モルトウィスキー
今まで飲んでいたシングル・モルトウィスキー「オーヘントッシャン」を飲み終えたので、新しいモルトウィスキーを買いました。前回モルトウィスキーのことを書いたら、私と同じくモルトウィスキーを愛飲する雲さんから、好きだというものを紹介してもらったので、今回はそれを買うことにしました。
それはかなりクセがあることで有名な「ラフロイグ」です。量販酒屋へ行って探したら、いつも買うヤツよりちょっと高めだったのですが、一度は体験しておこう思っていたので迷わず買いました。家に帰ってからネットでしらべたら、「ラフロイグ10年」の「カスク・ストレングス」という、樽から出したままのアルコール度数が高い(55.7%)やつでした。だから値段が高めだったんですね。深いグリーンのボトルにシンプルな白ラベルがオシャレ!
ネットで調べたら、薬品臭いとか書いてあったのでちょっと不安だったのですが、それほどでもありませんでした。私の臭いの記憶では水生絵の具の臭いを強くした感じなんですが・・・?いつもながら変な喩えでスイマセン(笑)。かなりスモーキーで木の香がしてそれにアルコール臭が混じっています。確かにクセが強く個性的な臭いです。
味はドッシリとした濃厚なものです。フランスの高級ブランデーとは対極にあるような素朴なイギリス農家の風味?これが好きになると他のものが軽く感じられるちゃうでしょうから、他のものにはかえられなくなるというのは分かる気がします。味わい深いな~、これは美味しいと思います。でもウィスキー初心者には薦めません。なんかデューク・エリントンが似合いそうなお酒ですね。
今「ひかりTV」でチック・コリア&ゲイリー・バートンの1997年モントルー・ライヴを見ていたのですが、デューク・エリントンが聴きたくなってきました。ということで1枚紹介しましょう。
『公爵演奏会』(1957年rec. DOCTOR JAZZ/キング)。油井正一さんの「ベスト・コレクション ジャス」でチェックして買った1枚。1984年発売の日本盤でジャケットが汚れているからなのでしょうが、2枚組みで1,000円くらいだったと思います。まあ売れ筋ではないのでしょうね。
A面1曲目、レイナンスがコルネットでソロをとる《A列車で行こう》のあと、エリントンの紹介でレイナンスがもう一度出てきて、今度はヴォーカルをとる《A列車で行こう》が再度演奏されます。このくだりからしてもう楽しさ溢れるステージが展開されているのでした。
エリントンの名司会者ぶりも楽しめるライヴ・アルバムなんですよ。それに1957年録音とは思えない音の良さです。ライヴの臨場感に溢れています。さすがは油井さん推薦のことはありますね。これを聴いていると気分が良くなってきます。お酒もどんどん進んじゃう(笑)。
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コメント
いっきさん
お、ラフロイグ飲み始めましたか!
先日、ヨルダン帰りのカメラマンにも、無理やり飲ませたんですが(笑)、「クセはあるけど、長い時間かけて仲良くなれば、無二の親友になれそうなお酒」と評していました。
たしかに、エリントンが似合いそう(笑)。
このヨードチンキというか海草くささは、ピートの質の問題なんですよね。
ウイスキーの個性を発揮させるのに重要なピートって、土地によって質がまったく違うから、それがそのままウイスキーの個性につながるんですよ。
海の成分の多い土地だったら、当然、海くさくなるわけで。
だから、スコッチは酒によって個性が全然ちがって面白いですね。
しかも、この個性が生まれた背景は、18世紀末のイングランド政府によるスコッチに対する重税があります。
これにより密造酒が増え、モルトを乾燥させる燃料も野山にある泥炭(ピート)になって、樽につめて、隠して飲んでいたから、今のようなウイスキーになったとか。
カクテルが大量に生まれたのも、アメリカの禁酒法時代に「これってジュースですよー」という言い訳のためだったし、
なんか、社会と酒は密接に結びついてますね(笑)。
音楽もそうですね。
シングル→LP→CD→携帯オーディオ(ダウンロード)
と、ハード、インフラかわれば、音楽の作り方、流通も変わってくる。
ブラックナショナリズム台頭の時期のフリージャズとかもそうだし、戦争反対フォークソングとかね(笑)。
ピートかわれば味や香りが変わるように、
エンジニアやレーベル変われば、同じミュージシャンでも音の肌ざわりはまったく変わる。
だから面白いです。
投稿: 雲 | 2008年8月31日 (日) 16時37分
雲さん。こんばんは。
ラフロイグはなかなか美味しいと思いますよ。でもそう思えるのはそれなりにシングル・モルトウィスキーを飲んできたからで、普通のブレンドウィスキーを飲んでいる人には、くせが強すぎて受け入れられにくと思います。
ウィスキーにまつわる面白いお話どうもありがとうございます。
何事も個性を味わえるようにならないと面白くないと思うのですが、こればっかりは一朝一夕にはいかないところが難しいですよね。
それから最初はとっつきやすいところから入るわけですが、そこから一歩踏み込んで個性を味わうようになるには、好奇心が必要だと思います。けれど最近は皆さんどうもそれが足りないような気がします。
そこで、好奇心を如何にくすぐって引き込むかが課題になりますね。
投稿: いっき | 2008年8月31日 (日) 21時51分