゃないな~とちょっと悦に入りました(笑)。マイルス・バンドに起用されてからはたちまち人気上昇となるわけです。
そんなジョンスコがマイルス・バンド脱退後に出したアルバムが今日紹介する『スティル・ウォーム(邦題:いなせ)』(1985年rec. GRAMAVISION/ポニー・キャンイオン)です。原題とは無関係な邦題は漢字変換できません(笑)。ジョンスコのギター、「いなせ」と言えば「いなせ」かな。まあ、スティル・ウォームよりインパクトがあるんで付けたんでしょうね。
メンバーは、ジョン・スコフィールド(el-g)、ドン・グロルニック(key)、ダリル・ジョーンズ(b)、オマー・ハキム(ds)です。どうです超強力メンバーじゃないですか。ステップスにいたドン・グロルニックとマイルス・バンドにいたダリル・ジョーンズとウェザー・リポートにいたオマー・ハキムという錚々たるものです。当時のジャズ/フュージョン系バンドのリズム陣の最精鋭部隊(笑)。
このライナーノーツがスイングジャーナル誌の中山康樹さんの記事をまんま転載した手抜きものなのですが(笑)、その中に興味深いことが書かれています。中山さんが菊地雅章さんから聞いたジョンスコの話がそれなんですが以下に要訳します。
「今一番注目している才能あるギタリスト。日野皓正と新しいバンドのオーディションでジョンスコを聴くと、何をやっているのか全くわからなかった。”ズレ”ているというか”ハズレ”ているというか、うまく乗れないので帰ってもらった。その後マイルスとやっているのを聴いて、これをやっていたんだって、ようやく理解できた。オーディションの時に理解できなかった自分に腹が立った。」*注:ブログの『メイ・ダンス』のところで、「ヒノテルが何をやっているかわからなかった。」と書いたのはこの記事の勘違いでした。スミマセン。
最初からジョンスコ節炸裂です。ブルージーでちょっとひねくれたメロディー。当時はかなり変なメロディーだと思いましたが、最近のアブストラクトなメロディーをたくさん聴いた今となっては、哀愁感漂う良いメロディーだと思います。
ジョンスコのギターを、バックの3人がシンプルにして効果的にサポートしています。特にグロルニックの優しく包むバッキングとメロディアスなソロ、オマー・ハキムの抜群のキレで強力にグルーヴするドラミングは素晴しいです。ダリル・ジョーンズは堅実に仕事をこなしているのはわかるんですけどなんか地味なんですよね。
私は《プロトコール》~《ルール・オブ・サム》~《ピック・アンド・パン》の流れが好きなんですよ。 《プロトコール》は変な曲ですね。音楽知識がないのでうまく説明できないんですが、一定のリズム・パターンが続き、ベースはあるフレーズを繰り返すだけ、その上でジョンスコとグロルニックが変なメロディーを弾くという曲。何度も聴くと妙に嵌ってしまう曲なんです。
《ルール・オブ・サム》は一転して、哀愁感の詰まったスロー・テンポの良い曲。ジョンスコ流ブルージーな泣きのギターが聴けます。グロルニックの短いピアノ・ソロがまた哀愁感抜群の泣けるソロなんですよね。続く《ピック・アンド・パン》はこれぞジョンスコっていう感じの曲です。ミディアム・テンポでオマー・ハキムが気持ち良いリズムを刻み、その上で繰り広げられるギター・ソロは最高です。
このアルバムが発売されたときは、日本でのジョンスコ人気はまだ今一だったと記憶しています。どこで人気が爆発したかと言うと、ドラマーの「メガトン・ボム」ことデニス・チェンバースを引き連れて来日した時ですね。
その時の模様はライヴ録音され『 ピック・ヒッツ・ライヴ』(1987年rec. GRAMAVISION)というCDになります。この1曲目がこれぞジョンスコの《ピック・アンド・パン》です。《プロトコール》ではデニス・チェンバースの超重量級バカテク・ドラムが炸裂しています。当時かなりの衝撃を与えたらしいです。このアルバムもジョンスコ・ファンは必聴ですね。
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