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マイルス・クインテット

今日はお彼岸の中日ということで、家と親類のお墓参りに行ってきました。天気もまあまあだったので、気持ちよくお参りすることができました。菩提寺の住職夫婦とお茶を飲みながらのんびり四方山話をして柿をたくさん食べてきました(笑)。それにしても久しぶりに柿を食べました。

P163 今日は久々にマイルス・デイビスのアルバムを紹介します。『ソーサラー』(1967年rec. COLUMBIA)です。メンバーは、マイルス・デイビス(tp)、ウェイン・ショター(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)です。俗に言う第二期黄金クインテットですね。

ジャズを聴き始めて間もない頃に、廉価盤(¥1,800)シリーズのものを買いまいした。今持っているのは2eyeステレオ・オリジナル盤です。第二期黄金クインテットは4枚のスタジオ録音アルバム『E.S.P.』、『マイルス・スマイルズ』、『ソーサラー』、『ネフェルティティ』を残していますが、レコードのたすきに書かれた文句を読んで『ソーサラー』を最初に買いました。

最初聴いた時は低音が少なくて、トニーのシンバル・レガートばかり目立つなあと思いました。当時はオーディオ少年一直線だったので古い録音の音質に抵抗がありました。でも、1曲目の《プリンス・オブ・ダークネス》に妙に惹かれました。日本語訳すると《闇の王子》ですよ。「ハンカチ王子」じゃありません。カッコイイじゃありませんか(笑)。

いかにもダークネスでモノトーンなメロディー、こんなメロディーはそれまでに聴いたことがありませんでした。漂うクールネスと怪しげな妖気、これぞショーターの曲っていう感じです。ちなみにこのアルバムにはマイルス作の曲は入っていません。

マイルスのトランペットは、クールなフレーズなんですけど秘める音のパワーはヒシヒシと伝わり、ハイ・ノートも芯があって胸にズシリときます。こんな音聴かされると参っちゃいますよね。ショーターはもうショーター節の一言、落としどころがわからずフラフラうねうね。高音ビーッ、ビーッのあと下がっていって低音ブオッ!なんて聴くとタマランです。ショーター好きには至福の演奏。でも最初に別のアルバムでショーターを聴いた時はヘタクソだと思いましたよ(笑)。

続くハンコックのピアノが妙に美しい入り方をします。前の2人がとんでもないだけに、普通に聴こえるのですが、これがクールでカッコイイ。甘さを抑えてきれいな音をちりばめた感じはハイセンス。やっぱり只者じゃありません。バックのトニーが更に凄い、シンバルをチンチキやりながら、リム・ショットも交えつつ、発作的にバスドラ・ドスンやタム・ロールやオープン・ハイハットのシャリシャリが入って、ソリストを煽っていく様は快感です。ロンもウォーキング・ベースとは全く異なるベース・ラインで空間を埋めていく感じです。

当時はこれほど細かくは聴いていませんが、何かとにかくカッコ良かったのです。サックス奏者の菊地成好さんがこの時代のマイルスに憧れて、今ダブ・エンジニアを加えたダブ・セクステットを率いているのは、マイルス・オタクの菊地さんらしいと思います。

続く《ピー・ウィー》はマイルス抜きで、ショーター・カルテットのバラード演奏です。マイルスがいなくてもマイルス・サウンドなんですよこれが。もうバンド自体がマイルスの血肉と化しているので、マイルスが演奏していなくたってマイルス・サウンドになっちゃうのです。ショーターのサックスが美しい。でもそれよりもっと美しいのがハンコック、湖面の細波の光の反射のようです。呼応するロンのベースもまた美しい。ビューティフル!トニー作曲だっていうんだから恐れ入ります。

3曲目《マスクァレロ》もショーター作の変な曲なのですが、マイルスが吹き出すとなんかスペイン調になり、マイルスは水を得た魚の如く、胸にグサグサくるフレーズの連発です。ショーターだって負けていませんよ。ショーター流うねうね哀愁表現。こういう胸にくるフレーズを甘さ抜きでクールにやるんだから凄いんですよ。

4曲目《ザ・シークレット》はアップ・テンポの曲です。ショターとマイルスの掛け合いで進行します。相手のフレーズに呼応しているんでしょうけど、2人の発想が違うからスリリングに展開していきます。さりげなくやっているように聴こえるんですけど、簡単にこうはいかないんでしょうね。

ここまでレコードA面。とにかくこの流れが大好きです。

B面は、マイルスとショーターの初顔合わせセッションのボブ・ドローの歌がラストに入っているからというものあるんですが、実は私あんまり聴きません(笑)。そういえば、雲さんはB面に入っている《リンボ》がショーターの曲としてイイ曲だっていってました。私はB面が悪いとか言うんじゃなくて、あまりにもA面が好きなのです。

「ジャス選曲指南」の中で後藤さんがこのアルバムを紹介していて、次のように書いています。

仕事中選曲に行き詰ると「プリンス・オブ・ダークネス」のメロディ・ラインが勝手にアタマのなかで鳴り出してしまうアルバム。人によってはこのショーター・オリジナルは「かなり変」というのだけれど、ワタシにはジャスト・フィット。
しかしこの流れるようなライン、いいと思いませんか。

これを読んで私は後藤さんに凄く親近感を持ちました。だって、ワタシもこのメロディがアタマのなかで鳴ることがあるんですもん。さらに私なんか口ずさんじゃったりします(笑)。というくらい思い入れのあるアルバムが『ソーサラー』です。

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コメント

日差しもすっかり秋めいてきましたが、このアルバム、この季節にピッタリになってきましたね。
夏よりも秋、それも深くなってきた秋に今年1年の自分を振り返り、ちょっと後悔したりしながらも、しんみりと聴きたいアルバムです。

投稿: | 2008年9月24日 (水) 07時59分

雲さん。こんばんは。

今までこのアルバムに季節感はあまり感じなかったのですが、そう言われてみればこれからの季節にピッタリな感じです。でもすでに昨夜ブログを書くために、何度も聴いちゃいました(笑)。もう少し秋が深まったら、またひっぱり出してきてウィスキーでも飲みながら聴くことにします。

投稿: いっき | 2008年9月24日 (水) 20時20分

オイラ、きょうはエレベばかり聴いていた。
ん〜、エレベって管球式アンプじゃダメみたいだよ(笑)。エッジ丸過ぎ。
エレベ好きな人が聴いている音と、オイラが聴いている音が違う(笑)。
バランスを崩せばいいのかもしれないけど・・・それも大変だ。
トランジスタ・アンプじゃないとダメかもね?
エレクトリック楽器って音がないから、基準がないんだよね。これ難しいです。

投稿: tommy | 2008年9月24日 (水) 22時01分

tommyさん。こんばんは。

危険な状態に近づいている予感がしますよ(笑)。
今のセッティングでエレベが上手く鳴らないとなると、もう1組トランジスタ・アンプを使ったエレベ用システムを作りたくなっていませんか?
エレクトリック楽器は自分にとって気持ちよく鳴るようにすれば良いんじゃないかと思います。
私は締まった低音が好きなので、スピーカーの上に重しを載せています。「ボ~ン」より「ブルン」が好きなんです。

またまた「いーぐる」noteにグッドな書き込みをしていますね(笑)。

投稿: いっき | 2008年9月24日 (水) 23時50分

トランジスタ・アンプねー、志し半ばで止めていたこと復活ですかね?(笑)
でも、オイラはエレベの需要は多くないんですけど・・・。

いーぐるの掲示板をもっとイメージよくするって約束したからな〜(笑)。
最近、書き込みが止まっていたので、このタイミングかなって思って。

投稿: tommy | 2008年9月25日 (木) 00時19分

tommyさん。こんばんは。

せっかくエレベに興味が湧いたんですから、あんまりあせらずにトランジスタ・アンプに取り組んでみるのも良いんじゃないでしょうか?ダメならいつでも真空管に戻れるわけですし。

いーぐる掲示板に関して、後藤さんとそんな約束が取り交わされたんですか(笑)。冷静な判断ができるtommyさんが場の雰囲気をリードしていけば、イメージは良くなると思います。期待しちゃいます。

投稿: いっき | 2008年9月25日 (木) 20時04分

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