バーシアが好き!
今日はジャズじゃありません。「バーシア」です。女性歌手です。私はバーシアが好きなんです。バーシアご本人じゃなくて、この方の歌が好きなのですよ。オーネット・コールマンの次がこれじゃあって思っているあなた。いいんです!
もう20年近く前の話になってしまいます。当時はカーステレオで聴くためにもっはらレンタルCDをカセットにダビング(今や死語?)していました。当時もジャズは好きだったのですが、自動車ではジャズは聴きませんでした。何を聴いていたかというと当時流行りの今で言うJポップ。杏里や平松愛理や谷村夕美なんかが好きでした。平松愛理と言えば《部屋とTシャツと私》が大ヒットしましたよね。懐かしい!
そんな頃、当時何かのCMソングをバーシアが歌っていて気に入ったのです。その曲は《クルージング・フォー・ブルージング》です。この歌がバックに流れたCMを覚えている方がいたら教えて下さい!
今日はその曲が入ったアルバム『ロンドン・ワルシャワ・ニューヨーク』(1990年、エピック)を紹介します。CM曲《クルージング・フォー・ブルージング》はこのアルバムの1曲目に入っています。ジャケ写はバーシアさん。美人さんですね~。
まずバーシアについてちょっと紹介しておきましょう。本名はバーバラ・チェチェレフスカ。いかにもポーランドなお名前じゃありませんか。故国を出てソ連や東欧をバンド行脚して、アメリカにも渡ったあとイギリスに落着いたとか、そしてマット・ビアンコ(ファッショナブルなバンド)に加入して有名になった人です。
夫であるダニー・ホワイトとともにマット・ビアンコを脱退したあとソロ・デビューし、本アルバムはソロ2作目です。ダニー・ホワイトがキーボードとプログラミングを担当し、共同プロヂューサーとして名をつらねています。
私が好きな《クルージング・フォー・ブルージング》はちょっとエキゾチックな香漂う何ともオシャレな曲なのです。他の曲もオシャレな曲が並んでいますが、アメリカン・ポップとは違ってちょっと憂いをおびた感じがイギリス的と言いましょうか、私はそこが好きなんです。そして一番のお気に入りは上質フュージョン的なサウンド・アレンジメント。私のツボです。
バーシアの歌はと言うと、ちょっと低めの声で力強くてクールな感じ、そこにほのかな色気が漂うんです。私としてはこのくらいの色気の按配が心地良いんですよ。
実はこの次のアルバム『ザ・スウィーテスト・イリュージョン』の方がサウンドが豪華になっていて好きんなんですが、バーシアとの出会いのアルバムと言うことで、今回は上記のアルバムを紹介させていただきました。
雲さんもバーシアが好きだといううれしいコメントをいただきましたので、ジャケット写真をUPしておきます。発売当時このジャケットビジュアルが渋谷の街中を席巻していたとか。
「当時の時代の「気分」と、バーシアのサウンドが持つ締まりのあるクールなゴージャス感が、バブル崩壊後の街のしらけた空気に妙に溶け込んでいたように、今となっては感じます。」と、カッコイイコメントをいただきました。
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コメント
いっきさん、こんにちは。
そうなんですよ。ジャズを楽しく聴くには、ジャンルが違うブレイク・ミュージックが必要だと思います。んで、そのアルバムが自分の思いでの音楽になります。ジャズの聴きはじめの頃ははジャズのアルバムが思い出の音楽なのですが、かなりの枚数を聴き込むようになると日常になってしまい、思いではしみ込みにくくなります(笑)。そういう時にいつもは聴かないジャンルの音楽でお気に入りができるといいのです。・・・時々、ジャズのアルバムでも、チョーダメダメアルバムにそれが起こることがある(笑)。誰も良いと言わないアルバムの1曲が、自分だけスゴク好きになる現象。メロディーが、その時の自分の気持ちに重なるんですよ。
投稿: tommy | 2008年9月11日 (木) 16時33分
tommyさん。こんばんは。
>ジャズの聴きはじめの頃ははジャズのアルバムが思い出の音楽なのですが、かなりの枚数を聴き込むようになると日常になってしまい、思いではしみ込みにくくなります(笑)。そういう時にいつもは聴かないジャンルの音楽でお気に入りができるといいのです。
まさにその通りですね。
この当時、私はマイカーに乗ってドライブするほうが楽しくて、ジャズは聴かなくなりつつある頃でもありました。そんな関係でこういうポップスのアルバムの思い出の方が残っています。
>時々、ジャズのアルバムでも、チョーダメダメアルバムにそれが起こることがある(笑)。誰も良いと言わないアルバムの1曲が、自分だけスゴク好きになる現象。
これもありますね。tommyさんの言うことは深いですね。
投稿: いっき | 2008年9月11日 (木) 20時34分
バーシア、私も好きです。
『スウィーテスト・イリュージョン』が新譜だった頃は、
あの油絵のようなジャケットビジュアルが
渋谷の町中を席捲してました。
彼女が(今の女房が)バーシアのその新譜持っていて、
借りて聴いたときは、
ポーランド=暗そう
油絵ジャケット=レンブラントほどではないけど暗め
なイメージを払拭する明るいサウンドが飛び出してきてビックらこいた思い出があります。
ちょうど、このアルバムが流行っていたころ、
デビューしたての楡修平が、『Cの福音』という犯罪小説で、
クリスマスシーズンの街の情景を、バーシアの音楽を描写の手段のひとつに使っていましたが、これを読んだとき、当時の街の情景がパッと思い浮かびました。
それだけ流行っていて、街中に流れていたということもあるのだろうし、当時の時代の「気分」と、バーシアのサウンドが持つ締まりのあるクールなゴージャス感が、バブル末期の街の空気を活写していたように、今となっては感じます。
投稿: 雲 | 2008年9月11日 (木) 22時33分
雲さん。こんばんは。
雲さんもバーシアが好きだとはうれしいです(笑)。
『スウィーテスト・イリュージョン』ってそんなに派手に売り出していたんですか?言われてみれば確かにジャケットの絵は暗めですね。でもサウンドは明るくて力強いですよね。
雲さんの当時の思い出も興味深いものがあります。
私はその頃仕事に追われていて、世間の様子とかあんまり記憶に残っていないです(笑)。実はグループ会社の研修施設が南青山にあって、当時は研修を受けていたので2週間おきに南青山に行っていました。その研修は1年半の長期に及ぶもので、毎回1泊していたので同僚と周辺の飲み屋によく行ったんですよ。『スウィーテスト・イリュージョン』はその研修の帰りによった秋葉原の石丸電気あたりで買ったような気がします。
投稿: いっき | 2008年9月12日 (金) 00時13分
いっきさん、ごめんなさい、
『スウィーテスト・イリュージョン』が発売された頃は、
すでにバブル崩壊してました(汗)。
それに、私、結婚してましたね(汗)。
10年以上経つと記憶の時系列が曖昧になってしまうのが恐ろしい……、年かなぁ(汗)。
せっかく転載までしていただいたのに申し訳ありませんが、
もし、そのまま転載いただけるのであれば、
×バブル末期の街の空気を活写していたように、
○バブル崩壊後の街のしらけた空気に妙に溶け込んでいたように
にしてください。スイマセンが。
あ、でも、渋谷のロフトの前などには、
大きなシルクポスターがかかっていたり、
というのはホントです(笑)。
かなり派手に売り出してましたね。
あの頃の私は、渋谷に着くと、
バーシアの宣伝ビジュアルを見て、
「スイング」に行ってジャズを浴びて、
また渋谷の街中で、バーシアの看板やポスターを見ながら、
タワレコやユニオンでジャズのCDを買う、
という生活の繰り返しでした。
ですので、いっきさんとは、距離的にも近いところでウロウロしていたんですね(笑)。
1年半も研修ですか!
長いですねぇ~。
>サウンドは明るくて力強いですよね。
そうですね。なんかジャケットよりもスミ(黒)の成分が抜けたカラフルさを感じました。
でも、アンサンブルは引き締まってるんですよね。
特に、エレクトリックベースの低音にしびれました。
フォデラ(アンソニー・ジャクソンのベースを作っているメーカー)のベースっぽい音色がカッコよかったです。
(実際はフォデラなのかどうかは分かりませんが)
投稿: 雲 | 2008年9月12日 (金) 06時47分
雲さん。こんばんは。
私なんかどのへんでバブル崩壊と言うのかさえよくわからなくなってます(汗)。10年以上経てば誰でも時系列は怪しくなると思いますよ。転載させていただいた文は変更しました。
研修は1年半と言っても、2週間に1度1泊2日で南青山の研修所でやるものだったので、東京滞在期間は短いです。宿題とか出たので結構大変でした。何度か渋谷の東急ハンズに買い物をしに行ったので、ニアミスがあったかもしれませんね(笑)。
翌年の1995年には阪神淡路大震災とオウム真理教の地下鉄サリン事件があってビックリしましたよ。茨城から上野駅に出てそこから地下鉄銀座線で表参道駅まで来ていましたから、路線は違うにしてもサリン事件後はあまり気持ちよいものではありませんでした。
『スウィーテスト・イリュージョン』は、言われてみればベースがアンソニーのフォデラっぽく「ブンブン」カッコイイです。今まであんまり意識していませんでした。いいかげんな聴き方ですね(汗)。
投稿: いっき | 2008年9月12日 (金) 20時24分
いっきさん
どうもありがとうございます、お手間かけさせてしまってスイマセン。
そうそう、震災にオウムにと、結構暗いことが多かった時でしたね。
だからかな、あのジャケットイメージとは裏腹なアッケラカンとした明るさが、砂に水が染みこむように、時代の空気に溶けこんでいったのかもしれない。
……というのは大げさかもしれませんが、
少なくとも、私の中には、スッとはいってきました。
はぁぁ、オレ車の免許持ってないけど、これかけながらドライブすると素敵だろうなぁ、なんて思ってましたから(笑)。
今度tommyさんに会ったときは、無理やり聴かせて感想を聞いてよう(笑)。
ちょうど、この音楽が流行ったのは、tommyさんが「ジャズ絶ち」している真っ最中の頃だと思うので、もしかしたら、いや、ゼッタイ、tommyさん耳にしていると思います。
撮影スタジオとかでは、FENなんかをラジカセからかけっぱなしにしていることが多いんだけど(CDだと取り替えるのがいちいち面倒だから)、その頃のtommyさんは、まさに「ジャズ絶ち」しながら、そういう仕事を沢山していたはずだから。
>今まであんまり意識していませんでした。
いや、ベーシストでもないのに、そこまで意識して聞きませんよ(笑)。
そういえば、ちょうどその頃、「渋谷系」なポップス流行ってましたよね?(笑)
その筆頭格がオリジナル・ラブでしたが、
そういえば、《Let's Go》や《サンシャインロマンス》といった曲のベースの音色もフォデラみたいな音だったなぁ。
実際はフォデラかどうかは分からないけど。
エッジが際立ち過ぎるジャズベースが得意とする音色とはまた違った締まりのある重低音。
リッチな膨らみもあるんだけれども、低音の輪郭がグッと引き締まった腰のある音色。
もしかしたら、その時代のひとつの低音のサウンドメイキングの方向性が、フォデラ志向だったのかもしれません。
つまり、アンソニーのフォロワーたちがプロとして活躍しはじめた時期? フォデラを使ってみたり、もしくはアンソニーのサウンドメイキングを参考にしたセッティングが流行っていたとか?
あくまで、仮説ですが、私のベースの師匠も、ちょうどこの時期に中古のフォデラを手に入れて、改造したりステージでも意識的に使うようにしていたのもちょうどこの頃だったので、90年代初頭って、なんとなく、私の頭の中はフォデラの音がぐるぐると回っていたような気がします。 もっとも、それもまた記憶の時系列が狂っているかもしれませんが(笑)。
ただ、SMAPなどの歌謡曲をはじめとして、ふと耳にする音の多くのエレキベースの音って、フォデラ独特のリッチで輪郭の締まった音が、街の匂いと一緒になってセットで記憶されているんですよ。
だから、レニー・クラヴィッツを聴いたときは、
「はあ、フェンダーの音だ!懐かしいロックの音だ!」
とロック好きでもないのに、妙に安心した記憶があるのです。
フォデラを中心としたアクティブ系ベース(簡単にえば電池をいれて音を出すベースネ)の音漬けになっていた耳には、パッシヴ系(こちらは電池なしです)の暖かい音色は、ほっとさせる音色でした。
オーディオには詳しくないのですが、もしかしたら、パッシブとアクティブの音色のニュアンスの違いって、アンプでいえば、真空管とトランジスタの違いのようなものなんでしょうかね?
どうもアクティブ系のベースの音は、ヌル~っとした電気的な肌触りが微妙にあるんですよ。
投稿: 雲 | 2008年9月12日 (金) 21時04分
雲さん。
おやすいごようです。
バーシアを聴きながら高速とか走らせると最高に気持ちイイですよ。私の場合はちょっととばし過ぎるので危険なんですが(笑)。
でも車がなくても生活できる東京の便利さを味わってしまうと、いちいち車で行く地方の生活がめんどくさくなります。
tommyさんがバーシアをどう思うかは気になるところです。
今オリジナル・ラブの『サニー・サイド・オブ・オリジナル・ラブ』のカセットを引っ張り出してきて聴いています。
カセット・デッキが故障中なので、CDラジカセで聴いているんですが、雲さんが言うような音になってますね。確かに。
いや~、何年かぶりに聴きましたよ「渋谷系」。懐かしすぎます(笑)。
《サンシャイン・ロマンス》はパーカッションが効果的でなかなか快適ですね~。う~ん、フォデラってます(笑)。この曲好きです。
この頃って確かにみんなこんな感じのサウンドでしたね。こういうサウンド好きですよ。
パッシブとアクティブの音色のニュアンスの違いが、真空管とトランジスタの違いかどうかについては、なんとも言えないですね~。
投稿: いっき | 2008年9月12日 (金) 23時37分