ジョニー・グリフィンの1枚
ジョニー・グリフィンが亡くなったので追悼記事を書こうと思いつつなかなか書けませんでした。というのも意外とグリフィンに対しては思い入れがなかったことと、レコード購入時の思い出がないからです。要は面白いネタがないのです。
そうは言ってもグリフィンのリーダー・アルバムはレコード11枚とCD1枚を持っています。そんな中から1枚紹介します。『ザ・マン・アイ・ラヴ』(1967年rec. BLACK LION)です。私が持っているレコードは1988年の再発盤です。
メンバーは、ジョニー・グリフィン(ts)、ケニー・ドリュー(p)、ニールス・ペデルセン(b)、アルバート・ヒース(ds)です。皆さん大好きなワン・ホーン・カルテットです。
グリフィンの魅力は何と言っても淀みなくブリブリ吹く力強いアドリブだと思います。このアルバムはライヴ・レコーディングなのですが、そんなグリフィンのアドリブの魅力満載です。
A面1曲目の「ザ・マン・アイ・ラヴ」はヒースの豪快なドラムに煽られて、グリフィンが気持ち良くブリブリ・アドリブをしているのが伝わってきます。続くドリューのピアノ・ソロがまた絶好調。この人はメロディアスでスインギーな良いピアノを弾きますよね。あんまりハズレがないところが凄いと思います。ペデルセンのベース・ソロも快調です。
A面2曲目は「ハッシャバイ」です。ミディアム・テンポでドリューのピアノ・ソロが先発します。ここでも鍵盤の上を指がコロコロ転がる気持ち良いアドリブをしています。その後グリフィンが出てくるのですがバックがベースだけになります。ドラム、ピアノの不在が全然気にならないスインギーなソロが素晴しく、ペデルセンの堅実なリズム・サポートも光ます。途中からはドラムも入りサックス・トリオになります。
A面の2曲は文句なくイイ演奏だと思います。
B面は「ブルース・フォー・ハービー」の豪快な演奏で始まり、「ソフィストケイテット・レディー」では貫禄のバラードを聴かせ、「ウィー」は短い演奏でエンディング・テーマと言った感じです。リズム陣のサポートはこちらも好調ですね。
最初はあまり興味がわかなかったグリフィンですが、今はロリンズ、コルトレーンと並んで良いテナー奏者だと思っていますし、前記2人より聴く機会も多いです。80歳で亡くなったということですがジャズメンとしては長寿のほうですよね。安らかにお眠り下さい。
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コメント
渋谷のJAZZ喫茶を検索していたら、JBSからいっきさんのブログにたどりつきました。面白くて一気に拝見させていただきました。
ジョニーグリフィンいいですよね!私も最初は、グリフィンあまり興味がわかなかったのですが、ウエスモンゴメリーのパリでのライブ盤「Solitude(かな?会社でさぼって書き込んでるのでうろ覚えですが・・)」を聞いて一気に好きになりました。特にラウンドミッドナイトでのグリフィンは凄いです。マイルス版を超えた黒いかっこよさです。これからグリフィン聴こう!と思ってましたので参考になりました。これからもブログ見に来ますね。楽しみにしてます。
投稿: にっく | 2008年8月15日 (金) 18時37分
にっくさん。はじめして。
渋谷のJBSはお気に入りの喫茶店なんですよ。お店とマスターの雰囲気がイイんです。
ウェス・モンゴメリーの『SOLITUDE』の最後の1曲「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」にグリフィンが入っていたんですね。全く忘れていました。今ひっぱり出して聴いてみたら、グリフィンがイイ演奏していますね。
グリフィンはモンクとやった「セロニアス・イン・アクション」「ミステリオーソ」での演奏も素敵ですよね。
またコメント入れてやってくださいね。
投稿: いっき | 2008年8月15日 (金) 20時52分