これまで記事の「カテゴリー」があまりにも大雑把だったので、もう少し細かく付け直しています。ブログは過去の記事がどんどん流れてしまうので、「カテゴリー」で記事を検索しやすくしておくことも重要ですよね。前からやろうやろうと思っていてやっと今日着手しました。まだ半分程度しかできていませんが、近いうちに全て見直すことができると思います。
さて、今日は先週のCD・レコード・ハントの後に寄った中野新橋のジャズ喫茶「ジニアス」の訪問記を書きます。久々に行きました。
午後7時過ぎにお店に入るとお客さんが誰もいませんでした。連休中日のこの時間じゃ無理もないかもね。まあ、しばらくすると常連さん達が何人かやってきました。いつものごとく緩めの内容のCDがかかっていました。誰がかかっていたか忘れちゃいました(笑)。
夕食もここで食べることにしていたので、いつものエビピラフセットを注文することにしました。マスター自身が作ってくれるところがなんかうれしいんですよね。ここのピラフは添えてあるレタスサラダの量が多目で、ピラフの味も美味しいので、私のお気に入りです。一緒に付いてくるセロリ&ゴマ風味のコンソメスープと糠漬けもおいしいのです。マスターがピラフを作り終え私のところへ配膳してくれた後、いよいよレコードをかけてくれました。
1枚目は、マッコイ・タイナーの『ダブル・トリオズ』。日本(DENON)制作です。こんなレコード見たことがありません。タイトルどおり2組のベース&ドラムと演奏しています。どちらのトリオにもパーカッション奏者のスティーヴ・ソーントンが入っていて、上手い味付けをしています。重厚でしつこいマッコイ節がいつになく爽やか目に聴こえたのは、パーカッションによる効果かもしれません。なかなか良いアルバムでしたよ。Amazonで中古品がとんでもない価格で売られています。
2枚目は、ロバート(ボビー)・ワトソンと名前を忘れてしまったベーシストとの双頭バンド。ピアノはマルグリュー・ミラーでドラムがケニー・ワシントンです。ロバート・ワトソンのアルト・サックスは上手いんだけど、深みが足りないんですよね。このレコードは録音がルディ・ヴァンゲルダーなんですが、どうも音にキレがないんですよ。80年代のヴァンゲルダーは模索中だったのか、結構ひどいものがありますよね。内容もイマイチでした。
3枚目は、ジョニー・グリフィン・カルテットの84年ベルギーライヴ盤です。ピアニストは誰か忘れましたがベーシストとドラマーは上記アルバムと同じです。さすがにグリフィンはいいですね。音も元気があって聴き応えのあるライヴ演奏でした。これはCD化されているか不明です。見つけたらほしいです。
そうそうマスターが「今日は80年代のやつをかけるからね。普段はなかなかかけられないんでね。」と言ってました。いつものことながら私が行くとマスターの日頃の欲求不満を満たしてあげられるようです。そこにはかけているアルバムを客がちゃんと聴ていない普段の実態があるようです。
80年代はアルバム紹介本が少なくて、ユーロ・ジャズがめちゃくちゃたくさん入ってきていたようなので、私なんかはほとんど知らないレコードばかりです。「ジニアス」の何千枚にも及ぶレコード・ライブラリーの中から、マスターが厳選して聴かせてくれるっていうんですからありがたいじゃありませんか。
4枚目は、全く知らないユーゴのヴァイヴ奏者の『ティファニー・ガール』。ジャケットは黒人女性でソウル・ファンク・アルバムな感じなんですが、ゲイリー・バートン系のヴァイブによるさわやかアルバムなんですからビックリ。アルバム・タイトルともミス・マッチなんですよね(笑)。ピアノはケニー・ドリューで内容は如何にもユーロ・ジャズです。なかなか良いアルバムでしたが、ほしいかどうかは微妙です。
5枚目は、フレディー・レッドがリーダーのビッグ・コンボ。サックスにクリフォード・ジョーダンが入っていました。こんなアルバムがあるんですね~。フレディー・レッドっていうと私は60年代のイメージしか浮かばないんですよね。ホーン・アンサンブルはなかなか気持ち良く鳴っていました。各人のソロも悪くはないのですが、なんか印象が薄いアルバムでした。
途中から来た常連さんは、ジャケットを手に取りしげしげとながめたうえで、お店にあるジャズ批評のバック・ナンバーを引っ張り出して調べたり、マスターに質問したりしていました。調べるほうに夢中でかかっている音は聴いていなさそう。う~ん、見た目と行動でだいたい察しがつくのだが、この人はジャズがわかってませんね(笑)。
6枚目は、ダスコ・ゴイコビッチの『ア・デイ・インオランダ』。このアルバムはブログで前に紹介しています。http://ikki-ikki.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_b4b1.html を参照願います。このレコードは高いでしょうね。私は80年代のヨーロッパ盤はわざわざオリジナル盤を買おうとは思いません。音質的にはCDで十分だと思っています。私はAmazonで中古CDを入手したのですが、今Amazonのリストにはありませんね。入手困難盤なのかもしれません。
7枚目は、名前もしらないテナー奏者のワンホーン・カルテットで、ピアノがギルド・マホネス、ベースがハービー・ルイス、ドラムがビリー・ヒギンズです。テナー以外は知っている名前です。パブロ・レーベルでした。これまた全く聞いたこともなく、なんと発音して良いのかわからないテナー奏者なのです(笑)。演奏は良かったです。パブロ・レーベルは乱造気味なので、意外とまだ未知なる掘り出し物があるのではないかと思います。
私が「全然知らない人ですけどイイですね。」と言ったら、マスターは「イイでしょ。メンバーもイイしね。」といつものようにニコニコします。こういう知られざるアルバムをかけて悦に入っているマスターがかわいく見えます(笑)。
8枚目は、ジョージ・アダムス、ドン・ピューレン・カルテットの見たこともないイタリア盤。やっぱりジャズ喫茶たるもの、同じメンバーでも普通のジャズ・ファンが知らないこういう盤をかけるところに意味があるのです。
普段はこういう選曲ができないのが今の「ジニアス」の営業形態なのです。だからと言って私がしょっちゅう行っていたら、多分マスターもこれほど真剣に選曲していられないと思います。たまに行くから良いのだと思いますよ。
帰りの電車の時間が迫ってきたので、8枚目がかかり始めたところでお店を出ました。2時間半弱、80年代の知られざるジャズ・アルバムを堪能できました。
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