今日も日本人ジャズ
昨日私が「日本人ジャズを聴こう」というテーマでブログを書いていたら、ジャズ友tommyさん http://ameblo.jp/tommy-tdo/ も「日本のジャズを聴こう!」というテーマでブログを書いていました。紹介しているアルバムは別ですが趣旨はだいたい同じです。別に2人で示し合わせたわけでもないんですよ。でもシンクロしちゃった(笑)。
と言うことで、tommyさんのブログで激プッシュの『ヴィンテージ/秋吉敏子&ルー・タバキン』">を新星堂へ買いに行きました。甲府駅ビル「エクラン」の中にある新星堂です。ジャズの棚はたった2つしかありません。クラシックの棚の半分以下の面積の売り場ですよ。あ~あ、最近ジャズは肩身が狭いのです。
探したのですが、『ヴィンテージ』はありませんでした。やっぱ甲府の新星堂にはないのか・・・。ここで買わずに帰ると駐車場代が無料になりません。そこでひと通り棚に目をっとすことに。林栄一の『マズル』が目に入りました。私は林栄一さんを「桜座」で2度見て気に入っていたのです。CDも2枚持っています。
私は結構勘違いが多いのですが、『マズル』は新作だと思い込んでいました。レジに持っていって、レジのスキャナで読み取るとCD表示価格より高いのです。すかさず店員さんが「CD表示は消費税が3%の時のです。」と、私一瞬何を言っているのかわかりませんでした。新作という思い込みがありましたからね。その場はまあいいやっ、と・・・。
もうひとつ、私は気付かなかったのですがケースにヒビが入っていたのです。店員さんがそれを見つけて「ケースにヒビが入っているので交換しましょうか?」とたずねてきました。「へえ、そんなことまでしてくれるんだ」と思いながら、交換してもらうことにしました。なかなか気の利いたサービスですよね。とっても気分が良いのです!
さて家に帰ってみたら『マズル』は1990年発売のアルバムでした。なるほどそういうことか、当時は消費税が3%だったんですよね!そんな過去はとっくに忘れていました。そんなに古いやつが売れ残っていたんだ!だからケースにヒビがあったのかと納得しました。
でもそんなに古いならAmazonで安く売っているかも?と思って早速Amazonを検索すると、このアルバムは既に廃盤のようです。中古で¥4,500からでした。私はどうやら貴重な新品を手に入れてしまったようです(笑)。さすがは甲府の新星堂・・・。
んで、やっとアルバムの内容について、メンバーは、林栄一(as)、石渡明広(g)、川端民生(el-b,per)、是安則克(b)、藤井信雄(ds)、楠本卓司(ds)です。ツイン・ベース、ツイン・ドラムで、「マズル」という6人のグループです。アルバムには4人での演奏と3人での演奏も1曲づつ入っています。
林さんは「桜座」で、板橋文夫(p)さんとのデュオ(私の桜座デビュー)と渋谷毅オーケストラのメンバーとして来た時に見ています。フリーキーなフレーズを交えた溌剌としたプレイとそのクリアで大きな音に惹かれました。渋谷毅オーケストラにはギターの石渡さんもいて、いろいろなスタイルを吸収していて場面にあった表現ができる柔軟なギタリストとして好印象を持ちました。
CDをセットして1曲目を聴いてビックリ!こりゃ、オーネット・コールマンの「プライム・タイム・バンド」のコピーじゃないですか?(笑) 林さんこんなこともやっていたんですね。でもやっぱり元祖のオーネットのほうがパワーがありますね。とはいえ、林流も楽しいですよ。オーネットよりスマートになっていて聴き易いかも?5曲目のタイトル曲「マズル」も林流プライム・タイム・バンドです。
2曲目のバラードは林のキレの良い澄んだアルトの音とすがすがしく広がりのあるフレーズが楽しめる曲です。3曲目はフリーで始まって、途中からファンクリズムにのって林がブリブリ吹きまくるカッコイイ曲です。ブリブリ吹くのですがクールさが漂うところがにくいと思います。この曲はギターとエレベとドラムとのカルテットで演奏しています。どちらの曲も石渡のギターが抜群のセンスでバックやソロを弾いていますね。
4曲目のレゲー調、6曲目のフリー、7曲目のアフリカン・リズムのちょっぴり混沌感(マイルスのオン・ザ・コーナーを洗練させた感じ)、8曲目のバリバリ・アコースティック・サックス・トリオ(う~ん、カッコイイ)とどの曲も聴き応えがあります。
そしてラストの曲「ナーダム」。この曲「渋さ知らズ オーケストラ」の最後に皆で歌って盛り上がる曲じゃ~ありませんか!「オーオーオーオー、オオオーオーオーオー、オオオーオーオーオー、オオオオオオオオオー」ってやつです(笑)。この曲は林さんの曲だったのですね。アー、ビックリ! 「渋さ」はライブを見るだけでCDを持っていないのでやっている曲名は全く知りません(笑)。
聴いてほしい。でも廃盤!
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コメント
いっきさん、こんばんは。
'70年代の日本のジャズレーベルありがとうございました。多いね(笑)。オイラの感じからすると、フリーなアプローチがメインの蒐集になるのでは?という予感がするんですよ。池ちゃん先生も云っていたのですが、向こうの名盤と同じことをやっていたのでは、「真似てる」とミュージシャン仲間に言われる時代だったので、できるだけ「壊す」は意識していたようです・・・それがジャズだと勘違いしていた時代でもあります。じゃあ、フリージャズまで行っているかというとそうでもない(笑)。中途半端な破壊を楽しむことに発見があると考えています。あと、その人のコダワリかな(笑)。んで、今でもそうかを繋げれば、大筋は見えてくる。とりあえずは「池田芳夫周辺研究」じゃないかな?(笑)。目的はそこにある。
投稿: tommy | 2008年7月22日 (火) 00時40分
『ヴィンテージ/秋吉敏子&ルー・タバキン』はタワー・レコード、HMV、新星堂の限られた店舗でしか扱っていないようです。やはり、マイナー・レーベルつーよりも、ほとんど自主製作盤に近いですね。録音データもライナーに書いてないくらい、おとぼけレーベルなんですよ。
投稿: tommy | 2008年7月22日 (火) 08時58分
こんばんは。
やっぱりtommyさんは硬派ですね~。私は日本人のフリー系はあまり持っていないんですよ。フリー系となると富樫雅彦、山下洋輔、森山威男、高瀬アキ、佐藤允彦あたりのアルバムでしょうかね?でも池田芳夫さん周辺から攻めるほうがイイかもしれません。
昔は大手レコード会社もジャズにも力をいれていたのに、今はほとんどジャズから撤退してしまいましたね。利益優先だからしょうがないんですけど。一方でCDになって制作費が安くなったせいでマイナー・レーベルや自主制作でCDを出すミュージシャンが増えましたね。弊害としてクオリティーが甘くなった部分もありますよね。もちろんクオリティーが高いものはあります。
『ヴィンテージ』はAmazonで買うことにします。
投稿: いっき | 2008年7月22日 (火) 20時36分
いっきさん、こんばんわ。
「フリーのためのフリー」ではなく、「かっこいいフリー」がいいのですね。富樫さんは現代音楽的な要素も強いので後回しですね。山下さんは個性が強過ぎて後回しです(笑)。世界の山下ですから、無理に理解しようという作用が働く気がします(笑)。高瀬アキ、佐藤允彦、加古 隆、沖 至、、あたりから始めるといいのかも?中には、フリーごっこの方もいますからね(笑)。
投稿: tommy | 2008年7月23日 (水) 01時38分
tommyさん。こんばんは。
「かっこいいフリー」ですか?かなり絞込まれてきますね。加古隆、沖至とか結構渋いですよね。
ちょっと新しいですが、藤井郷子、田村夏樹もいいかもしれません。二人はオーケストラとかいろいろなフォーマットでやっていますが、私はカルテットもの『アンゲローナ』(ロック調)と『ホエン・ウィー・ワー・ゼア』(ポストモダン)を持っています。
投稿: いっき | 2008年7月23日 (水) 20時39分