下北沢マサコにも行きました。
JBSへ行ったあと、帰りの電車に乗るまでにまだ時間があったので、久しぶりに下北沢のジャズ喫茶「マサコ」へ行くことにしました。数ヶ月ぶりです。
渋谷からは京王井の頭線で下北沢へ向かいます。実は「マサコ」にいた私のお気に入りのカワイイ店員さんはお店をやめてしまいました。その店員さんの優しい笑顔に癒されていた私としてはちょっと寂しいのですが、こればっかりはしょうがないです。
そんなことを思いながらお店に入ると新しい店員さんがいました。なかなかの美人さんではありませんか。でも笑顔がな~い。あくまでクールなのでした。私としては変な作り笑いをされるよりはクールなほうがいいですが、何度か通えば笑顔を見せてくれるのかなあ~?
ちなみに「マサコ」にはいつも女性の店員さんが2人いて、厨房とフロアーを交代で担当しています。ですから今回ももう一人店員さんがいたのですが、その店員さんはたしか2年くらい前からいます。私が勝手にイメージしている下北の劇団員という感じです。なんだかよくわかりませんよね(笑)。
前にも書きましたが「マサコ」の選曲は普通のジャズ喫茶とはちょっと違います。ジャズ名盤がかかったり、サイケなジャズがかかったり、フュージョンがかかったり、スリー・ブラインド・マイスがかかったり、アメリカン・クラーヴェの『アンソロジー』がかかったり、更にSJ誌に掲載されている新譜がかかったりと、もう無手勝流です。中には???なものもありますが、下北沢ならこれが不思議と許せちゃうんですよね。
ここは若い女性の店員さんが選曲しているのですが、私が思うには、マスターや常連さんや長くやっている店員さんやらから入ってくるジャズの情報を駆使して、自分が気に入ったカッコイイと思うものを選曲してかけているのだろうということです。そこで見えてくるものは、先入観などはあまりなく柔軟にジャズを捉えている姿です。
「ジャスとはこれこれだ」なんて囲いこんで聴いている人は、一度「マサコ」に行って頭をリフレッシュしてみることをオススメします。ここの選曲を許せるか許せないかで自分の思考の硬さを試せると思いますよ(笑)。
前回はアルバート・アイラーの『スピリチュアル・ユニティ』がかかって驚いたのですが、今回はオーネット・コールマン&プライム・タイムの『トーン・ダイアリング』(1995年、Harmolodic/Verve)がかかりました。こんなのかけるのは私の知る範囲では「マサコ」と「いーぐる」くらいです。
メンバーは、オーネット・コールマン(sax,vln,tp)、パダル・ロイ(tabla,per)、アル・マクダウェル(el-b)、ケン・ウェッセル(g)、デイヴ・ブライアン(kb)、クリス・ローゼンバーグ(g)、ブラッドリー・ジョーンズ(ac-b)、デナード・コールマン(ds)です。
1曲目、オーネットのアルト・サックスが鳴った瞬間から、もうオーネット・ワールドが広がります。緩い8ビートにのって、なんか落着かない浮遊感のあるいつものメロディーがアルトで奏でられていきます。前にブログで紹介したように、私は『オブ・ヒューマン・フィーリングス』を聴いてから、この心地良さに目覚めちゃったのです。なんも考えずにこのメロディーに身を任せましょう。
2曲目はラッパーとの共演です。マイルスが『ドゥー・バップ』でラッパーと共演した時と同じで、バッグがどんなサウンドだろうが、オーネットが一音出せばこれはもうオーネット・ミュージックなのでした。カッコイイ!3曲目はオーネット作の曲なんですが、メキシコ民謡のような曲で多彩なパーカッションの上でオーネットが気持ち良く吹いています。
4曲目はなんと《バッハ・プレリュード》です。出だしは打ち込みドラムの上でギターが例のメロディーを淡々と弾きつつオーネットの登場を今か今かと待ちます。一度休止したあとリズム・マシーン他のバッキングにのってオーネットが颯爽と登場してきます。ここが気持ちいイイんですよ。
これらのアレンジは全てオーネットがやっているんだから、サウンド・クリエーターとしての才能も一流なのでした。出だしの4曲を紹介しましたが前半はポップなものが続きます。後半はちょっとフリー度が増しますがそれはそれでまた面白いと思います。
さて、オーネットのどこが好きかと言うと、開放感のあるサウンドですね。この人がやるとどうしてこれほど開放的なんだろう。
最近「いーぐるnote」 http://8241.teacup.com/unamas/bbs でオーネットにまつわる論議があったり、音楽ジャーナリスト横井一江さんがブログ http://8241.teacup.com/unamas/bbs でオーネットについてコメントしていたりして、ちょっとしたブーム?です。面白いですね。
| 固定リンク
「ジャズ喫茶訪問」カテゴリの記事
- 久しぶりのジャズ喫茶「いーぐる」連続講演(2016.11.20)
- ジャズ喫茶「グラウアーズ」閉店・・・。(2014.07.07)
- 「益子博之=多田雅範 四谷音盤茶会」後編(2013.02.01)
- 「益子博之=多田雅範 四谷音盤茶会」前編(2013.01.30)
- 明日はジャズ喫茶「いーぐる」へ(2012.08.10)
コメント
このアルバムは、フワフワ、フラフラしていて、ほんと気持ちいいですよね。『ヴァージン・ビューティ』も好きですが、ホイップクリームのようなオケにのって、クラゲのようにユラユラと漂いまくるオーネットもすごくいいです。
投稿: 雲 | 2008年9月10日 (水) 05時11分
こんばんは。
う~ん。さすがは雲さん。
>ホイップクリームのようなオケにのって、クラゲのようにユラユラと漂いまくるオーネット
って上手いですね~。この気持ち良さを体感してほしいですね。
ついでに『ヴァージン・ビューティ』も「プーヒャラ、プーヒャラ、プッヒャ、プッヒャ、プーヒャラ、プーヒャララ、ピーー」みたいな出だしから最高ですよね(笑)。
投稿: いっき | 2008年9月10日 (水) 20時57分
いっきさん、こんばんは。
本日「リターン/クリスチャン・エスクーデ」のLPがフランスから届きました。ついに残り1枚、リーチであります(笑)。「ra/live@blaa」どこかで見かけたら、よろしくお願いします。
投稿: tommy | 2008年9月10日 (水) 22時40分
tommyさん。こんばんは。
無事届いて良かったですね。リーチおめでとうございます。最後の1枚は私もなんとか見つけたいと思っています。もし見つけたらプレゼント致します。
投稿: いっき | 2008年9月10日 (水) 23時56分